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106. アリスとブランク②
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アリスの微笑みに一瞬見惚れたが、すぐに正気に戻ったブランク。
「いや、いかに君がすごいかというのは理解している「それでは参ります!」」
「…………………………」
参ります!って何をする気だ。
「まずブランク様。今回の件、貴方様が人の命を奪おうとしていたらあなたがやらかす前に私があなたの命を奪っておりました。人を傷付ける気はなかったからこそ助けたのです。それをこれからも忘れてはいけませんよ。
それにこれが本物の魔導書で魔物が召喚できるものでありましたら、私即座に貴方様の首を斬り落としておりました。
それだけ魔物は危険なものなのです。大人の男性であれば対処できるであろう弱き魔物であっても、老人は?子供は?赤子は?一方的にやられてしまいます。
そもそも何かを利用する場合は自分が制御できるものにせねばなりません。命が危ないとかどうしても誰かを救いたいと思うときに火事場の馬鹿力がうまく作用するときもあります。奇跡的にうまくいくときもあります。が、基本的に制御できないものに手を出すのは危険です。無理なものは無理です。
ああ、ルビー嬢を修道院から救い出して彼女のヒーローになりたかったとか思ってたなら痛い!痛いですわ!そもそも乙女を悪の巣窟から救い出すとかじゃないんですからね。ルビー嬢は自分のやったことの責任を取っているに過ぎません。
ルビー嬢といえば、最近いい感じの仲の殿方がいるらしいですよ。なぜ男性はあのブリブリ大根芝居に騙されるんですかね?お相手は診療所付近に縄張りを持つボスらしいですよ。義理人情に厚い方で怪我人を放っておけないタイプらしくルビー嬢の仕事に関してはあまり甘やかさないようです。しかしアクセサリーやおいしい食事などを貢がれているようですよ。いや~、ルビー嬢の不屈の精神おみそれ致しますわ。天晴としか言えませんよね」
「あっ……ああ…………」
どれだけ喋るんだ?
「ちゃんと聞いてますか?別にね、色々と責任を取ったり上手く事を収められるのであれば多少のやんちゃは許されるのですよ?あなたは王子なのですから。多少の我儘は許されます。
ああ、勿論国に害を与えるようなものはいけませんよ?でも王個人に息子が父親に多少我儘を言うくらいは宜しいのではないでしょうか?
庶出とはいえ、王子です。あなたは王の子なのですから。そりゃあ兄上たちに比べれば比重は軽いかもしれませんが、私から見れば王はそれなりにあなたのことも気にかけているように見えましたよ。
それに王なんて優しいではないですか!うちの母なんて子供を魔物の前に放り出すのですよ!10歳の時に一人でドラゴン倒してこいと言われたときは正気かババアと思いましたよ。まあポロッと言葉にしたら殴られましたが……。
王妃様が怖いから、兄上方のほうが優秀だからと縮こまる必要はないのですよ。そりゃあ態度はでかいといけませんが、あなたが普通に話し掛ければ彼らは普通に返事しますよ。あなたに対し興味はないかもしれませんが、今までの言動がいけないのだから致し方ありません」
「そうだろうか。もし彼らと良い付き合いができるようになったら使用人とも良い関係が築けるだろうか?」
「さあ」
「さあ!?」
「所詮正妃腹と側妃腹ですからね。わかりあえないこともあるでしょう。使用人だってそりゃあ権力持った人の方に良い顔するでしょうし。貴方様が変わったとしても何も変わらない人もいるでしょう。でもこれだけたくさんの使用人がいますからね。何人かはあなたの味方になる者も出てくるのでは?まあそれが多いか少ないかは運じゃないですか?」
「運!?」
「まあ、そんなのは横においておきましょう。ここからが大事なのですから」
いや、結構自分にとっては大事なのだが。それにまだ続くのか………………。
「そもそも今回私がしたこととブランク様がしたことは大して違いがありません。力を以てして人に言うことを聞かせる……同じですよね?さてではなぜあなたは失敗し、私は成功したのでしょうか?」
