村人にいじめ殺された少年が、転生して村の土地神になった話

騙し討ち

ブチの懇願を聞いて、【カミの使い】の機嫌はますます良くなった。

「あ！なるほど！あなたも【シュ】の使途になりたいのですね。いいでしょう、【シュ】の教えを受け入れ、私の兄弟となりなさい。歓迎しますよ？」

【カミの使い】は、ブチに手を差し伸べた。
その一瞬の隙をついて、ブチは【カミの使い】に襲い掛かった！

「とおっ！」

ブチの攻撃は、【カミの使い】に難無くかわされてしまった。

「おやあ？・・・まさか一人で私と戦う気じゃ？・・・お仲間がどうなったか、見ていなかったのですか？」
「わしは強い！お前なんかちっとも怖くないぞ！」
「・・・ふん」

構えたブチを、やぶ蚊を払いのけるようにした【カミの使い】。

「ぎゃっ！」

ぶっ飛んだブチは岩に叩きつけられ、下に落ちた。
ブチは、すぐに起き上がった。

「痛くなんかねえ！」

【カミの使い】は、ただただ微笑んでいた。

「面白いですね。暇潰しに、少し遊んであげましょう・・・！」