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聖女暗殺編

第65話 魔王軍の侵攻、再び(2)

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 王都郊外で魔獣の群れと戦う人々がいる中、
 戦士長、魔術師ギルドマスター、冒険者ギルドマスター、そしてアギトの4人は、1匹の幼女と対面していた。

 紫髪で、金眼。
 小さいながらも強烈な存在感を放つ彼女こそ、始まりの獣ラストビーストである。

 周囲には他の魔獣も居なければ、人も居ない。
 これから起こる戦いに巻き込まれて死ぬだけだろうと、そういう考えだ。
 これに関して、両者考えは同じであり、魔王側も魔獣を逃し、女神側も人々を逃している。
 偶然にも利害が一致したのだ。

 そんな両者の間には緊迫した雰囲気が張り詰めている。

 先頭は戦士長とアギト。
 中央に冒険者ギルドマスターことギール。
 後ろにはガーベラという配陣だ。
 4人のバランスもよく、個人の戦闘能力も高い。

 対する始まりの獣ラストビーストは1匹。
 周囲に味方の影もなく、平野で佇んでいた。

「アギト殿、行くぞ」
「ああ!」

 先手を切ったのは戦士長だった。
 剣を構え、始まりの獣ラストビーストに突撃していく。
 そして、その後ろを追いかけるようにアギトが続いた。

「<亜空斬>ッ!!!」

 目にも止まらぬ速さで振りかざされる、戦士長の刃。
 結界さえも貫通するその刃が始まりの獣ラストビーストに迫るが、彼女はそれを少し横にズレることで回避した。

 最低限の動きで回避したのには理由がある。
 回避した先、アギトが剣を持って肉薄していた。

「はぁッ!!!」

 剣聖より放たれる、高速の一撃。
 戦士長の刃を避けるために姿勢を崩した始まりの獣ラストビーストはそれを避けることが出来ない。

 と思われたが、始まりの獣ラストビーストは、とても人とは思えない動きでそれを躱した。
 スキルか、魔獣としての性質がある故の芸当だろう。

「<蒼氷塊グラスーア>」

 始まりの獣ラストビーストも負けじと反撃をする。

 前に向けた彼女の手に魔法陣が描かれ、翡翠の氷が放たれる。

 それはアギトに向かって放たれたが──

「<炎闘牛鬼イグニ>!」

 ガーベラの魔法によって相殺された。

 ガーベラが完全に守備に回っていることで、このパーティーの維持能力を高めている。
 ガーベラが守りに入れば、遠距離の攻撃手段で倒すのは難しいのだ。

 それをすぐに悟った始まりの獣ラストビーストは、地面を蹴ってアギトに迫った。

 その速度は、異常。
 常人では捉えることも出来ないが──アギトは何とか追いつくことができた。

 とはいえ、目で追えることと体が追いつくことは別問題だ。

「くっ!」

 ギリギリのところで振るわれる拳を剣で受け止めるが、完全には受け止めきれず、大きく吹き飛ばされる。

「<落下軽減プロテクト・フォール>」

 勢いよく吹き飛んでいくアギトだが、ガーベラが魔法でサポートをすることでそのダメージを軽減した。
 大したダメージにはなっていないが、前衛が一人になってしまった。

 ただ、そんな隙を与える戦士長ではない。
 右手でアギトを殴り飛ばした始まりの獣ラストビーストの左から、近付き、剣を振るわんとした。

「<神速斬>ッッ!!!」
「<真護トゥルー────ッッ!?」

 始まりの獣ラストビーストも直ぐに対応し、結界魔法を使用した。
 いや、使用を試みたが、戦士長の剣の方が速かった。

 戦士長により振るわれた神速の太刀は、始まりの獣ラストビーストの腕に到達する。

 だが──

 ガキンッ

 そんな音を立て、既のところで弾かれた。

「結界の類……種族による特性か、魔道具か?」

 そんな独り言を発する戦士長だが、生憎姿勢を崩している。
 殴ってくださいと言わんばかりの横腹に、始まりの獣ラストビーストは拳を構えた。

 始まりの獣ラストビーストの視界には、魔術師ガーベラの後ろから迫る剣士アギトを捉えている。
 ついでに、弓を番える男ギールの姿も映っていた。

 ゆえに、戦士長への追撃はやめ、ギールを狙うこととした。
 体勢を崩す戦士長など無視だ。
 後衛をやるならば今しかない。

 始まりの獣ラストビーストは、戦士長に向かって構えるのをやめ、右手をギールに向けた。
 そして、魔力を右手に集中させる。

「<炎闘牛鬼イグニ>」

 紅の魔法陣が描かれた。
 それは光を発し、炎の牛頭が現れる。

