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中級冒険者の章

第81話 ツンツンおっぱいのロリっ子

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 ボビュに言われて1番テーブルにやってきた。やはりあのツンツンおっぱいが素敵な赤いドレスの女性のテーブルでした。

「あ、あのあのっ、お呼びでしょうか~?」

 クレームにビビったボクは声が震えてしまった。いつもの喫茶店と違い、ここは超一流のホストクラブなのだ。粗相をしたら奴隷落ちと言われた。奴隷落ちっていうのが何なのか知らないけど名前からして碌なものじゃないと分かる。丁寧な対応をするのが安牌ですね。

 ビビったボクを見たツンツンおっぱいさんがクスクスと笑っていた。

「何をしているの? ほら、早く座りなさい」

「は、はいー! し、失礼しま~す」

 もしかしてボク、ホストに指名されちゃいました?

 緊張して手が震えて来た。このツンツンおっぱいさんをボクが楽しませないといけないんでしょ。うう、こんな事ならキャバクラにでも行っておくんだった。いや、キャバクラなんて行ったら七海さんにお仕置きされちゃう。

「あ、あのっ、お姉さんがボクを指名してくれたんですか?」

「ふふ……何を当たり前の事言ってるのかしら。見ない顔の男の子が居たから気になったのよ」

 なるほど。この女性は見知らぬイケメンが気になったから指名してみたって事か。ボビュの慌てぶりからして『こいつはイケメンだけど今日入ったばかりの新人でして』という感じで断るのを強引に指名して来たのだろう。やりますねこのお姉さん!

「実はボク、今日が初めてなんです。ユウタって言います。よろしくおねがいしますー!」

 そう言った瞬間、ツンツンおっぱいお姉さんの目が険しくなった。

「…………そう、あなた冒険者なの。ふふ、冒険者がここに居るなんてどんな奇跡かしら」

 自己紹介した途端に険しい表情になったけど、ボクのイケメンフェイスを見て安心したのかニッコリと笑った。金色に輝く眼が一瞬だけ青くなったような? まあいっか!

「え、えへへ。じゃあまずは乾杯しましょう。ボクとお姉さんが出会った奇跡に乾杯ですー」

 いつの間にかテーブルの上にドリンクが用意されていた。よく見たら黒服のボビュが遠くから心配そうな顔でボクを見つめていたのだった。なるほど、ボビュがドリンクを用意してくれたのか。ありがとうボビュ! 心の中でお礼を言っておいた。



 ツンツンおっぱいお姉さんとグラスを合わせて乾杯した後、ボクは今日の出来事を面白ろおかしく伝えました。

「――そんな感じでタクシーの運ちゃんに騙されたボクは、ここでアルバイトをする事になったんですー」

「うふふ、それは傑作ね。貴方みたいな冒険者が居るなんて思ってもみなかったわ」

 どうやらボクのトーク力はアンドロイドにも通用するらしく、ツンツンおっぱいお姉さんが上機嫌でお酒を飲んでいます。もちろんチロル相手に服従ポーズした事は内緒ですよ。

 ボクもお酒を飲んでいるが、喉を焼くような強いお酒で苦戦中です。甘いジュースを所望します! ボビュ気付いて、甘いお酒を持って来るのです。アイコンタクトを送るが反応がない。ダメぽ。

「ボクはスペシャルな冒険者ですからね、猫ちゃんに負けちゃうようなクソ雑魚冒険者と一緒にされては困りますー。ところでお姉さんの事は何てお呼びすればいいですか?」

「そうね……」

 あれ、もしかして名前を聞くのはダメだったのかな? そう言えばチロルも名前が無いとか言っていた。ヤバい、地雷を踏んだか!?

「いいでしょう。私の事はルナと呼ぶことを許しましょう」

「ルナ様ですか! とても素敵な名前ですね~」

 どうやら杞憂だったらしい。銀髪とマッチした良い名前だ。こんな綺麗な女性とお酒を飲んでお金を貰えるなんて、もしかしてこれがボクの天職なんじゃないだろうか。気分が良くなって来ました。




 それからお酒やフルーツを頂きながらお喋りをした。どうやらルナ様はボクの話を聞くのが楽しいらしく、嬉しそうに聞いてくれます。ボクのどうでも良い話を笑顔で聞いてくれるルナ様は天使に見えた。気分が良くなったボクはキツイお酒もグビグビと飲みまくりです。

「それでですねぇ、ボクが刃物を持った男から身を挺して彼女を守ったんです。ナイフでグサーってお腹を刺されちゃったんですけど、ムキムキマッチョなボクの腹筋がナイフをギュッと止めたので無事でした。漫画で良くある『な、なにぃ!? 筋肉でナイフを止めた……だと?』って感じですよー! それでもうボクの株価はストップ高、彼女のハートがキュンキュンして『ユウ君、抱いて♡』って感じでラブラブになったんですー!」

