28 / 200
新生編
これからは俺がグレースだ。
しおりを挟む
人間とは、何と愚かな生き物か。
この様にか弱き者を、何故こうも甚振れるのか。
「朱雀、もうグレース離しなよ。そろそろ行かなきゃ。」
天照様が朱雀の頭を叩いたよ。結構豪胆なんだな。天照様って。
「嫌だ。我はグレースとここで生きる。」
「それが出来ないのはわかってるでしよ?人間の体のダミーのままじゃグレースはここに居れない。」
ダミーだったんだ、、、これ。新情報。
「…朱雀。そんなにここに居たいならハウスしてなさい。」
「グレース!!!嫌だ!我は側にいたい!」
どっちだよ。
グレースは朱雀の頭を撫でると手を引いて天界の鳥居前に向かった。
天界で記憶が戻って三日。そろそろ出なきゃ。思い出したくもないけど、まぁ、ギリ未遂だったわけで。あの時、突っ込まれる本当寸前でした。危なかった。でも、身体中嬲られ、噛まれ、傷付けられて、弄ばれた。それだけで死んだほうがマシと思える苦痛。記憶がもどって発狂したり、気を失ったりしたけど、ツッキーが助けてくれた。
恐怖、怒り、羞恥、心の枷を取り除く手助けをしてくれて、今ではあの事を思い出しても恐怖で震える事もない。
「これ、外して受肉しなきゃ。力使えないみたいだし。」
胸に刺さっている魔法石が嵌まった手の平程の魔道具。これがある限り魂は肉体に固定されているけど、受肉している訳じゃないから力は使えないらしい。
朱雀が後ろから抱きついて頭を肩に沈めて呟いた。
「我が触れられなくなる。受肉などするな。」
「そんな訳にはいかないよ。もうすぐ魔粒子の爆発が起きるって。」
腰に回した腕の力が強くなる。
「我にも肉体が欲しい。そしたら我がグレースを受肉させてやれる。」
「そうなの?なら肉体作れないの?」
振り返って朱雀を見上げると泣きそうな顔の朱雀がいた。
何でそんなに悲しい顔をしてるんだろう?
「私は肉体を得られない。何故なら本体があるからだ。」
え?肉体はあるってこと?
「?どこにあるの?」
「天界の本殿にある。」
「なら、それ使ったら?」
「それでは人形にはなれない。」
どういう事?
「人形になれないって?」
「我の本当の姿は鳥の様な姿だ。」
「うん。知ってる。」
「我がこの世界に顕現してこれより、伴侶を持ったことがない。」
「う、うん。ドンマイ?」
「故に交わりが無く、白虎や青龍の様に人の肉体を持てなかった。」
「?童貞だと人になれないの?」
何言ってんだこいつは。どういう理屈で人になれないのかが分からん。
「違う!そうではない。最初にグレースが我に口付けた宝珠があったな?あれは私そのものの力だ。神核と言い、玉の状態だと神珠や神玉と呼んだりもする。」
「白虎や青龍は、人界で人と交わり子を成してその子に神核を持たせる事で人の形を維持している。子供には神獣の神力と人間の血が流れているから、受肉をせずとも神核と肉体は融合する。そうやって神獣の力を繋いで来た。」
「だが、私はそれをしなかった。」
「なんで?」
「我の神核が求めなかった。どの世界を渡っても、我の求める人間はどこにもいなかったのだ。でも、グレースがいた。グレースだけを我の神核は求めている。だから、離れたくない。」
はぁ。子犬に懐かれた気分だ。可愛いけど、朱雀は執着の塊みたいだ。縛り付け、囲い込む。きっと自由は無くなるだろうな。
でも、ツッキーは朱雀が居れば心は壊れないから、絶対連れて行けって言ってたな。別に今の私ならそうそう心は壊れないよ。
「でもさ、子供が産まれないと人形を得られないならどうしようもないじゃん。」
「子が産まれずとも人形は得られる。交わった人間の力と我の力を繋げばいい。我は悔いていただけだ。気に入らなくとも誰かと番い、子を成していたならこんなに苦しい思いをしなくて済んだのにと。」
「我は言わば霊体。それまでは受肉していなかったグレースも我同様霊体に過ぎなかった。だから、仮の肉体でも触れられた。」
「何、あんた。って事は霊体以外に攻撃出来ないって事?守るって、、、触れられないならあんま意味ないじゃん」
「あの世界での攻撃や防御は魔粒子が使えるから問題ない。」
「じゃあ神核のままで問題ないじゃん。我儘言わないの。」
「……。それでは攻撃だけでは守れぬ事もある。結界などでは無力だ。それではグレースを守れないではないか。我の本来の力が使えたなら決して遅れは取らない。もう、グレースのあの様な姿は見たくない。」
心の奥底のドブの様な重い塊に熱が集まる。
傷付ける快感、悲しませた悦び、捻れた感情が湧き上がる。
声が響く。
あぁ、私が拗らせさせたんだな。
ごめんな。泣くなよ。男だろ?
