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第287話 セックスカタログ

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 練習なしの一発本番で迎えた記者会見もスムーズに終わりました。爆弾発言を期待した人には残念な結果だったかもしれないけど、あの場面では真面目な回答が正解だったと思う。ボクはやればできる子って言われて育ちましたからね。これが実力ってやつですよ。

 会見が終わった後はキッシーさんを含めて昼食会に参加しました。豪華なメニューが出てくるのかと思いきや、ここでしか食べられないという首相官邸の食堂に案内してくれたのです。

「はえー、思ったよりも普通のメニューですね~。しかもリーズナブル」

「皆さん驚かれるようですが豪勢なお食事なんて毎日頂いていませんよ」

 政治家の人って酒池肉林で爛れた毎日を過ごしているのかと思いきや、一般市民が通う食堂と同じようなところでお昼を食べているようです。メニューはお蕎麦とかラーメン、かつ丼に唐揚げ定食などなど、至って普通のメニューです。価格も一番高くて千円だし、日替わり定食は六百円です。

 キッシーさんがご馳走してくれると言ってくれたので、卑しいボクは一番高い千円のヒレカツ定食をチョイスしたのでした。アリスさんはカレーライス、キッシーさんはラーメンでした。アリスさんがカレー食べるのは似合わないなぁって思いました!

 記者の人に食事風景をパシャパシャされながらお昼ご飯を頂きます。食堂のおばちゃんが気合を入れて作ってくれたからか、揚げたてサクサクでウマウマです。

「ユウタ様のお陰で内閣支持率も大きく上昇しました。ありがとうございます」

「いえいえ、ボクなんかで良ければいくらでもお手伝いしますよー」

「もうユウタちゃんったらまた勝手にそんな事言って。お仕事がたくさん来てるんですから安請け合いしてはダメですわよ?」

「はーい」

 最近のアリスさんの忙しさを考えればそろそろ仕事を選ぶ必要が出て来たのかもしれない。みんなはボクにどんな仕事を依頼してくるのだろうか。ボク的には美味しいご飯とかエッチなやつがいいですね。

 そんな感じでモグモグシーンの撮影が終わると記者さんが全員居なくなりボク達三人だけが残された。気になってキッシーさんの顔を見ればキリッとした顔で話し出した。もしかして内緒話ですか?

「以前もお話したかと思いますが、今回カタログから選んで頂く女性は全て政府関係者になっております。一般募集を行ってはおりますが、ユウタ様には偶然にも政府関係者を選んだという事にして頂けますよう、よろしくお願い致します」

「……むむっ?」

「登録した女性は全部で100名。年齢は16歳から35歳までとなっておりますが、身元も精査しておりますのでユウタ様は気にせずお楽しみ下さい。きっとユウタ様のお眼鏡にかなう女性がいると信じております。もちろん黒髪ロングで清楚な子を多く揃えております」

「……ほほう?」

 悪代官のような提案に思わず笑みが零れてしまった。ボクの黒髪ロング好きはキッシーさんにまで知れ渡っていたのか……。

 最年少はJKか。さすがにJCは無理だった模様です。まあボクは年齢とか気にしないタイプだから直感に任せて気に入った女性をチョイスしたいと思います。でも100人も居るんじゃ絞り切れないような気がするぞ。

 そんなボクの表情で察したキッシーさんが更に悪い笑みを浮かべて囁いた。

「もちろんお気に召した女性がいましたら後日派遣す……」

「ユウタちゃんには不要ですわ。首相さん、あんまりウチのユウタちゃんに変な事を教えないでくださいまし」

「フフフ、冗談ですよアリスさん。では少し休憩したら別室に案内しますね。呼びに参りますのでごゆっくりどうぞ」

 悪代官はアリスさんに追い出されてしまったようだ。でもまあ、政治の黒い部分をワイドショーでいっぱい見て来たボクにはキッシーさんの言いたいことが分かった。政府関係者にボクを斡旋出来ればキッシーさんの株が上がり派閥の強化に繋がるのだろう。そしてボクはエッチなお姉さんとキャッキャウフフが出来るのである。まさにWINWINな関係とはこの事を言うのだろう。

 カタログチェックしてビビビッと来る子が一人だけな訳が無い。断腸の思いで一人を選ばないといけないのだ。ぐぬぬ……。

「ユウタちゃん、デモンストレーションは1回だけ。今回選んだ女性とも一度きりですわよ?」

「も、もちろんですー! ボクは単なる種付け要員です、はい」

「あともう一つ、紅亜様の時のような勝手な行動は絶対に禁止ですのよ。分かってまして?」

「はいっ!」

 闇落ちユウタのねちっこいエッチと告白でアリスさんが上機嫌になったのはよかったものの、紅亜さんからチョーカーを貰った事でご機嫌斜めになってしまったのでした。最近は落ち着いたけど、もう一度京子さんに催眠術を掛けてもらって闇落ちユウタにフォローして貰わないとダメかもしれないなぁ。



   ◇



 紅亜さんの件を思い出してプリプリと怒るアリスさんを宥めていると、あっという間に休憩時間が終わってしまいました。

 キッシーさんに案内された個室にボクだけが入る。机の上にはタブレット端末が置いてあり、この中から女性を選ぶ感じらしいです。

「……ゴクリ」

 『♡セックスカタログ♡』とエッチなフォントで書かれたデザインを見ると、まるでエッチなお店に行ったような気分になって来る。まあエッチなお店なんて行った事ないから想像だけどね!

