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初級冒険者の章
第70話 急展開
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ボクが七海さんと恋人になってから1ヶ月が経った。
楽しい時間というのはあっという間に過ぎると言うけど、ボク達カップルはイチャラブで幸せな毎日を送っています。
透視の指輪を外したのが良かったのだろうか、ボクは姫ちゃんのEカップを見ても『うーん、やっぱり七海さんのおっぱいの方がいいよね。帰ってチュパチュパしよう!』という気持ちになるのです。
七海さんとの同棲生活は思った以上に順調だった。ちょっと家事が苦手な二人という組み合わせが良かったのか、協力してご飯を作ったりお掃除したり、そんな感じで喧嘩をする事も無くラブラブです。
今だって午後のカフェテリアで学生達が見守る中、堂々とイチャイチャしちゃいます。
「はい、ユウ君。あ~ん」
「えっ、いいんですか? はむっ……うん、美味しいです!」
「うふふ、良かった。あっ、口に付いてるか取ってあげる。チュッ」
「あはは、恥ずかしいですー」
芸能界を引退したとはいえ、誰もが羨むその美貌は健在であり、大学の中でも特に有名な七海さんが彼氏を作ったというニュースは一気に拡散された。しかも相手は同じ大学にいる年下のショタである。もう学校中でお祭り騒ぎでしたね。
最初は好奇の目を向けられてビクビクしたのだが、今のように七海さんがショタを溺愛する様子が至る所で目撃されてからというもの、『アイツらまたやってる』というくらいになるまで浸透してしまったのだった。
一番驚いていたのはパリピである。ミキちゃんから何も聞いていなかったのだろうか、『アイエエエ!? ユウタ!? ユウタナンデ!?』と驚いていたのが笑えました。
「そうだユウ君、紫苑様が上級回復薬をもっと欲しいって言ってたよ」
「むむっ、またですか。最近多いですねぇ」
ダンジョン攻略の方はちょっと行き詰っている。
ヒモ野郎の称号をゲットしたのが悪かったのだろうか、常時HPが2割ダウンというのは地味に効いているらしくて中々クリア出来ないのです。中級冒険者カードが遠いてしまった。
そんな事もあり、トレジャーハンターユウタは持ち帰り金庫でアイテムをゲットするのが主な仕事になってしまったという事です。ビアンカちゃんに会うのはまだまだ先になりそうだし、サキュバスの館に行った事が七海さんにバレたらお仕置きされてしまうのです。ガーゼ、ローション……ガクガクブルブル。
「どうやら上級回復薬を使って暗躍してるらしいんだよね。この前、外国の大富豪の息子さんが交通事故の後遺症で歩けない状態から回復したってニュース見なかった? 天王寺製薬が偶然出来た試験薬のテストって事になってるけど、あれって上級回復薬らしいんだよね」
「はぇー、すっごい」
天王寺グループって製薬会社まであるんですね。知りませんでしたよ。製薬会社で回復薬の研究も始めているらしく、いつかコピー品が作れる日が来るのかもしれない。来るかな?
上級回復薬を一口飲んだだけで胸の傷が瞬時に回復した実績からすれば、交通事故の後遺症くらい簡単に治るのも頷ける。
ダンジョン攻略は難しいけど、ほぼ毎日お土産を持って帰って来ているのでシオンちゃんはご機嫌です。地味にマジックバッグが増えているのが困るけど、いつか使い道が出て来ると信じています。
報酬については七海さんが窓口で上手くやってくれているそうです。賢さが6しかないボクには難しくて分かりませんでしたが、シオンちゃんに時魔法のアルバイトをしているのでお金には困ってないのでした。
そう言えば舞子さんは無事就職先が決まったそうです。天王寺プロダクションっていう芸能事務所です。なんか面接に行ったらシオンちゃんが直々に面接してくれたらしく、ボクとマブダチというアピールをしたらその場で合格を貰えたらしいです。いいのかな……?
「幸せの薬も期待してるって言ってたから、今日も頑張ろうね♪」
「は、はい!」
ラブラブなボク達は夜もラブラブなのだ。まあエッチ禁止な時もあるけど、そう言う時はお風呂場がエッチなお店に早変わりなのです。愛棒さんも休む暇が無い程に大人気ですよ。
そんなボク達だけど、二人プレイをするのは難しかった。まず夢の世界に七海さんを連れて行くのが難しいのです。
合体したまま眠るというのは難易度が高く、二人が精魂果てるまで愛し合い、気絶するように眠り、でも愛棒さんは『まだまだやったるでー!』って感じじゃないとダメなのだ。まだ2回しか成功していません。
幸せの薬がどんな効果か知らないけど、古代エルフの森にいく必要があるってギルマスから聞いたので頑張ろうと思います。
◇
「こんばんはー! ってあれ、ギルマスが居ない」
いつもなら来た瞬間に声を掛けてくれるギルマスが居ないのである。こんな事は始めてだ。どうやら今日も二人プレイ失敗だったようだ。今まで成功した時の事を考えると、七海さんがボクに騎乗してアンアンするエッチしか無理なのかもしれない。
ギルドを見渡すと夏子さんだけが居た。でもおかしい、JK夏子さんが居るのです。お化粧とかコスプレとかそんな程度では誤魔化せないピチピチなJK、あれは本物……?
「どうしたんですか夏子さん、凄く若返ってるような? 最近は時魔法もご無沙汰でしたよね?」
七海さんの前で浮気調査のような事があってからの事である。夏子さんから『七海ちゃんに悪いから、もう時魔法はやらないでいいわ~』って言われてしまったのを思い出した。
「うふふ、凄いでしょう? 念願のアイテムが手に入ったのよ~」
今までの夏子さんは20代の素敵なお姉さんでした。それが一気に若返り10代中頃のJK1年生くらいの姿なのです。瑞々しい中にも色気があり、凄く綺麗でいいと思います!
プルンと大きなお胸は健在だけど、七海さんのお胸には敵いませんね。七海さんが一番、いいですね?
どうやら若返りのアイテムというのがあるらしい。ボクの時魔法はもう不要って事か……。七海さんのお胸が一番だけど、夏子さんのツンツンおっぱいの触り心地は特別だったのです。ちょっと残念です。残念……? うう、最近は他の人の胸を見ると頭痛がする事があるのだ。もしかして病気なのかな。
「それで、ギルマスはどうしたんですか?」
「あ~、ギルマスはちょっと奥に行っちゃったの。そうだわ、ちょっとここで待っててもらえるかしら?」
「むむっ、分かりました」
夏子さんがお店の裏へ行ってしまい、広いギルドにはボク一人だけが残された。ギルマスの奥の部屋ってどんな感じなのかちょっと気になるなぁ。
酒場のバーカウンターに座って一人作戦会議を行う。
今日はどんな冒険しようかな。持ち帰り金庫をゲットしたら上級回復薬とかシオンちゃんの要望品を集めてマジックバッグごと持って帰ればいいかな?
最近はダンジョンクリアというよりも、どんなアイテムを持って帰ろうかという事を真っ先に考えるようになってしまった。
人に頼られる、感謝される、そう言った遣り甲斐というのだろうか、ボクの冒険が人の役に立つお仕事だと思うとクリアよりもそっちを優先してしまうのです。
「サキュバスの館かぁ」
視線の先には赤いゲートが妖しく光っている。あの先に待ち構える数々のダンジョンへ行く事は出来るのだろうか。いや、行く必要があるのだろうか。
七海さんという素敵な彼女が出来たし、黒いゲートの先で地道にゴールドを稼いでいれば、そのうち出品される幸せの薬を買えるだろう。このまま初級冒険者でもいいかなって思い始めた。
だってサキュバスの館に行ったら七海さんにお仕置きされちゃうし、そもそも浮気はダメだよね!
――そんなヤル気の無いヘタレた気持ちがダメだったのだろう……。
「やっほ~♪ おにーちゃん久しぶりだね!」
「あれ、ビアンカちゃん!?」
ここ最近は現実世界でも夢の世界でも会えなかったビアンカちゃんが現れた。いつもなら赤いゲートから来るのに、夏子さんの部屋から出て来たのである。
嬉しそうに笑うビアンカちゃんだけど、何故か黒いオーラが見えた気がした。
「ねーねーおにーちゃん。最近ヤル気無さ過ぎじゃない? もしかしておにーちゃん、ビアンカちゃんとエッチしたくないのかなぁ~?」
どうやらぬるま湯に浸るボクを咎める神が現れたようだ。ヤバイ、どうしよう!?