子供みたいに丸まって、大きな肩震わせてさ。
そんなに俺が大事か?あぁ愛しいなぁ。執着が凄いけど。
愛情と欲望の火がグレースの中の鍵を焼き切った。
押さえつけられ、雁字搦めで奥深くに鎮められていた本能の目覚め。
もう、耐えなくても良いのだという安堵と解放感がグレースには満ちていた。
「ちょっと待ってて。動くなよ。調べ物が終わったら戻ってくるから。」
とりあえず、朱雀を落ち着かせよう。そして肉体を得る方法を調べてあっちに戻ろう。
さ、俺の可愛い猛獣にあげれるプレゼントを調べに行こう。
この様にか弱き者を、何故こうも甚振れるのか。
「朱雀、もうグレース離しなよ。そろそろ行かなきゃ。」
天照様が朱雀の頭を叩いたよ。結構豪胆なんだな。天照様って。
「嫌だ。我はグレースとここで生きる。」
「それが出来ないのはわかってるでしよ?人間の体のダミーのままじゃグレースはここに居れない。」
ダミーだったんだ、、、これ。新情報。
「…朱雀。そんなにここに居たいならハウスしてなさい。」
「グレース!!!嫌だ!我は側にいたい!」
どっちだよ。
グレースは朱雀の頭を撫でると手を引いて天界の鳥居前に向かった。
天界で記憶が戻って三日。そろそろ出なきゃ。思い出したくもないけど、まぁ、ギリ未遂だったわけで。あの時、突っ込まれる本当寸前でした。危なかった。でも、身体中嬲られ、噛まれ、傷付けられて、弄ばれた。それだけで死んだほうがマシと思える苦痛。記憶がもどって発狂したり、気を失ったりしたけど、ツッキーが助けてくれた。
恐怖、怒り、羞恥、心の枷を取り除く手助けをしてくれて、今ではあの事を思い出しても恐怖で震える事もない。
「これ、外して受肉しなきゃ。力使えないみたいだし。」
胸に刺さっている魔法石が嵌まった手の平程の魔道具。これがある限り魂は肉体に固定されているけど、受肉している訳じゃないから力は使えないらしい。
朱雀が後ろから抱きついて頭を肩に沈めて呟いた。
「我が触れられなくなる。受肉などするな。」
「そんな訳にはいかないよ。もうすぐ魔粒子の爆発が起きるって。」
腰に回した腕の力が強くなる。
「我にも肉体が欲しい。そしたら我がグレースを受肉させてやれる。」
「そうなの?なら肉体作れないの?」
振り返って朱雀を見上げると泣きそうな顔の朱雀がいた。
何でそんなに悲しい顔をしてるんだろう?
「私は肉体を得られない。何故なら本体があるからだ。」
え?肉体はあるってこと?
「?どこにあるの?」
「天界の本殿にある。」
「なら、それ使ったら?」
「それでは人形にはなれない。」
どういう事?
