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異世界転生編
第33話 勇者たちの修行(3)
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「駿河屋様、失礼致します」
「ああ、入ってきてください」
朝の8時くらいだろうか。
部屋の扉をノックして入ってきたのは専属メイド──名前は分からないのだが。
「本日ですが、訓練の開始となります。ですので、他の勇者様がたと共に所定の場所へと赴いて頂くこととなります。支度は──出来ているようですし、もう向かってもよろしいですか?」
「えぇ、はい。お願いします」
俺はメイドについて部屋を出る。
もちろん、剣を持つことは忘れない。
使うか使わないかはともかく、一応肌身離さず持っておくつもりだ。
「駿河屋様、昨晩はよく眠れましたか?」
このメイドは何を考えているのかよく分からない。
表情が全く変わらないのだ。
黒髪のショートで、端麗な顔。相当な美人であることに変わりはないのだが、その表情の冷徹さは恐ろしいところがあった。
「心配ありがとうございます。ちゃんと寝れましたよ」
「それは良かったです。訓練に支障を来しては身も危ないですから」
駿河屋光輝《スルガヤコウキ》を心配しているのか、それとも一人の勇者を心配しているのか。
考えるまでもなく、当然後者だろう。
勇者でない駿河屋光輝《スルガヤコウキ》になど、なんの価値も見いだせない。
───だからこそ、俺は勇者であり続ける。
ぐっと拳を握り締め、光輝は心の中で宣言する。その様子をメイドはちらと一瞥するも、興味はなかったのかすぐさま視線を元に戻した。
「訓練の内容なのですが、戦士長に一存してありますので、ベール様も詳しくは知らないと仰られていました。他のお二人の勇者様方とも合同での訓練となります」
「分かりました」
専属メイドの言うことは、女神から聞いた話と大して違いは無かった。戦士長と呼ばれる人に指南を受けることも、魔夜中紫怨《マヨナカシオン》と空梅雨茜《カラツユアカネ》とは同じ時期になる事も既に得ていた情報だった。
もちろん彼女もそれは踏まえているだろう。
あくまで確認として言っているような声だった。
光輝は専属メイドの後ろを付いて歩く。
彼女が口を開いたのは確認が最後だった。それ以降、天気の話さえすることはなく、女神の部屋まで辿り着いていた。
印象は”感じの悪い奴”であるが、深く考えてみれば、朝早く起き、これから修行を行う勇者に対して喋り倒す、という行為を慎もうという彼女なりの優しさなのかもしれないと納得した。
コンコンッ
「ベール様。駿河屋様を連れて参りました」
「どうぞ、入ってください」
流れるような仕草で扉を開けるメイド。
扉を開けたまま静止するメイドを見て、光輝は追い越すように部屋へと入る。
「おはようございます、光輝様」
「おはようございます、女神様」
いつもの美しい笑顔で挨拶をする女神。
それに対し、少し頬が緩んでしまうのを感じた。
「女神様、関係ないのですが、ベール様、とお呼びしても?」
「ええ、もちろんです。構いませんよ、光輝様」
あっさりと承諾を貰えたことに面食らう。
───ベール様も意外と俺に気を許せてくれているのかな。
もしかしたら、という妄想を抱いてしまうものだ。
「今から訓練へと向かって頂くわけですが…こちらにあるものが転移鏡となっていますので、こちらに触れていただければと思います」
