村人にいじめ殺された少年が、転生して村の土地神になった話

暇潰し

そこからは、戦闘と呼ぶ事すら出来ない、一方的な「暇潰し」だった。

「ふん！」
「ぎゃっ！」
「はっ！」
「ぐふっ！」

【カミの使い】が攻撃し、ブチがそれを食らう。
あっという間に、ボロボロにされてしまうブチ。
しかしブチは、何度も、何度でも立ち上がった。

「うぐぐぐ・・・痛くねえ・・・苦しくねえ・・・！」
「はっはっは！なかなか頑丈ですねえ？」

【カミの使い】は、何か・・・微妙な違和感を感じ始めていた。

「何でそんなに頑張るんですか？・・・ああ。村を守りたい、とか？」
「あんな村、どうなったって構わん。村の連中が戦に巻き込まれようと、どうなろうと知った事か」
「なら、何でそんなに・・・」
「たあっ！」

苦し紛れに、ブチは石を拾い、【カミの使い】に投げつけた。
石は、【カミの使い】の顔に命中した。

「・・・今のは・・・ちょっとムカつきましたよ」

ダメージは無い。
ただ、【カミの使い】のプライドが、ほんのちょっと傷ついた。

「ふん！」
「ぎゃっ！」

【カミの使い】は、全力でブチを張り飛ばした。
ブチは弾き飛ばされ、今度は大木にぶち当たって下に落ちた。