「人形になれないって?」
「我の本当の姿は鳥の様な姿だ。」
「うん。知ってる。」
「我がこの世界に顕現してこれより、伴侶を持ったことがない。」
「う、うん。ドンマイ?」
「故に交わりが無く、白虎や青龍の様に人の肉体を持てなかった。」
「?童貞だと人になれないの?」
何言ってんだこいつは。どういう理屈で人になれないのかが分からん。
「違う!そうではない。最初にグレースが我に口付けた宝珠があったな?あれは私そのものの力だ。神核と言い、玉の状態だと神珠や神玉と呼んだりもする。」
「白虎や青龍は、人界で人と交わり子を成してその子に神核を持たせる事で人の形を維持している。子供には神獣の神力と人間の血が流れているから、受肉をせずとも神核と肉体は融合する。そうやって神獣の力を繋いで来た。」
「だが、私はそれをしなかった。」
「なんで?」
「我の神核が求めなかった。どの世界を渡っても、我の求める人間はどこにもいなかったのだ。でも、グレースがいた。グレースだけを我の神核は求めている。だから、離れたくない。」
はぁ。子犬に懐かれた気分だ。可愛いけど、朱雀は執着の塊みたいだ。縛り付け、囲い込む。きっと自由は無くなるだろうな。
でも、ツッキーは朱雀が居れば心は壊れないから、絶対連れて行けって言ってたな。別に今の私ならそうそう心は壊れないよ。
「でもさ、子供が産まれないと人形を得られないならどうしようもないじゃん。」
「子が産まれずとも人形は得られる。交わった人間の力と我の力を繋げばいい。我は悔いていただけだ。気に入らなくとも誰かと番い、子を成していたならこんなに苦しい思いをしなくて済んだのにと。」
「我は言わば霊体。それまでは受肉していなかったグレースも我同様霊体に過ぎなかった。だから、仮の肉体でも触れられた。」
「何、あんた。って事は霊体以外に攻撃出来ないって事?守るって、、、触れられないならあんま意味ないじゃん」
「あの世界での攻撃や防御は魔粒子が使えるから問題ない。」
「じゃあ神核のままで問題ないじゃん。我儘言わないの。」
「……。それでは攻撃だけでは守れぬ事もある。結界などでは無力だ。それではグレースを守れないではないか。我の本来の力が使えたなら決して遅れは取らない。もう、グレースのあの様な姿は見たくない。」
心の奥底のドブの様な重い塊に熱が集まる。
傷付ける快感、悲しませた悦び、捻れた感情が湧き上がる。
声が響く。
あぁ、私が拗らせさせたんだな。
ごめんな。泣くなよ。男だろ?
子供みたいに丸まって、大きな肩震わせてさ。
そんなに俺が大事か?あぁ愛しいなぁ。執着が凄いけど。
愛情と欲望の火がグレースの中の鍵を焼き切った。
押さえつけられ、雁字搦めで奥深くに鎮められていた本能の目覚め。
もう、耐えなくても良いのだという安堵と解放感がグレースには満ちていた。
「ちょっと待ってて。動くなよ。調べ物が終わったら戻ってくるから。」
とりあえず、朱雀を落ち着かせよう。そして肉体を得る方法を調べてあっちに戻ろう。
さ、俺の可愛い猛獣にあげれるプレゼントを調べに行こう。
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
先生を誰が先に孕ませるかゲーム
及川雨音
BL
複数ショタ×おっぱい有りマッチョ両性具有先生総受け
おっぱいとおしりがデカいむちむちエロボディー!
強姦凌辱調教洗脳脅迫誘導だけど愛があるから大丈夫!
ヤンデレ気味なショタたちに毎日日替わりで犯されます!
