163 / 200
SS 新しい家族
*R18 繋がる糸のその先に君を思う サリザンドの束縛
しおりを挟む「ただいま」
12時前、サリーが学会から戻って来て、ウトウトしていた俺の額にキスをした様だった。でも、俺は眠くてうわ言の様な「お帰り」を言うと、怠い体に身を任せてぼうっとサリーを見ていた。
深緑の髪は歳のせいか少し明るく透明に透けている部分があって、俺は考えてしまう。俺にはほぼ寿命という寿命は無いけれど、サリー達はいつかはこの世から居なくなる。その時、俺とカムイは何を思うんだろう。笑顔でさようならと言えるだろうか。
「どうした?目に涙なんか溜めて」
「んーん。ただ愛しいと思って、サリーが側に居て、俺を縛り付けてくれてる事がこの上もなく幸せだと思ったらなんか泣けて来た」
「別の心配でもしていたんじゃないか?」
「ん?」
「命が生まれる時、また命は無に還る。それは変えようの無い理りだ」
「知ってる。だから美しくて、この一瞬すら愛しいのも分かってる」
「大丈夫だ。俺が死ぬ時はお前も連れて行く」
こんな物騒な言葉を、一体誰が喜ぶと言うのだろうか。でも、俺は死ぬ程、今ここで消えて無くなりそうな程の歓喜に心が満たされている。
「連れて行って。俺をいつも側に置いて離さないで」
「何年、時が経っても都が俺の心から消えて無くなる事は無かったんだ。それはお前じゃ無いと駄目だと知っているからだ。だから不安に思わなくていい、ちゃんとその時には殺してやるから」
「うん。愛してるサリー」
「今日は陛下の日だが、今はまだ俺の余韻を残しても良いだろう?」
サリーは俺を抱き上げると階段を登って、俺の部屋に向かった。サリーの部屋じゃ無いと言う事は、無理はさせない、人体で愛してくれると言う事だ。優しく無い男なのに、優しいんだよなぁ。好きだなぁ、何でだろ。
「都、その前にチェックさせてくれ。腹に触れるぞ」
「ん」
俺はシャツを捲ると、少しふっくらとしたお腹を見せた。
サリーは下腹に手を翳し魔粒子を当ててスキャンの様な事をしている様だった。そして俺の手首や首元で脈や魔粒子の流れ、魔粒子核の状態を見てくれた。
「大丈夫そうだな。まぁ、昨晩あんだけ流したからな。腹の子も順調そうだ」
「そ、良かった。ねぇ、いつ頃性別わかる?」
「性別?男しか居ないだろここには」
「でも、俺は元々女で、こっちの世界で両生だったから有り得るかもしれないと思って」
「……そうだな。生殖器がはっきり現れるのは約20週目、来月には分かるんじゃないか?」
「ふぅ。どっちかなーハクト。男の子かな、女の子かな。女の子ならパパ達は心配でお仕事みんな辞めちゃうよ?」
「何故だ?何故女なら仕事を辞める」
「それ位可愛いくて心配だから。そんでもって必ずお嫁さんになるし、家を出て、相手の家の子になるからだよ。こっちみたいに夫婦になって親元から完全独立って訳には行かないだろうし」
「?」
「女の子は男の子に比べて体の作りが繊細なんだよ。妊娠一つとっても、精神状態は荒れるし、10ヶ月も食事から何から制限される。ありがたい事に俺には9人もの手足があるから大変じゃ無いけど、もしも伴侶が1人なら、とっても大変で精神的に参っちゃうんだよ。ま、何から何まで男みたいに行かないんだよ。もし女の子なら間違いなく俺と同じ様な体質で獣体も持っていないだろうし」
「‼︎」
サリーはベッドから降りると、ガサガサと何かを探し出した。急に慌てふためく彼を俺は見ていた。
「都、メモする。女とは男とどう違う?万が一この子がそうなら、俺は何をしてやれる?」
あはっ!もう、すっかり父親なんだな。優しい人。
「来て、俺が教える」
俺はシャツを脱ぐと、サリーの膝に跨りその細くて長い指を陰部へと誘った。
「覚えてる?ここに膣があった……ふわふわして、淫靡で、サリーを中に誘っていた場所だよ?」
「あぁ、覚えて……る。ん、ふっ」
「はっ、ふぅ、ん。そして、今じゃここから触れられる子宮口が膣の中にあるんだ」
「あぁっ、甘い香でおかしくなりそうだ。はあっ、ん、」
俺はサリーの指を後ろから入れて、一緒に指を動かして中で指を絡ませる。次第に膨れあがる前立腺を擦りながら、俺はサリーにキスをした。
「んっ、んぶっ、んん。はっ、はっ、もっと。いつもみたいに奥にちょうだい」
サリーはメガネを外すと、顔を横にして全てを食べ尽くす様に舌を喉奥まで差し込んでくる。俺はそれが気持ちよくて、軽くイッてしまった。ヒクヒクと痙攣するそこに、サリザンドは指を浅く差し入れしながら俺の喉を執拗に攻め立ててくる。吐き気と、溢れる唾液に咽せながら、俺はそれでもサリーの舌を吸い続けた。
