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第三部:王都への道
領地のはずれで
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すっかり馴染んだリンスワルド家のお屋敷を出発して数刻走り続けた後、昼食を兼ねた休憩と言うことになって隊列が停まった。
ずっと緩やかな坂を上り続けてきたので、峠のある山並みがかなり間近に迫ってきている。
ここが領地の北の縁にあたる地域で、この先の峠を越えればシーベル子爵の領地に入るらしい。
最初にエドヴァルから歩いてミルシュラント公国に入ったときは、関所のチェックがないに等しいことに驚き、その後も、何処をどう通ろうが税金や通行料の類いを一度も徴収されなかったことに腰を抜かしたものだ。
それなりに街への商品の持ち込み税など諸々の税を徴収しているところもあるらしいが、それでも聞いている限りではミルシュラントは他の国々よりも圧倒的に低率らしいし、そもそも通行税もなければ課税の対象も少ない。
隊列が停まったのは道の外れに広々とした草地が広がっている場所で、この大所帯が一気に休憩しても余裕のある広さだ。
御者のブレーズさんの説明によると、近くに泉もあって、伯爵家の一行が王都に向かうときは、ここで昼食を取るのが慣例だそう。
どうりで綺麗に整地されてる雰囲気があるわけだね。
「ブレーズさん、ありがとうございます」
俺は馬車を出て御者のブレーズさんに声を掛けた。
この人は、じつはポリノー村までスパインボアの群を誘導する時に乗っていた馬車の御者をしてくれていた人だから面識がある。
「いえいえ、どうか儂らにはお気遣いなさらないようにお願い致します。御者というのは馬車を動かす仕組みのようなものなのですから、気に掛けて頂く必要は無いのです」
「いやまあ、これから王都まで長旅ですからね。じゃあ、お互いに気兼ねなく気軽にって事でお願いします」
「承知致しましたクライス様」
俺とパルミュナが馬車を降りると、すぐ前のお召し馬車から降り立っていたエマーニュさんがこちらを手招きした。
「お二方とも、どうぞこちらへ...レビリス殿もダンガ殿ご兄妹も是非こちらへいらして下さいませ」
呼ばれて六人でぞろぞろと姫様の馬車に近づくと、馬車の脇にはすでに人数分のラグが敷かれてピクニックでも始まりそうな様相だ。
メイドさんたちが素早くラグの上にクッションを並べ、ベッドの上で朝食を取るときに使うような足つきのトレイをセッティングして、皿やカトラリーを並べ始めた。
護衛の騎士は別として、他の人々は広場のあちこちで思い思いに休憩を取るらしい。
ヴァーニル隊長は今回はパスかな?
まあ護衛隊長だし、鎧を着込んでるからラグに座り込んでも寛ぎにくいだろう。
「皆様、お好きな場所の敷物にお座りくださいませ。すぐにお飲み物と昼食をご用意致しますので、少々お待ちください」
エマーニュさんの言葉に従ってラグに座ると、まずは銀のカップに入ったワインをメイドさんに手渡された。
パルミュナ嬉しそうだな。
毎晩の食事でも飲んでるくせに!
「ねー、こんな素敵な場所で飲むワインっていいよねー?」
あー、そうか。
たしかにここは見た目の雰囲気もいいし、ちびっ子たちも沢山いる感じだもんね。
石造りの館の中で飲むのとは、また違う趣があるよな。
「皆様、ここまでの道中で不都合はございませんでしたか?」
ワインのカップを手に、皆と同じように地面に敷いたラグの上に座り込んでいる姫様が、同じようにラグに上がっている一同を見渡しながら言う。
「皆様にお付き合い頂いて恐縮です。わたくし、この場所で昼食を取るときには、必ず大地に腰を下ろして休むことにしているのです。なんと申しますか...とても心が安まりますので」
気持ちは分かるな・・・
そろそろ日中の陽射しが眩しくなってくる頃季節だけど、ここは屋敷の辺りよりも標高が高いせいもあって風が涼しい。
芝生のような丈の低い緑の草が生い茂った草原は、管理された庭園とはまた違う感じで美しいし、なんとも長閑な雰囲気に満ちている。
ただ座っているだけで癒やされるというか、このまま昼寝をしたくなるな。
一言で言うと、ここは光に溢れてるって感じか・・・
パルミュナがニコニコ顔なのもワインのおかげだけでなく、周りのちびっ子たちの姿も楽しいのだろう。
漠然とそんなことを思い浮かべていると、メイドさんたちが昼食の配膳を始めた。
屋敷で食べるときと同じように、まずは前菜から並べられていく。
なんという豪華なピクニック!
しかも、俺がリンスワルド邸で生まれて初めて口にして、大好きになったと公言している生ハムと卵ソースのカナッペと、酢漬けの小魚の魚醤和えカナッペもちゃんとある。
これは嬉しい!
ワインと凄く合うんだよねコレ。
さすがに温かい食事という訳にはいかないにしても、屋外でこんな豪華な食事が取れるなんて、庶民の常識からすると破天荒だろう。
只の破邪だった時には、こんな優雅な昼食を取る時が来るなんて思いもしなかったが・・・
それにしても、リンスワルド家の食べ物に対する情熱が遺憾なく発揮されているなってつくづく思うよ。
言うまでも無く絶妙に美味しくて量もたっぷり。
いつも通りのリンスワルド家流の食事を、この光と緑に溢れた素晴らしい環境の中で堪能しているってわけで、いっとき、エルスカインのことなんて頭の端に追いやってしまいたくなる。
まあ、現実はそんなわけにはいかないのだけど・・・
いまも騎士団の人たちは交代で周囲を警戒しているし、ダンガたちだって、大いに食事と会話を楽しんで笑っていながらも、時折、ピクッと森の方へ向けて耳が動くことがある。
そして一瞬、鋭い視線をそちらに飛ばすのだけれど、すぐに表情を戻して何事もなかったかのように会話に戻って舌鼓を打っている。
恐らく気配を感じた相手は、普通の獣の類いだったのだろう。
最初に姫様の救援に駆けつけた時にはアサムに偉そうなことを言ったけど、まず俺自身が師匠の言葉を忘れないようにしないとな。
きっと、それを忘れたときに魔獣が飛び出してくるんだろうから。
「ここはいい場所ですね...今日のような陽気だと、面倒なことは全部忘れてこのまま日が陰るまで昼寝でもしていたくなりますよ」
俺が半分無意識にそんな感想を口にすると、姫様はにっこりを微笑んでくれた。
「気に入って頂けて嬉しいですわ。わたくし自身この場所が大好きで、いつも立ち寄るのが楽しみなのです」
そして姫様は、俺の内心の思いに気づいたという訳でもないんだろうけど、不意に先日の襲撃を思い出したように口にした。
「この場所でこうしていると、エルスカインの襲撃のことなど忘れてしまいたくなりますわ...」
「俺も同じくですよ。こんな長閑な世界なのになあ...ってね」
「仰るとおりですわ。養魚場での事件が起きるまでは、わたくし自身も『襲撃される』ということを本気で心配してはいませんでした」
「そりゃ、姫様たちは争いごとから無縁な方々に見えますよ」
「そうですね...私たちがと言うよりも、政変の激しい国ならともかくもミルシュラントでは、そもそも政治的な思惑から貴族の命が狙われたことなど滅多にありませんから」
「そんなものですか? エドヴァルや俺の知ってる国々だと、貴族の人たちは暗殺対策にかなり気を遣ってたらしいですけど」
エマーニュさんが、俺の疑問に朗らかに答えてくれた。
「隣り合った領主同士の諍いは良くある話ですが、ミルシュラントでは大公陛下の御指導力が高いので妙な気を起こす貴族も出てくることがありませんわ。少なくとも表沙汰になった事件はそれこそ、あの二百年前のガルシリス辺境伯の叛乱ぐらいのものですね」
「あ、なるほど...あれはまた特殊な例だったと思いますが」
エルスカインという存在が関わらなければ、果たしてガルシリス辺境伯も叛乱なんて気は起こさなかったかも知れないからな。
「もちろんミルシュラントでも、後継者争いのお家騒動から暗殺事件に発展したりという例はありますけれど、リンスワルド家はそういった事情とも無縁ですし、長い間、警戒する相手がいなかったというのが正直なところかと思います」
定番の『お家騒動からの暗殺事件』だね。
まさに、俺の生みの母親の直面した事態というか、もっと言うならば『俺がこの世に生まれた切っ掛け』というか・・・
