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第一幕 道化達の即興劇
初めてのキラキラ
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意外と早くに公爵家に馴染みましたエリアリスでございます。
本日のディナーは前菜、シャンピオンポタージュ、子牛のローストでソースはレモン風味でございました。デザートの無花果と葡萄のミルフィーユはとても美味しくて、卑しくも【おかわり】したいと思える程でした。はぁ、本当にこのお屋敷のデザートは宝石の様に輝き、とても美味しいのです。毎日この様な贅沢をしていて良い物か……抵抗もありますが、私の密かな楽しみとなっております。さて……食事を終えて、明日のレッスンメニューを食堂でコーヒーを頂きながら考えておりますと、ウィリアム様のご帰宅の鈴が鳴りました。すると、丁度同じタイミングでメリー様が食堂ホールに入って来られましたので、お出迎えをご一緒させて頂いたのでございます。まぁ、結果お二人の照れ合い睦合うお姿を見てしまったのですが……やはり愛し合う男女とは斯くも刺激が強い物だと、冷静さを装いながら私は逃げる様に食堂ホールへと向かいました。両親で見慣れてはいましたが、やはり両親の物とは違うのだと思ったのです。
そして、腕を組んだウィリアム様とメリー様は見つめ合いながらお席に着きました。何と表現すれば宜しいか分かりませんが、昨日とは全く二人の雰囲気が違うのです。元々、凛々しくも清々しい容姿をお持ちのウィリアム様。その青い瞳を輝かせ、愛し気にメリー様を見つめるお姿は……なんと形容すれば宜しいのでしょうか?とても美しく、こう鳩尾辺りがムズムズ致します。それに、ウィリアム様の愛に応える様に微笑まれるメリー様はとても満たされ美しく、何故かこちらが照れる程。テーブルの下でも手をお繋ぎになっているご様子で、妹達の言っていた【ラブラブ】とはこう言う事であったのでしょう。見て見ぬ振りをするのがマナーでございますよね?
でも何故でしょうか?お二人の周りに黒百合や彼岸花が咲き乱れている様に見えます…怖いようですが、花言葉は【恋】に【情熱】でございましたね。お二人にはとてもお似合いですわ。
禍々しく毒々しい花々の幻覚が即興劇を興じる二人を取り囲む。だが、その幻影をもエリアリスのポジティブと言えば聞こえは良いが、抜けた思考の中ではキラキラと輝いているのである。そんなエリアリスを何とか注目させようと二人は奮闘する。
「さて、やっと君と触れ合えるなメリー」
「ふふ。エリアリス様にはお恥ずかしい所をお見せしてしまいますわね」
「そう……だな。しかし、いずれは見られてしまうのだ。ならば早い方が良いだろう?」
腹を括ると人はこうも大胆になれるのか、何かに吹っ切れたウィリアムは脂汗を流しながらも自分は【銀麗騎士サリザンドだ】と呪文の様に心で唱えながらエリアリスに言うつもりでメリーに接した。
「それより、レナウス達はどうしていた?」
「えぇ、勉強も頑張っていましたけれど、それよりも週末のお茶会の為に招待状を頭を抱えながら準備してますわ」
「茶会?ここでか?」
それまで見せた事の無い様な柔和な笑みを見せあうウィリアムとメリーは、エリアリスに視線を向ける事なく見つめ合い、今日の出来事を話し出した。メリーはウィリアムの当主紋の刻まれた指輪を撫で、ウィリアムは頬杖を付きながらメリーを見つめている。今にもキスしそうな程距離の近い2人。
目を細めながら、その光景をチラチラと見ていたエリアリスは、これまでは自分が居る事で遠慮していたのだろうとニコリと微笑みながらお茶に口を付けた。
「そうなんですの。我が家に春が訪れそうなのですよ」
「春?」
