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24.結婚式が始まるよ
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西の森の教会は本当に小さな教会だった。
赤いリボンと花かごは準備万端、魔獣のサンバが始まる様相だ。
魔獣王の用意した正装は着物っぽい服だった。昭和の書生みたいな筒形の袖と袴で和風と洋風がミックスされている。ちなみに俺の頭には綿帽子だ。どういう世界観だよっ!
緑のトカゲちゃんが花嫁控室をノックする。ちなみにこのトカゲちゃんは俺のお世話係、この衣装を着つけてくれたとても器用な子だ。
「ユシャサマ デハ ケイカク イコ」
王国側の人間たちが教会に入ってから俺は外に出た。王国人たちが乗ってきたトカゲちゃんたちの仲間と話をするためだ。
「オーアレガ ハナヨメサマカ ブスーダナ」
いきなりひどいこと言われた。たぶんこちらが言葉を理解していないと思っているのだろう。
「セモヒクイ クロメチイサイ カカカ」
カカカって声だけ聴くと機嫌良さそうだなと思うが、俺は理解しているために半目で睨んだ。
「オレハ カワイイト オモウヨ」
青いトカゲちゃんがにっこり笑っている。俺も君は可愛いと思う。
俺のお世話係のトカゲちゃんがトトトっと走って、青いトカゲに抱き着いている。
「アア ニイサマ」
「ヒサシブリ」
「ゲンキデ ナニヨリ」
「キミモ」
どうやら感動の再会のようだ。見守りつつ時間がないのでコホンと咳払いをする。
「どうやら問題なく君たちの言葉も分かるぞ。そこのカカカって笑ってる黄色い奴と、隣の赤い奴が悪口言った」
トカゲちゃんたちが頭を上げてぎょっとした顔をした。ニヤリと笑うとトカゲちゃんが上下に頭を振っている。
「ゴキゲン シグサ ミナ ウレシイ」
緑のトカゲちゃんが微笑んだ。
「よーし、これから断罪裁判はーじめーるぞー!」
俺が親指を立てて突き上げ、頑張るぞポーズをとる。
トカゲちゃんたちは困惑してオーとは言わなかった。陽キャの真似が浮いてしまう。
きっとトカゲちゃんたちも陰キャなんだ、ノリが分からないんだ。
礼拝堂のドアが開き、皆が一斉に振り返る。王をはじめ。あの王子三人組。魔法省の長カイノミ。名前も知らない貴族。それにあの集団はアワーバック家の人たちだろう。リーンハルトの姿をみつけて少しうれしくなる。膝にはコインもいた。俺は中央の赤いじゅうたんを大股で歩いて魔獣王の隣に立つ。
「おい!ミランマイレン王国 お前らの悪事、まるっとするっとお見通しだ!」
王を指さして宣言してやった。どよどよっと教会内がざわめいた。
「やい!お前ら、トカゲちゃんたちが人間の言葉を話せないのをいいことに。森から攫って騎獣にしているらしいな!」
俺の言葉に目を丸くしている。俺が合図を送ると、礼拝堂の扉から青い騎獣のトカゲちゃんが入ってくる。俺は彼らのために一つ魔道具を作った。緑のトカゲちゃんと夜なべしたのだ。
テレレレッテレーマジュウリンガルー!
『マジュウリンガル 勇者の作った音声翻訳魔道具 高い精度を誇る』
青いトカゲちゃんにそのマジュウリンガルを持たせた。
「君の名前は?」
「クラーロデルーナ・デスペハードアセラシオン デス」
ぶっ、厨二病かよ。って、俺にも刺さる。
「クラちゃんのパートナーはどいつだ?」
『ワタシ ハーツサマ ハコブ』
第一王子ハーツの方はうなずいていた。青いトカゲちゃんはハーツを見て目を細める。
「どういう経緯で連れて来られたんだ?」
『ワタシ コドモ トキ ツカマッタ マリョクサ コワイ』
青いトカゲちゃんはハラハラと涙をこぼす。
「このように彼らは無理矢理に連れて来られたと証言しております」
だが、それを聞いて、ミランマイレン王国側から声が上がる。
「勇者の作り話じゃないのか!」
「本当にそんなこと言ってるのか!」
むっとしてしまう。
「じゃあ、クラちゃんしか知らない事ってある?」
青いトカゲちゃんはうなずいた。
『ハーツサマ エロホン カクス キジュウシャ』
ハーツがガタリと立ち上がり青いトカゲちゃんに近寄ろうとした。俺がそれを魔法で押し返す。
「ハーツ 嘘なのか。本当なのか?」
ハーツはうつむいて苦し気にうなずく。王国側がまたざわめいた。
「マジュウリンガルの言葉がデタラメだって言うなら、この子たち一人一人に秘密を暴露してもらって確認しても良いんだぜ?」
ヒヒヒッ、今できる一番悪い顔して笑ってみせた。
トカゲちゃんたちは意外と物知りだぜ?ヘイヘイ!
