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第300話 エピローグ
しおりを挟むセックス義務化のデモンストレーションは無事に終了した。軽い気持ちで選んだ夢子さんだったけど、まさかあんなにも死闘を繰り広げる事になるなんて思ってもみなかった。
どうやらあの日起こった雷はかなりの被害が出たらしい。それでも停電による復旧作業は迅速に行われ無事に電気が戻った。ただしライブ配信を除いてである。不運が重なったのか、それとも神のいたずらなのか、ボクの部屋に設置されたカメラとマイクが全て故障してしまったらしい。視聴者はボクがピュッピュする瞬間に合わせて雷が落ちたと騒いでいたが強ち間違っていないのかもしれない。そういう訳で、ボクとサキュバスのお姉さんとの会話を知っている人は誰もいないし、激しい死闘を覚えている人も皆無である。ただ一人夢子さんを除いて……。
「…………私怒ってます。今まで生きてきた中で一番です。何でか分かりますか?」
「ごめんなさいーっ!!」
まるで絶対零度の視線を向ける夢子さんは激おこ状態だった。
「何度も止めてって言ったのに止めてくれませんでした。あれはレイプですよ?」
「ひーん。面目次第もございませんー!」
ベッドから降りて謝罪の土下座です。
あの時は気を失ったように寝てしまい、起きたら夢子さんが怖い顔でボクを覗き込んでいたのでした。一瞬サキュバスお姉さんが復活したのかとビビったが、どうやらいつも通りの夢子さんでした。でも体は大ダメージを受けてしまったらしい。それと夢子さんは体をサキュバスお姉さんに乗っ取られている事を何となく理解していたようだ。でも異世界転移の話を詳しく問われなかったのは幸いですね。
「おマンコがヒリヒリして痛いです。それにポッカリと広がったまま戻らなくなってしまいました。これではローターも維持出来ません。どうしてくれるんですか……?」
「はわわわわわ」
くぱぁと開いたダンジョンからはドロドロと精液が零れて来た。数えてないけどいっぱいピュッピュしたんだろうなぁ……。
そんな感じで昼過ぎまで謝り続けてホテルを出たのでした。
◇
それからあっという間に半年が過ぎた。
どうやらボク達のデモンストレーションは効果的だったらしく、翌月に行われた初開催のセックス義務化は大成功となったらしい。各地でお姉さんにドロドロに溶かされる男子中学生が続出したとの噂である。夢子さんの宣伝効果があったからだろうか、神代大社には連日多くの参拝客が訪れ子宝祈願の名所になってしまった。あの日の種付けは見事に成功して夢子さんは子供を授かったのです。目出度い事だけど、それはサキュバスお姉さんに襲われる未来が確定した訳で、ボクはドキドキして過ごす日々が続きそうだった。
季節は夏になっている。肌を焦がすような熱い日差しを浴びているとあの日を思い出す。もう一年も前の事なのにまだ一年しか経っていないのかという感想だ。
サキュバスお姉さんの仕業でこの世界に飛ばされたボクは二人の女性に命を救って貰った。あの猛暑の中で倒れていたかもしれないからね、大袈裟かもしれないけど命の恩人なのです。
「あっ!! ユウタさん聞こえましたか!?」
最愛の女性の一人、桜さんが頬を赤くして興奮している。普段から大人しい彼女にしては驚く程に大きな声だった。
「聞こえました。でも桜さんも身重の体なんですから気を付けて下さいね?」
「ふふ……そうでした」
最近分かったのですが桜さんも妊娠しております。まだ安定期前の大事な時期なのでエッチ禁止だけど、きっと桜さんに似た綺麗な女の子になりそうだ。
「あら、ユウタちゃんは私の事は心配して下さらないのかしら?」
「えへへ、アリスさんも気を付けて下さいね~。はい、ボクの手に捕まってくださいー」
「うふふ、幸せですわユウタちゃん」
最愛の女性の一人、アリスさんが重いお腹に手を当てて優しく微笑んでいた。その笑顔はどこか母性を感じる素敵な笑みだった。
闇落ちユウタに種付けされたアリスさんは見事に妊娠した。しかも双子ちゃんらしい。もうしばらくしたら出産予定月なので家で安静にしているのだけど、今日だけはどうしてもと出掛けて来たのだ。
「産まれたっ、産まれたよーっ!! 母子共に健康! ユウタに似た男の子っ!!」
「もう美羽ったら声が大きいですわよ」
最愛の女性の一人、ミウちゃんが元気に手を振ってこちらへ歩いて来た。ミウちゃんが言ったように、今日は夏子さんの出産なのです。
ボク達ファミリーの初の子供を出産という事で、出産予定日前からボクの家に来ていたミウちゃんは優しい女の子だ。お嫁さんの中でただ一人妊娠していないという彼女は不貞腐れる訳でもなくみんなに優しくしてくれる。
「…………次はあーしの番だからね? 妊娠するまでずっとあーしのターンだから逃げちゃダメだぞ♡」
「は、はいっ!」
優しくて逞しい可愛い女の子です!
ナースさんに指導されながら消毒とか色々とやって病室に入る。すると大きなおっぱいを元気よく吸い込む赤ちゃんの姿が見えた。赤ちゃんを優しく抱っこして愛おしく見つめる女性。最愛の女性の一人、夏子さんです。
ゆっくりと足を進めると目から涙が零れて来た。ああ、これはうれし涙だ。
「夏子さん、ボクを父親にしてくれてありがとうございます。元気な赤ちゃんを産んでくれてありがとうございますっ!! 夏子さんも無事で安心したら涙が出て来ちゃいましたっ」
「あらあら~、パパはおっきな赤ちゃんでちゅね~」
情けないボクを優しく迎え入れてくれた夏子さんにバブみを感じてしまう。おっぱいを吸いたい欲求を抑えて我慢します。今はこの息子におっぱいを譲ろう。我慢我慢……。
産まれた子は男の子だった。
「ほら見てユウタ君。ユウタ君と同じで立派なおちんちんが付いているのよ~。うふふ、ユウタ君と同じようにいっぱい女の子を泣かせるんでしょうね~」
「ぼ、ボクはそんな泣かせたりしてませんよ~」
「あら、本当かしら~?」
夏子さんの軽い冗談で病室に笑いが起こった。大丈夫だよね、冗談だよね……?
「ねぇユウタ君。この子の名前……考えて来てくれた?」
「もちろんですっ!」
子供の性別が分かってから二人で名前を出し合って決める事にしたのだ。夏子さんが決めたのは夏輝である。夏産まれという事と自分の名前から一文字を入れ、輝くような素敵な男性になって欲しいという意味だそうです。
そしてボクも夏子さんのように自分の名前を入れる事にした。
「この子の名前は心に太って書いて心太ですー! 男子として心をしっかりと強く持つようにって考えましたー」
「……ぷふっ」
「……ところてん?」
「……ところてんですわね」
「満場一致で夏輝君に決定っしょー!!」
病室に溢れんばかりの笑いが起こった。ビックリしたのか赤ちゃんまで泣き出してしまったのでした。
でもところてんって何だろうね。まあ夏輝という名前も素晴らしいと思うから異論はありません。
この世界に迷い込んでから色々な事があった。思い出すだけでも濃密な日々だ。夏子さんと桜さんに出会い童貞を卒業し、アリスさんとエッチな玩具で遊んだのも良い思い出だ。動画で見たミウちゃんと結婚するなんて思ってもみなかったなぁ。恵美さんとの浮気ごっこは楽しかったし、琴音さんとは浮気を超えて孕ませてしまった。そんな琴音さんももうすぐ出産だし楽しみです。美奈子さんも順調にお腹が大きくなっているし、雪乃ママも赤ちゃんをねだってくる日が増えている。紅亜さんも妊娠中だし千代ちゃんからのアピールが強烈になって来た。あと不思議なのが、双子ちゃんが布団に入って来る日があってビックリですよ。きっと桜さんが関わっているに違いない。
そんな幸せな日々を過ごしているボクをこの世界に来れなかった世界線に生きるボクが見たら嫉妬するだろうか。もしもそんな世界に生きるボクが存在するのなら教えてあげたい。これからも続く幸せの日々を。そうだな、タイトルを付けるならこんな感じかな。
――女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで。
※あとがき※
最後までお付き合い頂きありがとうございます!
これでユウタの冒険は最後になります。
最初は100話くらいで終わろうと思っていたのですが楽しくてズルズルと続いてしまいました。このままユウタが死ぬまで書いたら作者の寿命が先に無くなると思ったのでここらへんで終わろうと思います。
エロがおまけのような本作ですが、少しでも笑顔がお届け出来たら満足です。
どうもありがとうございました!
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最後まで読んで頂きましてありがとうございます!
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次回作はまだ未定ですが、また楽しんで頂ければ幸いです。
最後まで感想ありがとうございます。嬉しかったです✨
スレイヴ様
感想ありがとうございますー!
聴くなんて出来たんですか!?知らなかった~。
書いた後に一晩寝かせて読み直したりしてますが、もっと誤字脱字チェック頑張りますー!
ユウタ君もだいぶドロドロになって来ましたね(笑)
次こそはエクレアさんなので、お楽しみにですー。
スレイヴ様
感想ありがとうございますー!
アリスさんアゲアゲキャンペーンを思い立ったのはいいものの、同じような内容じゃツマンナイと思って強気なユウタ君が生まれました。オチは予想通りだと思います(笑)