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婚約おめでとう ※ヴァネッサ視点

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学園が楽しくて仕方がない。

やはり、青春はエンジョイしないとね。

そんな17の春。ヴァネッサはハッサンと婚約した。


ヴァネッサは仲良しグループのシンディ・マージョー、チャタ・ディーヴァーと話している。

「ねぇ、シンディ、チャタ。私ね」

「どうしたの?」

とシンディ。

「何だか楽しそうじゃない」

とチャタ。

「私、なーんと何と王太子殿下と婚約したの~」

「「え~!!!」」


「そう言えば、ヴァネッサ、王太子殿下とずっと親しくしていたものね」

と、チャタ。

「ついに婚約したのね。やったじゃない、ヴァネッサ」

「うふ~ふ~」

ヴァネッサは照れてしまい、頭を掻いている。


「ヴァネッサってば、顔が赤くなっているわよ」

と、シンディ。


こればかりは隠せない。

なぜなら、ヴァネッサは赤面症だから。


この赤面症は恥をかいた時にも出る。

だから、心は概ね他人に読まれてしまう。


「あら、左腕」

と、チャタ。


「あは。気づいてくれた~?」


ヴァネッサは左手を挙げた。

左手の薬指には指輪が光っている。


「「おめでとう!!」」

チャタとシンディが祝福の言葉をかけてくれた。


ハッサンはライバルのクララから奪い取ったもの。

この指輪は勝利の証。


「でもさ、王太子殿下って元々クララと婚約していたんだよね?」

と、シンディ。

「でもね、王太子殿下は料理を手作りするクララより、魔法でクッキングするこの私を選んでくれたのよ♡感無量!!」

「そうよね。ヴァネッサの魔法料理はとっても美味しいわ」

と、チャタ。


「ありがとう、チャタ」

ヴァネッサは時々、魔法で料理を作ってはチャタやシンディにご馳走をしていた。

ヴァネッサの魔法料理は各界の王侯貴族から称賛されていた。


「魔法が発展しているこの時代に手作りするなんてね~」

と、チャタ。

「そうよ。未だ手作りだなんておっくれってる~」

とシンディ。


「「「あははははは」」」


そこへ、噂をすればとばかりにクララがやってきた。

「噂影よ!」

と、シンディ。


クララは席に着いて本を読み始めた。


「王太子殿下はなぜあんな女に惚れたのかしら?」

「誑かされていたのよ」

と、シンディ。

「確かに。ま~、政略結婚だとしたら、それは十分にありうる話だけど」


王侯貴族は生まれながらにして婚約者がいる人がいる。

しかし、ヴァネッサには許嫁などいなかった。

だから、自由恋愛。


しかも、ヴァネッサに言い寄って来る殿方は大勢。

「ヴァネッサはモテモテだからね、許嫁なんかいなくても結婚はできたけどね」

と、チャタ。

「そうね。だから、ヴァネッサは王太子殿下のハートを射止めたのよね」

と、シンディ。
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