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SS 新しい家族

*R18 繋がる糸のその先に君を思う サリザンドの束縛

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 「ただいま」

 12時前、サリーが学会から戻って来て、ウトウトしていた俺の額にキスをした様だった。でも、俺は眠くてうわ言の様な「お帰り」を言うと、怠い体に身を任せてぼうっとサリーを見ていた。

 深緑の髪は歳のせいか少し明るく透明に透けている部分があって、俺は考えてしまう。俺にはほぼ寿命という寿命は無いけれど、サリー達はいつかはこの世から居なくなる。その時、俺とカムイは何を思うんだろう。笑顔でさようならと言えるだろうか。

「どうした?目に涙なんか溜めて」

「んーん。ただ愛しいと思って、サリーが側に居て、俺を縛り付けてくれてる事がこの上もなく幸せだと思ったらなんか泣けて来た」

「別の心配でもしていたんじゃないか?」

「ん?」

「命が生まれる時、また命は無に還る。それは変えようの無い理りだ」

「知ってる。だから美しくて、この一瞬すら愛しいのも分かってる」

「大丈夫だ。俺が死ぬ時はお前も連れて行く」

 こんな物騒な言葉を、一体誰が喜ぶと言うのだろうか。でも、俺は死ぬ程、今ここで消えて無くなりそうな程の歓喜に心が満たされている。

「連れて行って。俺をいつも側に置いて離さないで」

「何年、時が経っても都が俺の心から消えて無くなる事は無かったんだ。それはお前じゃ無いと駄目だと知っているからだ。だから不安に思わなくていい、ちゃんとその時には殺してやるから」

「うん。愛してるサリー」

「今日は陛下の日だが、今はまだ俺の余韻を残しても良いだろう?」

 サリーは俺を抱き上げると階段を登って、俺の部屋に向かった。サリーの部屋じゃ無いと言う事は、無理はさせない、人体で愛してくれると言う事だ。優しく無い男なのに、優しいんだよなぁ。好きだなぁ、何でだろ。

「都、その前にチェックさせてくれ。腹に触れるぞ」

「ん」

 俺はシャツを捲ると、少しふっくらとしたお腹を見せた。
サリーは下腹に手を翳し魔粒子を当ててスキャンの様な事をしている様だった。そして俺の手首や首元で脈や魔粒子の流れ、魔粒子核の状態を見てくれた。

「大丈夫そうだな。まぁ、昨晩あんだけ流したからな。腹の子も順調そうだ」

「そ、良かった。ねぇ、いつ頃性別わかる?」

「性別?男しか居ないだろここには」

「でも、俺は元々女で、こっちの世界で両生だったから有り得るかもしれないと思って」

「……そうだな。生殖器がはっきり現れるのは約20週目、来月には分かるんじゃないか?」

「ふぅ。どっちかなーハクト。男の子かな、女の子かな。女の子ならパパ達は心配でお仕事みんな辞めちゃうよ?」

「何故だ?何故女なら仕事を辞める」

「それ位可愛いくて心配だから。そんでもって必ずお嫁さんになるし、家を出て、相手の家の子になるからだよ。こっちみたいに夫婦になって親元から完全独立って訳には行かないだろうし」

「?」

「女の子は男の子に比べて体の作りが繊細なんだよ。妊娠一つとっても、精神状態は荒れるし、10ヶ月も食事から何から制限される。ありがたい事に俺には9人もの手足があるから大変じゃ無いけど、もしも伴侶が1人なら、とっても大変で精神的に参っちゃうんだよ。ま、何から何まで男みたいに行かないんだよ。もし女の子なら間違いなく俺と同じ様な体質で獣体も持っていないだろうし」

「‼︎」

 サリーはベッドから降りると、ガサガサと何かを探し出した。急に慌てふためく彼を俺は見ていた。

「都、メモする。女とは男とどう違う?万が一この子がそうなら、俺は何をしてやれる?」

 あはっ!もう、すっかり父親なんだな。優しい人。

「来て、俺が教える」

 俺はシャツを脱ぐと、サリーの膝に跨りその細くて長い指を陰部へと誘った。

「覚えてる?ここに膣があった……ふわふわして、淫靡で、サリーを中に誘っていた場所だよ?」

「あぁ、覚えて……る。ん、ふっ」

「はっ、ふぅ、ん。そして、今じゃここから触れられる子宮口が膣の中にあるんだ」

「あぁっ、甘い香でおかしくなりそうだ。はあっ、ん、」

 俺はサリーの指を後ろから入れて、一緒に指を動かして中で指を絡ませる。次第に膨れあがる前立腺を擦りながら、俺はサリーにキスをした。

「んっ、んぶっ、んん。はっ、はっ、もっと。いつもみたいに奥にちょうだい」

 サリーはメガネを外すと、顔を横にして全てを食べ尽くす様に舌を喉奥まで差し込んでくる。俺はそれが気持ちよくて、軽くイッてしまった。ヒクヒクと痙攣するそこに、サリザンドは指を浅く差し入れしながら俺の喉を執拗に攻め立ててくる。吐き気と、溢れる唾液に咽せながら、俺はそれでもサリーの舌を吸い続けた。

