49 / 119
初級冒険者の章
第47話 新しいシーンが追加されました
しおりを挟む上級回復薬をゴクリと飲み込んだことでお腹の傷が即座に治ってしまったボクは、急遽精密検査を受ける事になりました。七海ママが怖い顔で関係者を集めて脅していたので、箝口令とかカルテ偽装をするのだろう……。ラノベでよくある偽装スキル欲しいよね。あれがあればボクの賢さ6も隠せそう。
ファンタジーな回復薬の効果はまさに異常と言わざるを得ない。お腹の傷はもちろんの事、小さい頃に転んで出来た古い傷跡まで綺麗サッパリ無くなっていたのです。ボクの賢さが低いのは脳がやられてるはずだからきっと回復してるはずだ。
七海ママから薬の残りを1000万で買い取るという話にビビったボクは、怖くなってしまったので無償で提供する事にしました。だってそんな大金を貰っても税金とかどうしたらいいのか分からないし……。
とりあえずお金の話は保留という形で収まったけど、この入院費とかチャラにして貰おうかな!
「お疲れ様でした、検査は以上です。残りの検査は明日行いますので、夕食の後は水かお茶以外口にしないで下さいね。では病室にお戻り頂いて構いません」
「はーい、ありがとうございますー」
健康診断と同じようなヤツの他にMRIとかやりました。明日は胃カメラを飲むから入院して欲しいと言われました。綺麗な病院だからお泊りも苦じゃないです。
それにこの病院は美人なお姉さんが沢山いました。琴音さんを彷彿とさせる爆乳ナースさんが付きっきりでサポートしてくれたのは嬉しかったです。ナース服って何であんなにエッチなんだろね? ガーターベルトってエロい以外に意味あるのかな。
そんな事を考えながら病室に戻って来た。どうやら体におかしいところはないらしく、歩くのにも支障がない。でもおかしい、凄い回復薬を飲んだというのに愛棒さんの恥ずかしがり屋なところは治らなかったのである。解せぬ……。
「ユウ君おかえり~」
「ただいまですー」
個室に戻って来ると七海さんがテレビのニュース番組を見ていました。ああ、こんな綺麗な女性がボクの彼女なのか。眩しい笑顔にボクも嬉しくなってしまう。
ふとテレビに視線を向けると、警察署の前で偉そうなオッサンを報道陣が囲んでいるところだった。そしてボクの目に『キムタコの不審死!?』というテロップが飛び込んで来た。
「えっ、キムタコ死んじゃったのー!?」
「あ、そっか……ユウ君は知らないんだっけ。昨日の夜遅くに死んじゃったらしいよ。お母様から聞いたんだけど、何やら壁に向かってブツブツと話している監視カメラの映像もあるんだって。車から不審物も見つかったって話しもあって、何か危ないクスリとか使ってたんじゃないかって話だよ。ふふ、良かったねユウ君」
「え……あ、はい」
キムタコが刑期を終えたら復讐されちゃうんじゃないかと秘かに怯えていたボクは肩の力が抜けた。でもまさか死ぬなんて思ってもみなかった。そうか、クスリをやっていたのか。
「ユウ君を傷付ける悪い人は死んじゃえばいいんだって思ってたけど、まさか本当に死んじゃうなんて思ってもみなかったね。ふふ、可愛いユウ君を刺した罰が当たったんだよ」
「そ、そうですねー」
犯人が死亡した事をウットリとした笑顔で伝える七海さんにゾクッとしてしまった。ま、まあ逆の立場だったらボクも喜んじゃうかもしれないな。
ボクは深く考えるのを止めた。七海さんはノーマルです。ヤンデレじゃありません。いいですね?