「そういう『お家騒動』は家督の相続っていう事情がある以上、ある程度避けられない話でしょう。なにしろ、俺がこの世に生を得た切っ掛けも、そういうお家騒動だったらしいですからね」
「えっ?! そうなのでございますか?」
「俺がハーフエルフなのは、産みの母親がアルファニア出身のエルフだからなんですよね。ただ、俺はエドヴァルの農村で普通の人間として養父母に育てられたから、実の親とは一度も会ったことが無いんです」
「では...ひょっとしますとライノ殿がエドヴァルで幼少期を過ごされたのは、お家騒動を避けるため?」
「ええ、産みの母親が敵対している勢力に襲われて暗殺されそうになったところを、偶然に通りかかった破邪に助けられたんだそうですよ。で、その破邪が俺の父親です。身も蓋もない話だけど、その後の逃避行の間に二人の間に愛が芽生えて俺が生まれることになったって聞きました」
「あの...もし、もし、よろしければ...クライス殿のご母堂様のお名前を伺っても差し障りありませんでしょうか?」
ちょっとパルミュナの方を見たが、全く気にしていない風でワインを味わっている。
我関せず、って意思表示だな。
「アルファニアの貴族の娘だと聞きました。名はシャルティア・レスティーユ、だそうです」
「えっ!」
それを聞いた姫様は、驚いた表情で口に手を当てた。
「ライノ殿、シャルティア・レスティーユと、そう仰いましたか?!」
姫様の驚き方が半端ない。
コレは単に『知ってる名前』ってだけじゃない雰囲気だな・・・
ずっと緩やかな坂を上り続けてきたので、峠のある山並みがかなり間近に迫ってきている。
ここが領地の北の縁にあたる地域で、この先の峠を越えればシーベル子爵の領地に入るらしい。
最初にエドヴァルから歩いてミルシュラント公国に入ったときは、関所のチェックがないに等しいことに驚き、その後も、何処をどう通ろうが税金や通行料の類いを一度も徴収されなかったことに腰を抜かしたものだ。
それなりに街への商品の持ち込み税など諸々の税を徴収しているところもあるらしいが、それでも聞いている限りではミルシュラントは他の国々よりも圧倒的に低率らしいし、そもそも通行税もなければ課税の対象も少ない。
隊列が停まったのは道の外れに広々とした草地が広がっている場所で、この大所帯が一気に休憩しても余裕のある広さだ。
御者のブレーズさんの説明によると、近くに泉もあって、伯爵家の一行が王都に向かうときは、ここで昼食を取るのが慣例だそう。
どうりで綺麗に整地されてる雰囲気があるわけだね。
「ブレーズさん、ありがとうございます」
俺は馬車を出て御者のブレーズさんに声を掛けた。
この人は、じつはポリノー村までスパインボアの群を誘導する時に乗っていた馬車の御者をしてくれていた人だから面識がある。
「いえいえ、どうか儂らにはお気遣いなさらないようにお願い致します。御者というのは馬車を動かす仕組みのようなものなのですから、気に掛けて頂く必要は無いのです」
「いやまあ、これから王都まで長旅ですからね。じゃあ、お互いに気兼ねなく気軽にって事でお願いします」
「承知致しましたクライス様」
俺とパルミュナが馬車を降りると、すぐ前のお召し馬車から降り立っていたエマーニュさんがこちらを手招きした。
「お二方とも、どうぞこちらへ...レビリス殿もダンガ殿ご兄妹も是非こちらへいらして下さいませ」
呼ばれて六人でぞろぞろと姫様の馬車に近づくと、馬車の脇にはすでに人数分のラグが敷かれてピクニックでも始まりそうな様相だ。
メイドさんたちが素早くラグの上にクッションを並べ、ベッドの上で朝食を取るときに使うような足つきのトレイをセッティングして、皿やカトラリーを並べ始めた。
護衛の騎士は別として、他の人々は広場のあちこちで思い思いに休憩を取るらしい。
ヴァーニル隊長は今回はパスかな?