「レナウスがラブレターを貰いましたの」
「ほぅ。あいつもそういう年頃か」
「お相手が誰なのか……気になりませんの?」
悪戯な笑みを向けられたウィリアムは、どう返事をするのが良いのか迷い固まった。
うぅむ。正直どうでも良いぞ……。レナウスがその令嬢を好いているのであればお付き合いをすれば良い。今更どこぞの貴族と無理に婚姻を結ぶ必要もない。私が爵位を引き継いだのだ。自由に生きて行けば良い。だが、ここで『誰でも良い』と言えばメリーは噛みついてくるだろう……何と言えば良いのだろうか。
意識の中で、パラパラと小説のセリフが浮かんでは消えて行く。あれでも無い、これでも無いと考えるウィリアムにメリーは鼻梁に皴を寄せ、ヒクヒクと目尻を痙攣させながら『何とか言いなさいよ』とでも言いたげな顔をしている。その表情が更にウィリアムを焦らせていたが、非難は決してしてはいけない事は理解していた。
「……き、気にならぬと言えば嘘になるが。レナウスがそのご令嬢と共にありたいと願うのならば、私はお相手がどの様な方でも気にはせぬがな」
そう格好良く言いながらも、目元は『これで合っているのか?』とメリーに問いかけていた。メリーも『及第点ですわ』と言う様な目をしていたので、安堵と共にメリーの手を汗ばんだ手で握りしめた。その時メリーが心の中でその湿った手の気持ち悪さを口汚く罵っていた事などウィリアムには知る由も無い。
「兄様、いいえ。ウィル、やはり貴方は優しいのね」
「なんだ急に……きもっ、ゴホッ‼︎きゅっ急に褒めるなんて君らしく無い」
「うふふ。ウィルがレナウスの恋人がどの様な人でも構わないと言ってくれて嬉しいの」
「なんだ、なぜその様な事で喜ぶ?当たり前ではないか……大事な弟だ。本人の望むまま、幸せを見つけてくれる事を望まぬ兄などおらぬだろう?」
「えぇ、えぇ。そうよね!その相手がハリオル家でも、幸せならばそれで良いのですよね?」
「あぁ。それがハリオル家でも幸せなら……」
覆水と後悔を覆す事が出来ぬ程、はっきりと【気にせぬ】と言った直後のメリーの後出しじゃんけんに負けたウィリアム。エリアリスに見せつける事だけを考えているウィリアムの破裂寸前の脳内に、警報が鳴り響いている。
「は……はっ……?」
ハリオル?コスティーノ・ハリオル宰相の家門のハリオルか?
いや、コスティーノ殿に子女は居なかった筈だ。ではなんだ?門閥家の中のいずれかのご令嬢の事か?……そうか、きっとそうだろう!ハリオルを家名に持つご令嬢……私が知るのはケリー嬢、オルセン嬢、ミュリエット嬢か?だが、このお三方は既にご結婚されていなかったか?んんん?
よく事情が飲み込めず、苦悶の表情を見せるウィリアムを他所にメリーはエリアリスに目を向けた。
「エリアリス様も、愛に国境も、年齢も、貴賤も、性別も関係ないと思いますよね?」
「私でございますか?」
「えぇ。私とウィルは愛し合っておりますけど、もしウィルが女性であっても……私は恋をしたと思いますわ」
「まぁ!その様に想い合える方と出会えたメリー様は幸運に恵まれておりますわ。確かに、国境や年齢、性別で貴賤をつけるべきではありませんわ……ですが、それ以前に想い合えるお相手なのかという事が何よりも重要ではないでしょうか?」
レナウスの恋の相手となるかもしれない相手が男である事に気が付いたウィリアムは、驚く事も嫌悪感を表に出す事も出来ずメリーを凝視していた。そう……ウィリアムがここで相手が男である事を非難でもしようものなら、メリーにも、エリアリスにも逆に自分が狭量だと非難される事が容易に想像できたのである。ここで失点だけは避けたいウィリアムは、東洋の神仏像の様な目をしていた。