「ぷはっ、はっ、サリー、大好き。一つになりたい、俺を女にして、今だけでも弱くて強くて守られていたいと願う女に戻して!」
サリーは躊躇いなく俺の中にズンズンと腰を打ち付け、的確に俺の弱い所を攻めて来る。子宮弁をなぞって臍上にその形が分かるほど腸を抉るその物に、俺はあっという間に塞いでいた口を開いて嬌声を上げる。
「んんんっ、あっ、ああんっんんんっ、いい、そこヤバい、ひぃっ、やんっ!」
「女は何を守ってやればいい」
「ひんっ、ふんっ、ん、んっ、心をっ、可愛い、愛してるって言い続けて、んっ、はぁっ!あーっ、出ちゃう!」
サリーは俺の物を握ると、魔粒子の紐でぎゅっと締め上げ、ぶら下がる二つの物と、竿の間に突き刺さっている魔石のピアスに魔粒子を流した。それをされると、俺は出せないし、魔粒子のせいで中も皮膚も敏感になって、ただ触れられるだけで空イキを何度もしてしまう。
「あーーーー!あっ!かはっ!あっ、あっ、」
「で?他には?」
「俺の様にっ……ふぁっ、ああっ、宝物みたいにっんんん、愛して」
「なら女であろうとなかろうと変わらんな」
俺をサリーはうつ伏せにさせると、背後から首を掴みゆっくりと力を入れながら、中で回転させる様に腹の中を掻き回す。俺はそれをされるとむず痒くなって、自分で腰を動かしてしまう。
「なんだ、堪え性がないな。いいぞ、好きに動け」
俺にも獣の本能があるのか、理性を捨てると体が望むままにサリーを飲み込み、快楽に堕ちて行く。妊娠中なのを忘れてしまって、俺が好きな子宮弁にサリーを誘導してしまった。
「駄目だ。ここには俺達の宝があるんだから、傷付けたく無い」
「ふえっ、そ、そうだったっ、んんっ、でもイキたい!グポグポしてっ、サリー、代わりに結腸イキもっと」
「良いだろう。これを使ってやるから思う存分俺を食え」
サリーは俺の頚椎に手を当てると、白魔粒子を流し出した。白魔粒子は、全ての色魔粒子を吸収する為血液が頭に昇る様に感覚や快楽が脳に響く。
「あああぁっ!はぁっ!ひゃんっ!んんっ、んっ、あぁっ!」
ガクガクと震える程スパークして盛大にイッたのに、出せない所為か下腹の疼きが強くなった気がした。
「ほら、好きに動け。快楽が一定を超えれば出せるんだから」
「んっ、出したい!でも、出したく無いっ、もっと!サリーもっと出して」
散々中に飲み込んで、揺れるたびにタプタプとお腹で音が鳴る。俺はそれが嬉しくて、サリーの物をズルリと抜くと仰向けになって自分で自分を慰めた。子宮弁を擦りながら、手のひらでサリーの物が揺れる臍上を撫でる。それだけで甘い快楽が俺をのけ反らせる。
「俺はもう用無しか?」
「そんな訳ないじゃん。一回カラにしてまた飲むの」
指を開いて、くぱっと秘部を開くとドロドロとサリザンドの吐き出した物が溢れ出て、下に敷いた紺色のタオルは一気に白く汚れて行った。
「はぁっ、出ちゃう時もきもちー」
「都も淫靡になった物だな。以前は快楽を恐れていたのに」
「うん。だって、全部貰ったから、全部あげたいんだ。もしかしてこんな俺は嫌?あ、直すよ!我慢する。そ、そうだよね、母親になるっていうのにこんなんじゃ駄目だよな」
「違う。勘違いするな馬鹿」
「うん?」
「愛しいと言う事だ。可愛いんだ、俺を求めて止まないその姿に俺は幸せで仕方が無いんだ。可愛い都、もっと求めて狂ってくれ。俺の所まで堕ちてくれ」
「もう堕ちてる。戻れない」
「……戻らなくて良い。さぁ、仕上げはどうしたい」
「んー。口から飲んで、サリーの指でこれ解いてイキたい」
「ほら、あーって言いながらゆっくり飲み込め」
「あー……んぶっぶっ、がぽっ、ぐぼっ、んん、ふぅ」
じゅっ、じゅぽっ、にゅくにゅくじゅっ
サリザンドの物が全て喉に収まったまま、サリザンドは腰を都に打ち付ける。容赦なく喉を犯し、サリザンドは都の物を扱いて口に含んだ。
「んんーー!んーー!」
都は慌てて口を離そうとしたが、サリザンドは足で頭を押さえつけ尚も腰を振った。手で扱くその速度は次第に加速し、敏感を通り越して麻痺し始めた時、サリザンドは魔粒子の紐を解いた。
「んーーーっ!」
サリザンドも都の喉に欲情を吐き出しながら、ゆっくり抽送して奥へ奥へとそれを押し込んで行く。都は何度もそれを飲み下す為に喉を鳴らした。
ゴッゴクッ、ゴクッ
