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新生編
赦し
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「貴方は私の物になってくれますか?」
右手で顔を覆い、天を仰いだままのビクトラにグレースは拒絶の恐怖を思い出した。俺は嫌われる。その恐怖でビクトラの服を掴む手が震える。
グレース様が震えている。
何をそんなに焦り、恐怖しているのだろうか?
先程までの強気な色が悲しみに変わっている。
あぁ、抱きしめて、包んであげたい。笑顔が見たい。
もう、とうに腹は括っていたはずではないか。
「グレース様、お願いがございます。」
「っ!な、なんですか?」
「私を貴方の魂の伴侶にして頂きたい。」
「出会ったその日に私は貴方に半身を捧げました。そして貴方が傷付いたあの日、私の中に残る半身も傷付いたのです。貴方の心も、身体も頂かなくても構わない。私の全てを差し上げます。ですから、私の魂を貴方の魂の側に置いて欲しい。」
俺を君は受け入れてくれるのかい?こんな醜い俺を。魂の伴侶?分からない。朱雀を求めるのは俺に残ってる綺麗な感情だ。
愛しい。可愛い、守りたい。それが素直に出てこなくて歪んだ形になっちゃうのはご愛嬌。でもこの男は違う、理性も思考も働かない。
欲しい。この男が堪らなく欲しい。側に置いて常に愛欲に耽りたい。
あぁ、朱雀を傷付けたくないのに。身体がぐらつく。
「俺は、他の男も喰うよ?」
グレース様の冷めた瞳が挑んでくる。俺は決して怯まない。
「ならば共に愛します。私にしか与えられない物を私がお与え致しましょう。他に望まれるものは、他の方から得られれば宜しい。」
「はっ!!はは!!君は、指を咥えていられるんだね!?ふっ、はは!流石大隊長だ!」
グレース様の瞳が嗤う。
嫉妬を嫌うのに、嫉妬しないと腹を立てて愛を疑う。
指を咥えて待つ?そんな訳無いだろう?
グレースの手首を掴み引き寄せ唇を奪う。
「ん!んーー!」
グレースはビクトラを押し退けて肩で息をしながら、睨みあげた。
「そんな訳ないだろ。指なんて咥えねぇよ。」
翡翠と瑠璃の瞳に火が灯る。
仮面を外して素顔が現れた。もう隠さない。
そう言われた気がした。
「なら、どうする。殺すか?他の男を。」
「一人が与えられる快感なんてな、たかが知れてんだ。誰かがその唇を愛したなら、俺はこの手を愛そう。そうやって色んな男に愛されて満たされていればいい。アンタは俺の神なんだ。ただ愛する事を赦せばいい。赦しを与えるだけでいい。俺は他の男もアンタを守る兄弟と思って大切にするぜ?だから、欲望を隠さないでくれ。」
跪き、俺を見上げる瞳には二つの色がある。
美しい強い瞳。怖いと思っていたのに。
その愛を乞う眼差しが今は美しいと思う。
この男は俺の欲望を、愛してくれる。
朱雀だけだった。欲望をぶつけても泣いて縋って求めてくれるのは。
だから俺は俺でいられた。でも足りない。満たされたい。
「朱雀、おいで。」
朱雀はグレースの背後に立ち、背後から抱きしめた。
首に埋まる朱雀の頭を撫でながら囁いた。
「俺はね、満たされたいんだ。俺は朱雀を殺してしまう程に、欲望をぶつけたいと思ってる。でも嫌なんだ。殺したくない。最後だ。俺もこれを言うのは最後にする。だから心を閉ざさず聞いてくれ。」
頷く朱雀の耳に口を寄せて囁いた。
「愛してる。朱雀、愛しているよ。」
「眠るグレースが残してくれた優しい気持ち。光を守りたい強い気持ちが朱雀にも向いてる。これがグレースに託された気持ちから生まれたお前への愛だ。お前にあげる。だから、俺の欲望はビクトラ、、白虎達と一緒に満たして欲しい。出来るな?」
朱雀は静かに涙を流し続けて渋々頷いた。
「いい子だね、俺の朱雀。ありがとう、ごめんな。」
朱雀が声を殺して泣いている。俺だけが泣かせられる。
あぁ、歪んだ心が満たされていく。
「二人にお願いがあるんだ。」
「なんでしょう?」
「うっ、うっ、、な、なんだ?」
「二人でキスをしてほしい。」
俺の微笑みは、アンタ達には悪魔の様に見えてるだろうね?