礼拝堂の開かれたドアの向こうには、王国の重鎮たちをのせて来た騎獣たちが並んでいる。
赤いリボンと花かごは準備万端、魔獣のサンバが始まる様相だ。
魔獣王の用意した正装は着物っぽい服だった。昭和の書生みたいな筒形の袖と袴で和風と洋風がミックスされている。ちなみに俺の頭には綿帽子だ。どういう世界観だよっ!
緑のトカゲちゃんが花嫁控室をノックする。ちなみにこのトカゲちゃんは俺のお世話係、この衣装を着つけてくれたとても器用な子だ。
「ユシャサマ デハ ケイカク イコ」
王国側の人間たちが教会に入ってから俺は外に出た。王国人たちが乗ってきたトカゲちゃんたちの仲間と話をするためだ。
「オーアレガ ハナヨメサマカ ブスーダナ」
いきなりひどいこと言われた。たぶんこちらが言葉を理解していないと思っているのだろう。
「セモヒクイ クロメチイサイ カカカ」
カカカって声だけ聴くと機嫌良さそうだなと思うが、俺は理解しているために半目で睨んだ。
「オレハ カワイイト オモウヨ」
青いトカゲちゃんがにっこり笑っている。俺も君は可愛いと思う。
俺のお世話係のトカゲちゃんがトトトっと走って、青いトカゲに抱き着いている。
「アア ニイサマ」
「ヒサシブリ」
「ゲンキデ ナニヨリ」
「キミモ」
どうやら感動の再会のようだ。見守りつつ時間がないのでコホンと咳払いをする。
「どうやら問題なく君たちの言葉も分かるぞ。そこのカカカって笑ってる黄色い奴と、隣の赤い奴が悪口言った」
トカゲちゃんたちが頭を上げてぎょっとした顔をした。ニヤリと笑うとトカゲちゃんが上下に頭を振っている。
「ゴキゲン シグサ ミナ ウレシイ」
緑のトカゲちゃんが微笑んだ。
「よーし、これから断罪裁判はーじめーるぞー!」
俺が親指を立てて突き上げ、頑張るぞポーズをとる。
トカゲちゃんたちは困惑してオーとは言わなかった。陽キャの真似が浮いてしまう。
きっとトカゲちゃんたちも陰キャなんだ、ノリが分からないんだ。
礼拝堂のドアが開き、皆が一斉に振り返る。王をはじめ。あの王子三人組。魔法省の長カイノミ。名前も知らない貴族。それにあの集団はアワーバック家の人たちだろう。リーンハルトの姿をみつけて少しうれしくなる。膝にはコインもいた。俺は中央の赤いじゅうたんを大股で歩いて魔獣王の隣に立つ。
「おい!ミランマイレン王国 お前らの悪事、まるっとするっとお見通しだ!」
王を指さして宣言してやった。どよどよっと教会内がざわめいた。
「やい!お前ら、トカゲちゃんたちが人間の言葉を話せないのをいいことに。森から攫って騎獣にしているらしいな!」
俺の言葉に目を丸くしている。俺が合図を送ると、礼拝堂の扉から青い騎獣のトカゲちゃんが入ってくる。俺は彼らのために一つ魔道具を作った。緑のトカゲちゃんと夜なべしたのだ。
テレレレッテレーマジュウリンガルー!
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青いトカゲちゃんにそのマジュウリンガルを持たせた。
「君の名前は?」
「クラーロデルーナ・デスペハードアセラシオン デス」
ぶっ、厨二病かよ。って、俺にも刺さる。
「クラちゃんのパートナーはどいつだ?」
『ワタシ ハーツサマ ハコブ』
第一王子ハーツの方はうなずいていた。青いトカゲちゃんはハーツを見て目を細める。
「どういう経緯で連れて来られたんだ?」
『ワタシ コドモ トキ ツカマッタ マリョクサ コワイ』
青いトカゲちゃんはハラハラと涙をこぼす。
「このように彼らは無理矢理に連れて来られたと証言しております」
だが、それを聞いて、ミランマイレン王国側から声が上がる。
「勇者の作り話じゃないのか!」
「本当にそんなこと言ってるのか!」
むっとしてしまう。
「じゃあ、クラちゃんしか知らない事ってある?」
青いトカゲちゃんはうなずいた。
『ハーツサマ エロホン カクス キジュウシャ』
ハーツがガタリと立ち上がり青いトカゲちゃんに近寄ろうとした。俺がそれを魔法で押し返す。
「ハーツ 嘘なのか。本当なのか?」
ハーツはうつむいて苦し気にうなずく。王国側がまたざわめいた。
「マジュウリンガルの言葉がデタラメだって言うなら、この子たち一人一人に秘密を暴露してもらって確認しても良いんだぜ?」
ヒヒヒッ、今できる一番悪い顔して笑ってみせた。
トカゲちゃんたちは意外と物知りだぜ?ヘイヘイ!
礼拝堂の開かれたドアの向こうには、王国の重鎮たちをのせて来た騎獣たちが並んでいる。
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