 ギールは合わせて弓を放つ。
 魔道具なのだろう。
 凄まじい勢いで飛ぶ矢と牛頭がぶつかり──矢は燃え尽きた。

 だが、炎は弱まった程度で健在だ。
 そのままギール目掛けて牛頭は突撃していく。
 避けようとするギールよりも早く、それはギールの身を炎に包んだ。

 だが、さすがは冒険者ギルドマスターだ。
 バックから小瓶のようなものを取り出し、炎がついた自分の体にかけた。
 液体が体中の火を消し去っていくが、ダメージが無になるわけではない。

「<回復ヒール>」

 ただ、大したダメージでは無かったのだろう。
 第2階級の治癒魔法をガーベラはギールに使った。

 彼女にとって、殺せないのは厄介だ。
 場合によっては殺していいとかなんだとか言われていたが、よく理解していないので殺せない。
 そして、殺せないと魔術師ガーベラが回復をしてくる。

 ギールに致命傷を負わせられなかった以上、戦士長の追撃が怖い。アギトも居るのだ。
 彼女は一度後ろへと下がり──ちらと背後を確認した。

───問題は…ない。でも……むぅ……厄介……!

 軽く右腕を上げ、そのまま手を前に突き出す。
 狙いは戦士長だ。

「<蒼氷塊グラスーア>」
「<魔術拒否ルフュー>」

 ここで戦士長を崩せれば。そうでなくとも、ガーベラに魔力を消費させれば。
 そう思ったが、戦士長の固有スキルでキャンセルされてしまった。
 しかも、<魔術拒否ルフュー>は魔法陣の構成をかき乱すものだ。余計な魔力消費までさせられてしまう。

「はぁっ!」

 そんなやり取りの間に、アギトは接近して来ていた。

「<四連一閃しれんいっせん>ッ!!」

 魔法発動直後の硬直を狙い、高速で剣が振るわれる。
 だが、それを考慮していない始まりの獣ラストビーストではない。それを見据え、事前にスキルを用意していた。

 <嫌厭>

 スキル名を唱えることこそ無いが、それは確かに発動された。
 罠系統に属するスキルだ。

 範囲が非常に狭く、相手を上手く誘導してそこにおびき寄せる必要があるが、上手くいったときの効果は絶大だ。

 アギトが踏んだ地面から黒い手のようなものが複数出てきて、彼の足に絡みついた。

「なっ!?」
「アギト殿!」

 それに気付き、戦士長が距離を取る。流石としか言えない。
 助けに行くために近づこうとせず、離れるあたり。
 警戒というものをよく分かっている。

 こういった罠にハマった時は、本人が転移の魔法を使うか、罠の効果終了時に回復魔法を使うか。
 ただ、このスキルに置いてはどちらも意味を為さない。

 アギトも必死に抵抗するが、意味はない。
 影で出来た手には、剣も魔法も通らない。

「……<起動>」

 容赦はない。

 罠を、起動した。
 影の手がアギトの全身を包むように、伸び、その本数も増えていく。

「なんだっ! ギール、分かるか!?」
「い、いや! 分からん!! 注意しろ!」

 口々に罠への警戒を発するが、そこまで注意して貰うものでもない。
 全身を包んだ影の手がアギトを覆い、既にアギトの姿は見えない。

 そのまま、手は地面へと帰っていく。
 アギトを包んだまま、その姿が徐々に地面へと沈んでいった。

「アギトっ!!」

 面食らったような反応を見せる各々に、しかし、始まりの獣ラストビーストは攻撃の手を緩めることはない。

「<蒼氷塊グラスーア>!」
「<炎闘牛鬼イグニ>!!」

 咄嗟にガーベラも反応し、魔法こそ打ち消されてしまったものの、アギトを包んでいた影の手は全て、地面へと消え去っていった。

「何をした…?」
「安心して、殺してはいないから」

 短いやり取りだが、始まりの獣ラストビーストは決して嘘をついていない。
 実際、あのスキルは遠方に転移させる罠だ。
 アギトは自力で戻ってくるだろう。

 ただ、これで3対1。
 戦況は大きく傾いた。

「次はあなた」

 金眼を向ける先は、ガーベラ。
 それだけで、ガーベラは身震いするような恐怖に襲われた。

「戦士長! ギール! ゆくぞ!」

 奮い立たせるように声を上げ、アギトが抜けた穴を埋めるように戦陣を組む。
 前衛は戦士長一人。彼の存在が命となる。

 だが、彼女の狙いはガーベラだ。

 タッと、爽快な音を上げ、目にも止まらぬ速度で彼女は移動した。
 向かう先はガーベラ。拳を握り、彼女を殴り飛ばす気に満ちている。

 しかし、それを許す戦士長ではない。
 始まりの獣ラストビーストとガーベラの中間地点に入り、剣を構えている。
 直線に走った始まりの獣ラストビーストは、ガーベラの元へは決して辿り着けない。