「へぇ、本当かしら? ユウタのお腹に傷痕なんて無いじゃない。それにプニプニだわ」

「ちょっ、ダメですよぉ、やっ、服を脱がさないでください……はぅぅ」

 もしかしてルナ様はムッツリスケベな人ですか? ボクの体をペタペタと触って嬉しそうにしているのだ。

「ふふ、ユウタも嬉しいんでしょう? ほら、こことかどうかしら?」

 愛棒さんのサイズを確認したのだろうか、美女の手でモニュモニュされてしまいました。今はまだやる気が無いだけなんです。そんな可哀想な子を見るような目で見ないでー。

「はうっ、そこはダメですよぉ。それにボクには彼女が居るんです、だから止めてくださぃ……」

「何を言っているのかしら。ここは女が男を買う場所、ホストクラブよ。ユウタだって期待してるんでしょ?」

「はうっ、らめぇ……ボクはダメなんですよぉ……」

 今のボクはホストだからね、空気の読めるボクは背徳感を煽る演技をする事にした。ここはスペースコロニー、七海さんもビアンカちゃんも手が出せない完全にフリーな空間なのです。ちょっとくらい羽目を外しても良いよね♪

「ふふ……ユウタは良い声で鳴くのね。そうだわ、これからゲームをしましょう。ユウタが勝ったらアフターしてあげる」

「ゲームですか? ボクが負けたらどうなるんですか?」

「どうもしないわ。アフターは無しなだけよ。どう?」

「それならやりますー!」

 アフターってのが何なのか知らないけど、アフターはお金がいっぱい貰えるらしい。やってやるぜ!!

「ふふ……良い子ね」

 何が始まるのかドキドキしていたら、何やら黒いチョーカーを首に付けられちゃいました。これが異世界転移をしたラノベ主人公だったら、奴隷の首輪を付けられて逆らえなくなるパターンだけど、そんな事ある訳ないよね。

 スペースコロニーだから近未来的なナニカに違いない。

「何ですかこれ?」

「それは奴隷の首輪よ」

「えええええぇぇえええ!?」

 ルナ様が嬉しそうに微笑みながら奴隷の首輪と言って来た。もしかしてボク、ラノベに出てくるアホな主人公と同じですか?

 奴隷の首輪とはその名の通り、ご主人様に逆らおうとすると首輪がギュッと締まって苦しくなるのだ。

「つまり今日からルナ様の性奴隷になって、バターが大好きなワンワンみたいにルナ様の全身をペロペロしたり、ゴールドフィンガーでアヘアヘになるまで気持ち良くしたり、そして更には自慢の愛棒さんコレを使ったマッサージですね!? くっ、まさか奴隷落ちってこういう事なんですね。こうなったら女性満足度ナンバーワンの実力を見せてあげますよー!」

 七海さんやビアンカちゃんとは違うタイプのルナ様にならご褒美な気がします。ここは夢の中であり誰にも邪魔されない特別な空間、つまり浮気じゃないのです。いいですね?

「ふふ、なにそれ可笑しいわ。それに奴隷の首輪っていうのは嘘よ。そんなのある訳ないじゃない。何言ってるのよ、ふふふ」

「も、もう! ルナ様が真顔で言うから騙されちゃったじゃないですか~」

 ルナ様がお腹を抱えて笑っている。どうやら作戦成功のようだ。実は嘘だと分かった上で焦った演技をしたのです。本当ですよ?

「それで、どんなゲームなんですか?」

「焦らないで。この首輪は貴方の考えを読み取って表示してくれるデバイスなの。まずは好きな女性の事を思い浮かべてみて頂戴」

「好きな女性ですか……?」

 どうやらこのチョーカーは近未来的なアイテムらしい。ルナ様の言う通りに好きな女性を思い浮かべてみた。

 すると、何やら空中にディスプレイのようなものが広がり、円グラフが表示されました。でもそこには……。

「……へぇ。貴方ったら彼女を愛してるなんて言いながら随分と浮気性なのね? あら、私まで入っているじゃないの」

「はわわわわわ。これは違うんです。えとえと、何かの間違いですよぉー」

 円グラフには名前と顔写真、更にはパーセンテージが表示されていました。つまりこれは好感度か!

 一番大きな割合を占めるのはもちろん七海さんです。でも50%しかありませんでした。そしてビアンカちゃんが30%、姫ちゃんが8%、夏子さんとルナ様がそれぞれ5%です。残りはその他でした。

 ビアンカちゃんはまだ分かる。でもルナ様まで入っているのは解せなかった。だって出会ったばかりだもん。それと不可解なのが姫ちゃんだ。Eカップを諦めていないという事か!?

「さて、それじゃあ簡単なゲームを始めましょう。これから私が全力で貴方を口説くわ。10分後に確認して彼女より数値が高かったら私の勝ちよ」

「なるほど。つまり七海さんを好きって気持ちを強く持てばいいって事ですね。余裕ですよー!」

「ふふ……じゃあ始めましょう」

 そう言ったルナ様がボクの上に乗っかって来た。これはボクの大好きな対面座位ってやつじゃないですか!?

「はわわわわわ」

「な~に? これくらいでアタフタしちゃうなんて、本当は童貞なんじゃないの?」

「ち、違いますよぉ! でもでも、あのっ、当たってますぅ」

 ズボンの上から愛棒さんがプニュっと柔らかいモノに押しつぶされた。ルナ様がボクの首に両手を回し、エッチをするような体勢になってしまったのだ。

 フワリと甘い香りが漂い、甘い吐息がボクの唇を刺激する。ツンツンおっぱいも当たってますよー!?

「ユウタ好きよ……愛してる。私ならユウタを満足させてあげられるわよ」

「あっ、そんな耳元で囁かないで下さい、はうっ」

 まるでエッチなお店でサービスタイムが始まったかのような展開に胸が高まった。

「ふふ、照れちゃって可愛いわね。彼女とはどんなエッチしてるの?」

「七海さんとは普通のエッチです。恋人同士の甘いやつですぅー」

「ふ~ん。そんな普通のエッチで貴方は満足なの? 私だったらもっと楽しい事が出来るわよ。例えば……この太くて長い逞しいモノを喉の奥まで突っ込んで欲望のままに犯したりとかどうかしら? だって私、アンドロイドだから呼吸しないでも死なないもの。安心して、貴方が喜ぶように苦しむ演技はしてあげるわ」

「エッッッッッ!」

 アンドロイドという性能を活かしたプレイってやつですか……いいね!

 そりゃあ七海さんもペロペロが上手だけど、さすがに喉奥まではキツイご様子。だって愛棒さんはビッグだからね!

「うふふ、ビクンって大きくなったわよ? 期待しちゃったのね。他にもいっぱいエッチできるわよ。貴方の弱点を徹底的に責めて気持ち良くしてあげたり、どんな変態プレイも喜んでやってあげるわ。私が貴方だけのセクサロイドになってあげる♡」

「はぁはぁ……しゅごい」

 エッチなルナ様が耳元で甘い声を囁くと脳が犯される。もう既に愛棒さんはやる気満々だし、そんな愛棒さんをルナ様が腰を前後に動かして刺激してくる。ルナ様はアンドロイド、見た目や仕草は完全に人間だけど中身は機械なのである。近未来的なセンサーでボクの弱点を的確に把握し、ボクが喜ぶ事を何だってやってくれるのだ。

 ボクの心の深いところに眠るドSな気持ちが沸々と湧き上がって来る。独り善がりで乱暴なエッチもやってみたいよね!

 少しだけ気持ちがグラついたボクを見たルナ様がニヤリと笑った。

「じゃあ残り時間はキスをしてあげるわ。んっ……」

 ルナ様のプルンと艶やかな唇が迫って来た。

 綺麗なお姉さんのキスを避ける事なんて出来るはずもなく、ボクはそのまま受け入れルナ様を抱き締めたのでした。



   ◇



「んっ……あら、もう10分を過ぎていたわね」

 ルナ様のキスは甘すぎた。まさに蕩けるようなキスを味わってしまったのだった。 恋人同士のような軽いキスから始まり、舌を絡ませるエッチなキス、そして最後は吸い付き、絡ませ、圧し潰し、まるで性交をしているようにボクを犯した。疲れを知らないルナ様はボクを徹底的に責め立てた。きっとボクの弱点を探りながらキスを楽しんでいるのだろう。

 七海さんともビアンカちゃんとも違うエッチなキス、ボクの弱点を的確に責めるアンドロイドのポテンシャルにビクンビクンしちゃいました。

「ふぇぇ、ルナしゃまぁ」

「あらあら情けない顔ね。さて、結果はどうなっているかしら……あら?」 

 そう言えばゲームをしていたのだった。視線の先を見て固まるルナ様、良く見たら円グラフが全然動いていないのでした。確かにルナ様のキスは凄かった。ボクを落とそうとするそのテクニックはなかなかのモノでしたよ。でも残念でした。ボクの気持ちは七海さん一筋なのです。べ、別に愛棒さんを気持ち良くして貰えなかったから好感度が上がらない訳じゃないんだからね!

「えへへ、勝負はボクの勝ちですね!」

「まさかこの私が堕とせない男が居たとはね。うふふふ、いいわ合格よ。ほら、アフター行くわよ」

「え、あの、もうですか……?」

 まだ飲み始めたばかりだし、これからボクの考えた最強のホストテクニックを披露する予定だったのだ。ポッチーゲームとか乳首当てゲームとか楽しそうでしょ?

 そんなボクの気持ちを無視してアフターに突入しようとするルナ様。

 もしかしてボクは、これから大変な事になっちゃうのかもしれない……。
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