最後の一滴まで絞り出す様な動きに、サリザンドも顔を歪め背をピンと伸ばしたが、まだその口には都の震える物が力強く立っていた。
「はあっ、ん。ゴクッ、まだ出したりん様だ。俺が飲むから好きなだけ出せ」
「良いよっ、だい、じょぶ……んっ、麻痺してっ、良く分かんないからっ」
「なら俺の中で出すか?いいぞ、初めてだから刺激は強い筈だ」
「えっ!や、やだよ!サリー嫌がってたじゃん」
「だが、イケないんだろ」
「だからって嫌だよ。俺はサリーに抱いて欲しい。抱くのはやだよ」
「ふむ。ならどうする?」
「ほっとけば治るから。それよりイチャイチャしよーよ。ぎゅってしたまま寝よ?」
「大丈夫か?」
「うん。沢山気持ち良くて、沢山幸せ」
「おいで、都」
サリザンドは都を呼ぶと、抱き寄せそのままベッドに倒れ込んだ。そして布団を手繰り寄せ包み込む様にして眠りに着いた。
2人が微睡む夕刻に目を覚ました頃、家に次々と家族達が帰ってきた。都はまだ怠い体を何とか起こして、シャツを羽織ろうとした。
「無理しない方がいいんじゃないか?陛下には休ませると伝えておこう」
「んーん。大丈夫。サリーの余韻がまだ体に残っててこのままじゃ余計身体に悪そうだから。行って来る。怒らないで、サリーとルーナを1番愛してるから」
「分かってる。俺はお前の体が心配なだけだ。怒ってないさ」
「ご飯、作ってあるから食べたい時に好きな物食べて。あ、サリーの好きなお好み焼きは冷凍してるから、温めて食べてね。あと、」
「都、大丈夫だ。ほら、多分カナムが迎えに来ている筈だ。風呂に入って体を温めておけ」
「……ありがとう。あなた、愛してる」
その言葉に、サリザンドはふっと笑うと目元を手で覆い笑い出した。
「?」
「あはっ、それはズルいぞ都。……あなた、か。良い響きだ」
「ふふっ、ならこれからはそう呼ぶよ」
「俺と2人の時だけにしてくれ、他のやつをそう呼んだらお前の喉を潰す」
「はいはい。本当にもう、子供なんだからサリーも」
都は軽くキスをするとシャツのボタンを留めて、緩やかなシルクのサロペットを履くと、スリッパに足を滑り込ませて立ち上がった。
「サリーはまだ寝てるんでしょ?おやすみ、今日はここで寝て。夜帰ってきたら一生にまた寝よ」
「あぁ。待ってる」
「行って来ます」
パタリと閉じた扉、サリザンドはそこをじっと眺めて目を瞑る。
囲い捉える様な恋愛しかして来なかった自分が、今は都という檻に囚われている。その事を人生最大の幸福だと思うのは俺が歳を取った所為だろうか。いつかは俺も死ぬ。都にはああ言ったが、俺がお前を連れて地獄に落ちる事など出来る訳もない。俺が死んだら泣いて、悲しんで、2度と誰も愛さないと誓ってくれ。俺のお前への縛りはそれで完成する。来世まで繋がる縛りだ……願わくば、生まれ変わっても都の統べるこの世界に生まれたい。
0
お気に入りに追加
273
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー
チョコミント
BL
落ちこぼれ魔法使いと4人の聖騎士とのハーレム物語が始まる。
生まれてから病院から出た事がない少年は生涯を終えた。
生まれ変わったら人並みの幸せを夢見て…
そして生前友人にもらってやっていた乙女ゲームの悪役双子の兄に転生していた。
死亡フラグはハーレムエンドだけだし悪い事をしなきゃ大丈夫だと思っていた。
まさか無意識に悪事を誘発してしまう強制悪役の呪いにかかっているなんて…
それになんでヒロインの個性である共魔術が使えるんですか?
魔力階級が全てを決める魔法の世界で4人の攻略キャラクターである最上級魔法使いの聖戦士達にポンコツ魔法使いが愛されています。
「俺なんてほっといてヒロインに構ってあげてください」
執着溺愛騎士達からは逃げられない。
性描写ページには※があります。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件
水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて──
※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。
※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。
※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる