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エピローグ
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「ご結婚、おめでとうございます、ハーマイオニー様」
「ありがとう、アンドリュー」
「ハーマイオニー様、ご結婚おめでとうございますわ」
「ありがとう、サラ」
かくして、ハーマイオニーは一国の主、アーサーとの結婚式を迎えた。
空は見事な晴天。
春は3日の晴れ無しと言うけれど、見事に晴れた。
「でですね、ハーマイオニー様」
「なあに? サラ」
「例の……エイドリアン様とシェリーがゴンザレス家を追い出されたみたいです」
「えー!? 何があったの?」
「なんか……エイドリアン様が宰相の息子を酒場で殴って怪我させたとかで」
「本当に?」
「はい」
エイドリアンが暴力を振るうというのも意外だったが、何よりもゴンザレス家を追放になったのが何よりもの驚きだった。
やはり、悪いことをしている人には罰が当たるのね……と思った。
バナンは治安の悪い街。
まさに、二人にはピッタリの場所だ、とハーマイオニーは思った。
「では、ゴンザレス家を継承するのは?」
「叔父様みたいですわよ」
「そうなんだ……」
「でね」
「どうしたの? サラ」
「私達、婚約しました」
「あら。サラこそおめでとう」
「で……私は家庭に入る事に決めましたので、侍女を降りる形になります」
「それは残念だわ」
「でも、私はハーマイオニー様にお仕いできて、本当にしあわせでしたわ」
「そう言ってもらえて私こそしあわせだわ」
「それで……」
アンドリューが口を開いた。
「私がハーマイオニー様の護衛を務める事になりました」
「まあ!! それは宜しくお願いし致しますわ」
アンドリューが護衛につく……とは既にアーサーから聞いていた。
どうやら、本当の話だったようだ。
アンドリューが護衛につくとは何とも頼もしい。
「お陰様でモヴァーラ帝国の侵攻もなくなったみたいですわよ」
そう。
モヴァーラ帝国の皇帝、マーシヴァルにアーサーが宣戦布告をしたのだ。
「ヴェルシムに侵攻するなれば、こちらからも宣戦布告をさせてもらう」と。
すると、マーシヴァルは怯えてしまい、侵攻を取りやめにしたという。
やはり、強い者には逆らえない性分だ。
★☆★☆
ハーマイオニーとアーサーの結婚式は厳かに執り行われた。
国をあげての結婚式に国民たちも祝福してくれた。
ヴェルシム王国の国王夫妻も招かれ、盛大に行われた。
二人は神様の前で永遠の愛を誓い合った。
もう、エイドリアンには未練はない。
むしろ、シェリーと共にゴンザレス家を叩き出されて失笑している位。
ハーマイオニーは何より今が一番幸せだった。
了
最後までお付き合いありがとうございました。
また、次のお話も楽しみにしていて下さいね。
「ありがとう、アンドリュー」
「ハーマイオニー様、ご結婚おめでとうございますわ」
「ありがとう、サラ」
かくして、ハーマイオニーは一国の主、アーサーとの結婚式を迎えた。
空は見事な晴天。
春は3日の晴れ無しと言うけれど、見事に晴れた。
「でですね、ハーマイオニー様」
「なあに? サラ」
「例の……エイドリアン様とシェリーがゴンザレス家を追い出されたみたいです」
「えー!? 何があったの?」
「なんか……エイドリアン様が宰相の息子を酒場で殴って怪我させたとかで」
「本当に?」
「はい」
エイドリアンが暴力を振るうというのも意外だったが、何よりもゴンザレス家を追放になったのが何よりもの驚きだった。
やはり、悪いことをしている人には罰が当たるのね……と思った。
バナンは治安の悪い街。
まさに、二人にはピッタリの場所だ、とハーマイオニーは思った。
「では、ゴンザレス家を継承するのは?」
「叔父様みたいですわよ」
「そうなんだ……」
「でね」
「どうしたの? サラ」
「私達、婚約しました」
「あら。サラこそおめでとう」
「で……私は家庭に入る事に決めましたので、侍女を降りる形になります」
「それは残念だわ」
「でも、私はハーマイオニー様にお仕いできて、本当にしあわせでしたわ」
「そう言ってもらえて私こそしあわせだわ」
「それで……」
アンドリューが口を開いた。
「私がハーマイオニー様の護衛を務める事になりました」
「まあ!! それは宜しくお願いし致しますわ」
アンドリューが護衛につく……とは既にアーサーから聞いていた。
どうやら、本当の話だったようだ。
アンドリューが護衛につくとは何とも頼もしい。
「お陰様でモヴァーラ帝国の侵攻もなくなったみたいですわよ」
そう。
モヴァーラ帝国の皇帝、マーシヴァルにアーサーが宣戦布告をしたのだ。
「ヴェルシムに侵攻するなれば、こちらからも宣戦布告をさせてもらう」と。
すると、マーシヴァルは怯えてしまい、侵攻を取りやめにしたという。
やはり、強い者には逆らえない性分だ。
★☆★☆
ハーマイオニーとアーサーの結婚式は厳かに執り行われた。
国をあげての結婚式に国民たちも祝福してくれた。
ヴェルシム王国の国王夫妻も招かれ、盛大に行われた。
二人は神様の前で永遠の愛を誓い合った。
もう、エイドリアンには未練はない。
むしろ、シェリーと共にゴンザレス家を叩き出されて失笑している位。
ハーマイオニーは何より今が一番幸せだった。
了
最後までお付き合いありがとうございました。
また、次のお話も楽しみにしていて下さいね。
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