 剣を構え、勢いよく走り過ぎる始まりの獣ラストビーストを受け止めようとした戦士長だが、始まりの獣ラストビーストは彼の前でピタリと止まる。

「ちっ!!」

 一番最初にその狙いに気付いたのはギールだ。
 矢を番え、始まりの獣ラストビースト相手に放った。

 ガーベラもすかさずフォローに入ろうとするが、始まりの獣ラストビーストとの間には戦士長が居る。迂闊に魔法を撃てない状況だ。

 ギールから放たれた矢を、少し身をひねることで躱すと、彼女は狼狽する戦士長目掛けて拳を突き出した。

 <発勁>

 戦士長の腹に手を当て、スキルを発動する。
 威力こそ低いが、全身に伝わる衝撃は大きく、戦士長は後方へ大きく吹き飛ばされる。

 さすがにそれは想定していなかったのか、戦士長の後ろにいたガーベラも巻き込まれて飛んで行く。
 とはいえ、飛ばされる距離は50メートルほどだ。

 ダメージを与えることを目的としていたわけではない。
 始まりの獣ラストビーストの狙いは、初めからギールだ。

 そのままギールに向き直り、地面を蹴った。

 そこでギールも気付いたのか、腰から短剣を取り出そうとする。

 が、間に合わない。

 高速で肉薄する始まりの獣ラストビーストに思い切り腹を殴られる。

「ぐふっ!」

 瞬間、衝撃が走る。

「ギール殿!!」

 遠くから、戦士長が自分を呼ぶ声が聞こえる。
 きっと、すぐ助けに入ってくるだろう。
 今は短剣で応戦しようと、そう思い再度腰に手を回す。

 尤も、それを許す始まりの獣ラストビーストではない。
 勢いをつけ、次はギールの顔面を殴る。

 グキッと、何かが折れるような音と共に、ギールの意識は闇へと落ちていった。
 冒険者ギルドマスターは、対応力こそあれど、個人としての戦闘能力は高くない。それを見抜いた上での行動だ。

───あと2人。

 ギールも離脱すれば、残るはあと2人。
 戦士長と魔術師ギルドマスターガーベラだけだ。

 こちらに向かってくる戦士長に対して構える。
 だが、戦士長は始まりの獣ラストビーストに近づくことはなく、離れた場所で止まってしまった。

 そして、口を開いた。

始まりの獣ラストビースト、俺たちの負けだ。投降しよう」

 放たれた言葉は、敗北を認めるもの。

「何を言っている、戦士長! 相手は魔獣だぞ!!」
「ガーベラ殿! 彼のものは俺たちを殺す気はない。であれば、素直に負けを認めた方が良いではないか」

 アギトやギールを見ての対応だろう。
 アギトは兎も角、ギールは殺されてはいない。気絶させられているだけだ。
 始まりの獣ラストビーストの話したことでは、アギトもどこかへ飛ばされただけだと言う。

 目的はおそらく時間稼ぎだ。
 それならば、戦士長やガーベラはここに残っていても良い。
 ただ、無駄に死のリスクを負う必要はないと考えた。

「私は別に良いけど……」

 始まりの獣ラストビーストとしては、構わない。
 元々予定していたのは時間稼ぎというよりは足止めだし、時間もかなり稼げた。

「申し訳ない、ガーベラ殿。2人では勝てない。無駄に体力を消耗するのは避けたいのだ」

 真摯に頼み込む戦士長に、ガーベラも折れたようで、
「仕方ない」
 と、不承不承杖を収めた。

「でも…あなた方に加勢に行かれるのは困るから……しばらくはここに居て」
「それは畏まった。感謝しよう」

 戦士長は軽く頭を下げると、倒れているギールの元へと近づき、その体を背負った。
 そのままガーベラまで向かい、回復魔法を施して貰っている。

───手加減とか疲れるし……これで良いかな…。

 そんな戦士長たちを視界の端に捉えつつ、後ろを振り返るも、特に変わったことはない。
 なら何も問題は無かったのだろう、と。
 彼女はそう判断し、戦いを終えた。
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