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第三章 魔法と神力と神聖儀式
2 それは祝福を与えること 2
しおりを挟むユミエールナの最期を看取るヒルトの記憶を見て、フロリアは泣き出しハリィの頭にしがみついてジタバタと暴れ出した。
「うえっ、えぇーーん!可哀想、かわいそうー!お兄ちゃん何で助けなかったの?酷すぎるっ!うぉぉぉぉ!こんな悲恋物見たく無いーー!ハリィー!」
「え?フロー、どうしたのですか!あぁ、可哀想にこんなに泣いて。どうしたのですか?何を見たのです」
「ひっ、ひっ、ゆ、ユミルさんがっ!国王さんがぁぁ、可哀想、かーわーいーそーうー!嫌いっ!教会の人も、王妃も、お兄ちゃん達も大嫌い!王妃マジ許さん!酷すぎるよぉぉ」
フロリアの鬼畜泣きに、その言葉に側にいたリヒャルテ達がビクリと身体をこわばらせ、その内容に真っ青になってカタカタと身体を震わせた。
『フロリア、何故我等が神罰を下すと決めたか教えてやろう』
「ひっく、ひっく、うぇぇ何でよぉ」
『欺き続けた故だ。あの者は別の者の代わりにヒルトを利用したが、己の想いに固執して変わりゆくその心を認めなかった。そしてその所為で其方の生みの親は死ぬ運命を背負わされ、それは苦しい人生だったろう。そして未来を見渡し幾遍も未来を見た我等は、ここで楔を打たねばならない、其方が生きる土壌を整えねばと思った。だが、あの者の執念、妄執は多くの者の行く道を途絶えさせ、誤らせ、今尚傷つけておる。あの者が死なずここに居ったなら、間違いなく其方は殺されておったろうな』
「な、なんでっ、私がっ殺されるの。ユミルさん優しいよ?ひっひっく」
『あの者の執念はフェルダーン家に向いておるからだ』
「?」
その言葉にハリィは青ざめハカナームトに振り返った。ハカナームトはゆっくりと瞬きをして、手の平を見せ安心しろと合図をする。
『だが愛とは誠、不思議な物よな。偽りを誠に変えるのも愛故に成せるのだろう』
「わ、わがんないっ、言ってるいびっ、わかんないんでずけどっ」
『ヒルト』
「は、はい」
『我は其方のアルケシュナー。迎えにきたと言ってやれ』
「?……私は其方のアルケシュナー……迎えに来た」
シュルシュルとフロリアから神力が抜かれて行き、淡いピンクのモヤが形を生み出して行く。ヒルトの記憶にあるユミエールナの姿と彼女への想いがその妄執に一時の意思を与えた。ゆっくりと開かれるその瞳はヒルトを見つめている。
『ヒルト、貴方が私のアルケシュナーだったのね?あぁ、貴方だけが私を愛してくれていたのね。ありがとう、今やっと気付くなんて……あなた、来世ではあなたの妻になるわ。だから忘れないで、私を忘れないで』
「ユ……ミル?」
『来世では間違わないわ。私が愛した人は貴方……』
ユミエールナはヒルトの頬を包み込むとニコリと微笑みキスをした。
『フロリア、アルケシュナーに願いを伝えろ。それだけでいい』
「へ?私?」
「フロー、アルケシュナー神の名をお呼びして、ユミエールナ様に優しき眠りをお願いして下さい」
フロリアの涙を拭うハリィは涙声で、鼻水を啜りながら彼女は聞いた。
「ハリィ?何で泣いてるの?」
「グスッ、ははっ、な、何ででしょうね。そ、そうだ、師団長もお呼びしなくては」
ハリィが振り返ると、すぐ側にアルバートとダダフォンが立っていた。ダダフォンは悔しそうな顔でその場に跪き項垂れていたが、アルバートは目を見開き呆然としていた。
「姉……さん」
は?アルバートさん今なんて言った?『姉さん』?