まあ護衛隊長だし、鎧を着込んでるからラグに座り込んでも寛ぎにくいだろう。
「皆様、お好きな場所の敷物にお座りくださいませ。すぐにお飲み物と昼食をご用意致しますので、少々お待ちください」
エマーニュさんの言葉に従ってラグに座ると、まずは銀のカップに入ったワインをメイドさんに手渡された。
パルミュナ嬉しそうだな。
毎晩の食事でも飲んでるくせに!
「ねー、こんな素敵な場所で飲むワインっていいよねー?」
あー、そうか。
たしかにここは見た目の雰囲気もいいし、ちびっ子たちも沢山いる感じだもんね。
石造りの館の中で飲むのとは、また違う趣があるよな。
「皆様、ここまでの道中で不都合はございませんでしたか?」
ワインのカップを手に、皆と同じように地面に敷いたラグの上に座り込んでいる姫様が、同じようにラグに上がっている一同を見渡しながら言う。
「皆様にお付き合い頂いて恐縮です。わたくし、この場所で昼食を取るときには、必ず大地に腰を下ろして休むことにしているのです。なんと申しますか...とても心が安まりますので」
気持ちは分かるな・・・
そろそろ日中の陽射しが眩しくなってくる頃季節だけど、ここは屋敷の辺りよりも標高が高いせいもあって風が涼しい。
芝生のような丈の低い緑の草が生い茂った草原は、管理された庭園とはまた違う感じで美しいし、なんとも長閑な雰囲気に満ちている。
ただ座っているだけで癒やされるというか、このまま昼寝をしたくなるな。
一言で言うと、ここは光に溢れてるって感じか・・・
パルミュナがニコニコ顔なのもワインのおかげだけでなく、周りのちびっ子たちの姿も楽しいのだろう。
漠然とそんなことを思い浮かべていると、メイドさんたちが昼食の配膳を始めた。
屋敷で食べるときと同じように、まずは前菜から並べられていく。
なんという豪華なピクニック!
しかも、俺がリンスワルド邸で生まれて初めて口にして、大好きになったと公言している生ハムと卵ソースのカナッペと、酢漬けの小魚の魚醤和えカナッペもちゃんとある。
これは嬉しい!
ワインと凄く合うんだよねコレ。
さすがに温かい食事という訳にはいかないにしても、屋外でこんな豪華な食事が取れるなんて、庶民の常識からすると破天荒だろう。
只の破邪だった時には、こんな優雅な昼食を取る時が来るなんて思いもしなかったが・・・
それにしても、リンスワルド家の食べ物に対する情熱が遺憾なく発揮されているなってつくづく思うよ。
言うまでも無く絶妙に美味しくて量もたっぷり。
いつも通りのリンスワルド家流の食事を、この光と緑に溢れた素晴らしい環境の中で堪能しているってわけで、いっとき、エルスカインのことなんて頭の端に追いやってしまいたくなる。
まあ、現実はそんなわけにはいかないのだけど・・・
いまも騎士団の人たちは交代で周囲を警戒しているし、ダンガたちだって、大いに食事と会話を楽しんで笑っていながらも、時折、ピクッと森の方へ向けて耳が動くことがある。
そして一瞬、鋭い視線をそちらに飛ばすのだけれど、すぐに表情を戻して何事もなかったかのように会話に戻って舌鼓を打っている。
恐らく気配を感じた相手は、普通の獣の類いだったのだろう。
最初に姫様の救援に駆けつけた時にはアサムに偉そうなことを言ったけど、まず俺自身が師匠の言葉を忘れないようにしないとな。
きっと、それを忘れたときに魔獣が飛び出してくるんだろうから。
「ここはいい場所ですね...今日のような陽気だと、面倒なことは全部忘れてこのまま日が陰るまで昼寝でもしていたくなりますよ」
俺が半分無意識にそんな感想を口にすると、姫様はにっこりを微笑んでくれた。
