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第一章 オレが社長に・・・?

謎の美女

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オレがコンビニで働いているのは、深夜帯。
客はそんなに多くないし、楽が出来る。
昼間は家で寝て、夕方ぐらいに起き出し、コンビニに行く。
食い物は廃棄の弁当が貰えるし、暇な時は品出ししている体で雑誌を読みまくっていた。
おかげで、世論や流行にはちょっと詳しくなった気がする。
で、客が来ると、レジを打つ。
時には言われた商品を捜したりもする。

大金は稼げないけど、男一人暮らして行くのには不自由はない。
金がかかる趣味がある訳でもなく、旅行に連れて行かなければいけない相手もいない。
グルメに興味がある訳でもない。
イベントが起きる事はないけれど生活に困る事はなく、むしろ小金が貯まって行く、そんな生活。

それがオレの宇宙の全てだった。

リア充のお客様はコンビニ店員の顔なんか覚えていないかもしれないけれど、コンビニ店員の方はお客様の事を意外と覚えている。
深夜帯の、客が少ない時間帯の常連さんとなれば、尚更だ。
あの人は、お釣りを渡した時に「ありがとう」を言う人だ、とか。
あの人のタバコの銘柄は何々だ、とか。
中には軽く世間話をする人もいるし、酔っ払って上機嫌で、パンやジュースや栄養ドリンクを上機嫌で「差し入れ」してくれるお客さんもいる。
決して熱くなれる仕事ではないかもしれないが、死ぬほどつまらないという事もない。
オレは、こんな毎日に満足していた。

そんなある日だった。
「謎の美女」が、ウチの店に姿を現したのは。
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