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再び王宮へ
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この日もまた雨。
秋の長雨は本当に長い。
ヴァレンティーナはブルーム邸へ向かった。
「アナスタシア! お待たせ」
「おはよう。ヴァレンティーナ」
「さあ、馬車に乗って下さい!!」
二人は馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、出発!!」
御者が馬車を走らせた。
景色が左から右に流れる。
馬車は独特のジョイント音を鳴らし、走る。
「今日も生憎の天気だけど、楽しみだわ!!」
胸が鳴る。
レオニードに会えるのだから。
「実はね……」
「どうしたの? アナスタシア」
「今日、コンスタンチン王子殿下が大事なことを話すらしいの」
「大切なこと!?」
「そう。それが何だか概ね見当はついているんだけどね」
「もしかして……結婚!?」
「わからないけれど……」
馬車は街中を出て、平原に出た。
「さて。この辺で昼食にしようか?」
御者が馬車を止めた。
外は雨なので、馬車の中で食べることにした。
そして、バスケットの中からサンドイッチを取り出した。
サンドイッチは自分で作ったもの。
「お腹。ぺっこぺこ」
アナスタシアもサンドイッチを取り出した。
「これ、実はわたくしが作ったの」
「わあ、よくできているじゃない」
「一つあげるわ!」
「ありがとう」
アナスタシアはサンドイッチを口に運んだ。
「美味しい」
「そう言ってもらえて嬉しいわ」
「私は……これはメイドが作ってくれたの。でも、どうして自作しようと思ったの?」
「あはは。気分が乗っていたからよ」
サンドイッチはよく自作する。
サンドイッチ作りは楽しい。
「ああ。お腹いっぱいだわ」
ヴァレンティーナはお腹を撫でた。
「お嬢様たち、食べ終わったかな? じゃあ、出発するとしよう」
御者は馬車を出発させた。
雨は相変わらず降っている。
王宮までは3時間位要する。
馬車の中で、二人は他愛ない会話している。
馬車は門をくぐった。
目の前には壮大な王宮が待ち受けている。
「着きましたよ」
御者が言った。
話していれば、時間はあっという間。
二人は馬車を降りた。
御者は御者専用の部屋へ案内された。
王宮の中に入ると、なんとコンスタンチン王子とレオニード王子が待っていた。
「よく来たね。ヴァレンティーナ。話は兄上から聞いている。どうぞ、中へ」
コンスタンチンはレオニードがヴァレンティーナを気に入ったことを知っているようだ。
「コンスタンチン王子殿下。私も参りましたよ」
「あ。そうだった。僕にとっての主役はアナスタシアだったね。ごめんごめん」
アナスタシアは膨れていた。
「では。行こう。ヴァレンティーナ。僕の部屋へ」
秋の長雨は本当に長い。
ヴァレンティーナはブルーム邸へ向かった。
「アナスタシア! お待たせ」
「おはよう。ヴァレンティーナ」
「さあ、馬車に乗って下さい!!」
二人は馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、出発!!」
御者が馬車を走らせた。
景色が左から右に流れる。
馬車は独特のジョイント音を鳴らし、走る。
「今日も生憎の天気だけど、楽しみだわ!!」
胸が鳴る。
レオニードに会えるのだから。
「実はね……」
「どうしたの? アナスタシア」
「今日、コンスタンチン王子殿下が大事なことを話すらしいの」
「大切なこと!?」
「そう。それが何だか概ね見当はついているんだけどね」
「もしかして……結婚!?」
「わからないけれど……」
馬車は街中を出て、平原に出た。
「さて。この辺で昼食にしようか?」
御者が馬車を止めた。
外は雨なので、馬車の中で食べることにした。
そして、バスケットの中からサンドイッチを取り出した。
サンドイッチは自分で作ったもの。
「お腹。ぺっこぺこ」
アナスタシアもサンドイッチを取り出した。
「これ、実はわたくしが作ったの」
「わあ、よくできているじゃない」
「一つあげるわ!」
「ありがとう」
アナスタシアはサンドイッチを口に運んだ。
「美味しい」
「そう言ってもらえて嬉しいわ」
「私は……これはメイドが作ってくれたの。でも、どうして自作しようと思ったの?」
「あはは。気分が乗っていたからよ」
サンドイッチはよく自作する。
サンドイッチ作りは楽しい。
「ああ。お腹いっぱいだわ」
ヴァレンティーナはお腹を撫でた。
「お嬢様たち、食べ終わったかな? じゃあ、出発するとしよう」
御者は馬車を出発させた。
雨は相変わらず降っている。
王宮までは3時間位要する。
馬車の中で、二人は他愛ない会話している。
馬車は門をくぐった。
目の前には壮大な王宮が待ち受けている。
「着きましたよ」
御者が言った。
話していれば、時間はあっという間。
二人は馬車を降りた。
御者は御者専用の部屋へ案内された。
王宮の中に入ると、なんとコンスタンチン王子とレオニード王子が待っていた。
「よく来たね。ヴァレンティーナ。話は兄上から聞いている。どうぞ、中へ」
コンスタンチンはレオニードがヴァレンティーナを気に入ったことを知っているようだ。
「コンスタンチン王子殿下。私も参りましたよ」
「あ。そうだった。僕にとっての主役はアナスタシアだったね。ごめんごめん」
アナスタシアは膨れていた。
「では。行こう。ヴァレンティーナ。僕の部屋へ」
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