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第二章 社長生活の開始
社長就任
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書類上の手続き、株式の権利の委譲などは、顧問弁護士が全てささっと済ませてくれた。
オレはプロダクション・ベガの社長となった。
しかしそれが、形だけの物であるという事はオレが一番理解していた。
これから、会社の事を学び、経営方針という奴を打ち出さなければならない。
それにはまず、全社員から新社長であるという事を認めてもらわなければいけない。
多分、ゲームのように、ショートカットする方法はないだろう。
人と人との繋がりを作るには正攻法だ。
オレはまず、全社員と面接をする事にした。
社員は、副社長の所。
チーフマネージャーの露木。
マネージャーの小沢、後藤、小林。
デスクの矢島。
そして社長秘書の瀬戸涼子の7名である。
この7名をどう動かして行くかによって、会社の将来が決まるのだ。
「どういう順番で面接されますか?」
瀬戸涼子が聞いた。
オレは少し考えて答えた。
「順番は決めない」
「どういう事ですか?」
「変に先入観や順位をつけたくない。オレは社長室にいます。会社に来た順番に、会います」
「中には、外回りでなかなか会社に顔を出さない人も・・・」
「それはそれでいいです。仕事ですから。とにかく社長室に来てくれた順番に、話をします」
「わかりました」
「ところで・・・」
オレは瀬戸涼子に一番大事な事を聞いた。
「オレのギャラって。幾らになるんでしょうかね?」
瀬戸涼子は少し考えて、答えてくれた。
「今、ウチの会社は黒字経営の優良企業です。詳しくは税理士さんから話を聞いていただきますが、毎年3億円から5億円の年商があり、約5千万円から1億円の純利益があります」
「ふむふむ」
「その純利益が、社長の自由にしていいお金です」
「え、1億円も貰ってもいいの?」
「純利益を1億円出す事が出来れば、ですけど」
「というと?」
「年商5億円、純利益1億円と言うのは、社長の・・・いえ、お父様の経営手腕あっての事、去年までの話です。あなたが経営者になった今年は、赤字に転落するかもしれない。そうなればあなたのお給料はゼロ、どころか、赤字分を無限責任で補填していただく事も有り得ます」
「・・・もし、会社を倒産させてしまった場合は?」
「莫大な借金を背負う事になりかねませんね」
瀬戸涼子は笑って言った。
「もちろん、そうならないように全力でサポートしますから!」
オレは笑えなかった。
ハイリスク・ハイリターンなギャンブルに、良く考えずに参加しちまった。
そんな気分だった。
オレはプロダクション・ベガの社長となった。
しかしそれが、形だけの物であるという事はオレが一番理解していた。
これから、会社の事を学び、経営方針という奴を打ち出さなければならない。
それにはまず、全社員から新社長であるという事を認めてもらわなければいけない。
多分、ゲームのように、ショートカットする方法はないだろう。
人と人との繋がりを作るには正攻法だ。
オレはまず、全社員と面接をする事にした。
社員は、副社長の所。
チーフマネージャーの露木。
マネージャーの小沢、後藤、小林。
デスクの矢島。
そして社長秘書の瀬戸涼子の7名である。
この7名をどう動かして行くかによって、会社の将来が決まるのだ。
「どういう順番で面接されますか?」
瀬戸涼子が聞いた。
オレは少し考えて答えた。
「順番は決めない」
「どういう事ですか?」
「変に先入観や順位をつけたくない。オレは社長室にいます。会社に来た順番に、会います」
「中には、外回りでなかなか会社に顔を出さない人も・・・」
「それはそれでいいです。仕事ですから。とにかく社長室に来てくれた順番に、話をします」
「わかりました」
「ところで・・・」
オレは瀬戸涼子に一番大事な事を聞いた。
「オレのギャラって。幾らになるんでしょうかね?」
瀬戸涼子は少し考えて、答えてくれた。
「今、ウチの会社は黒字経営の優良企業です。詳しくは税理士さんから話を聞いていただきますが、毎年3億円から5億円の年商があり、約5千万円から1億円の純利益があります」
「ふむふむ」
「その純利益が、社長の自由にしていいお金です」
「え、1億円も貰ってもいいの?」
「純利益を1億円出す事が出来れば、ですけど」
「というと?」
「年商5億円、純利益1億円と言うのは、社長の・・・いえ、お父様の経営手腕あっての事、去年までの話です。あなたが経営者になった今年は、赤字に転落するかもしれない。そうなればあなたのお給料はゼロ、どころか、赤字分を無限責任で補填していただく事も有り得ます」
「・・・もし、会社を倒産させてしまった場合は?」
「莫大な借金を背負う事になりかねませんね」
瀬戸涼子は笑って言った。
「もちろん、そうならないように全力でサポートしますから!」
オレは笑えなかった。
ハイリスク・ハイリターンなギャンブルに、良く考えずに参加しちまった。
そんな気分だった。
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