内心ドキドキしながらも穏やかに微笑むエリアリスとクラッカーの様に頭が弾けそうなウィリアム。その二人をぐいぐいと引っ張り続けるメリーという三つ巴に、食堂はいつになく緊張感に包まれていた。
本日のディナーは前菜、シャンピオンポタージュ、子牛のローストでソースはレモン風味でございました。デザートの無花果と葡萄のミルフィーユはとても美味しくて、卑しくも【おかわり】したいと思える程でした。はぁ、本当にこのお屋敷のデザートは宝石の様に輝き、とても美味しいのです。毎日この様な贅沢をしていて良い物か……抵抗もありますが、私の密かな楽しみとなっております。さて……食事を終えて、明日のレッスンメニューを食堂でコーヒーを頂きながら考えておりますと、ウィリアム様のご帰宅の鈴が鳴りました。すると、丁度同じタイミングでメリー様が食堂ホールに入って来られましたので、お出迎えをご一緒させて頂いたのでございます。まぁ、結果お二人の照れ合い睦合うお姿を見てしまったのですが……やはり愛し合う男女とは斯くも刺激が強い物だと、冷静さを装いながら私は逃げる様に食堂ホールへと向かいました。両親で見慣れてはいましたが、やはり両親の物とは違うのだと思ったのです。
そして、腕を組んだウィリアム様とメリー様は見つめ合いながらお席に着きました。何と表現すれば宜しいか分かりませんが、昨日とは全く二人の雰囲気が違うのです。元々、凛々しくも清々しい容姿をお持ちのウィリアム様。その青い瞳を輝かせ、愛し気にメリー様を見つめるお姿は……なんと形容すれば宜しいのでしょうか?とても美しく、こう鳩尾辺りがムズムズ致します。それに、ウィリアム様の愛に応える様に微笑まれるメリー様はとても満たされ美しく、何故かこちらが照れる程。テーブルの下でも手をお繋ぎになっているご様子で、妹達の言っていた【ラブラブ】とはこう言う事であったのでしょう。見て見ぬ振りをするのがマナーでございますよね?
でも何故でしょうか?お二人の周りに黒百合や彼岸花が咲き乱れている様に見えます…怖いようですが、花言葉は【恋】に【情熱】でございましたね。お二人にはとてもお似合いですわ。
禍々しく毒々しい花々の幻覚が即興劇を興じる二人を取り囲む。だが、その幻影をもエリアリスのポジティブと言えば聞こえは良いが、抜けた思考の中ではキラキラと輝いているのである。そんなエリアリスを何とか注目させようと二人は奮闘する。
「さて、やっと君と触れ合えるなメリー」
「ふふ。エリアリス様にはお恥ずかしい所をお見せしてしまいますわね」
「そう……だな。しかし、いずれは見られてしまうのだ。ならば早い方が良いだろう?」
腹を括ると人はこうも大胆になれるのか、何かに吹っ切れたウィリアムは脂汗を流しながらも自分は【銀麗騎士サリザンドだ】と呪文の様に心で唱えながらエリアリスに言うつもりでメリーに接した。
「それより、レナウス達はどうしていた?」
「えぇ、勉強も頑張っていましたけれど、それよりも週末のお茶会の為に招待状を頭を抱えながら準備してますわ」
「茶会?ここでか?」
それまで見せた事の無い様な柔和な笑みを見せあうウィリアムとメリーは、エリアリスに視線を向ける事なく見つめ合い、今日の出来事を話し出した。メリーはウィリアムの当主紋の刻まれた指輪を撫で、ウィリアムは頬杖を付きながらメリーを見つめている。今にもキスしそうな程距離の近い2人。
目を細めながら、その光景をチラチラと見ていたエリアリスは、これまでは自分が居る事で遠慮していたのだろうとニコリと微笑みながらお茶に口を付けた。
「そうなんですの。我が家に春が訪れそうなのですよ」
「春?」
「レナウスがラブレターを貰いましたの」
「ほぅ。あいつもそういう年頃か」
「お相手が誰なのか……気になりませんの?」
悪戯な笑みを向けられたウィリアムは、どう返事をするのが良いのか迷い固まった。