楽しい時間というのはあっという間に過ぎると言うけど、ボク達カップルはイチャラブで幸せな毎日を送っています。
透視の指輪を外したのが良かったのだろうか、ボクは姫ちゃんのEカップを見ても『うーん、やっぱり七海さんのおっぱいの方がいいよね。帰ってチュパチュパしよう!』という気持ちになるのです。
七海さんとの同棲生活は思った以上に順調だった。ちょっと家事が苦手な二人という組み合わせが良かったのか、協力してご飯を作ったりお掃除したり、そんな感じで喧嘩をする事も無くラブラブです。
今だって午後のカフェテリアで学生達が見守る中、堂々とイチャイチャしちゃいます。
「はい、ユウ君。あ~ん」
「えっ、いいんですか? はむっ……うん、美味しいです!」
「うふふ、良かった。あっ、口に付いてるか取ってあげる。チュッ」
「あはは、恥ずかしいですー」
芸能界を引退したとはいえ、誰もが羨むその美貌は健在であり、大学の中でも特に有名な七海さんが彼氏を作ったというニュースは一気に拡散された。しかも相手は同じ大学にいる年下のショタである。もう学校中でお祭り騒ぎでしたね。
最初は好奇の目を向けられてビクビクしたのだが、今のように七海さんがショタを溺愛する様子が至る所で目撃されてからというもの、『アイツらまたやってる』というくらいになるまで浸透してしまったのだった。
一番驚いていたのはパリピである。ミキちゃんから何も聞いていなかったのだろうか、『アイエエエ!? ユウタ!? ユウタナンデ!?』と驚いていたのが笑えました。
「そうだユウ君、紫苑様が上級回復薬をもっと欲しいって言ってたよ」
「むむっ、またですか。最近多いですねぇ」
ダンジョン攻略の方はちょっと行き詰っている。
ヒモ野郎の称号をゲットしたのが悪かったのだろうか、常時HPが2割ダウンというのは地味に効いているらしくて中々クリア出来ないのです。中級冒険者カードが遠いてしまった。
そんな事もあり、トレジャーハンターユウタは持ち帰り金庫でアイテムをゲットするのが主な仕事になってしまったという事です。ビアンカちゃんに会うのはまだまだ先になりそうだし、サキュバスの館に行った事が七海さんにバレたらお仕置きされてしまうのです。ガーゼ、ローション……ガクガクブルブル。
「どうやら上級回復薬を使って暗躍してるらしいんだよね。この前、外国の大富豪の息子さんが交通事故の後遺症で歩けない状態から回復したってニュース見なかった? 天王寺製薬が偶然出来た試験薬のテストって事になってるけど、あれって上級回復薬らしいんだよね」
「はぇー、すっごい」
天王寺グループって製薬会社まであるんですね。知りませんでしたよ。製薬会社で回復薬の研究も始めているらしく、いつかコピー品が作れる日が来るのかもしれない。来るかな?
上級回復薬を一口飲んだだけで胸の傷が瞬時に回復した実績からすれば、交通事故の後遺症くらい簡単に治るのも頷ける。
ダンジョン攻略は難しいけど、ほぼ毎日お土産を持って帰って来ているのでシオンちゃんはご機嫌です。地味にマジックバッグが増えているのが困るけど、いつか使い道が出て来ると信じています。
報酬については七海さんが窓口で上手くやってくれているそうです。賢さが6しかないボクには難しくて分かりませんでしたが、シオンちゃんに時魔法のアルバイトをしているのでお金には困ってないのでした。
そう言えば舞子さんは無事就職先が決まったそうです。天王寺プロダクションっていう芸能事務所です。なんか面接に行ったらシオンちゃんが直々に面接してくれたらしく、ボクとマブダチというアピールをしたらその場で合格を貰えたらしいです。いいのかな……?
「幸せの薬も期待してるって言ってたから、今日も頑張ろうね♪」
「は、はい!」
ラブラブなボク達は夜もラブラブなのだ。まあエッチ禁止な時もあるけど、そう言う時はお風呂場がエッチなお店に早変わりなのです。愛棒さんも休む暇が無い程に大人気ですよ。
そんなボク達だけど、二人プレイをするのは難しかった。まず夢の世界に七海さんを連れて行くのが難しいのです。
合体したまま眠るというのは難易度が高く、二人が精魂果てるまで愛し合い、気絶するように眠り、でも愛棒さんは『まだまだやったるでー!』って感じじゃないとダメなのだ。まだ2回しか成功していません。
幸せの薬がどんな効果か知らないけど、古代エルフの森にいく必要があるってギルマスから聞いたので頑張ろうと思います。
◇
「こんばんはー! ってあれ、ギルマスが居ない」
いつもなら来た瞬間に声を掛けてくれるギルマスが居ないのである。こんな事は始めてだ。どうやら今日も二人プレイ失敗だったようだ。今まで成功した時の事を考えると、七海さんがボクに騎乗してアンアンするエッチしか無理なのかもしれない。
ギルドを見渡すと夏子さんだけが居た。でもおかしい、JK夏子さんが居るのです。お化粧とかコスプレとかそんな程度では誤魔化せないピチピチなJK、あれは本物……?
「どうしたんですか夏子さん、凄く若返ってるような? 最近は時魔法もご無沙汰でしたよね?」
七海さんの前で浮気調査のような事があってからの事である。夏子さんから『七海ちゃんに悪いから、もう時魔法はやらないでいいわ~』って言われてしまったのを思い出した。
「うふふ、凄いでしょう? 念願のアイテムが手に入ったのよ~」
今までの夏子さんは20代の素敵なお姉さんでした。それが一気に若返り10代中頃のJK1年生くらいの姿なのです。瑞々しい中にも色気があり、凄く綺麗でいいと思います!
プルンと大きなお胸は健在だけど、七海さんのお胸には敵いませんね。七海さんが一番、いいですね?
どうやら若返りのアイテムというのがあるらしい。ボクの時魔法はもう不要って事か……。七海さんのお胸が一番だけど、夏子さんのツンツンおっぱいの触り心地は特別だったのです。ちょっと残念です。残念……? うう、最近は他の人の胸を見ると頭痛がする事があるのだ。もしかして病気なのかな。
「それで、ギルマスはどうしたんですか?」
「あ~、ギルマスはちょっと奥に行っちゃったの。そうだわ、ちょっとここで待っててもらえるかしら?」
「むむっ、分かりました」
夏子さんがお店の裏へ行ってしまい、広いギルドにはボク一人だけが残された。ギルマスの奥の部屋ってどんな感じなのかちょっと気になるなぁ。
酒場のバーカウンターに座って一人作戦会議を行う。
今日はどんな冒険しようかな。持ち帰り金庫をゲットしたら上級回復薬とかシオンちゃんの要望品を集めてマジックバッグごと持って帰ればいいかな?
最近はダンジョンクリアというよりも、どんなアイテムを持って帰ろうかという事を真っ先に考えるようになってしまった。
人に頼られる、感謝される、そう言った遣り甲斐というのだろうか、ボクの冒険が人の役に立つお仕事だと思うとクリアよりもそっちを優先してしまうのです。
「サキュバスの館かぁ」
視線の先には赤いゲートが妖しく光っている。あの先に待ち構える数々のダンジョンへ行く事は出来るのだろうか。いや、行く必要があるのだろうか。
七海さんという素敵な彼女が出来たし、黒いゲートの先で地道にゴールドを稼いでいれば、そのうち出品される幸せの薬を買えるだろう。このまま初級冒険者でもいいかなって思い始めた。
だってサキュバスの館に行ったら七海さんにお仕置きされちゃうし、そもそも浮気はダメだよね!
――そんなヤル気の無いヘタレた気持ちがダメだったのだろう……。
「やっほ~♪ おにーちゃん久しぶりだね!」
「あれ、ビアンカちゃん!?」
ここ最近は現実世界でも夢の世界でも会えなかったビアンカちゃんが現れた。いつもなら赤いゲートから来るのに、夏子さんの部屋から出て来たのである。
嬉しそうに笑うビアンカちゃんだけど、何故か黒いオーラが見えた気がした。
「ねーねーおにーちゃん。最近ヤル気無さ過ぎじゃない? もしかしておにーちゃん、ビアンカちゃんとエッチしたくないのかなぁ~?」
どうやらぬるま湯に浸るボクを咎める神が現れたようだ。ヤバイ、どうしよう!?
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