「そもそも力を得ていなかったから」
小さい声でボソボソと言われる言葉。
「まあそれもそうなのですが、でもうまくいっていた可能性もありますよね?」
「?」
「だってあのときイリス、フランク、そして私がいなければもしかしたらうまく交渉できてたかもしれませんよ」
「確かに……」
あの混乱の最中、あれが偽物だと気づいた者はいなかった。本人もだが。
「私があなたの企みを阻止したのです。ではなぜ阻止できたのでしょうか?それは私にそれだけの力があったからです。
先程の会議で両陛下にさえ生意気な態度を取る大臣共がなぜ私の言うことをきいたと思います?それは私に力があったからです。
彼らは私の力に!常識やルールなど通用しない狂気に!怖気づいたのです!自分の命惜しさ……家族にまで手を出されるのではないかという恐怖!彼らは私の力に屈したのです!!!」
ブランクは身体が震えてくる。なんだこいつは……目茶苦茶しゃべるな。なんか言うこともヤバいし……得体のしれない者に見えてきた。
「あなたはご家族や大臣にとてつもない恐怖を感じております。自分の話しなど聞いてもらえない、自分など彼らにとってどうでも良い存在……そのように思っておられるはず。
それはなぜ?自分より地位が高いから?人気があるから?強いから?徒党を組んで数の利に物言わせあなたを取るに足りない、いない者のように扱ってくるから?」
「…………わからない。わからないが怖いんだ」
「怖いとお認めになるのですね……。ですが貴方がそのように怖いと思う存在が畏怖する存在………それは私です!!!」
ビシッと胸を張り右手を自らの胸に当てるアリス。
「だって彼らは私の言うことを聞いたでしょう?そしてあなたは今私に対しても何か漠然と怖いと思っていらっしゃる。誰よりも……」
ニンマリと笑うアリスの顔の悪いこと悪いこと。どこの悪党だ。
「あなたと私の大きな違いは力です。あなたには力がなく、私には力がある。………………ねえ、ブランク様私の庇護下に入ればあなたに手を出す者はいないと思いませんか?」
「確かに」
「ではどうしたら私の庇護下に入れるでしょうか?」
「それは……あなたの言うことに従う、とか?」
「そうですね。でもただ従うだけではなりません。虎の威を借る狐になってはなりませぬ。謙虚に、そして虎にとって有益なものにならなければなりません。周りから虎の背後にいるのが当然と思われるようにならねば……。何よりも私は自分の力を他人が誇示するのは嫌いなので、そんなことしたら張っ倒しますからね」
「なれるだろうか?」
「なれます。私達は夫婦ではありませんか。せっかくの御縁大切に致しましょう」
アリスの言葉はどこまでも頼もしく、優しく心に染み渡る。
「ブランク様、あなたはもともと賢く、気が弱く、優しい性格です。傲慢さがそれを覆い隠してしまっただけ。もう少し気の弱さが前面に出れば人によく思われたいという思考が頭を駆け巡るでしょう。人目を気にするように頭も回転するでしょう」
アリスは穏やかな女神のような笑みのまま言葉を紡ぎ続ける。
「ブランク様、一緒に変わっていきましょう?」
スッと夫の頬に手を当てるアリス。
「優しく、謙虚に……。
その為に私の言うことをよく聞くのですよ。私の庇護下に入ればあなたは安泰なのですから」
「はい、アリス様」
ブランクは虚ろな目でアリスを見つめる。
ヒッ!
様!?
ビシッと脳天にチョップを食らわす。
「失礼しました。これからよろしくお願いします。アリス」
「ええ、よろしく愛しの旦那様」
~~~~~
「えっ!?」
扉の前で本を手に持ちザラは一人驚いていた。彼女は王宮にいた父親を捕まえると本を強奪した。父が自分で読む用に予約した物が今日届くと前に言っていたのを思い出したのだ。無事本を手に入れアリスとブランクがいる部屋の前まで戻って来たのだが……。彼女が雑に扉を開けた為、扉が少し開いていた。中の話し声が聞こえて思わずその内容に聞き入ってしまった。
なんだ今のは?なぜ今の話しで息子は納得したのか、改心しようと思ったのか?