「気に入って頂けて嬉しいですわ。わたくし自身この場所が大好きで、いつも立ち寄るのが楽しみなのです」
そして姫様は、俺の内心の思いに気づいたという訳でもないんだろうけど、不意に先日の襲撃を思い出したように口にした。
「この場所でこうしていると、エルスカインの襲撃のことなど忘れてしまいたくなりますわ...」
「俺も同じくですよ。こんな長閑な世界なのになあ...ってね」
「仰るとおりですわ。養魚場での事件が起きるまでは、わたくし自身も『襲撃される』ということを本気で心配してはいませんでした」
「そりゃ、姫様たちは争いごとから無縁な方々に見えますよ」
「そうですね...私たちがと言うよりも、政変の激しい国ならともかくもミルシュラントでは、そもそも政治的な思惑から貴族の命が狙われたことなど滅多にありませんから」
「そんなものですか? エドヴァルや俺の知ってる国々だと、貴族の人たちは暗殺対策にかなり気を遣ってたらしいですけど」
エマーニュさんが、俺の疑問に朗らかに答えてくれた。
「隣り合った領主同士の諍いは良くある話ですが、ミルシュラントでは大公陛下の御指導力が高いので妙な気を起こす貴族も出てくることがありませんわ。少なくとも表沙汰になった事件はそれこそ、あの二百年前のガルシリス辺境伯の叛乱ぐらいのものですね」
「あ、なるほど...あれはまた特殊な例だったと思いますが」
エルスカインという存在が関わらなければ、果たしてガルシリス辺境伯も叛乱なんて気は起こさなかったかも知れないからな。
「もちろんミルシュラントでも、後継者争いのお家騒動から暗殺事件に発展したりという例はありますけれど、リンスワルド家はそういった事情とも無縁ですし、長い間、警戒する相手がいなかったというのが正直なところかと思います」
定番の『お家騒動からの暗殺事件』だね。
まさに、俺の生みの母親の直面した事態というか、もっと言うならば『俺がこの世に生まれた切っ掛け』というか・・・
「そういう『お家騒動』は家督の相続っていう事情がある以上、ある程度避けられない話でしょう。なにしろ、俺がこの世に生を得た切っ掛けも、そういうお家騒動だったらしいですからね」
「えっ?! そうなのでございますか?」
「俺がハーフエルフなのは、産みの母親がアルファニア出身のエルフだからなんですよね。ただ、俺はエドヴァルの農村で普通の人間として養父母に育てられたから、実の親とは一度も会ったことが無いんです」
「では...ひょっとしますとライノ殿がエドヴァルで幼少期を過ごされたのは、お家騒動を避けるため?」
「ええ、産みの母親が敵対している勢力に襲われて暗殺されそうになったところを、偶然に通りかかった破邪に助けられたんだそうですよ。で、その破邪が俺の父親です。身も蓋もない話だけど、その後の逃避行の間に二人の間に愛が芽生えて俺が生まれることになったって聞きました」
「あの...もし、もし、よろしければ...クライス殿のご母堂様のお名前を伺っても差し障りありませんでしょうか?」
ちょっとパルミュナの方を見たが、全く気にしていない風でワインを味わっている。
我関せず、って意思表示だな。
「アルファニアの貴族の娘だと聞きました。名はシャルティア・レスティーユ、だそうです」
「えっ!」
それを聞いた姫様は、驚いた表情で口に手を当てた。
「ライノ殿、シャルティア・レスティーユと、そう仰いましたか?!」
姫様の驚き方が半端ない。
コレは単に『知ってる名前』ってだけじゃない雰囲気だな・・・
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