「触れるだけで良いのですか?潜るとかでは…?」
「潜る……?いえ、その必要はないですが……」
ベールが指差したところには、等身大の鏡が置かれていた。
枠は金で縁取られていて、装飾は質素ながらにも品を感じさせる代物だ。
2点感を行き来できる道具というからどこでも○アを想像していたのだが、そうではないのか。
触れるだけで転移できるとは考えてもみなかった。
「それでは参りましょうか」
これ以上説明することは無いのだろう。
むしろ急かすような口調で言うベールに、光輝は急ぎ足で鏡へと近付いた。
その動きで鏡へと触れる。
「頑張ってくださいね、光輝様」
「はい、ベール様」
そのまま鏡が光り出したかと思うと──一瞬にして光輝の体は部屋から消えていた。
・ ・ ・
「お待たせして申し訳ないです」
転移鏡の近くには騎士が一人待機していて、そのまま光輝は訓練場へと連れて行かれることになった。
他の2人──魔夜中紫怨と空梅雨茜──は既に着いていたようで、訓練場に行けば戦士長の前に並んでいた。
俺も一言だけ謝罪をした後、彼らに続くように並んだ。並ぶと言っても横並びなのだが。
「さて、全員揃ったようだ。それでは始めよう。俺はレイ=アデラール、戦士長と呼ばれることが多いのでそう呼んでくれれば問題ない」
「俺は駿河屋光輝です。よろしくお願いします」
「魔夜中紫怨だ。よろしく頼む」
「私は空梅雨茜。よろしくね~、戦士長さん!」
「君たちの天職については女神様から聞いている。故にこのまま訓練に入るつもりなのだが…他にしたいことがある者はいるか?」
もちろん、誰も言葉を発することはない。
戦士長もそれを分かった上で聞いているだろう。
「よし。まず、剣を持ってきてくれたところ申し訳ないが、使うのはあそこにある──」
戦士長が少し離れた場所に立て掛けてある木の剣を指刺す。
「──木刀になる。剣は立て掛けて置いてくれ。訓練の時間中は訓練場への立ち入りは如何なる者でも禁止だから安心して欲しい」
当たり前のことだが、女神から授かった剣を盗まれでもしたら大事だ。
「訓練はこれから2週間かけてみっちりと行う。それまでに戦えるよう、厳しい修行になるだろうが頑張って貰う。勇者様方の成長スピードは比較的早いゆえ、2週間もあれば十分だろう」
戦士長に促され、光輝たち3人は木刀を手に持っている。
光輝と魔夜中紫怨は愚直にも、真面目に剣を構えるが、空梅雨茜は別だ。
腕をぐでと垂らし、剣こそ握っているものの、剣先は地面に付いている。
「まずは実力試しといこう。──そこに人形が立っている。あれを剣で斬りつけてみてくれ」
人形はご丁寧に3つ用意されていた。
多分、数はもっと用意しているだろう。
まず初めに行くのは──何故か空梅雨茜がやる気に満ち溢れている。
「私からいかせてもらうけど…問題ないよね??」
「空梅雨殿からいくか。見届けさせて貰おう。では、好きに斬りつけてくれ」
空梅雨茜は引きずるようにして持っていた剣を上段に構え、人形の前に立った。
剣を持ったことなどないはずなのに──これが天職の恩恵なのか、はたまた勇者として召喚されたからなのか──様になっている。
一呼吸──
ゆっくりを息を吐き出した空梅雨茜は剣を振り下ろす。
ブンッ
鋭く宙を切る音と、少し遅れて人形の胴がズレていくのが見えた。
ドサッ
剣の軌道のまま、人形は胴を斜めに切られていた。それが地面へと落ち、鈍い落下音がする。
───木刀なのに斬れるのか…?
