村人にいじめ殺された少年が、転生して村の土地神になった話

信じる心

「ブチ様！」
「ミコ！」

必死にブチに助けを求めるミコ。

「おや・・・小僧、まだいたのですか。すっかり忘れていましたよ。・・・お前に用はない。さっさと消えなさい・・・はっ！」

【カミの使い】の手から、衝撃波が放たれる。
ブチは身体中に裂傷を負い、吹き飛ばされた。

「ぐうっ・・・！」
「そのままそこで寝ていなさい」
「やっぱりわしには・・・わしなんかには・・・何も・・・」

その瞬間、その言葉を遮るようにミコが叫んだ。

「ブチ様は強い！あんたなんかに・・・絶対負けねえ！」

ミコは目を閉じ、一心に祈りを捧げた。

「こんなわしでも・・・信じて、祈ってくれる者がおる・・・？」

ブチの脳裏に、ブチの社の前に集まり、熱心に祈りを捧げていた村人たちの姿が浮かんだ。

「わしは今まで、自分には何の力もないと思い込んでおった。わしはちっぽけな、何の力もない半人前の土地神じゃ。だが、わしを信じ、わしにも何かが出来ると信じてくれるみんなの為に、わしは戦わねばならん・・・わしは、みんなが信じてくれている、わしを信じる・・・！」