嘘っ!ユミルさんってアルバートさんのお姉さんなの⁉︎ちょっ、え?嘘ぉ!
『……アル?』
「姉さんなのか」
『アル』
「なぁ……」
『なぁに?』
「陛下と過ごした日々は……幸せだったか?」
『貴方を想う日々に疲れた心を癒して下さったのは陛下よ。勿論幸せだったわ。ただ、私が私の心を見ていなかった。才女と謳われ調子に乗って……愚かね』
「そうか」
『アル、気付いてた?』
「……いいや。何も」
『そう。それでいいの』
「もう2度と、間違えるなよ」
『えぇ!間違えないわ』
アルバートはユミエールナの手を掴もうとした。しかし、手をぎゅっと握るとそのまま下ろし微笑んだ。
「姉さん、ゆっくり休めよ」
ユミエールナは振り返らなかった。ヒルトに飛びつくように抱きついて永遠の別れを惜しんでいた。
『フロリア』
「……うぃ。パパ、いや、ハリィ降ろして」
トスンと床に降りると、フロリアは天に腕を伸ばして願う。
「双霊神なる裁きと鎮めの神アルケ、シュナー。私の声に力を貸し賜え。2人の優しい力を貸して」
願いが聞き届けられるなら聞いて、アルケ、シュナー。
人は誰でも過ちを犯すよね。それを正せないまますれ違い、絡み合ってどうあっても元には戻れない事もある。でも、ユミルさんは正せたの。本当に大切な人を今見つけられたの。私はそれが悲しくて、切なくて、もっと早くに気付けていればと思わずにはいられない。だからせめて、来世では正しく愛する人を見つけられる様にしてあげて欲しい。
「アルケ、シュナー来てくれないの?」
お願い。2人だって離れ離れはいやでしょう?
この2人もそうなんだ。
だからまた次会える様にしてあげて。
『はぁ。仕方ないなぁ!で、僕たちの天秤から抜け出したのは誰?』
何処からともなく現れた双霊神アルケシュナー。2柱は渋々といった顔でフロリアの前に舞い降りた。
「アルケ!シュナー!来てくれた!」
『愛し子が見つけてくれたの?』
「うん。シュナー、やっと帰る場所と行く場所が分かったの。だから迎えに来て欲しかったの」
『……あ、これあれだよシュナー。自分の命と引き換えに助けろって僕達の所に強引に現れたあの小僧の姉貴だよ』
え?アルバートさん?
ちょっと、何つったアルケ。
自分の命と引き換えに助けろ⁉︎あのアルバートさんが?
「え、アルケ。それ本当?」
「アルケシュナー神‼︎」
振り返ると、大いに慌てるアルバートがフロリアの耳を塞いだ。しかし、神の声は耳に届く物では無い事をアルバートは知らない。
『何だよ小僧、お前あの時の奴?デカくなったなー!あ、言っておくけど、僕達はちゃんと魂を戻そうとしたんだよ。でも、この魂があの体には戻らないって勝手に生死の天秤から降りてここに彷徨ってたんだよ。僕達は天秤から抜け落ちた魂まで面倒はみないからさー!でも君は死なずに済んだし、加護与えてやったの取り消さなかったろ?詫びだよ、わび』
なんてこったい。この2人の手落ちだったんかい!仕事が雑!ちゃんとやんなさいよ!