【書いていくうちに注意事項変わりますので、確認してからお読みいただくよう、お願い致します】
*先生の肉体は淫乱なのですぐ従順になります。
*淫語強要されます。
*複数プレイ多め、基本は一対一です。ギャラリーがいるのはプレイの一環です。ある意味チームプレイです。
*詳しい女性器・生理描写が有ります。
*ゴミを漁る、トイレ盗撮、ハッキングなど犯罪とストーカー行為をナチュラルにしています。
*相手により小スカ、飲尿、おもらし、強制放尿有ります。
*相手により赤ちゃんプレイ、授乳プレイ有ります。
*パイズリ有り。
*オモチャ、拘束器具、クスコ、尿道カテーテル、緊縛、口枷、吸引機、貞操帯もどき使います。
*相手によりフィストファック有ります。
*集団ぶっかけ有り。
*ごく一般的な行動でも攻めにとってはNTRだと感じるシーン有ります。
*二穴責め有り
*金玉舐め有り
*潮吹き有り
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
不良が異世界に行ったら騎士達に溺愛され波乱万丈な日々を過ごしてます
茶子ちゃ
BL
喧嘩の日々を送る柊桃太、ある日喧嘩をした帰り道誰かに後ろから殴られ目が覚めるとそこは……。
※R18要素盛り沢山予定です。
言葉責め、淫語多々あります。
主人公が溺愛、そして複数と身体の関係(数人の情事あり)を持ちます。苦手な方はおすすめできません。
R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉
あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた!
弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?
異世界で性奴隷として生きてイクことになりました♂
あさきりゆうた
BL
【あらすじ】
●第一章
性奴隷を軸とした異世界ファンタジーが開幕した! 世界は性奴隷の不遇な扱いを当たり前とするものだった。
ある時、現世の不運な死により転生した少年は助けた戦士の性奴隷となってしまった!?
●第二章
性奴隷を扱う施設、「性奴隷の家」内で、脱退の意思を示した男が監禁されることになった。その友人に課せられた命令は愛と狂気の入り交じった性的な拷問であった!
●第三章
義賊とよばれる盗賊は性奴隷の家から一人の性奴隷候補の子を誘拐した。その子はダークエルフの男の子だった。その子のあまりにも生意気な態度に、盗賊はハードプレイでお仕置きをすることにした。
※変態度の非常に高い作品となっております
【近況報告】
20.02.21
なんか待たせてしまってすいませんでした(土下座!)
第三章は本編を絡めながら、ショタのダークエルフに変態的なプレイをする作者の欲望を表現するだけのおはなしです。
20.02.22
「大人しくしていれば可愛いな」を投稿します。一応シリアスめな展開になります。
20.02.23
「助けた礼は体で支払ってもらうぞ」を投稿します。引き続きシリアスな展開。そしてR18を書きたい。
20.02.24
試しに出版申請しました。まあ昔やって書籍化せんかったから期待はしていませんが……。
「欲望に任せたら子作りしてしまった」を投稿します。つい鬼畜にR18を書いてしまった。
あと、各章に名称つけました。
ついでに第一章の没シナリオを7話分のボリュームでのっけました。このシナリオ大不評でした(汗)
ディープ層向けな内容です。
20.02.25
「束の間の握手だ」を投稿します。本編が進みます。
20.02.26
「妊夫さんですがHしたくなっちゃいました」を投稿します。
久々に第一章のお話書きました。そして妊婦さんならぬ妊夫さんとのHな話が書きたかったです。
20.02.27
「世話の焼けるガキだ」を投稿します。
話書いたのわしですが、酷い設定持たせてすまんなエルトくん。
20.02.28
「死んだなこりゃあ」を投稿します。展開上、まだR18を書けないですが、書きてえ。やらしいことを!
20.02.29
「性欲のまま暴れて犯るか」を投稿します。R18回です。この二人はどうも男よりの性格しているのでラブシーンの表現苦戦しますね・・・。
20.03.01
「お前と一緒に歩む」を投稿しました。第三章、良い最終回だった…としたいところですが、もっとR18なお話を書く予定です。
後、第四章あたりで物語を終結させようかと考えています。
20.03.05
職場がキツくて鬱になりました。しばらくは執筆できないかもしれないです。またいつか再開できたらなと思っています。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる