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新生編
神核
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「ソレス、ソガットが外れてる。」
朱雀に抱き上げられ宙ぶらりんなソレスは鱗まみれで、人のそれとは異なる手で顔を触った。
「あぁ!オラの仮面が!離してけんろ!」
それでも、ジタバタともがくソレスを朱雀は離さなかった。
「神核が出来てるだと?どういう事だ!」
朱雀はソレスを睨み揺すった。
するとビクトラが朱雀の肩を叩いてソレスを下すよう目で訴える。
降ろされたソレスは朱雀の臍程の身長しかなく皆視線が下がった。
「神核ってなんだかわかるだか?」
室内にいたコレットと魔道隊副隊長のザインカ、近衛騎士隊ドナートが頷き、他はみな首を横に振る。ソレスが話を続けようとした時、ビクトラがそれを手で制した。
「ちょっとまて、リャーレも知っているかもしれん。リャーレを入れてくれ。」
ビクトラが扉近くにいた魔道隊の隊員に声をかけると、扉を開いてリャーレを呼んだ。
「魔道騎士隊副隊長リャーレ入ります。」
リャーレが敬礼して入室すると、ビクトラが手招きして聞いた。
「リャーレ、お前、神核ってわかるか?」
ビクトラの質問に一瞬考えたが、リャーレは朱雀を見て頷く。
その視線に朱雀は気が付き「なんだ?」と忌々しそうに吐き捨てた。
その顔に、朱雀はこの世界での神のあり様や歴史は知らないのだと理解してため息をついた。
「はぁ、、、そのままの意味ですよ。神の核。神の力の源。神が神として存在する為に絶対に必要な物です。この世界で、私の知るこの世界の神核は二核。あと、伝説として言われている神の四核。計六核です。」
「主神テュルケット、、、そして堕天アマルマ。」
「それ以外だと、四神。この地に残る聖獣から受け継いだ者が持ってる可能性はあります。古に存在していたと言われる玄武、オルポーツ様の青龍、隊長の実家の白虎、、、多分大隊長も持ってますよ。あと、朱雀さん、貴方もですよね?」
皆リャーレの言葉にビクトラと朱雀を交互に見た。その目は驚きと成程、と理解した様な眼差しをしている。
「我はもう神核を失った。というか、魂に還元しつつある。グレースとこの地で生きる為だ。」
朱雀の言葉に皆驚き、目を瞬かせた。
「で、神核ってーのは結局なんだ?」
ビクトラは目を瞑って端的な解答をリャーレとソレスに求めた。
「我々に心臓や魂がある様に、神が存在する為の物。神力を使えるのもこのお陰ではないかと思ってます。」
「んだ。」
ソレスはリャーレに同意して長い髭をゆらゆらさせた。
「ソレスさん、あなたって龍の純血だったんですね。いっつもソガット着けてるから何でか疑問でしたけど。」
リャーレの言葉に慌ててソレスはソガットを装着する。
この仮面はソガットにとって周囲からの視線と、魔粒子の強制吸入から身を守るために無くてはならないものだった。慌ててソガットをつけたソレスは皆の視線から逃れる様にグレースの顔を覗き込んだ。そして、更に内に作られ始めた神核を見つめた。
「神核は、下界では生まれねぇってオラの村では言われてっけども。もすかすたら、こん方の魂は今淀みにあんでねーか?」
「淀み?何だそれは!グレースはそこにいるのか?我も行く!」
朱雀はまたソレスを抱き抱えて叫んだ。
ジタバタともがくソレスは朱雀の顎を蹴り上げて、クルリと後方一回転して着地するとため息混じりに話した。