 タブレット端末には一ページで四名の女性が写っている。ページを捲ると次の四名に切り替わり、詳細情報は女の子をタッチしないと見れないようになっていた。表紙の女性は全て服を着て立った写真のようだけど、キッシーさんの話では写真の加工はしていないと聞かされた。大学に行っていた時に聞いたお友達の話によれば、エッチなお店で選んだ女の子が写真と全然違うというのは良くある話らしい。そう思うとキッシーさんの対応は正しいだろう。夢見る男子中学生がハズレを引いたら立ち直れないかもしれないもんね!

 並んでいる順番は完全にランダムのようだ。

「わ~お!」

 キリッとしたインテリ美女やほんわかとしたお姉さん、一目でJKと分かるような若々しい女の子が並んでいる。どれも目移りしてしまう美女しかいないのはキッシーさんの策略だろうか? もしかしたら政府関係者が挙って美形やボクの好みに合わせた女性を投入して来たのかもしれない。世間から見ればこのデモンストレーションで選ばれた女性はシンデレラのようなものである。ボクも真剣に選ばないと失礼ですね。

 試しに最初に気になったインテリ美女をポチってみる事にした。ちょっとだけ気の強そうなこの女性はどんなプロフィールなのだろうか!?

「むほほっ」

 思わず下品な笑いが漏れてしまった。ヤバイ、この部屋は撮影されているんだった。キッシーさんの話ではカタログは隠してボクの顔だけ撮影されているらしいですよ?

 切り替わった画面には先ほどの立ち絵の状態で素っ裸の美女の姿が写っている。少し小麦色の肌は健康的で、少し垂れた感じの柔らかそうなおっぱいはEカップくらいありそうだ。スラっとした足は長く、魅惑のデルタゾーンはツルツルでした。イイネ!

 立ち絵の他に各自アピール写真が掲載されており、このお姉さんは床に置いたカメラに跨るようにした写真を何枚も掲載していた。まるで盗撮したかのようなシーンが続いたと思ったら、下を向きカメラに向かってニッコリと笑ってくぱぁする写真が出て来た。このお姉さんは良く分かってますね!!

 一人目からアタリを引いたボクはプロフィールを確認してみる事にした。



叶朱美かのうあけみ

年齢:34歳
性経験:有り
経験人数:7人
出産人数:1人

趣味:お菓子作り
特技:バキュームフェラチオ♡
休日の過ごし方:ショッピング
好きなエッチ:騎乗位

『ユウタへのメッセージ』
ユウタくんのでっかいおちんちんで串刺しにされたいです♡



「…………なるほどね?」

 プロフィールを見るまで分からなかった情報がいっぱいでした。キッシーさんの話では噓偽り無い情報を載せるって言ってたから全部本当の事なのだろう。それにしてもこのインテリ美女が34歳ですか? バグってるね!

 朱美さんという女性はこのスラっとした体で一児の母ですか。出産した女性は体に跡が残ったりするらしいけど、最新の医療技術で治したり出来るらしいですよ?

 それはともかくとして、ワンナイトラブとはいえ人妻さんに手を出すのはボク的にNGなので朱美さんとはご縁が無かったという事にしましょう。べ、別に人妻子持ちは紅亜さんでお腹いっぱいとかそういうんじゃ無いんだからねっ!




 百人の美女から一人だけを選ぶという難しい決断を迫られたボクは慎重に検討を重ねた。見た目も大事だけどプロフィールも重要な情報源だ。背の小さなロリっ子にキュンとしたが、ツルツルでちっぱいの女の子は幼過ぎて愛棒さんからNGが出ました。同じ幼女枠でもビアンカちゃんと比べるとイマイチなんだよね~。

 そんな感じでカタログを眺めていると一人の女性が目に入った。

「巫女服……?」

 もしかしてコスプレ美女ってやつですか?
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作者の別作品も良かったら見てくださいー!『本当にそれ、鑑定ですか?』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/951647142※真面目に書いた作品です。作者はラブコメだと思っています!『本当にそれ、ダンジョンですか?』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/883739784※本作の主人公であるユウタ君のIFストーリーです。『姫様がメイドさんに開発されちゃう話(仮)』https://www.alphapolis.co.jp/novel/841552199/209716727※『ドロドロ~』の中で起こった場面を切り取った短編小説です。R18なのでご注意ください!
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