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好きの証明
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「お婆様、お婆様はもし私が〝悪役令嬢〟になってしまっても嫌いにならないでいて下さいますか?」
私は恐る恐るお婆様へそう問い掛けます。そんな私にお婆様はふふっ、と微笑み私へ語りかけます。
「アリス、私は貴女がどうなろうと貴女の味方よ」
お婆様はいつになく真っ直ぐに私を見据え、そう仰いました。そして、お婆様は私を胸に掻き抱きそっと囁きかけます。
「アリス、私は貴女が大好きよ」
例え〝悪役令嬢〟になったとしても、お婆様の言葉は私にそう訴えかけてくる様でした。そのお婆様の態度に、私の心にあったわだかまりも溶けていく気がしました。だから私はお婆様へ言葉を送ります。
「お婆様、私も……」
そっとお婆様の耳元へ囁くのはお婆様のお名前です。恥ずかしさを押し殺し、お婆様へと親愛の気持ちを届けます。
「…… の事が大好きです」
私の言葉を聞いたお婆様は私を強く抱き締めます。それだけで私はとても満たされた思いになりました。けれど、
私を強く胸に抱いたお婆様は小さく言葉を呟きます。きっと私に届けるつもりのなかったであろうその言葉に、私は衝撃を受けました。それは、おそらくお婆様自身も口にするつもりは無かったのでしょう。
お婆様は私を大事そうに抱え、誓いを立てるかの様にこう仰られたのです。
「私が絶対に貴女を、アリスの事を〝悪役令嬢〟になんかさせないから」
私は恐る恐るお婆様へそう問い掛けます。そんな私にお婆様はふふっ、と微笑み私へ語りかけます。
「アリス、私は貴女がどうなろうと貴女の味方よ」
お婆様はいつになく真っ直ぐに私を見据え、そう仰いました。そして、お婆様は私を胸に掻き抱きそっと囁きかけます。
「アリス、私は貴女が大好きよ」
例え〝悪役令嬢〟になったとしても、お婆様の言葉は私にそう訴えかけてくる様でした。そのお婆様の態度に、私の心にあったわだかまりも溶けていく気がしました。だから私はお婆様へ言葉を送ります。
「お婆様、私も……」
そっとお婆様の耳元へ囁くのはお婆様のお名前です。恥ずかしさを押し殺し、お婆様へと親愛の気持ちを届けます。
「…… の事が大好きです」
私の言葉を聞いたお婆様は私を強く抱き締めます。それだけで私はとても満たされた思いになりました。けれど、
私を強く胸に抱いたお婆様は小さく言葉を呟きます。きっと私に届けるつもりのなかったであろうその言葉に、私は衝撃を受けました。それは、おそらくお婆様自身も口にするつもりは無かったのでしょう。
お婆様は私を大事そうに抱え、誓いを立てるかの様にこう仰られたのです。
「私が絶対に貴女を、アリスの事を〝悪役令嬢〟になんかさせないから」
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