いや、全然理解できない。
そもそもアリスが言っていたのは私の方が強いんだから言うこと聞け。聞いたら守ってやるということだった気がする。
嫁の傲慢さ。
息子の阿呆さ……いや、騙されやすいというのか、洗脳されやすいというのか。なんか結局残念で愚かなままの息子に驚きを隠せない。
まあ、でも
とりあえず
息子の命も助かったし
隷属関係っぽそうだが、
夫婦仲も良くなりそうだし
なんだか明るい未来がまっているように感じる。
ポジティブに考えようと努めるザラだった。
「いや、いかに君がすごいかというのは理解している「それでは参ります!」」
「…………………………」
参ります!って何をする気だ。
「まずブランク様。今回の件、貴方様が人の命を奪おうとしていたらあなたがやらかす前に私があなたの命を奪っておりました。人を傷付ける気はなかったからこそ助けたのです。それをこれからも忘れてはいけませんよ。
それにこれが本物の魔導書で魔物が召喚できるものでありましたら、私即座に貴方様の首を斬り落としておりました。
それだけ魔物は危険なものなのです。大人の男性であれば対処できるであろう弱き魔物であっても、老人は?子供は?赤子は?一方的にやられてしまいます。
そもそも何かを利用する場合は自分が制御できるものにせねばなりません。命が危ないとかどうしても誰かを救いたいと思うときに火事場の馬鹿力がうまく作用するときもあります。奇跡的にうまくいくときもあります。が、基本的に制御できないものに手を出すのは危険です。無理なものは無理です。
ああ、ルビー嬢を修道院から救い出して彼女のヒーローになりたかったとか思ってたなら痛い!痛いですわ!そもそも乙女を悪の巣窟から救い出すとかじゃないんですからね。ルビー嬢は自分のやったことの責任を取っているに過ぎません。
ルビー嬢といえば、最近いい感じの仲の殿方がいるらしいですよ。なぜ男性はあのブリブリ大根芝居に騙されるんですかね?お相手は診療所付近に縄張りを持つボスらしいですよ。義理人情に厚い方で怪我人を放っておけないタイプらしくルビー嬢の仕事に関してはあまり甘やかさないようです。しかしアクセサリーやおいしい食事などを貢がれているようですよ。いや~、ルビー嬢の不屈の精神おみそれ致しますわ。天晴としか言えませんよね」
「あっ……ああ…………」
どれだけ喋るんだ?
「ちゃんと聞いてますか?別にね、色々と責任を取ったり上手く事を収められるのであれば多少のやんちゃは許されるのですよ?あなたは王子なのですから。多少の我儘は許されます。
ああ、勿論国に害を与えるようなものはいけませんよ?でも王個人に息子が父親に多少我儘を言うくらいは宜しいのではないでしょうか?
庶出とはいえ、王子です。あなたは王の子なのですから。そりゃあ兄上たちに比べれば比重は軽いかもしれませんが、私から見れば王はそれなりにあなたのことも気にかけているように見えましたよ。
それに王なんて優しいではないですか!うちの母なんて子供を魔物の前に放り出すのですよ!10歳の時に一人でドラゴン倒してこいと言われたときは正気かババアと思いましたよ。まあポロッと言葉にしたら殴られましたが……。
王妃様が怖いから、兄上方のほうが優秀だからと縮こまる必要はないのですよ。そりゃあ態度はでかいといけませんが、あなたが普通に話し掛ければ彼らは普通に返事しますよ。あなたに対し興味はないかもしれませんが、今までの言動がいけないのだから致し方ありません」
「そうだろうか。もし彼らと良い付き合いができるようになったら使用人とも良い関係が築けるだろうか?」
「さあ」
「さあ!?」
「所詮正妃腹と側妃腹ですからね。わかりあえないこともあるでしょう。使用人だってそりゃあ権力持った人の方に良い顔するでしょうし。貴方様が変わったとしても何も変わらない人もいるでしょう。でもこれだけたくさんの使用人がいますからね。何人かはあなたの味方になる者も出てくるのでは?まあそれが多いか少ないかは運じゃないですか?」
「運!?」
「まあ、そんなのは横においておきましょう。ここからが大事なのですから」
いや、結構自分にとっては大事なのだが。それにまだ続くのか………………。
「そもそも今回私がしたこととブランク様がしたことは大して違いがありません。力を以てして人に言うことを聞かせる……同じですよね?さてではなぜあなたは失敗し、私は成功したのでしょうか?」
「そもそも力を得ていなかったから」
小さい声でボソボソと言われる言葉。
「まあそれもそうなのですが、でもうまくいっていた可能性もありますよね?」