素朴な疑問だが、プロは道具を選ばないということなのだろうか。
流石は剣聖と言っておこう。
「流石だ、空梅雨殿」
「次は俺がいこう」
戦士長は端的に空梅雨茜を褒めるが、その声の中には感心のような感情が含まれている。
だが、そんなことを気にしない様子で魔夜中紫怨が次に構えを取った。
空梅雨茜と似たような構えだ。
日本人にとっての剣の構えとは大抵あのイメージだろうから、それは仕方ない。
魔夜中紫怨は空梅雨茜と比べ、比較的早く剣を振り下ろした。
精神集中のような動作は見られず、どこか適当な印象も受ける。
スッ
剣が風を切る音。
ダンッ
そして直後、剣が何かに当たった音がする。
魔夜中紫怨の剣は人形を切り裂くことはなく、そのまま弾き返された。
彼も驚いたのか、自分の剣を見ながら首を傾げている。空梅雨茜と自分の剣を見比べたりもしている。
───やはり、剣聖が優れているだけか…。
魔夜中紫怨の天職は確か司書だ。なぜ剣を選んだのか不明だが、剣聖と比べるとかなり劣ってしまうのだろう。
「真夜中殿も、剣筋は悪くない。経験が?」
「いや、経験はない」
「そうか。では最後、駿河屋殿」
「はい、分かりました」
最後に、光輝の番だ。
3人の視線を感じる。
光輝が勇者ということもあり、やはり期待があるのだろう。
剣を構える。
前2人と同じく、上段構えだ。
ゆっくりと息を吸う。
吸って──
吐いて──
自然体のまま、勢いよく振り下ろす。
ブォンッ!
ジャギンッ!
風を切る音と、何かが切断される音。
どれほどの速度で剣を振るったのか、自分ではとても想像が付かない。
だが、地面に落ちていく人形の半身を見て、上手く行ったことだけは確信していた。
「駿河屋殿も流石だ」
だが、空梅雨茜に比べれば大したことはなかった。
彼女の斬った人形の断面図は美しく、光輝の斬った人形の断面図はどこか不規則で不格好だ。
───天職の違い、か。だが対魔獣や魔族では俺の方が優秀なんだ、ここは目を瞑ろう。
”剣聖”など、剣を使うためだけの転職とは違い、光輝は勇者だ。
そもそも目指すところもスタート地点も違う。
「大体の実力は分かった。やはり皆、才能はあるようだ。ではこれから訓練を始める。まずは素振りとランニング──VITを鍛える日課からだ」
こうして、勇者たちにとって地獄の2週間は始まりを告げた。
──────────────────
勇者たちの修行は詳細を書く予定でしたが、割愛させて頂きます。
機会があったらそれぞれの修行を書きたいです。
「ああ、入ってきてください」
朝の8時くらいだろうか。
部屋の扉をノックして入ってきたのは専属メイド──名前は分からないのだが。
「本日ですが、訓練の開始となります。ですので、他の勇者様がたと共に所定の場所へと赴いて頂くこととなります。支度は──出来ているようですし、もう向かってもよろしいですか?」
「えぇ、はい。お願いします」
俺はメイドについて部屋を出る。
もちろん、剣を持つことは忘れない。
使うか使わないかはともかく、一応肌身離さず持っておくつもりだ。
「駿河屋様、昨晩はよく眠れましたか?」
このメイドは何を考えているのかよく分からない。
表情が全く変わらないのだ。
黒髪のショートで、端麗な顔。相当な美人であることに変わりはないのだが、その表情の冷徹さは恐ろしいところがあった。
「心配ありがとうございます。ちゃんと寝れましたよ」
「それは良かったです。訓練に支障を来しては身も危ないですから」
駿河屋光輝《スルガヤコウキ》を心配しているのか、それとも一人の勇者を心配しているのか。
考えるまでもなく、当然後者だろう。
勇者でない駿河屋光輝《スルガヤコウキ》になど、なんの価値も見いだせない。
───だからこそ、俺は勇者であり続ける。
ぐっと拳を握り締め、光輝は心の中で宣言する。その様子をメイドはちらと一瞥するも、興味はなかったのかすぐさま視線を元に戻した。
