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第290話 無表情な彼女がたまに見せる笑顔にときめくユウタ

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 セックス義務化のデモンストレーションでボクが選んだお姉さん。眼鏡が似合うクールな清楚系文学少女かと思いきや、自分のことをマグロと称してつまらない女と言い切ったのです。エッチをしても消極的だったり、常に受け身でされるがままの状態をマグロ女というらしいですよ?

 実際に目の前でローター責めをされても喘ぎ声一つ上げないのはすごいと思うし、コントローラーをいじって強弱を切り替えても無反応なのだ。バグってるね?

 そんな夢子さんにも弱点がないとは限らない。そう言えばお尻はNGって言っていたな。一瞬迷ったが、さすがにデモンストレーションで隠しダンジョン攻略はダメだと思うのでやめよう。夜に備えて弱点を探すしかないな……。

「ここから電車で20分程移動します」

「はーい」

 夢子さんは行きたいところがあるらしい。どこに行くのか聞いたけど教えて貰えませんでした。

 コッソリ政府の人が見守ってくれているようだし気にせず足を動かす。冬場はコートを着てニット帽にマフラーをすればイケメンユウタだとバレる事もないので楽ちんです。一応デートという事で腕を組んで歩いているが、夢子さんの方が背が高いのでしっくり来ないのです。

「あんまり混んでないですね~」

「政府の方が気を利かせたのかもしれません。奥が空いてますのでどうぞ」

 一番後ろの車両に乗り込み端っこの席を譲ってくれました。最初は冷たい印象を持った夢子さんだけど、なんだかんだ言って優しくしてくれます。

 ここでボクの中に潜むドSなユウタが囁いた。電車の中でブルブルが動き出したらさすがに耐えられないんじゃないかと。ニヤニヤしそうになる頬を気合で抑えてスマホのアプリを立ち上げブルブルを選択する。このアプリはスライドバーを動かすと強さを変えられるようだ。試しにダンジョン攻略中のウズラちゃん達を選択してみた。ピヨピヨアタックだ、いっけぇぇぇぇぇ!

「……確かに遠慮なく使ってくださいと言いましたけど、本当に遠慮なく押しましたね。母からは大人しい天使のような男の子と聞いていたので何もしないのかと思っていました」

「間違っちゃいました。てへぺろ~」

 ダンジョンの中ではウズラサイズのブルブルがピヨピヨと攻撃している。狭いダンジョンでウズラちゃん達がぶつかり合う音が聞こえるから攻撃しているのは間違いない。あれ、ウズラってピヨピヨって鳴くんだっけ?

 そんなウズラちゃん達の努力も虚しく、激しくピヨピヨしているのにピクリともしない夢子さんでした。

 こうなったら話題を変えるしかない!

「夢子さんはボクの活躍を知らないんですか? こう見えてもエッチは得意なんですよ。きっと夢子さんもアヘアヘになっちゃいますよー」

「私がアヘアヘになる未来は無いので期待するだけ無駄です。それと、別に私は不感症っていう訳じゃないので誤解しないでください。今もローターの振動でイキましたし、あんまり強い刺激を続けられたら夜まで体が持たないと思いますので手加減してくださいね。それとも腰の抜けた状態の私を人形のように楽しみたいというのでしたら効果的ですけどね?」

「ええっ、夢子さんイったんですか? 全然わかりませんでしたー」

 これが夢子さんのプロフィールにあった無表情絶頂アクメというやつか……。喘ぎ声が漏れる事もなかったし表情一つ動かなかったぞ。バグってるね?

 きっと玩具に慣れすぎて耐性が出来ているに違いない。やっぱりお外でブルブルを使って遊ぶのは羞恥心がないとイマイチですね。本格的にアヘアヘにするのは愛棒に任せるとして、今は夢子さんについてを深掘りしていこう。ワンナイトラブとは言ってもせっかくのデートだし、このお姉さんの考えてる事とか知りたかった。

 会話デッキから適当にドローして質問してみた。

「オナニーが大好きってプロフィールにありましたが、セックスには興味無いんですか?」

「別に興味が無い訳じゃありませんが私はローターオナニーが大好きですし、家庭の事情というのでしょうか、誰彼構わずセックスが出来る環境じゃなかった感じですね。今日のセックスでつまらない女を選んでしまったとガッカリするでしょうが、出来る限り興奮させられるように努力はするつもりです」

「ふむ……」

 棒読みな喘ぎ声を言われても萎えちゃうよね。やっぱり心の底からパッション溢れる叫びとかが興奮します。アリスさんのオホ声とか大好物ですよ。

 攻略のキーワードは無表情絶頂アクメな気がする。生まれつきの体質なのか分からないけど、このスキルを突破して初めて彼女をアヘアヘにしてあげられるのだ。彼女は自分の事をマグロ女と言ったけど、不感症って訳でもなくてエッチな反応をしないように我慢しているだけのような気がする。

 あと、誰彼構わずセックスが出来る環境じゃなかったという事は厳しい家庭だという事だろう。お嫁さん達から聞いた神代家は神社を営むお家と聞いた。そうだ、巫女さんのコスプレしてたぞ!