うぅむ。正直どうでも良いぞ……。レナウスがその令嬢を好いているのであればお付き合いをすれば良い。今更どこぞの貴族と無理に婚姻を結ぶ必要もない。私が爵位を引き継いだのだ。自由に生きて行けば良い。だが、ここで『誰でも良い』と言えばメリーは噛みついてくるだろう……何と言えば良いのだろうか。
意識の中で、パラパラと小説のセリフが浮かんでは消えて行く。あれでも無い、これでも無いと考えるウィリアムにメリーは鼻梁に皴を寄せ、ヒクヒクと目尻を痙攣させながら『何とか言いなさいよ』とでも言いたげな顔をしている。その表情が更にウィリアムを焦らせていたが、非難は決してしてはいけない事は理解していた。
「……き、気にならぬと言えば嘘になるが。レナウスがそのご令嬢と共にありたいと願うのならば、私はお相手がどの様な方でも気にはせぬがな」
そう格好良く言いながらも、目元は『これで合っているのか?』とメリーに問いかけていた。メリーも『及第点ですわ』と言う様な目をしていたので、安堵と共にメリーの手を汗ばんだ手で握りしめた。その時メリーが心の中でその湿った手の気持ち悪さを口汚く罵っていた事などウィリアムには知る由も無い。
「兄様、いいえ。ウィル、やはり貴方は優しいのね」
「なんだ急に……きもっ、ゴホッ‼︎きゅっ急に褒めるなんて君らしく無い」
「うふふ。ウィルがレナウスの恋人がどの様な人でも構わないと言ってくれて嬉しいの」
「なんだ、なぜその様な事で喜ぶ?当たり前ではないか……大事な弟だ。本人の望むまま、幸せを見つけてくれる事を望まぬ兄などおらぬだろう?」
「えぇ、えぇ。そうよね!その相手がハリオル家でも、幸せならばそれで良いのですよね?」
「あぁ。それがハリオル家でも幸せなら……」
覆水と後悔を覆す事が出来ぬ程、はっきりと【気にせぬ】と言った直後のメリーの後出しじゃんけんに負けたウィリアム。エリアリスに見せつける事だけを考えているウィリアムの破裂寸前の脳内に、警報が鳴り響いている。
「は……はっ……?」
ハリオル?コスティーノ・ハリオル宰相の家門のハリオルか?
いや、コスティーノ殿に子女は居なかった筈だ。ではなんだ?門閥家の中のいずれかのご令嬢の事か?……そうか、きっとそうだろう!ハリオルを家名に持つご令嬢……私が知るのはケリー嬢、オルセン嬢、ミュリエット嬢か?だが、このお三方は既にご結婚されていなかったか?んんん?
よく事情が飲み込めず、苦悶の表情を見せるウィリアムを他所にメリーはエリアリスに目を向けた。
「エリアリス様も、愛に国境も、年齢も、貴賤も、性別も関係ないと思いますよね?」
「私でございますか?」
「えぇ。私とウィルは愛し合っておりますけど、もしウィルが女性であっても……私は恋をしたと思いますわ」
「まぁ!その様に想い合える方と出会えたメリー様は幸運に恵まれておりますわ。確かに、国境や年齢、性別で貴賤をつけるべきではありませんわ……ですが、それ以前に想い合えるお相手なのかという事が何よりも重要ではないでしょうか?」
レナウスの恋の相手となるかもしれない相手が男である事に気が付いたウィリアムは、驚く事も嫌悪感を表に出す事も出来ずメリーを凝視していた。そう……ウィリアムがここで相手が男である事を非難でもしようものなら、メリーにも、エリアリスにも逆に自分が狭量だと非難される事が容易に想像できたのである。ここで失点だけは避けたいウィリアムは、東洋の神仏像の様な目をしていた。
内心ドキドキしながらも穏やかに微笑むエリアリスとクラッカーの様に頭が弾けそうなウィリアム。その二人をぐいぐいと引っ張り続けるメリーという三つ巴に、食堂はいつになく緊張感に包まれていた。
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