ハハハハ!良いねその顔。素敵だね。二人とも。
右手で顔を覆い、天を仰いだままのビクトラにグレースは拒絶の恐怖を思い出した。俺は嫌われる。その恐怖でビクトラの服を掴む手が震える。
グレース様が震えている。
何をそんなに焦り、恐怖しているのだろうか?
先程までの強気な色が悲しみに変わっている。
あぁ、抱きしめて、包んであげたい。笑顔が見たい。
もう、とうに腹は括っていたはずではないか。
「グレース様、お願いがございます。」
「っ!な、なんですか?」
「私を貴方の魂の伴侶にして頂きたい。」
「出会ったその日に私は貴方に半身を捧げました。そして貴方が傷付いたあの日、私の中に残る半身も傷付いたのです。貴方の心も、身体も頂かなくても構わない。私の全てを差し上げます。ですから、私の魂を貴方の魂の側に置いて欲しい。」
俺を君は受け入れてくれるのかい?こんな醜い俺を。魂の伴侶?分からない。朱雀を求めるのは俺に残ってる綺麗な感情だ。
愛しい。可愛い、守りたい。それが素直に出てこなくて歪んだ形になっちゃうのはご愛嬌。でもこの男は違う、理性も思考も働かない。
欲しい。この男が堪らなく欲しい。側に置いて常に愛欲に耽りたい。
あぁ、朱雀を傷付けたくないのに。身体がぐらつく。
「俺は、他の男も喰うよ?」
グレース様の冷めた瞳が挑んでくる。俺は決して怯まない。
「ならば共に愛します。私にしか与えられない物を私がお与え致しましょう。他に望まれるものは、他の方から得られれば宜しい。」
「はっ!!はは!!君は、指を咥えていられるんだね!?ふっ、はは!流石大隊長だ!」
グレース様の瞳が嗤う。
嫉妬を嫌うのに、嫉妬しないと腹を立てて愛を疑う。
指を咥えて待つ?そんな訳無いだろう?
グレースの手首を掴み引き寄せ唇を奪う。
「ん!んーー!」
グレースはビクトラを押し退けて肩で息をしながら、睨みあげた。
「そんな訳ないだろ。指なんて咥えねぇよ。」
翡翠と瑠璃の瞳に火が灯る。
仮面を外して素顔が現れた。もう隠さない。
そう言われた気がした。
「なら、どうする。殺すか?他の男を。」
「一人が与えられる快感なんてな、たかが知れてんだ。誰かがその唇を愛したなら、俺はこの手を愛そう。そうやって色んな男に愛されて満たされていればいい。アンタは俺の神なんだ。ただ愛する事を赦せばいい。赦しを与えるだけでいい。俺は他の男もアンタを守る兄弟と思って大切にするぜ?だから、欲望を隠さないでくれ。」
跪き、俺を見上げる瞳には二つの色がある。
美しい強い瞳。怖いと思っていたのに。
その愛を乞う眼差しが今は美しいと思う。
この男は俺の欲望を、愛してくれる。
朱雀だけだった。欲望をぶつけても泣いて縋って求めてくれるのは。
だから俺は俺でいられた。でも足りない。満たされたい。
「朱雀、おいで。」
朱雀はグレースの背後に立ち、背後から抱きしめた。
首に埋まる朱雀の頭を撫でながら囁いた。
「俺はね、満たされたいんだ。俺は朱雀を殺してしまう程に、欲望をぶつけたいと思ってる。でも嫌なんだ。殺したくない。最後だ。俺もこれを言うのは最後にする。だから心を閉ざさず聞いてくれ。」
頷く朱雀の耳に口を寄せて囁いた。
「愛してる。朱雀、愛しているよ。」
「眠るグレースが残してくれた優しい気持ち。光を守りたい強い気持ちが朱雀にも向いてる。これがグレースに託された気持ちから生まれたお前への愛だ。お前にあげる。だから、俺の欲望はビクトラ、、白虎達と一緒に満たして欲しい。出来るな?」
朱雀は静かに涙を流し続けて渋々頷いた。
「いい子だね、俺の朱雀。ありがとう、ごめんな。」
朱雀が声を殺して泣いている。俺だけが泣かせられる。
あぁ、歪んだ心が満たされていく。
「二人にお願いがあるんだ。」
「なんでしょう?」
「うっ、うっ、、な、なんだ?」
「二人でキスをしてほしい。」
俺の微笑みは、アンタ達には悪魔の様に見えてるだろうね?
ハハハハ!良いねその顔。素敵だね。二人とも。
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