「それより検査どうだった?」
「えっと、詳しい結果はこれからですけど明日は胃カメラを飲む事になったのでもう一泊する事になっちゃいました」
偽装カルテにより、ボクは今日初めて検査入院をする事になった感じで処理されてるっぽい。七海さんの実家だけあって融通が利きまくりですね。
もう病人って感じじゃないのでソファーに座って一休みです。すると七海さんも椅子から移動してボクの隣に座って来た。
「そっか、傷が治って良かったよ」
「綺麗サッパリ治っちゃいましたねー」
隣に座る綺麗なお姉さんからフワリと甘い香りが漂って来た。童貞のボクには強すぎる刺激にドキドキしてしまうのだった。
っていうか距離が近いです。大きいソファーなのにボクにピッタリとくっついてくるのだ。まるでエッチなお店に来たみたいで緊張するー! エッチなお店なんて行った事ないけどね。
「え、えっと、あのあの、ボク昨日はお風呂に入ってないから汗臭いと思いますぅ。だからその、あんまり近くに来られると恥ずかしいっていうか……」
「そんな事ないよ。ユウ君からは甘い香りがするもん。クンクン、ほらいい匂い」
「やっ、ダメです、恥ずかしいですー」
七海さんがボクの肩に腕を回して首筋をクンカクンカして来た。もしかしたら七海さんは匂いフェチなのかもしれない。でも腕に七海さんのお胸が当たって幸せです。
はぁはぁという荒い呼吸がボクの耳を犯した。
「ユウ君って一人暮らしだよね?」
「はうっ、そ、そうですっ」
耳元で囁かれるとゾクゾクしてしまう。綺麗な声はまるでアニメの声優さんみたいだった。こういうのってASMRって言うんでしょ? ボク知ってるんだから!
「いまテレビで報道されてたんだけど、刺された少年について探ってるマスコミが居るらしいの。マスコミって執念深く追って来るから本当に困るんだよ。ユウ君の名前がお茶の間のニュースに出ちゃうかも」
「んっ、そ、それは困りますね」
別にボクが悪い事をした訳じゃないけれど、キムタコを取り押さえた英雄という少年をマスコミが嗅ぎまわっているのだろう。でももしかしたらボクがニュースに出る事でモテモテになっちゃうかも!?
そんな訳ないか。
「こんなに可愛くてカッコイイ男の子がニュースに出たら、私のユウ君が盗られちゃうかもしれないよね。そんなのは良くないと思うし、許されない事だと思うの。そうだよね、ユウ君?」
「え、えとえと、そんな事にはならないと思うけど、七海さんという素敵な彼女が居るので要らぬ疑いを掛けられるのは困りますー!」
七海さんのボクへの愛が重かった。女の人とお付き合いした事がないから分からないけど、これくらい普通なのかな?
でもこんなに好きって言って貰えてボクは幸せですー!
「うんうん。マスコミとか週刊誌の対策はお母様がある程度やってくれるけど、やっぱり全部は無理なの。だから……ね、お引越しをしましょう」
「お引越し?」
「そう。お母様がセキュリティのしっかりした部屋を用意してくれるんだって。大学からもそう遠くないし、家賃や光熱費も無料でいいらしいよ。ほら、例の回復薬のお礼の一部って話だよ」
ボクとしても大金を貰うより有り難い提案だった。今のボロアパートも嫌いじゃないけど、マスコミが押し寄せて来たら絶望的だろう。ホッシーにも迷惑を掛けちゃうかもしれない。
お隣の部屋に住むホッシーと離れ離れになっちゃうけど、これは良いチャンスだと思った。もしホッシーの部屋から朝帰りする姫ちゃんとバッタリ遭遇したらショックだし、逆に七海さんのアンアンする声がホッシーに聞かれちゃうかもしれないもんね!
「なるほどー! じゃあそれでお願いします」
「引越しの手配とかは任せて。部屋は明日案内してあげるね」
「えへへ、ありがとうございますー」
急なお引越しになっちゃったけどきっとこれは良い事なのだろう。そう言えば今日は学校サボっちゃった感じになるのか。明日も行けないかも。よし、ホッシーに連絡して上手いこと誤魔化して貰おう。
七海さんがシュバババっとスマホを操作してどこかに連絡を取っていた。その隙にボクもホッシーに連絡しちゃおう。スマホを見たら着信とかメッセージが大量に届いていた。
出来る男であるホッシーは授業ノートを写真で撮って送ってくれていた。さすがホッシー!
「うん、準備出来たよ。アパートの解約も代わりに手続きしておくから安心してね」
「そんな事まで出来るんですねー」
良く分からないけど面倒くさい事を全部やってくれた七海さんは神だった。いや、女神様か!
後は明日の検査して退院だ。そう言えば土曜日はこの前の合コンメンバーで飲み会があるってホッシーから連絡が来ていた。でも七海さんという素敵な彼女が居るからキャンセルしないとね。ふふ、ボクは浮気しませんからね!