「ぷはっ、はっ、サリー、大好き。一つになりたい、俺を女にして、今だけでも弱くて強くて守られていたいと願う女に戻して!」

 サリーは躊躇いなく俺の中にズンズンと腰を打ち付け、的確に俺の弱い所を攻めて来る。子宮弁をなぞって臍上にその形が分かるほど腸を抉るその物に、俺はあっという間に塞いでいた口を開いて嬌声を上げる。

「んんんっ、あっ、ああんっんんんっ、いい、そこヤバい、ひぃっ、やんっ!」

「女は何を守ってやればいい」

「ひんっ、ふんっ、ん、んっ、心をっ、可愛い、愛してるって言い続けて、んっ、はぁっ!あーっ、出ちゃう!」

サリーは俺の物を握ると、魔粒子の紐でぎゅっと締め上げ、ぶら下がる二つの物と、竿の間に突き刺さっている魔石のピアスに魔粒子を流した。それをされると、俺は出せないし、魔粒子のせいで中も皮膚も敏感になって、ただ触れられるだけで空イキを何度もしてしまう。

「あーーーー!あっ!かはっ!あっ、あっ、」

「で?他には?」

「俺の様にっ……ふぁっ、ああっ、宝物みたいにっんんん、愛して」

「なら女であろうとなかろうと変わらんな」

 俺をサリーはうつ伏せにさせると、背後から首を掴みゆっくりと力を入れながら、中で回転させる様に腹の中を掻き回す。俺はそれをされるとむず痒くなって、自分で腰を動かしてしまう。

「なんだ、堪え性がないな。いいぞ、好きに動け」

 俺にも獣の本能があるのか、理性を捨てると体が望むままにサリーを飲み込み、快楽に堕ちて行く。妊娠中なのを忘れてしまって、俺が好きな子宮弁にサリーを誘導してしまった。

「駄目だ。ここには俺達の宝があるんだから、傷付けたく無い」

「ふえっ、そ、そうだったっ、んんっ、でもイキたい!グポグポしてっ、サリー、代わりに結腸イキもっと」

「良いだろう。これを使ってやるから思う存分俺を食え」

サリーは俺の頚椎に手を当てると、白魔粒子を流し出した。白魔粒子は、全ての色魔粒子を吸収する為血液が頭に昇る様に感覚や快楽が脳に響く。

「あああぁっ!はぁっ!ひゃんっ!んんっ、んっ、あぁっ!」

ガクガクと震える程スパークして盛大にイッたのに、出せない所為か下腹の疼きが強くなった気がした。

「ほら、好きに動け。快楽が一定を超えれば出せるんだから」

「んっ、出したい!でも、出したく無いっ、もっと!サリーもっと出して」

散々中に飲み込んで、揺れるたびにタプタプとお腹で音が鳴る。俺はそれが嬉しくて、サリーの物をズルリと抜くと仰向けになって自分で自分を慰めた。子宮弁を擦りながら、手のひらでサリーの物が揺れる臍上を撫でる。それだけで甘い快楽が俺をのけ反らせる。