「?」
「だってあのときイリス、フランク、そして私がいなければもしかしたらうまく交渉できてたかもしれませんよ」
「確かに……」
あの混乱の最中、あれが偽物だと気づいた者はいなかった。本人もだが。
「私があなたの企みを阻止したのです。ではなぜ阻止できたのでしょうか?それは私にそれだけの力があったからです。
先程の会議で両陛下にさえ生意気な態度を取る大臣共がなぜ私の言うことをきいたと思います?それは私に力があったからです。
彼らは私の力に!常識やルールなど通用しない狂気に!怖気づいたのです!自分の命惜しさ……家族にまで手を出されるのではないかという恐怖!彼らは私の力に屈したのです!!!」
ブランクは身体が震えてくる。なんだこいつは……目茶苦茶しゃべるな。なんか言うこともヤバいし……得体のしれない者に見えてきた。
「あなたはご家族や大臣にとてつもない恐怖を感じております。自分の話しなど聞いてもらえない、自分など彼らにとってどうでも良い存在……そのように思っておられるはず。
それはなぜ?自分より地位が高いから?人気があるから?強いから?徒党を組んで数の利に物言わせあなたを取るに足りない、いない者のように扱ってくるから?」
「…………わからない。わからないが怖いんだ」
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ビシッと胸を張り右手を自らの胸に当てるアリス。
「だって彼らは私の言うことを聞いたでしょう?そしてあなたは今私に対しても何か漠然と怖いと思っていらっしゃる。誰よりも……」
ニンマリと笑うアリスの顔の悪いこと悪いこと。どこの悪党だ。
「あなたと私の大きな違いは力です。あなたには力がなく、私には力がある。………………ねえ、ブランク様私の庇護下に入ればあなたに手を出す者はいないと思いませんか?」
「確かに」
「ではどうしたら私の庇護下に入れるでしょうか?」
「それは……あなたの言うことに従う、とか?」
「そうですね。でもただ従うだけではなりません。虎の威を借る狐になってはなりませぬ。謙虚に、そして虎にとって有益なものにならなければなりません。周りから虎の背後にいるのが当然と思われるようにならねば……。何よりも私は自分の力を他人が誇示するのは嫌いなので、そんなことしたら張っ倒しますからね」
「なれるだろうか?」
「なれます。私達は夫婦ではありませんか。せっかくの御縁大切に致しましょう」
アリスの言葉はどこまでも頼もしく、優しく心に染み渡る。
「ブランク様、あなたはもともと賢く、気が弱く、優しい性格です。傲慢さがそれを覆い隠してしまっただけ。もう少し気の弱さが前面に出れば人によく思われたいという思考が頭を駆け巡るでしょう。人目を気にするように頭も回転するでしょう」
アリスは穏やかな女神のような笑みのまま言葉を紡ぎ続ける。
「ブランク様、一緒に変わっていきましょう?」
スッと夫の頬に手を当てるアリス。
「優しく、謙虚に……。
その為に私の言うことをよく聞くのですよ。私の庇護下に入ればあなたは安泰なのですから」
「はい、アリス様」
ブランクは虚ろな目でアリスを見つめる。
ヒッ!
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ビシッと脳天にチョップを食らわす。
「失礼しました。これからよろしくお願いします。アリス」
「ええ、よろしく愛しの旦那様」
~~~~~
「えっ!?」
扉の前で本を手に持ちザラは一人驚いていた。彼女は王宮にいた父親を捕まえると本を強奪した。父が自分で読む用に予約した物が今日届くと前に言っていたのを思い出したのだ。無事本を手に入れアリスとブランクがいる部屋の前まで戻って来たのだが……。彼女が雑に扉を開けた為、扉が少し開いていた。中の話し声が聞こえて思わずその内容に聞き入ってしまった。
なんだ今のは?なぜ今の話しで息子は納得したのか、改心しようと思ったのか?
いや、全然理解できない。
そもそもアリスが言っていたのは私の方が強いんだから言うこと聞け。聞いたら守ってやるということだった気がする。
嫁の傲慢さ。
息子の阿呆さ……いや、騙されやすいというのか、洗脳されやすいというのか。なんか結局残念で愚かなままの息子に驚きを隠せない。
まあ、でも
とりあえず
息子の命も助かったし
隷属関係っぽそうだが、
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