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2度目
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式典が終わり一息ついていた私たちに弟は"いつか帰ります"という短い置き手紙を残してどこかに行ってしまった。
こんなに早々に出ていくとは思ってもいなかったので、少々狼狽えているが戻ってくるまではどうしようもないのが現状だ。兵を出そうにも弟のことだもう国内にはいないだろうし、下手に騒いで国際問題に発展するのは避けなくてはいけない。こんな時に自分が王であることを後悔する。
「自分で探しにもいけないなんて…」
「陛下、そろそろ諦めてください。帰ってくるって残されていたでしょう?大人しく働いてください。…クリス様が帰ってこられた時にこんな陛下をみたら失望されるでしょうね(ぼそっ)」!!駄目だ!そんなことあってはならん!
「すまないが、これも頼めるか?」クリスが旅に出てからもう2ヶ月が経とうとしている。処理しても処理しても終わらない書類にうんざりしながら今日も時間を惜しんで仕事をしていた。
もうすぐ正午を迎えようとしている時遠くから "陛下~" と叫びながらこちらに走ってくる音が聞こえた。どうしたものかと思い、従者に様子を見てきて貰うように頼もうとしたところノックもせずにクリスの側近が入ってくる。
「ク、クリス様が…」全力で走ってきたであろう側近に私は話を完全に聞かず部屋を出ていた。クリスがようやく帰ってきたのだろう。今まで散々我慢させてきたのだからこれくらいは許してやるべきだったのだ。そうすればこんなに長いこと音信不通になることはなかった。
「クリス!」
「兄上?お久しぶりですね。私の部屋に如何されましたか?」2ヶ月振りの再開がこんなに淡白なことがあるだろうか。
いやいやいや、「他に何かあるだろう?2ヶ月振りなのだぞ」本当に分からないといった表情で部屋で寛ぐ弟に私は言葉が出なかった。クリスからしたら所詮その程度なのだと思いしらされるようで悲しくなる。
挨拶が済んだらもうこれ以上ようはないというように手土産を渡され部屋から出された。「これでもこの国の王様なのに…」
「陛下、クリス様が国に留まっていただくのも重要ですが日常の執務を疎かにはされませんように」
「分かっている!…これにしよう。これならクリスでも時間がかかる。誰か明日1番にクリスを呼んでくれ」
こんなに早々に出ていくとは思ってもいなかったので、少々狼狽えているが戻ってくるまではどうしようもないのが現状だ。兵を出そうにも弟のことだもう国内にはいないだろうし、下手に騒いで国際問題に発展するのは避けなくてはいけない。こんな時に自分が王であることを後悔する。
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