「巫女さんだからセックス禁止なんですね?」

「あのカタログの巫女服は母に無理やり着せられただけです。あなたの事は良く知りませんがコスプレが大好きらしいですね? 今日の服装も母から指定されたものです。それと処女はディルドで捨てました。余り気持ち良くなかったのでそれ以降は使ってないですけどね」

「コスプレ好きがバレてるー!?」

 コスプレ好きのどこが悪いのかと声を大にして言いたい。オスという生き物は自分の遺伝子を少しでも多くの女性に届けて子孫を繫栄させるのが正しい生き方なのだ。これは人間だけではなく他の生き物にも当てはまるだろう。だがしかし、人間社会において手当たり次第に種付けすると殺される。色んな意味で。それを解決させる手段がコスプレだとボクは思う。

 大好きなお嫁さんが色んなアニメキャラに変身したり、色んな職業のお姉さんに早変わりである。これなら浮気にもならないし、種付けしようというオスの本能を強く刺激する事が出来るのだ。

 全然関係ないけど職業名に女という文字を付け足すとエロくなるのは何でだろうね? 女教師とか文字だけで興奮するよね。急いで学会に論文は発表せねば!



   ◇



 結局電車での移動はボクのコスプレ談義で終わってしまいました。残念ながらコスプレの良さが分かってもらえなかったようです。コスプレの良さを伝えるにはどうしたらいいのかな。夢子さんの好きなアニメとかに出て来るイケメンのコスプレをボクがすればいいのかな?

 どうやら目的地へは駅から歩いて行けるらしい。景色を見ながらポケットに入れたスマホでブルブルを操作していたところ、ギュッとボクの腕を抱き締めた夢子さんが立ち止まった。つられて立ち止まったボクは正面からハグされてしまい、夢子さんの甘い香りにドキンと胸が高まった。

「あの、夢子さん……?」

 恐る恐る問いかけると、夢子さんは少し迷った様子で言葉を紡いだ。

「本当はダメなんですけど、あなたが少しでも興奮出来るように今日だけは特別にサービスしてあげます。周りの人にバレないようにスカートの中に手を入れて下さい」

「…………ゴクリ」

 ここは駅から出たばかりのスクランブル交差点だ。いくらクリスマスとはいえ大勢の人が行き交う中で抱き合うのは凄い注目の的なのだ。そんな中でバレないようにスカートの中に手を突っ込むというのは勇気が必要だった。

 だけどボクはチキン野郎じゃなくてイケメンだからね。日和る訳もなくスカートの中に手を突っ込んだ。さっきよりも生暖かいスカートの中でシルクの手触りを感じる。

「しっかりとパンツを押さえておいてくださいね? 今からアクメを決めます。この公衆の面前であなたのためだけにアクメを見せてあげます」

「っ!?」

 往来のど真ん中で抱き合う二人は注目の的だった。四方八方から視線を感じる。

「んっ、あっ、ん゛んぅ……今だけはエッチな声を聞かせてあげますよ♡ ほら、ローターを弄って下さい。早くしないと信号が変わってしまいます」

 予想していなかった夢子さんの喘ぎ声は可愛らしいアニメチックな声だった。喘ぎ声を出せないとか言っていたのに急にデレたのか!?

 スマホを操作して全てのボタンを最強にまで上げてみた。密着した体を通じてブルブルの振動が伝わって来るような気がする。

「んぁっ、んひ……ぁ、はっ、すごい、ビリビリしてるっ……ひ……ぁ、イ……く……イキますっ……マンコイキますっ、無様にイク夢子を見ていて下さいっ……い、くっ、イくっ、イっ────くぅ、ンっ……♡♡♡」

 まるでASMRのように脳に直接囁かれた不意打ちアクメ宣言に愛棒がビクンと震えた。顔が見えないけどこれは無表情絶頂アクメじゃないのか……。そしてパンツを押さえる手に勢い良く水飛沫が当たっているようだ。

「ふぅ♡ こんな無様なアクメを決めたのは何時ぶりでしょうか。思わず潮と一緒にローターが出てしまいました♡ こんな無様なアクメをしてあげるのは今だけですからね?」

「エッッッッッッ!」

 これがツンデレならぬ無表情デレというやつだろうか!? 無表情から一変して花の咲くような笑顔にキュンとしてしまったのでした。

 エッチな声を出せるというのは大きな収穫だ。彼女の攻略法を知るためにはもう少し情報が必要そうだ……。
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作者の別作品も良かったら見てくださいー!『本当にそれ、鑑定ですか?』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/951647142※真面目に書いた作品です。作者はラブコメだと思っています!『本当にそれ、ダンジョンですか?』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/883739784※本作の主人公であるユウタ君のIFストーリーです。『姫様がメイドさんに開発されちゃう話(仮)』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/209716727※『ドロドロ~』の中で起こった場面を切り取った短編小説です。R18なのでご注意ください!
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