「訓練の内容なのですが、戦士長に一存してありますので、ベール様も詳しくは知らないと仰られていました。他のお二人の勇者様方とも合同での訓練となります」
「分かりました」
専属メイドの言うことは、女神から聞いた話と大して違いは無かった。戦士長と呼ばれる人に指南を受けることも、魔夜中紫怨《マヨナカシオン》と空梅雨茜《カラツユアカネ》とは同じ時期になる事も既に得ていた情報だった。
もちろん彼女もそれは踏まえているだろう。
あくまで確認として言っているような声だった。
光輝は専属メイドの後ろを付いて歩く。
彼女が口を開いたのは確認が最後だった。それ以降、天気の話さえすることはなく、女神の部屋まで辿り着いていた。
印象は”感じの悪い奴”であるが、深く考えてみれば、朝早く起き、これから修行を行う勇者に対して喋り倒す、という行為を慎もうという彼女なりの優しさなのかもしれないと納得した。
コンコンッ
「ベール様。駿河屋様を連れて参りました」
「どうぞ、入ってください」
流れるような仕草で扉を開けるメイド。
扉を開けたまま静止するメイドを見て、光輝は追い越すように部屋へと入る。
「おはようございます、光輝様」
「おはようございます、女神様」
いつもの美しい笑顔で挨拶をする女神。
それに対し、少し頬が緩んでしまうのを感じた。
「女神様、関係ないのですが、ベール様、とお呼びしても?」
「ええ、もちろんです。構いませんよ、光輝様」
あっさりと承諾を貰えたことに面食らう。
───ベール様も意外と俺に気を許せてくれているのかな。
もしかしたら、という妄想を抱いてしまうものだ。
「今から訓練へと向かって頂くわけですが…こちらにあるものが転移鏡となっていますので、こちらに触れていただければと思います」
「触れるだけで良いのですか?潜るとかでは…?」
「潜る……?いえ、その必要はないですが……」
ベールが指差したところには、等身大の鏡が置かれていた。
枠は金で縁取られていて、装飾は質素ながらにも品を感じさせる代物だ。
2点感を行き来できる道具というからどこでも○アを想像していたのだが、そうではないのか。
触れるだけで転移できるとは考えてもみなかった。
「それでは参りましょうか」
これ以上説明することは無いのだろう。
むしろ急かすような口調で言うベールに、光輝は急ぎ足で鏡へと近付いた。
その動きで鏡へと触れる。
「頑張ってくださいね、光輝様」
「はい、ベール様」
そのまま鏡が光り出したかと思うと──一瞬にして光輝の体は部屋から消えていた。
・ ・ ・
「お待たせして申し訳ないです」
転移鏡の近くには騎士が一人待機していて、そのまま光輝は訓練場へと連れて行かれることになった。
他の2人──魔夜中紫怨と空梅雨茜──は既に着いていたようで、訓練場に行けば戦士長の前に並んでいた。
俺も一言だけ謝罪をした後、彼らに続くように並んだ。並ぶと言っても横並びなのだが。
「さて、全員揃ったようだ。それでは始めよう。俺はレイ=アデラール、戦士長と呼ばれることが多いのでそう呼んでくれれば問題ない」
「俺は駿河屋光輝です。よろしくお願いします」
「魔夜中紫怨だ。よろしく頼む」
「私は空梅雨茜。よろしくね~、戦士長さん!」
「君たちの天職については女神様から聞いている。故にこのまま訓練に入るつもりなのだが…他にしたいことがある者はいるか?」
もちろん、誰も言葉を発することはない。
戦士長もそれを分かった上で聞いているだろう。
「よし。まず、剣を持ってきてくれたところ申し訳ないが、使うのはあそこにある──」
戦士長が少し離れた場所に立て掛けてある木の剣を指刺す。
「──木刀になる。剣は立て掛けて置いてくれ。訓練の時間中は訓練場への立ち入りは如何なる者でも禁止だから安心して欲しい」
当たり前のことだが、女神から授かった剣を盗まれでもしたら大事だ。
