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アルディール王国への旅路
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初冬ともなれば、流石に少し肌寒いです。
辛うじて晴れているので、少しは寒さも和らいでいます。
わたくしは隣国で竜の国と言われるアルディール王国に旅行に行くことにしました。
ラストリデアンと迷いましたが、アルディールに決めました。
そう。わたくしの結婚相手は人間では無いのですから。
ちょっとした気晴らしです。
わたくしは邸を出て、これから汽車に乗ります。
大陸横断鉄道は邸より少し離れた場所にあります。
鉄道があるだけまだ便利で良いですね。
わたくしは鉄道に感謝しています。
ラストリデアンとは行き先が異なりますので、乗り間違いがないようにしなければなりません。
でも、わたくしは鉄道の乗り間違いだなんて、滅多にやらかしません。
「はい、お嬢さん。どちらへ行かれますか?」
「アルディールですわ」
「アルディールですね。わかりました」
わたくしは切符を受け取りました。
改札口を出て、駅の構内に入りました。
きちんと行き先をよく調べて。
4番線からアルディール行きが出ています。
ちなみに、ラストリデアン行きは8番線でした。
時刻表は……と。
9時12分。
今は8時56分。
まだ間に合いますわ。
プラットフォームには既に汽車が止まっていました。
あれに乗れば良いのね。
わたくしは汽車に乗りました。
車内は葉巻の匂いが充満しています。
わたくしは葉巻は吸わないので、葉巻の匂いはよくわかります。
わたくしは最後尾の車両に乗りました。
事故が怖いからです。
つい最近。
大陸横断鉄道で事故がありました。
脱線事故でした。
運転士の速度超過によるものでした。
多数の死者が出たのです。
先頭車両と2両目は運河に突っ込み、3両目は宙づりになり、かなりの大事故だったようです。
最後尾の車両なら、事故に巻き込まれる必要はありませんわ。
前の車両に乗るのも自己責任ですからね。
わたくしはバスケットの中からおにぎりを取り出しました。
汽車に乗ったら、もはや定番。
おにぎりは自分で作ったもの。
メイドたちが作ってくれるのも美味しいですが、やはり自作が一番美味しいですわ。
汽車はフォーという物凄い汽笛を鳴らし、出発しました。
いよいよ鉄道の旅。
わたくしは勿論ワクワクしていますわ。
「お嬢ちゃん、貴族の娘さんかい?」
突如、目の前に初老の男性が現れました。
「あ……はい、そうですが」
「貴族のお嬢さんが汽車に乗るなんて珍しいね」
「あ……はい」
男性はお弁当を取り出し、食べ始めました。
「お嬢さん。この前にマディルの街で占い屋を訪ねていなかったかね?」
「な……なぜご存知ですの?」
「わてはな、占い屋の奥にいたんじゃ」
占い屋さんには占い師とわたくしだけしかいなかった筈だけど。
「あの占い師はわての弟子でな」
「あ……はい」
「わてにもわかるんだ。嬢ちゃんは人間ではない誰かを愛するとな」
「それで、アルディール王国を訪ねるのかい?」
「あ……はい。アルディール王国には少し興味がありまして」
「アルディール王国には竜が住んでいる。竜は猛々しい外見とはうらはらに、温厚な種族じゃ。きっともてなしてくれるであろう」
「あ……はい」
竜が温厚な種族というのは周知の如く。
女王様が治める国として有名です。
「対してだな」
「は、はい」
「ラストリデアン王国は獣人が住んでいる。見た目は猫みたいだが、賢い」
しかし、目の前の初老の男はよく食べながら話ができるものだ、と思いますわ。
わたくしは食べるときは黙って食べなさい、と躾けられている。
ま、占い師とて市井にいたのだから平民に間違いはないのだろうけど。
「そうだ」
「はい」
「アルディール王国の名の由来を知っているかな?」
「いいえ」
「そうか」
「アルディール王国はアルディールという海賊から国を守った男の名前に由来している」
「そう……なんですか」
アルディール王国の建国の歴史は知っていましたが、流石に国の名前の由来までは知りませんでした。
「彼は英雄だ」
「それで、ラストリデア王国はラスとリディアという夫婦の名前が由来だ」
それは聞いた事がありますわ。
ラスという獣人の村長が建国したという。
ラスも勿論英雄。
国が弱者を虐げていたところ、ホームレスだったラスという男性が立ち上がり、クーデタを起こしたという。
ラストリデアの元の国名はマダカス。
マダカス王国を変えたい、という思いからラスは立ち上がった。
マダカスの国王はホームレスたちの反逆に破れ、捕らえられたのです。
そして、リディアという女性ホームレスと結婚し、国名をラストリデアと改名したのです。
なんとも素晴らしい。
ホームレスの逆転劇です。
そして、ラスの有名な言葉。
「政治は弱者のためにある」
何とも格好いい。
見た目は猫。
でも、人間並みの知能のある種族なのです。
チャイムが鳴りました。
「今日もご利用いただき、ありがとうございます。この列車はアルディール行きの列車です。次はバド、バドです」
バド。
バド公爵が治める領地です。
バド公爵はこの国を仕切る裁判官を務めるエリートです。
本当ならば、婚約を破棄せざるを得なくしたクルト様も裁判にかけたかったですがね。
バド公爵の二女、クララがわたくしと学園時代の同級生。
姉のステラは病弱でとても法律の学習をする気力が無いとかで、妹のクララが法律を一生懸命に学んでいました。
クララは私がクルト様と婚約を交わしていたのを勿論、知っていました。
クララの結婚相手は12侯爵家筆頭のご令息。
クルトのような女たらしではありません。
誠実なお方でした。
目の前の男はようやく黙って食べ始めました。
窓の景色は初冬そのもの。
山の木々は葉を落とし、寂しい感じがします。
わたくしは冬が大好き。
なぜなら、冬は人肌のぬくもりを感じるから。
ファッションを楽しむ事ができるから。
わたくしが今首に巻いているマフラーは自前。
おにぎりもそうですが、やはり自前が一番ですわ。
わたくしは手芸が得意。
特に編み物は得意中の得意です。
手芸が得意でも、クルト様は「そんなの魅力に入らない!」と突っぱねました。
列車はバドに到着。
人が大勢乗ってきました。
辛うじて晴れているので、少しは寒さも和らいでいます。
わたくしは隣国で竜の国と言われるアルディール王国に旅行に行くことにしました。
ラストリデアンと迷いましたが、アルディールに決めました。
そう。わたくしの結婚相手は人間では無いのですから。
ちょっとした気晴らしです。
わたくしは邸を出て、これから汽車に乗ります。
大陸横断鉄道は邸より少し離れた場所にあります。
鉄道があるだけまだ便利で良いですね。
わたくしは鉄道に感謝しています。
ラストリデアンとは行き先が異なりますので、乗り間違いがないようにしなければなりません。
でも、わたくしは鉄道の乗り間違いだなんて、滅多にやらかしません。
「はい、お嬢さん。どちらへ行かれますか?」
「アルディールですわ」
「アルディールですね。わかりました」
わたくしは切符を受け取りました。
改札口を出て、駅の構内に入りました。
きちんと行き先をよく調べて。
4番線からアルディール行きが出ています。
ちなみに、ラストリデアン行きは8番線でした。
時刻表は……と。
9時12分。
今は8時56分。
まだ間に合いますわ。
プラットフォームには既に汽車が止まっていました。
あれに乗れば良いのね。
わたくしは汽車に乗りました。
車内は葉巻の匂いが充満しています。
わたくしは葉巻は吸わないので、葉巻の匂いはよくわかります。
わたくしは最後尾の車両に乗りました。
事故が怖いからです。
つい最近。
大陸横断鉄道で事故がありました。
脱線事故でした。
運転士の速度超過によるものでした。
多数の死者が出たのです。
先頭車両と2両目は運河に突っ込み、3両目は宙づりになり、かなりの大事故だったようです。
最後尾の車両なら、事故に巻き込まれる必要はありませんわ。
前の車両に乗るのも自己責任ですからね。
わたくしはバスケットの中からおにぎりを取り出しました。
汽車に乗ったら、もはや定番。
おにぎりは自分で作ったもの。
