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異世界転生編
第38話 勇者の冒険
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厳しい修行の日々が終わりを告げ、久しぶりの休息かと思われた日のこと。
光輝は今、冒険者ギルドなるところに居た。
一部の勇者を除き、ほとんどの勇者は冒険者ギルドに立ち入ったことはない。それぞれの訓練場で訓練をしていたのだから当たり前だ。
本来ならば行く必要のない場所だが、何故光輝が居るのか。
それはベールたっての願いだったからだ。
光輝の仲間となる者たちはどうやら冒険者らしく、光輝に出向いて彼らと出会って欲しいそうだ。正直、あちらから来て欲しい気持ちはあったが、女神直々の願いとあれば仕方あるまい。
冒険者ギルドの場所と仲間の名前は覚えてきている。それは最低限するべきだと判断したからだ。
尤も、転移鏡は誰しもが使えるものではないはず。仲間たちが光輝に会いに来るには長い道のりを歩いてくるしかないのだろう。
それならば光輝が会いに行くことも仕方がないことだと割り切っている。実際、会いに行くことに不満はない。
冒険者ギルドでの待遇は良いものだった。
ギルドマスターの部屋に転移したのだが、そのすぐ近くではギルドマスターが控えていた。
ギルドマスターに案内されソファのようなところに座ると──驚くほど心地の良い座り心地であったのだ。
それだけでなく、ギルドの職員と思われる女性が運んで来た飲み物。オレンジジュースのような味だったが、あれは美味しかった。既に満足していると言っても過言ではない。
「光輝様、お仲間がお見えになられました」
「はい、通していただけますか?」
「かしこまりました」
ギルドマスターは仕事があるのだと言ってすぐに部屋を出た。光輝もくだらない話をするつもりは無かったし、それで良かった。
ただ、部屋には1人、職員だろう女性──飲み物を運んできた女性が居た。世話係のようなものだと思い放置していたが、もちろん口を開くことは無かった。
沈黙の時間は3分ほどだ。仲間たちは控えていたと見て良い。
───少し待たせたのはこちらだろうな。申し訳ない。
内心、仲間を待たせてしまったことには罪悪感はある。
言い訳をするならば、転移鏡の使用に女神の許可が必要で、ベールの仕事が中々区切りがつかなかった、ということがある。
そんな言い訳に意味はないので、すぐさま頭の中から振り払うのだが。
部屋に唯一居た職員が部屋を出て数秒だろう。
複数人の足音が聞こえ、部屋に人──仲間が入ってきた。
合計4人だ。
入ってきた順に、神官、盾使い、魔法使い、盗賊。事前にある程度の情報は聞いていた為、持っている武器から連想できた。
そして最後は職員だ。
なぜ職員が最後?と思ったが、彼女が飲み物を持っていることを確認し、納得した。単純に飲み物を用意していたのだろう。
ぞろぞろと入ってきて、横一列に並ぶ。
そしてそれぞれ、自己紹介を始めた。
「はじめまして、駿河屋光輝様。神官のルーナと申します」
初めに話したのは金髪のエルフ。
武器は棍棒で、大きさは小さめだ。
一流の冒険者なだけあって装備は豪華だ。ネックレスや指輪等のアクセサリーも充実していた。
「盾使いのカイルです。勇者様、よろしくお願いします」
次に話したのは妙にガタイの良い男だ。
優しそうな顔で、話し方も声も穏やかなもの。
背中に背負った巨大な盾は盾使いたる所以だろう。
武器のようなものは持っていないので、完全に守備役に回ると考えられる。
「私はアーニャ。魔法使いよ。よろしく、光輝様」
やけに砕けた話し方をしたのは赤髪で杖を背負った女。
身長は160後半くらいだろう。割と高い印象を受ける。
身に纏っているローブもオシャレなもので、ルーナ同様一流の冒険者なだけあるのだろう。
「アビー。盗賊。よろしく」
最後、無口な銀髪の少女はアビーだ。
「よろしくお願いします。詳しいことはベール様から聞いていると思います。勇者パーティーの一員として、魔王討伐の旅、頑張りましょう」
「はい。光輝様と共に戦えること、光栄に思います」
勇者は崇拝されるものだ。
彼女らの態度は光輝にとって非常に気分の良いものだった。
異世界に来てからというもの、勇者の待遇は良い。
「ところで皆さんはどういった関係なのですか?」
「私たちは元々5人でパーティーを組んでいたのですが…前衛の方が戦死してしまい、それ以降は控えめな依頼しかしていません」
冒険者ギルドにはランクと呼ばれる制度がある。
ステータスと同じく、S、A、B、C、D、E。ランクが高ければ高いほど受けられる依頼の幅も増え、報酬も弾む。
彼女たちは元々Bランクのパーティーだったようで、全冒険者の中の上位5%に入る実力らしい。
故あって本格的な依頼を辞め簡単な依頼をこなす日々を送っていたらしいが、そんなところで勇者パーティーの募集を見かけたとのこと。
タイミングが良かったと思うべきだろう。
「そういうことだったんですね。聞いてしまって申し訳ないです」
「いえいえ!頭を上げてください!光輝様!」
焦ったような態度を見せる一行。
特にルーナは先程から丁寧な対応を見せてくれていて、光輝にには良い印象を与えていた。
「それで、皆さんの役割を教えていただけますか?」
「はい。今までは私が支援を、カイルさんが前衛で攻撃を受け止める役割を、アーニャさんは後方から魔法を、アビーさんは索敵やダンジョン内での案内を行ってくれています」
「うん、その通り」
「基本的な陣形は──カイルさんが先頭に、剣士さんを中央、私とアーニャが後ろに展開して、アビーさんは剣士さんの隣あたりです。アビーさんの位置は場合によってかなり変わるので何ともですが…」
想像していた通りの形だったことに光輝は安堵する。
「なるほど、ありがとうございます」
「ところで光輝様。冒険者ギルドマスターからお話は聞いていますか?」
「話?ですか?聞いてないです」
何の話だろうか。
冒険者ギルドマスターには会ってないし、ベールからも何も聞いていない。
伝達ミスか、それとも彼女らを通した伝言なのか。
───どちらでもいいのだが…。
「どうやらこの街近辺に新たにダンジョンが出現したようで──それの攻略に向かって欲しいとのことです」
ダンジョンとは、魔素がある一定の濃度以上になった際、魔素に塊とムラができ、それが地形に影響を及ぼすことでできる迷宮のようなものだ。
当然、中には魔獣が多数存在していることが多い。
魔素はダンジョンの奥に行けば行くほど濃くなるため、登場する魔獣も奥に行くほど強くなる。
最奥部にはボスが居るらしく、所々に宝があるという話も有名だ。
ダンジョン攻略は難易度が高いが、ある程度優秀な冒険者であればし慣れていることが多い。
彼女らも上位の冒険者であり、ダンジョン攻略はお手の物だろう。
「なるほど。それは初耳ですが…ダンジョンの場所などは?」
「王都から歩いて40分ほど──王都近郊地下洞窟ダンジョンクレイスはそこにあります」
そういえば、と。
出発前、ベールにいくつか道具を貰ったことを思い出した。
あれはダンジョン攻略に向けたものだったのだろう。今更納得する。
であれば。
「道具の準備等は?」
「既に終わってるよ。光輝様が来る前にギルドマスターから受け取ってるの」
やはり、そうか。
今すぐにでも向かって欲しいのだろう。
魔王討伐の旅への第一歩のつもりだと思うが、やはり時間は急を要するのか。
「でしたら今すぐ向かっても良いでしょうか?」
「はい、もちろんです」
勇者パーティー一行は席を立ち、冒険者ギルドを後にする。
彼らが出て行った部屋には冒険者ギルドの職員だけが残り、飲み物の片付けを行っていた。
光輝は今、冒険者ギルドなるところに居た。
一部の勇者を除き、ほとんどの勇者は冒険者ギルドに立ち入ったことはない。それぞれの訓練場で訓練をしていたのだから当たり前だ。
本来ならば行く必要のない場所だが、何故光輝が居るのか。
それはベールたっての願いだったからだ。
光輝の仲間となる者たちはどうやら冒険者らしく、光輝に出向いて彼らと出会って欲しいそうだ。正直、あちらから来て欲しい気持ちはあったが、女神直々の願いとあれば仕方あるまい。
冒険者ギルドの場所と仲間の名前は覚えてきている。それは最低限するべきだと判断したからだ。
尤も、転移鏡は誰しもが使えるものではないはず。仲間たちが光輝に会いに来るには長い道のりを歩いてくるしかないのだろう。
それならば光輝が会いに行くことも仕方がないことだと割り切っている。実際、会いに行くことに不満はない。
冒険者ギルドでの待遇は良いものだった。
ギルドマスターの部屋に転移したのだが、そのすぐ近くではギルドマスターが控えていた。
ギルドマスターに案内されソファのようなところに座ると──驚くほど心地の良い座り心地であったのだ。
それだけでなく、ギルドの職員と思われる女性が運んで来た飲み物。オレンジジュースのような味だったが、あれは美味しかった。既に満足していると言っても過言ではない。
「光輝様、お仲間がお見えになられました」
「はい、通していただけますか?」
「かしこまりました」
ギルドマスターは仕事があるのだと言ってすぐに部屋を出た。光輝もくだらない話をするつもりは無かったし、それで良かった。
ただ、部屋には1人、職員だろう女性──飲み物を運んできた女性が居た。世話係のようなものだと思い放置していたが、もちろん口を開くことは無かった。
沈黙の時間は3分ほどだ。仲間たちは控えていたと見て良い。
───少し待たせたのはこちらだろうな。申し訳ない。
内心、仲間を待たせてしまったことには罪悪感はある。
言い訳をするならば、転移鏡の使用に女神の許可が必要で、ベールの仕事が中々区切りがつかなかった、ということがある。
そんな言い訳に意味はないので、すぐさま頭の中から振り払うのだが。
部屋に唯一居た職員が部屋を出て数秒だろう。
複数人の足音が聞こえ、部屋に人──仲間が入ってきた。
合計4人だ。