「訓練はこれから2週間かけてみっちりと行う。それまでに戦えるよう、厳しい修行になるだろうが頑張って貰う。勇者様方の成長スピードは比較的早いゆえ、2週間もあれば十分だろう」
戦士長に促され、光輝たち3人は木刀を手に持っている。
光輝と魔夜中紫怨は愚直にも、真面目に剣を構えるが、空梅雨茜は別だ。
腕をぐでと垂らし、剣こそ握っているものの、剣先は地面に付いている。
「まずは実力試しといこう。──そこに人形が立っている。あれを剣で斬りつけてみてくれ」
人形はご丁寧に3つ用意されていた。
多分、数はもっと用意しているだろう。
まず初めに行くのは──何故か空梅雨茜がやる気に満ち溢れている。
「私からいかせてもらうけど…問題ないよね??」
「空梅雨殿からいくか。見届けさせて貰おう。では、好きに斬りつけてくれ」
空梅雨茜は引きずるようにして持っていた剣を上段に構え、人形の前に立った。
剣を持ったことなどないはずなのに──これが天職の恩恵なのか、はたまた勇者として召喚されたからなのか──様になっている。
一呼吸──
ゆっくりを息を吐き出した空梅雨茜は剣を振り下ろす。
ブンッ
鋭く宙を切る音と、少し遅れて人形の胴がズレていくのが見えた。
ドサッ
剣の軌道のまま、人形は胴を斜めに切られていた。それが地面へと落ち、鈍い落下音がする。
───木刀なのに斬れるのか…?
素朴な疑問だが、プロは道具を選ばないということなのだろうか。
流石は剣聖と言っておこう。
「流石だ、空梅雨殿」
「次は俺がいこう」
戦士長は端的に空梅雨茜を褒めるが、その声の中には感心のような感情が含まれている。
だが、そんなことを気にしない様子で魔夜中紫怨が次に構えを取った。
空梅雨茜と似たような構えだ。
日本人にとっての剣の構えとは大抵あのイメージだろうから、それは仕方ない。
魔夜中紫怨は空梅雨茜と比べ、比較的早く剣を振り下ろした。
精神集中のような動作は見られず、どこか適当な印象も受ける。
スッ
剣が風を切る音。
ダンッ
そして直後、剣が何かに当たった音がする。
魔夜中紫怨の剣は人形を切り裂くことはなく、そのまま弾き返された。
彼も驚いたのか、自分の剣を見ながら首を傾げている。空梅雨茜と自分の剣を見比べたりもしている。
───やはり、剣聖が優れているだけか…。
魔夜中紫怨の天職は確か司書だ。なぜ剣を選んだのか不明だが、剣聖と比べるとかなり劣ってしまうのだろう。
「真夜中殿も、剣筋は悪くない。経験が?」
「いや、経験はない」
「そうか。では最後、駿河屋殿」
「はい、分かりました」
最後に、光輝の番だ。
3人の視線を感じる。
光輝が勇者ということもあり、やはり期待があるのだろう。
剣を構える。
前2人と同じく、上段構えだ。
ゆっくりと息を吸う。
吸って──
吐いて──
自然体のまま、勢いよく振り下ろす。
ブォンッ!
ジャギンッ!
風を切る音と、何かが切断される音。
どれほどの速度で剣を振るったのか、自分ではとても想像が付かない。
だが、地面に落ちていく人形の半身を見て、上手く行ったことだけは確信していた。
「駿河屋殿も流石だ」
だが、空梅雨茜に比べれば大したことはなかった。
彼女の斬った人形の断面図は美しく、光輝の斬った人形の断面図はどこか不規則で不格好だ。
───天職の違い、か。だが対魔獣や魔族では俺の方が優秀なんだ、ここは目を瞑ろう。
”剣聖”など、剣を使うためだけの転職とは違い、光輝は勇者だ。
そもそも目指すところもスタート地点も違う。
「大体の実力は分かった。やはり皆、才能はあるようだ。ではこれから訓練を始める。まずは素振りとランニング──VITを鍛える日課からだ」
こうして、勇者たちにとって地獄の2週間は始まりを告げた。
──────────────────
勇者たちの修行は詳細を書く予定でしたが、割愛させて頂きます。
機会があったらそれぞれの修行を書きたいです。
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