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ハイヴァランド帝国へ
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ハーマイオニーはハイヴァランド帝国の夜会に呼ばれた。
宮殿の前に来て、足が竦しまった。
ヴェルシム王国は世界で2番目に壮大だと言われているが、さらに壮大なのだ。
全く比べ物にならない。
その宮殿がハイヴァランド帝国の国力を物語っていた。
冬の束の間の晴れ。
夜会までまだまだ時間がある。
ハーマイオニーは侍女のサラと共に宮殿を訪れた。
「わたくしはハーマイオニー・シモンズと申します」
門番にそう告げると、門番は
「少々お待ちを」
と言った。
すると……。
中から……。
「約束通り来てくれたのか?」
そこにいたのは皇帝アーサーだった。
アーサーはどっしりとしたバリトンボイスだった。
まさに、皇帝らしい声。
なんと、アーサーは門まで迎えに来てくれたのだ。
「はい。皇帝陛下のお誘いともなればお断りするわけにはいきません」
「そうか……。で、お連れ様は?」
「わたくしの侍女を務めています、サラと申します」
「初めまして、皇帝陛下。私はサラです。宜しくお願いします」
「サラか。宜しく」
「んで。ハーマイオニー・シモンズ。これから城内を案内する。広いからくれぐれも迷子にならないようにな」
ハーマイオニーはアーサーについていった。
庭も広い。
庭は沢山の花で埋め尽くされている。
右を向いたら、花時計があった。
しばらく歩くと、宮殿が現れる。
「はっ!!」
宮殿の入口を護る騎士たちが敬礼している。
城内に入ると、帆船の形をしたシャンデリアが出迎えてくれた。
これから、巨大な城内が、いや、ダンジョンが待ち受けている。
足音が辺りに響き渡る。
と、そこでアーサーが振り返った。
「そうだ。サラと言ったな?」
「はい」
「きみには貴賓室に来てもらう。私はハーマイオニーに直接話さねばならない事があるのでな」
「あ……はい。私、おまけですので」
「いや、おまけって話ではない。むしろ、きみを歓迎したいんだよ」
アーサーはウインクした。
数分歩いたか。
もうくたくたになっていた。
やはり、城内は広い。
城内で馬車を走らせても良いのでは? と思った位。
そこでアーサーが足を止め、左側の部屋を指差した。
「ここが貴賓室だ」
トントン。
アーサーは部屋をノックした。
返事がない。
「誰もいないようだな」
アーサーは扉を開けた。
「サラ。ここで待ちたまえ。私の側近が来る」
「はい、皇帝陛下」
サラは中へ入っていった。
「ではハーマイオニー。行こう」
ハーマイオニーはサラと別れ、再びアーサーについていった。
アーサーは足を止めた。
「私の執務室だ。入れ」
ハーマイオニーは中に入った。
中にはメイドが一人いて、お茶とお菓子を用意していた。
宮殿の前に来て、足が竦しまった。
ヴェルシム王国は世界で2番目に壮大だと言われているが、さらに壮大なのだ。
全く比べ物にならない。
その宮殿がハイヴァランド帝国の国力を物語っていた。
冬の束の間の晴れ。
夜会までまだまだ時間がある。
ハーマイオニーは侍女のサラと共に宮殿を訪れた。
「わたくしはハーマイオニー・シモンズと申します」
門番にそう告げると、門番は
「少々お待ちを」
と言った。
すると……。
中から……。
「約束通り来てくれたのか?」
そこにいたのは皇帝アーサーだった。
アーサーはどっしりとしたバリトンボイスだった。
まさに、皇帝らしい声。
なんと、アーサーは門まで迎えに来てくれたのだ。
「はい。皇帝陛下のお誘いともなればお断りするわけにはいきません」
「そうか……。で、お連れ様は?」
「わたくしの侍女を務めています、サラと申します」
「初めまして、皇帝陛下。私はサラです。宜しくお願いします」
「サラか。宜しく」
「んで。ハーマイオニー・シモンズ。これから城内を案内する。広いからくれぐれも迷子にならないようにな」
ハーマイオニーはアーサーについていった。
庭も広い。
庭は沢山の花で埋め尽くされている。
右を向いたら、花時計があった。
しばらく歩くと、宮殿が現れる。
「はっ!!」
宮殿の入口を護る騎士たちが敬礼している。
城内に入ると、帆船の形をしたシャンデリアが出迎えてくれた。
これから、巨大な城内が、いや、ダンジョンが待ち受けている。
足音が辺りに響き渡る。
と、そこでアーサーが振り返った。
「そうだ。サラと言ったな?」
「はい」
「きみには貴賓室に来てもらう。私はハーマイオニーに直接話さねばならない事があるのでな」
「あ……はい。私、おまけですので」
「いや、おまけって話ではない。むしろ、きみを歓迎したいんだよ」
アーサーはウインクした。
数分歩いたか。
もうくたくたになっていた。
やはり、城内は広い。
城内で馬車を走らせても良いのでは? と思った位。
そこでアーサーが足を止め、左側の部屋を指差した。
「ここが貴賓室だ」
トントン。
アーサーは部屋をノックした。
返事がない。
「誰もいないようだな」
アーサーは扉を開けた。
「サラ。ここで待ちたまえ。私の側近が来る」
「はい、皇帝陛下」
サラは中へ入っていった。
「ではハーマイオニー。行こう」
ハーマイオニーはサラと別れ、再びアーサーについていった。
アーサーは足を止めた。
「私の執務室だ。入れ」
ハーマイオニーは中に入った。
中にはメイドが一人いて、お茶とお菓子を用意していた。
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