『ちょっと愛し子!言い方酷い!もー!お願い聞いてあげないよ?』
「あわわ!ごめん、ごめんって!ね、ねぇ。あのさ、その」
『分かってるよ。済生の地へ送るよ』
「ありがとう!」
『後さ、余計なお世話かもしんないけど、君トルトレス神とクローヴェル神バンバン呼び出し過ぎ。言っとくけど普通依代や降下の儀で呼ばれ無いと下界に神は来れないからね?今回僕達を呼んだのもトルトレス神の神力だから』
あ?え?そうなの?でも確か……天上界でそんな事言ってた様な。
「え?嘘っ、トールお兄ちゃん?クロウお兄ちゃん無理してたの?ご、ごめん!帰って、すぐ帰って。無理させるのなんて嫌だよ。イナバ使うから、ちゃんと定時連絡は入れるから帰って!ごめんね?」
『毎度其方の聖願を受け、ちゃんとここに来ておる。それに我等程の神ともなれば、1日位何という事もない。アルケシュナー、余計な事は言うな』
『はぁっ?何で庇ってあげた僕達が怒られるの?信じらんない!』
プンッと腕を組みそっぽむいたアルケに、フロリアは近付いてその手を取った。
「ありがとうアルケ。教えてくれて助かったよ!次からは気を付けるね!アルケ大好き!」
ぎゅっと抱きついたフロリアはアルケとそう身長が変わらぬ所為か、その口にフロリアの唇がガツンとぶつかった。
『‼︎』
「あ、いったーーい!口切ったぁ!」
『ちょっと!僕のファーストキスなのに!』
「はぁ?何万年も存在しててキスもした事ないわけ?」
『⁉︎……愛し子はあるの?』
「そりゃキス位あるよ。彼氏もいたし」
『えぇっ!嘘っ、どんな?ねぇ、恋愛ってどんな感じなのさっ』
「えー、それ聞いちゃう?あのねー」
急に始まった乙女と男娘然とした2人の雑談に、アルバートが咳払いをして睨んだ。
『おっと。忘れてた、ねぇ愛し子。今度僕達と一緒に天上界か冥界でお茶しよーよ!』
「え?いいの?楽しそう!行く行く!」
「「フロリア‼︎」」
え?何で皆んなに睨まれる訳?お茶しよーねって約束しただけじゃん。怖いよみんな。
「冥界に行くと言う意味が分かっているのか?この馬鹿もん!」
「アルバートさんこそわかってないよ。だって私人間じゃないし」
そういう問題じゃないだろう。とアルバート達は言いたかったが、もう面倒だと溜息を吐いて顎をクイッと動かしてさっさとやれと言った。
「アルケシュナー、お願いします。優しくて、甘い……悲しみのない眠りをユミルさんにあげて下さい」
『うん。大丈夫、僕達に任せてよ。アルケ、やろうか』
『仕方ないなー!愛し子、僕達に祈祷して』
フロリアは振り返り、未だ泣きながら抱き合うユミエールナとヒルトを見た。頬を寄せ合い、見つめ合い、固く繋がれたその手を見るとじわりと涙が溢れてきた。
「天と地を結ぶ双霊神に願い奉。その優しき力で永遠に枯れぬ花の咲く済生の地へと路を示し賜え、遺されし悲しみを次なる願いへと変え賜え」
『いいね、すごくいい。力が満ちていくのが分かる!』
アルケとシュナーは互いの手を繋ぎユミルにもう片方の手を翳す。彼女を縛り付けていた妄執は次第に解けて光に変わって行く。
「ヒルト、愛を教えてくれてありがとう。貴方はしっかりと国を守って、神々を大切にしてね。誰よりも愛しているわ」
「あぁ、ああ。ユミル、私の顔を忘れないでおくれ。あの世ではきっと、皺くちゃだろうからな」
「どんな姿でも見つけられる、貴方の愛が私には分かるから……さようなら愛しい人」
愛を定義する物が何なのかなんて分からない。なのに、どうして誰かが誰かを想う心に、言葉に私達は涙を流すんだろう?羨む事もないし、同じ物を欲しいとも思わない。なのに何故想い合う心が悲しくて、美しいと思うのだろう。きっと、その姿形を知らないだけで、人は生まれながらに愛を知っているんだ。ならば見えないそれに形を与えよう。
私は目覚めの時を感じた。
体が知っている。私が何者なのかを。
魂が体の奥にある力に引っ張られて行く。
『我名はフェリラーデ、済生の神にして調愛を司りし女神が命ずる。我の眷属よ世界に喜びの歌を響かせよっ、今こそ途切れし結が繋がる時!』
教会の鐘が一斉に鳴り響いた。大きく渦巻く様なその音色は強く、痛みを与える音だったが、次第に風が草木を揺らす音、チャプンチャプンと泉が揺れる音、太鼓の音の様に小気味良い石のぶつかり合う音、そしてごおごおと燃え盛る炎の音が混じり合い、体の奥から活力が漲るのをその場に居た誰もが感じていた。
『汝、ユミエールナ•フェルダーンとヒルト•レイスターク•ヴォード•リットールナに祝福を授ける。聖結』
フロリアの体から溢れる神力が蝶の形に姿を変え、七色から赤に染まると2人の魂を結びつける様に糸を絡み付けて行く。そして2人の指に糸が真っ直ぐに繋がり、糸は指輪に姿を変え、すっと消えて無くなった。
『済生の地に辿り着けず、冥界を彷徨おうともこの結、解ける事はない。アルケシュナーの導きに身を委ねよ』
『はい。お導きに感謝致します……ヒルト、またいつか』
「あぁ、ユミル……またいつか。必ずまた会おう」
アルケシュナーはユミエールナの手を取り裁きの門を潜って行った。そして、ホールは覚醒したフロリアの放つ祝福の光に照らされたまま、誰もがその姿に立ちすくんでいた。
『おいで、新しき女神フェリラーデ』
『我が主トルトレス様にご挨拶申し上げます』
『まだ目覚めの時には早いようだ。今暫く眠れ、愛しき我が妻よ』
トルトレスがフロリアの額に口付けをすると、それまで溢れていた光がふっと消え、眠る様にその腕の中に倒れ込んだ。
『そうか、女神となった其方はこの様な姿なのだな……美しい花となったな』
トルトレスの腕に眠るフロリア。手足はスラリと伸び、その肌は艶々としていて滑らかだった。成長はしていたが、女性というにはまだ幼く、少女よりも嫋やかだった。そして長く伸びた髪は毛先が赤みを帯びていた。神魂の一時的な覚醒による変化だったが、眠るその顔にはフロリアの面影が残っていた。
「フロー……フロー!あぁっ、何て事だっ、待ってください!フロリア!待って!まだ女神になんてならないでっ、私の側に居ると仰ったではないですか。ハカナームト神様、お願い致します!今暫く、今暫く娘を、いやっ、フェリラーデ様を私にお預け下さい!お願い致します」
『盾よ、慌てるでない。フロリアの覚醒は一時的な物だ。姿も直に戻る。良いか、感情を昂らさせるな。覚醒が早まるからな』
「はいっ、はいっ!」
ハカナームトの腕からフロリアを抱き寄せると、ハリィは安堵の表情を浮かべその頭を何度も撫でては抱きしめた。
『さて、ここで一つ精算しておかねばならぬな』
審問会会場ホールの前列に、国王、教皇、大司祭、審問管理官その他大勢の騎士、聖騎士がハカナームトの前に跪き頭を垂れ言葉を待っていた。
『まず、フロリアは我が妹にして上神した後は我が伴侶となる者だ。如何なる不敬も許されると思う事罷りならぬ』
「「はっ!」」
『フロリアの養育についてはフェルダーン家の者に一任する』
その言葉に、ハリィはフロリアを抱きしめたまま目を見開きハカナームトを見た。しかし、ハカナームトは何も言わず話を続ける。
『後見はトルソン家の当主。言祝ぎを全て覚えし年までならば、その養育をフェルダーン家と共に行う事を許可する。その後は後見を外れ、国王、ヒルト•レイスターク•ヴォード•リットールナの娘、もしくはフェルダーン家の次期当主として系譜に入る事。ただし、その間に下界での一時の慰めたる者と契りの結を得た場合はその者の系譜に属する物とする』
10歳までならばハリィが養育に関わる事は許すが、それ以降は国王かアルバートに委ねる事。また、婚約者を得た場合はその系譜に即座に入れろ。その言葉にヒルト、ハリィ、アルバートは混乱した。ヒルトはただでさえ逆恨みの様な念を抱いていた事もあり、フロリアを受け入れる事に躊躇いを見せた。そしてアルバートは早く手放したいのにとハリィに視線を向ける。
「……どう、して」
『今後の神界と下界についてだ。今後聖女の擁立は不要である。そして世界の変化の折々についてのみ神託を下す。時読み(未来の予言、予報)、三局(王室、教会、騎士団)間にて起きし問題に付いても我々は神託を授けぬ』
「「そんなっ!」」
『神々の威光は人の子を甘やかす為の物では無い。必要とあらばフロリアの神眼を鍛える事だ』
「「……」」
誰もがヒルトを恨む様な目で見ていた。お前さえ余計な恨みを抱かなければこの様な事にはならなかったのに。そう口にしたいのを我慢していた。
『勘違いするな。これは我等の怠慢を今一度引き締める為の決定だ。フェリラーデ不在のこの星など我等が関わる必要も無かったが、失うには憂いもあった。故に請われるままに神託を授け人の子の甘えを招いた。他の星でこれ程神託を授ける事などはないのだ。人は己が手で、足で立つべきである』
「「……」」
『聖戦についてはフロリアが神力を扱える様になりし時に、再度許可する物かどうかを検討する。以上である。フェルダーンの者を除きこの場を去るが良い』
ハリィは縋る様な目でハカナームトを見上げたが、ハカナームトは『良きに計らう故今は従え』と言ってハリィとフロリアを下がらせた。
『剣よ』
「はっ!」
『其方にだけは伝えておこう』
「はっ!」
『魔力汚染は日に日にこの地を蝕んでおる。これより5年の内に魔神が生まれるであろう。その者は過去の物に比べてより強い者だ。その時までにフロリアの神力が扱えぬ場合、盾は死ぬだろう。故にフロリアの養育を其方に一任した』
「……」
『今ある人類の生存確率の高い未来は二つ。その二つにはフロリアが乗り越えるには無理のある難題が必ず立ち塞がる。その山を越える為には盾のしがらみが邪魔だ。故に盾の冬の結を早々に解くか、雪解けへと導くか選ばせよ』
「ハリィに……盾に安らぎは訪れますでしょうか」
『フロリア次第だ。今の所、彼奴の覚醒までは3つの段階を踏まねばならぬ。その一つは先程越えた、残り二つは加護と浄化。これらを扱えし時覚醒は成るだろう。その時自我を残すか神魂に奪われるか……まだ分からぬが』
「何故、盾とフロリア様を離すのですか?」
『離しはせぬ。好きに親子の真似事でもなんでもすると良い。ただ、系譜に入れる事はまだ許せぬ。あの2人を離さぬ為に其方とヒルトに預けるのだ』
「教会は、黙ってはいないかも知れません。神託の制限を宣言されましたし、獲得に動く可能性がございます」
『ふむ。彼奴らが我等を信仰しておる心が誠であるならばそれは無かろう。だが、それに背く事あらば先触れ無く神罰を我が下す』
「伺いたき事がもう一つございます。何故……盾は死ぬのでしょうか」
『……3つの難が襲う。人、魔……愛。どれもフロリアの未熟さ故の難である。言祝ぎが可能となる歳を越えたならば早々に引き離せ。さもなくば盾の難は増えるばかりだ。いずれまた結び合う定め故、一時の別れは受け入れさせよ』
「この事は盾にも伝えておくべきでは?」
『その判断は其方に任せる』
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