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学園
問題
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「私は聖女なのよ!」
リリアの目の前で聖女様が騒いでいる。
「私何かしましたか?」
「その態度よ!生意気なの。私は選ばれた人間なのに」
「そう・・ですか」
「何があったのだ!」
バレス王国の第2王子が慌てた様子で入ってきた。{「(交換留学生という枠で留学している。)
えっと、確かジースティムていう名前だったような・・・」}
「それが・・・「私リリア様に虐められているんです」えっ」
「聖女をか?」
「はい、それで私やめて欲しくて・・・」
「どういうことだリリア嬢」
「いえ、私どういうことか・・・」
その時、ステラが呼びに行っていたリリックが焦った様子で入ってきた。
「何をしている?」
「リリック様」
リリアは公式な場で呼び捨てにすることは避けていた。今目の前には他国の王子がいたので、然るべき対応だと思い様をつけて呼んだのだ。
「そこのリリア嬢が聖女であるリュマを虐めていたのだ。これは然るべき対応を取るべきだと思うのだが?」
「リリアが?それはあり得ない」
「何故です?私の言葉は信用できませんか?それとも、聖女であることが・・・「いや、聖女であることは認めているつもりだ。だが、リリアが虐めていたというのが信用できない」」
「聖女であるリュマが言っているのだぞ!」
「黙って下さい。リリアは特別なのです。未来この国の王妃となる方です。それを隣国のこの国より劣る王子が口を出さないでいただきたい」
「なんだと!?」
「リリック様、それは言い過ぎかと。私は貴族にすぎませんし」
「あ、いや、すまない。リリアに何かあったらと思うと口が・・・」
「いえ、助け舟を出していただいてありがとうございます。ですが、誤解は解かないといけませんし、私たちの問題でもありますので」
「それは、そうだな。だが、兄上には報告させて貰うぞ?」
「それは・・・分かりました。お願いします」
「話し合うと言っている限り邪魔をするべきではないな・・・。私は外に出よう。だか、何かあったら助けを求めてくれ。あと、あなたも部外者ではないのか?ジースティム」
「呼び捨てだと!「言いましたよね、同じ第2王子でも立場が違うのです」くっ、分かった。私も外に出よう」
「ありがとうございました」
リリックとジースティムはリリアとリュマを部屋に残し出ていった。
しばらくリュマはリリックが言っていた 特別 の意味を考えていた。が、「聖女である私よりも特別なんてあり得ない!」リリアに吐き捨てるようように叫び出ていった。
「あの、」リリアは部屋に残され何があったのかまとめようとした。「あの場にジースティム殿下が入ってこられたのは偶然ではない気がする・・・」
リリアが考え込んでいると、扉がいきなり開きガレンが入ってきた。
「リリア大丈夫か?」
「ガレン、私・・・何もしてないわ」
「それは分かってる。当たり前だろ」
「どうしたらいいのかな?」
「リリアの立場は今のままじゃ不安定だ。あの女が聖女を名乗り調子にのっているのは最近目に余る。王族を蔑ろにした学園長も決して許されないが、リリアを囲い込みたくはない。リリアは望んでないだろう?」
「ええ」
「もう少し時間をくれ、対応するから。すまない、不甲斐ないな・・・」
「ガレン!私が無茶を言っているから・・・私が早々に王家に入れば良かったの、学園に行きたいって望んだから。あなたが気に病むことはないわ。全部自業自得なんだから。私も私でどうにかするつもり。でも、もし、どうにもならなかったら助けてくれる?」
「もちろんだろ」
「ありがとう、気が楽になった。家に帰ろ!」
「そうだな、そろそろ時間だ。送らせてくれ」
「ふふ、喜んで」
リリアが神の愛し子だと国に示す時はリリアが王家に入っている時でなくてはならない。
リリアは友だちが欲しかった、今まで味わえなかった自由を経験したかった。
家族が支持してくれたから今学園に通えていた。
聖女は誰よりも尊い存在だとされている。が、リリアの前ではそれは無意味な称号だった。
王族と家族、神官長しか知らないその事実は刻一刻とリリアを追い詰めにかかっている。リリアは気付かない。目をそらしている。
あの出来事がなければ・・・。そう思う日が来ることをまだ誰も知らない。
「これで終わりよ。私の前にひれ伏して謝ることね・・・。ふふ、許してあげないけど」
リリアの目の前で聖女様が騒いでいる。
「私何かしましたか?」
「その態度よ!生意気なの。私は選ばれた人間なのに」
「そう・・ですか」
「何があったのだ!」
バレス王国の第2王子が慌てた様子で入ってきた。{「(交換留学生という枠で留学している。)
えっと、確かジースティムていう名前だったような・・・」}
「それが・・・「私リリア様に虐められているんです」えっ」
「聖女をか?」
「はい、それで私やめて欲しくて・・・」
「どういうことだリリア嬢」
「いえ、私どういうことか・・・」
その時、ステラが呼びに行っていたリリックが焦った様子で入ってきた。
「何をしている?」
「リリック様」
リリアは公式な場で呼び捨てにすることは避けていた。今目の前には他国の王子がいたので、然るべき対応だと思い様をつけて呼んだのだ。
「そこのリリア嬢が聖女であるリュマを虐めていたのだ。これは然るべき対応を取るべきだと思うのだが?」
「リリアが?それはあり得ない」
「何故です?私の言葉は信用できませんか?それとも、聖女であることが・・・「いや、聖女であることは認めているつもりだ。だが、リリアが虐めていたというのが信用できない」」
「聖女であるリュマが言っているのだぞ!」
「黙って下さい。リリアは特別なのです。未来この国の王妃となる方です。それを隣国のこの国より劣る王子が口を出さないでいただきたい」
「なんだと!?」
「リリック様、それは言い過ぎかと。私は貴族にすぎませんし」
「あ、いや、すまない。リリアに何かあったらと思うと口が・・・」
「いえ、助け舟を出していただいてありがとうございます。ですが、誤解は解かないといけませんし、私たちの問題でもありますので」
「それは、そうだな。だが、兄上には報告させて貰うぞ?」
「それは・・・分かりました。お願いします」
「話し合うと言っている限り邪魔をするべきではないな・・・。私は外に出よう。だか、何かあったら助けを求めてくれ。あと、あなたも部外者ではないのか?ジースティム」
「呼び捨てだと!「言いましたよね、同じ第2王子でも立場が違うのです」くっ、分かった。私も外に出よう」
「ありがとうございました」
リリックとジースティムはリリアとリュマを部屋に残し出ていった。
しばらくリュマはリリックが言っていた 特別 の意味を考えていた。が、「聖女である私よりも特別なんてあり得ない!」リリアに吐き捨てるようように叫び出ていった。
「あの、」リリアは部屋に残され何があったのかまとめようとした。「あの場にジースティム殿下が入ってこられたのは偶然ではない気がする・・・」
リリアが考え込んでいると、扉がいきなり開きガレンが入ってきた。
「リリア大丈夫か?」
「ガレン、私・・・何もしてないわ」
「それは分かってる。当たり前だろ」
「どうしたらいいのかな?」
「リリアの立場は今のままじゃ不安定だ。あの女が聖女を名乗り調子にのっているのは最近目に余る。王族を蔑ろにした学園長も決して許されないが、リリアを囲い込みたくはない。リリアは望んでないだろう?」
「ええ」
「もう少し時間をくれ、対応するから。すまない、不甲斐ないな・・・」
「ガレン!私が無茶を言っているから・・・私が早々に王家に入れば良かったの、学園に行きたいって望んだから。あなたが気に病むことはないわ。全部自業自得なんだから。私も私でどうにかするつもり。でも、もし、どうにもならなかったら助けてくれる?」
「もちろんだろ」
「ありがとう、気が楽になった。家に帰ろ!」
「そうだな、そろそろ時間だ。送らせてくれ」
「ふふ、喜んで」
リリアが神の愛し子だと国に示す時はリリアが王家に入っている時でなくてはならない。
リリアは友だちが欲しかった、今まで味わえなかった自由を経験したかった。
家族が支持してくれたから今学園に通えていた。
聖女は誰よりも尊い存在だとされている。が、リリアの前ではそれは無意味な称号だった。
王族と家族、神官長しか知らないその事実は刻一刻とリリアを追い詰めにかかっている。リリアは気付かない。目をそらしている。
あの出来事がなければ・・・。そう思う日が来ることをまだ誰も知らない。
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