「そんなのオラだって知らねぇーだよ。知っとるのは神が堕ちるのは淀みだって事だけだべ。それにこん方の中には何もねぇ。いくら神子っつっても何かしらあんだべ?けんども、魂、神核、魔粒子核、魔粒子回路もねぇってのはおかしすぎんだべ?でも神核は作られてるってのは、多分だけんども魂が奪われとるんでねぇか?で堕ちた神は魔になるかまた神として生まれ変わりするかどっちかだって聞いとるで。んだから、この方は生まれ変わりでもしとるんじゃなかろうか?」
ソレスの言葉にビクトラは顔面蒼白となり、朱雀はその場にへたり込んだ。
「生まれ変わり!?魔物にか?何でだ!今朝方魔粒子反応を実験した時は綺麗に吸収されていったのを俺は確認した。肉体の構成の養分にはなった筈だ!それに、、、魔道具が胸に着いてる。」
今もグレースの透けかけている身体の真ん中には悍ましくも魔道具が打ち込まれ、身体の内側に根を張っているのが透けて見えた。
「はぁ、、。アルダン交代だ、俺は50%を切ってる。休む。」
耐えられなくなったアガットはビクトラの言葉を聞いた後、ゆっくりと手をグレースの口から抜いて特務第二参謀のアルダンを呼んだ。アガットと交代したアルダンも、その指をグレースの口に差し込んだ。
アガットはフラフラしながらビクトラと共にソファに傾れ込むように腰を落とした。すると特務専属医務官ルーナがアガットの前に立ちポーションを渡してきた。
「いや、俺はいい。休めば回復できる。」
「本気で言ってます?僕の見立てだと、これ、S意外無理ですよ。」
その言葉にビクトラやアガット、リャーレが頭を抱えた。
「わかった。ポーションをくれ。あと、外の奴らは回復要員にする。良いな?ビクトラ。」
「あぁ。」
撫でつけた黒髪を解いて項垂れるアガットは満身創痍だった。それは
ビクトラには内緒で、魔粒子とアガットの血液を流し肉体の構成速度を上げようとしていたからだ。しかし、ビクトラや朱雀と呼ばれた男の執着心を前にそれを伝えるのは憚られた。
絶望感が部屋を包んで誰もが諦めを感じ始めている。
朱雀に抱き上げられ宙ぶらりんなソレスは鱗まみれで、人のそれとは異なる手で顔を触った。
「あぁ!オラの仮面が!離してけんろ!」
それでも、ジタバタともがくソレスを朱雀は離さなかった。
「神核が出来てるだと?どういう事だ!」
朱雀はソレスを睨み揺すった。
するとビクトラが朱雀の肩を叩いてソレスを下すよう目で訴える。
降ろされたソレスは朱雀の臍程の身長しかなく皆視線が下がった。
「神核ってなんだかわかるだか?」
室内にいたコレットと魔道隊副隊長のザインカ、近衛騎士隊ドナートが頷き、他はみな首を横に振る。ソレスが話を続けようとした時、ビクトラがそれを手で制した。
「ちょっとまて、リャーレも知っているかもしれん。リャーレを入れてくれ。」
ビクトラが扉近くにいた魔道隊の隊員に声をかけると、扉を開いてリャーレを呼んだ。
「魔道騎士隊副隊長リャーレ入ります。」
リャーレが敬礼して入室すると、ビクトラが手招きして聞いた。
「リャーレ、お前、神核ってわかるか?」
ビクトラの質問に一瞬考えたが、リャーレは朱雀を見て頷く。
その視線に朱雀は気が付き「なんだ?」と忌々しそうに吐き捨てた。
その顔に、朱雀はこの世界での神のあり様や歴史は知らないのだと理解してため息をついた。
「はぁ、、、そのままの意味ですよ。神の核。神の力の源。神が神として存在する為に絶対に必要な物です。この世界で、私の知るこの世界の神核は二核。あと、伝説として言われている神の四核。計六核です。」
「主神テュルケット、、、そして堕天アマルマ。」
「それ以外だと、四神。この地に残る聖獣から受け継いだ者が持ってる可能性はあります。古に存在していたと言われる玄武、オルポーツ様の青龍、隊長の実家の白虎、、、多分大隊長も持ってますよ。あと、朱雀さん、貴方もですよね?」