入ってきた順に、神官、盾使い、魔法使い、盗賊。事前にある程度の情報は聞いていた為、持っている武器から連想できた。
そして最後は職員だ。
なぜ職員が最後?と思ったが、彼女が飲み物を持っていることを確認し、納得した。単純に飲み物を用意していたのだろう。
ぞろぞろと入ってきて、横一列に並ぶ。
そしてそれぞれ、自己紹介を始めた。
「はじめまして、駿河屋光輝様。神官のルーナと申します」
初めに話したのは金髪のエルフ。
武器は棍棒で、大きさは小さめだ。
一流の冒険者なだけあって装備は豪華だ。ネックレスや指輪等のアクセサリーも充実していた。
「盾使いのカイルです。勇者様、よろしくお願いします」
次に話したのは妙にガタイの良い男だ。
優しそうな顔で、話し方も声も穏やかなもの。
背中に背負った巨大な盾は盾使いたる所以だろう。
武器のようなものは持っていないので、完全に守備役に回ると考えられる。
「私はアーニャ。魔法使いよ。よろしく、光輝様」
やけに砕けた話し方をしたのは赤髪で杖を背負った女。
身長は160後半くらいだろう。割と高い印象を受ける。
身に纏っているローブもオシャレなもので、ルーナ同様一流の冒険者なだけあるのだろう。
「アビー。盗賊。よろしく」
最後、無口な銀髪の少女はアビーだ。
「よろしくお願いします。詳しいことはベール様から聞いていると思います。勇者パーティーの一員として、魔王討伐の旅、頑張りましょう」
「はい。光輝様と共に戦えること、光栄に思います」
勇者は崇拝されるものだ。
彼女らの態度は光輝にとって非常に気分の良いものだった。
異世界に来てからというもの、勇者の待遇は良い。
「ところで皆さんはどういった関係なのですか?」
「私たちは元々5人でパーティーを組んでいたのですが…前衛の方が戦死してしまい、それ以降は控えめな依頼しかしていません」
冒険者ギルドにはランクと呼ばれる制度がある。
ステータスと同じく、S、A、B、C、D、E。ランクが高ければ高いほど受けられる依頼の幅も増え、報酬も弾む。
彼女たちは元々Bランクのパーティーだったようで、全冒険者の中の上位5%に入る実力らしい。
故あって本格的な依頼を辞め簡単な依頼をこなす日々を送っていたらしいが、そんなところで勇者パーティーの募集を見かけたとのこと。
タイミングが良かったと思うべきだろう。
「そういうことだったんですね。聞いてしまって申し訳ないです」
「いえいえ!頭を上げてください!光輝様!」
焦ったような態度を見せる一行。
特にルーナは先程から丁寧な対応を見せてくれていて、光輝にには良い印象を与えていた。
「それで、皆さんの役割を教えていただけますか?」
「はい。今までは私が支援を、カイルさんが前衛で攻撃を受け止める役割を、アーニャさんは後方から魔法を、アビーさんは索敵やダンジョン内での案内を行ってくれています」
「うん、その通り」
「基本的な陣形は──カイルさんが先頭に、剣士さんを中央、私とアーニャが後ろに展開して、アビーさんは剣士さんの隣あたりです。アビーさんの位置は場合によってかなり変わるので何ともですが…」
想像していた通りの形だったことに光輝は安堵する。
「なるほど、ありがとうございます」
「ところで光輝様。冒険者ギルドマスターからお話は聞いていますか?」
「話?ですか?聞いてないです」
何の話だろうか。
冒険者ギルドマスターには会ってないし、ベールからも何も聞いていない。
伝達ミスか、それとも彼女らを通した伝言なのか。
───どちらでもいいのだが…。
「どうやらこの街近辺に新たにダンジョンが出現したようで──それの攻略に向かって欲しいとのことです」
ダンジョンとは、魔素がある一定の濃度以上になった際、魔素に塊とムラができ、それが地形に影響を及ぼすことでできる迷宮のようなものだ。
当然、中には魔獣が多数存在していることが多い。
魔素はダンジョンの奥に行けば行くほど濃くなるため、登場する魔獣も奥に行くほど強くなる。
最奥部にはボスが居るらしく、所々に宝があるという話も有名だ。
ダンジョン攻略は難易度が高いが、ある程度優秀な冒険者であればし慣れていることが多い。
彼女らも上位の冒険者であり、ダンジョン攻略はお手の物だろう。
「なるほど。それは初耳ですが…ダンジョンの場所などは?」
「王都から歩いて40分ほど──王都近郊地下洞窟ダンジョンクレイスはそこにあります」
そういえば、と。
出発前、ベールにいくつか道具を貰ったことを思い出した。
あれはダンジョン攻略に向けたものだったのだろう。今更納得する。
であれば。
「道具の準備等は?」
「既に終わってるよ。光輝様が来る前にギルドマスターから受け取ってるの」
やはり、そうか。
今すぐにでも向かって欲しいのだろう。
魔王討伐の旅への第一歩のつもりだと思うが、やはり時間は急を要するのか。
「でしたら今すぐ向かっても良いでしょうか?」
「はい、もちろんです」
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