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水姫

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幼少期

話し合い

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「ただいま」

「あら、お帰りなさい。早かったわね」

「父様が」

「あら?どうかしたの?」

「いや、ソフィーが迷子になってまた何かあったらと不安になったから早めに帰ってきた」

「そう、ソフィー、父様に迷惑かけたらもう連れていってもらえなくなるわよ」

「えっ、父様」

「そうだな、次迷子になってまた会える保証はないからな。それが最善かもしれないな」

「そんなっ、父様の嘘つき!大嫌いです!!」
自業自得…でしょうか。あんなに注意されていたのに周りに気をとられて迷子になったのですから。
ですが、私はもっと外が知りたくてしかたありませんでした。
父様に強い口調で言葉を投げ捨て部屋にかけあがります。

誰かが階段をのぼってくる音がします。
母様に違いありません。父様と何かあった時は決まって母様とお話をするのです。
「ソフィー?聞こえているでしょ?開けて頂戴」

母様にそう言われると開けるしかありません。母様は我が家で一番の権力者です。
「…母様」

「あらあら、さぁソフィー、母様にお話してくれる?」

「…はい」逆らってはいけません、私の中で警告が鳴りました。
なので私は今日の王都であったことを余すことなく全て正直に話しました。

沈黙がこわいです。「あの、母様?」
「ふふ、一度父様も含めて話し合いましょうか」母様は隠し事が嫌いです。
父様が何か隠しているのは明確でした。母様は目がなんとなく笑っていません。

「ソフィーはもう寝なさい、心配しなくても大丈夫だから、ね」
今日はもう遅いということで話し合いは明日になりました。
正直父様の隠していることは気になります。しかし、話し合いには参加したくありません。

フワァ~。今日は色々とありすぎました、今は母様に従って眠ることにします。
明日は明日です。お布団に潜ります、お休みなさい。


「おはようございます」
話し合いの日になってしましました。目が覚めたのでダイニングに渋々向かいます。
すると、目が笑っていないのに見惚れるような笑顔を浮かべる母様と目の下に隈が出来って少しぐったりしている父様がもうすでに椅子に座っていました。私は少し遅れてきたようです。

「まずは朝食にしましょう」母様がで言いました。
これを食べ終えてしまえば……。父様も同じ考えのようです、いつもよりゆっくりと食べました。
視界に入る母様が恐ろしいですが、見えないふりをします。

「さて、もういいわね。話してくれる?リック」
リックは父様の愛称です。父様は諦めたかのように話し始めました。

貴族の跡取りだった。王都で見つかるのは避けたかった、と。

どこまでが本当で、どこからが嘘か、私には知る術はありません。
母様は納得したようでした。いつもならもっと問いただす母様がです。

ですが、私は納得できません!「父様、もっと詳しい説明を要求します!」
こんなこと聞いてません!神様!どういうことですか!複雑すぎませんか!?

「まぁ、その。もう少し大きくなったら、な」
そのまま結局は父様にはぐらかされてしまいました。



まぁ私が詳しく知るのは遠くない未来でしたが。(苦笑)
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