皆リャーレの言葉にビクトラと朱雀を交互に見た。その目は驚きと成程、と理解した様な眼差しをしている。
「我はもう神核を失った。というか、魂に還元しつつある。グレースとこの地で生きる為だ。」
朱雀の言葉に皆驚き、目を瞬かせた。
「で、神核ってーのは結局なんだ?」
ビクトラは目を瞑って端的な解答をリャーレとソレスに求めた。
「我々に心臓や魂がある様に、神が存在する為の物。神力を使えるのもこのお陰ではないかと思ってます。」
「んだ。」
ソレスはリャーレに同意して長い髭をゆらゆらさせた。
「ソレスさん、あなたって龍の純血だったんですね。いっつもソガット着けてるから何でか疑問でしたけど。」
リャーレの言葉に慌ててソレスはソガットを装着する。
この仮面はソガットにとって周囲からの視線と、魔粒子の強制吸入から身を守るために無くてはならないものだった。慌ててソガットをつけたソレスは皆の視線から逃れる様にグレースの顔を覗き込んだ。そして、更に内に作られ始めた神核を見つめた。
「神核は、下界では生まれねぇってオラの村では言われてっけども。もすかすたら、こん方の魂は今淀みにあんでねーか?」
「淀み?何だそれは!グレースはそこにいるのか?我も行く!」
朱雀はまたソレスを抱き抱えて叫んだ。
ジタバタともがくソレスは朱雀の顎を蹴り上げて、クルリと後方一回転して着地するとため息混じりに話した。
「そんなのオラだって知らねぇーだよ。知っとるのは神が堕ちるのは淀みだって事だけだべ。それにこん方の中には何もねぇ。いくら神子っつっても何かしらあんだべ?けんども、魂、神核、魔粒子核、魔粒子回路もねぇってのはおかしすぎんだべ?でも神核は作られてるってのは、多分だけんども魂が奪われとるんでねぇか?で堕ちた神は魔になるかまた神として生まれ変わりするかどっちかだって聞いとるで。んだから、この方は生まれ変わりでもしとるんじゃなかろうか?」
ソレスの言葉にビクトラは顔面蒼白となり、朱雀はその場にへたり込んだ。
「生まれ変わり!?魔物にか?何でだ!今朝方魔粒子反応を実験した時は綺麗に吸収されていったのを俺は確認した。肉体の構成の養分にはなった筈だ!それに、、、魔道具が胸に着いてる。」
今もグレースの透けかけている身体の真ん中には悍ましくも魔道具が打ち込まれ、身体の内側に根を張っているのが透けて見えた。
「はぁ、、。アルダン交代だ、俺は50%を切ってる。休む。」
耐えられなくなったアガットはビクトラの言葉を聞いた後、ゆっくりと手をグレースの口から抜いて特務第二参謀のアルダンを呼んだ。アガットと交代したアルダンも、その指をグレースの口に差し込んだ。
アガットはフラフラしながらビクトラと共にソファに傾れ込むように腰を落とした。すると特務専属医務官ルーナがアガットの前に立ちポーションを渡してきた。
「いや、俺はいい。休めば回復できる。」
「本気で言ってます?僕の見立てだと、これ、S意外無理ですよ。」
その言葉にビクトラやアガット、リャーレが頭を抱えた。
「わかった。ポーションをくれ。あと、外の奴らは回復要員にする。良いな?ビクトラ。」
「あぁ。」
撫でつけた黒髪を解いて項垂れるアガットは満身創痍だった。それは
ビクトラには内緒で、魔粒子とアガットの血液を流し肉体の構成速度を上げようとしていたからだ。しかし、ビクトラや朱雀と呼ばれた男の執着心を前にそれを伝えるのは憚られた。
絶望感が部屋を包んで誰もが諦めを感じ始めている。
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