メイドたちが作ってくれるのも美味しいですが、やはり自作が一番美味しいですわ。
汽車はフォーという物凄い汽笛を鳴らし、出発しました。
いよいよ鉄道の旅。
わたくしは勿論ワクワクしていますわ。
「お嬢ちゃん、貴族の娘さんかい?」
突如、目の前に初老の男性が現れました。
「あ……はい、そうですが」
「貴族のお嬢さんが汽車に乗るなんて珍しいね」
「あ……はい」
男性はお弁当を取り出し、食べ始めました。
「お嬢さん。この前にマディルの街で占い屋を訪ねていなかったかね?」
「な……なぜご存知ですの?」
「わてはな、占い屋の奥にいたんじゃ」
占い屋さんには占い師とわたくしだけしかいなかった筈だけど。
「あの占い師はわての弟子でな」
「あ……はい」
「わてにもわかるんだ。嬢ちゃんは人間ではない誰かを愛するとな」
「それで、アルディール王国を訪ねるのかい?」
「あ……はい。アルディール王国には少し興味がありまして」
「アルディール王国には竜が住んでいる。竜は猛々しい外見とはうらはらに、温厚な種族じゃ。きっともてなしてくれるであろう」
「あ……はい」
竜が温厚な種族というのは周知の如く。
女王様が治める国として有名です。
「対してだな」
「は、はい」
「ラストリデアン王国は獣人が住んでいる。見た目は猫みたいだが、賢い」
しかし、目の前の初老の男はよく食べながら話ができるものだ、と思いますわ。
わたくしは食べるときは黙って食べなさい、と躾けられている。
ま、占い師とて市井にいたのだから平民に間違いはないのだろうけど。
「そうだ」
「はい」
「アルディール王国の名の由来を知っているかな?」
「いいえ」
「そうか」
「アルディール王国はアルディールという海賊から国を守った男の名前に由来している」
「そう……なんですか」
アルディール王国の建国の歴史は知っていましたが、流石に国の名前の由来までは知りませんでした。
「彼は英雄だ」
「それで、ラストリデア王国はラスとリディアという夫婦の名前が由来だ」
それは聞いた事がありますわ。
ラスという獣人の村長が建国したという。
ラスも勿論英雄。
国が弱者を虐げていたところ、ホームレスだったラスという男性が立ち上がり、クーデタを起こしたという。
ラストリデアの元の国名はマダカス。
マダカス王国を変えたい、という思いからラスは立ち上がった。
マダカスの国王はホームレスたちの反逆に破れ、捕らえられたのです。
そして、リディアという女性ホームレスと結婚し、国名をラストリデアと改名したのです。
なんとも素晴らしい。
ホームレスの逆転劇です。
そして、ラスの有名な言葉。
「政治は弱者のためにある」
何とも格好いい。
見た目は猫。
でも、人間並みの知能のある種族なのです。
チャイムが鳴りました。
「今日もご利用いただき、ありがとうございます。この列車はアルディール行きの列車です。次はバド、バドです」
バド。
バド公爵が治める領地です。
バド公爵はこの国を仕切る裁判官を務めるエリートです。
本当ならば、婚約を破棄せざるを得なくしたクルト様も裁判にかけたかったですがね。
バド公爵の二女、クララがわたくしと学園時代の同級生。
姉のステラは病弱でとても法律の学習をする気力が無いとかで、妹のクララが法律を一生懸命に学んでいました。
クララは私がクルト様と婚約を交わしていたのを勿論、知っていました。
クララの結婚相手は12侯爵家筆頭のご令息。
クルトのような女たらしではありません。
誠実なお方でした。
目の前の男はようやく黙って食べ始めました。
窓の景色は初冬そのもの。
山の木々は葉を落とし、寂しい感じがします。
わたくしは冬が大好き。
なぜなら、冬は人肌のぬくもりを感じるから。
ファッションを楽しむ事ができるから。
わたくしが今首に巻いているマフラーは自前。
おにぎりもそうですが、やはり自前が一番ですわ。
わたくしは手芸が得意。
特に編み物は得意中の得意です。
手芸が得意でも、クルト様は「そんなの魅力に入らない!」と突っぱねました。
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