そんな事を考えていたら七海さんが突然言い出した。
「じゃあユウ君、せっかくだから体洗ってあげるね」
「えっ……?」
七海さんが真顔でそんな事を言いだした。これは冗談かと思ったけど真剣な表情なのである。有無を言わせぬ迫力を感じてしまう。
「だってお風呂入ってないのを気にしてたでしょ? この部屋って結構大きいお風呂があるんだよ。大丈夫、ちょっと窮屈かもしれないけど二人で入れるから」
「でもでも、あのっ、病院でそういうのは良くないっていうか、ダメだと思いますぅー!」
ラブなホテルならまだしも、病院の一室でお風呂ですか!? その、愛棒さんのヘアーカットもしっかりしてないし恥ずかしいよー!
「大丈夫大丈夫、本当に体洗うだけだから。変な事しないし、何も恥ずかしい事なんてないんだよ? ほら、行こう」
「あっ……!」
興奮して顔を赤くした七海さんがボクの手を強引に引いて脱衣場に向かった。こういうのって普通は女の子が嫌がるんじゃなかったっけ?
力が弱いボクは抵抗虚しく脱衣場に連れ込まれてしまった。もしかしたらボクより七海さんの方が力が強いのかも……。
「新しい服も用意してるから安心してね」
「……」
目の前で美女が生着替えを披露しています。着替えというよりも脱いでるだけだけどね。ブラウスを脱ぎ捨てると花柄の可愛らしいブラが見えちゃったよ!?
そしてスカートも脱ぎ捨てたと思ったらおもむろに背中に手を回してブラを外してしまった。重力に負けない形の良いお胸がボクを見つめている。
ボクに見られている事なんて気にしていないかのような振る舞いだ。最後にはパンツまで脱ぎ捨てて一糸まとわぬ美しい裸体を披露してしまったのだ。ゴクリ……。
「どうしたの、ユウ君。ほら、脱がないとお風呂入れないよ?」
「え、えっと、あのですね、そのっ!」
マズい、非常にマズい! 愛棒さんがヤバいくらいにやる気満々なのです。
こんな綺麗な女性が目の前で全裸になっているのだ。グラビアアイドルなんて目じゃない美しい女性が裸でボクに微笑みかけている。長い髪を頭の上でまとめている姿がエロいです。
ボクが腰を引いてオロオロしている姿を見た七海さんが怪しく笑った。
「ふふ、そういう事ね。もう、しょうがない彼氏くんだなぁ~♡」
「あ、あのっ、ダメです、今はその、ああっ!!」
入院服をスポポポーンと脱がされ、パンツも早業でスパーンと取り払われたボクは両手で恥ずかしがり屋な愛棒を隠す事しか出来なかったのだ。ちなみに、愛棒さんがパンツの淵に引っ掛かってペチンとお腹に当たるハプニングもありました。
手の隙間からちょっとだけ頭を出して偵察する愛棒さん、全然隠れてないですよ?
「ユウ君、手は腰の後ろに回すんだよ?」
「でもでも、あの、恥ずかしいですぅ」
しゃがんだ状態で愛棒さんを凝視する七海さんの目が怖かった。まるで女豹の視線だ!
「うふふ、全然恥ずかしがる事なんてないんだよ? ほら、良く見せて」
「うう……」
ボクは七海さんに逆らえなかった。ノーマルな性癖なはずだけど、こんな美人に責められるのもちょっと良いかなって思ってしまったのだ。
そしてボクは腰の後ろに手を回した。恥ずかしがり屋な愛棒さんが元気に挨拶しています。
そんな愛棒さんをウットリと眺めた七海さんが立ち上がり、ボクの腰に手を回して浴室に進んだ。鏡に映るボク達の姿は、まるで未成年をエッチなお風呂屋さんに連れ込むお姉さんのように見えた……。
「ユウ君の体は頭から足の先まで全部綺麗にしてあげるね。もちろん、隠れているところもしっかりと剝いてキレイキレイしてあげる♡」
「エッッッッッ!!!」
ボクは顔を下に向けて進む事しか出来なかった。きっと真っ赤になっている事だろう。
そうしてボクは、年上の綺麗なお姉さんに童貞のままキレイキレイされるという貴重な体験をしてしまったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
102
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる