大丈夫のその先は…

病室…

学校との兼ね合いで病院に行く日を出来るだけ延ばしていたある日、私は糸が切れたみたいに学校で倒れてしまった。

「実来！？先生！実来が！」
「佐藤さん！大丈夫ですか？」
胡桃？先生？何も分かんないや…。


「患者はどちらに？」
「これは…急いで病院へ」


「んっうぅ、…ここは」
「病室だよ」目を覚ますと白い天井、腕には点滴、違和感があると思ったらマスクもしていた。倒れちゃったんだ…。首を横に動かし、声の主を探すと白衣の義父、義兄？。あぁ、義兄もお医者さんだったんだ。どちらにしろ隠せなかったのか…。

「…大丈夫？」
「大、 丈夫です」お母さんは…いない。
「お母さんは？」
「今連絡してこっちに向かっているよ。…知ってたんでしょ？自分の状態について」聞かれて素直に頷くことはできなかった。きっと怒られる。
「…何のことでしょう」はぁと溜め息と鋭い視線。でも、こればかりは私も譲れない。病室で一生を終えるなんてごめんだった。沈黙の後、誰かの口が開くこともなく時間が過ぎていった。どれくらい経ったか分からなかったが、病に犯された私の体力は少なく、また眠りについた。


誰かの泣き声が聞こえる…。泣かないで…。私が悪いの。「お母さん…」声に導かれるように目が覚めた。