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プロローグ
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「お婆様、何かお話してくださらない?」
私がそう聞くと、お婆様は色々なお話をして下さります。不思議な話、楽しい話、面白い話、ちょっと怖い話。いつ聞いても尽きる事ないお婆様のお話が好きでした。だから、今日もお婆様に尋ねます。
「今日は何のお話ですの?」
そう聞く私にお婆様は少し考え込んだ後、そうね、と言葉を続けました。
「今日のお話はあれにしましょうか。タイトルは、悪役令嬢が……」
それは不思議なお話でした。現実世界、そう呼ばれる魔法の無い世界の主人公が、お話の中の世界の〝悪役令嬢〟になってしまう。そんなお話です。そして、そのお話の中の世界はこの世界ととても似ていました。
「お婆様、此処はお話の中の世界なのですか?」
私はお婆様にそう尋ねます。お婆様は、ふふっ、と悪戯っ子の様に笑い、私の耳元に囁きました。
「アリス、貴女が悪役令嬢なのよ」
私の反応を伺う様に見るお婆様の言葉に、私は衝撃を受けました。そして、その日から私は悪役令嬢の汚名を濯ぐ日々を過ごす事になったのです。
私がそう聞くと、お婆様は色々なお話をして下さります。不思議な話、楽しい話、面白い話、ちょっと怖い話。いつ聞いても尽きる事ないお婆様のお話が好きでした。だから、今日もお婆様に尋ねます。
「今日は何のお話ですの?」
そう聞く私にお婆様は少し考え込んだ後、そうね、と言葉を続けました。
「今日のお話はあれにしましょうか。タイトルは、悪役令嬢が……」
それは不思議なお話でした。現実世界、そう呼ばれる魔法の無い世界の主人公が、お話の中の世界の〝悪役令嬢〟になってしまう。そんなお話です。そして、そのお話の中の世界はこの世界ととても似ていました。
「お婆様、此処はお話の中の世界なのですか?」
私はお婆様にそう尋ねます。お婆様は、ふふっ、と悪戯っ子の様に笑い、私の耳元に囁きました。
「アリス、貴女が悪役令嬢なのよ」
私の反応を伺う様に見るお婆様の言葉に、私は衝撃を受けました。そして、その日から私は悪役令嬢の汚名を濯ぐ日々を過ごす事になったのです。
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