「俺はもう用無しか?」

「そんな訳ないじゃん。一回カラにしてまた飲むの」

指を開いて、くぱっと秘部を開くとドロドロとサリザンドの吐き出した物が溢れ出て、下に敷いた紺色のタオルは一気に白く汚れて行った。

「はぁっ、出ちゃう時もきもちー」

「都も淫靡になった物だな。以前は快楽を恐れていたのに」

「うん。だって、全部貰ったから、全部あげたいんだ。もしかしてこんな俺は嫌?あ、直すよ!我慢する。そ、そうだよね、母親になるっていうのにこんなんじゃ駄目だよな」

「違う。勘違いするな馬鹿」

「うん?」

「愛しいと言う事だ。可愛いんだ、俺を求めて止まないその姿に俺は幸せで仕方が無いんだ。可愛い都、もっと求めて狂ってくれ。俺の所まで堕ちてくれ」

「もう堕ちてる。戻れない」

「……戻らなくて良い。さぁ、仕上げはどうしたい」

「んー。口から飲んで、サリーの指でこれ解いてイキたい」

「ほら、あーって言いながらゆっくり飲み込め」

「あー……んぶっぶっ、がぽっ、ぐぼっ、んん、ふぅ」

じゅっ、じゅぽっ、にゅくにゅくじゅっ

サリザンドの物が全て喉に収まったまま、サリザンドは腰を都に打ち付ける。容赦なく喉を犯し、サリザンドは都の物を扱いて口に含んだ。

「んんーー!んーー!」

都は慌てて口を離そうとしたが、サリザンドは足で頭を押さえつけ尚も腰を振った。手で扱くその速度は次第に加速し、敏感を通り越して麻痺し始めた時、サリザンドは魔粒子の紐を解いた。

「んーーーっ!」

サリザンドも都の喉に欲情を吐き出しながら、ゆっくり抽送して奥へ奥へとそれを押し込んで行く。都は何度もそれを飲み下す為に喉を鳴らした。

ゴッゴクッ、ゴクッ

最後の一滴まで絞り出す様な動きに、サリザンドも顔を歪め背をピンと伸ばしたが、まだその口には都の震える物が力強く立っていた。

「はあっ、ん。ゴクッ、まだ出したりん様だ。俺が飲むから好きなだけ出せ」

「良いよっ、だい、じょぶ……んっ、麻痺してっ、良く分かんないからっ」

「なら俺の中で出すか?いいぞ、初めてだから刺激は強い筈だ」

「えっ!や、やだよ!サリー嫌がってたじゃん」

「だが、イケないんだろ」

「だからって嫌だよ。俺はサリーに抱いて欲しい。抱くのはやだよ」

「ふむ。ならどうする?」

「ほっとけば治るから。それよりイチャイチャしよーよ。ぎゅってしたまま寝よ?」

「大丈夫か?」

「うん。沢山気持ち良くて、沢山幸せ」

「おいで、都」

 サリザンドは都を呼ぶと、抱き寄せそのままベッドに倒れ込んだ。そして布団を手繰り寄せ包み込む様にして眠りに着いた。




 2人が微睡む夕刻に目を覚ました頃、家に次々と家族達が帰ってきた。都はまだ怠い体を何とか起こして、シャツを羽織ろうとした。

「無理しない方がいいんじゃないか?陛下には休ませると伝えておこう」

「んーん。大丈夫。サリーの余韻がまだ体に残っててこのままじゃ余計身体に悪そうだから。行って来る。怒らないで、サリーとルーナを1番愛してるから」

「分かってる。俺はお前の体が心配なだけだ。怒ってないさ」

「ご飯、作ってあるから食べたい時に好きな物食べて。あ、サリーの好きなお好み焼きは冷凍してるから、温めて食べてね。あと、」

「都、大丈夫だ。ほら、多分カナムが迎えに来ている筈だ。風呂に入って体を温めておけ」

「……ありがとう。あなた、愛してる」

 その言葉に、サリザンドはふっと笑うと目元を手で覆い笑い出した。

「?」

「あはっ、それはズルいぞ都。……あなた、か。良い響きだ」

「ふふっ、ならこれからはそう呼ぶよ」

「俺と2人の時だけにしてくれ、他のやつをそう呼んだらお前の喉を潰す」

「はいはい。本当にもう、子供なんだからサリーも」

 都は軽くキスをするとシャツのボタンを留めて、緩やかなシルクのサロペットを履くと、スリッパに足を滑り込ませて立ち上がった。

「サリーはまだ寝てるんでしょ?おやすみ、今日はここで寝て。夜帰ってきたら一生にまた寝よ」

「あぁ。待ってる」

「行って来ます」

パタリと閉じた扉、サリザンドはそこをじっと眺めて目を瞑る。

 囲い捉える様な恋愛しかして来なかった自分が、今は都という檻に囚われている。その事を人生最大の幸福だと思うのは俺が歳を取った所為だろうか。いつかは俺も死ぬ。都にはああ言ったが、俺がお前を連れて地獄に落ちる事など出来る訳もない。俺が死んだら泣いて、悲しんで、2度と誰も愛さないと誓ってくれ。俺のお前への縛りはそれで完成する。来世まで繋がる縛りだ……願わくば、生まれ変わっても都の統べるこの世界に生まれたい。
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