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第258話 キスマーク
しおりを挟む千代ちゃんを百合沼から脱出させようと始まった桜先生によるセックス講義。桜先生は座学と言っていたけど、ボクと紅亜さんが裸になっただけで終わっちゃいました。本当にこれで良いんですかねぇ?
そして次は実技だそうです。千代ちゃんの目の前で紅亜さんとセックスをする事になったのです! ワクワクドキドキ。
自分で言うのもアレですが、ボクの事が大好きな桜さんだから自分がお手本になると言うと思ったけど違いました。きっと桜さんが気持ち良くなるシーンを見たら千代ちゃんが嫉妬してしまうと思ったのかも?
実技を行うという事でベッドに上がったボクと紅亜さん。見つめ合うように向かい合って座ったところ、なぜか正座した紅亜さんが三つ指をつき、優雅な身のこなしで深々と頭を下げました。
「不束者ですが末永くよろしくお願いいたします」
「え、えっと、あの……はぃ。よろしくおねがいしますー!」
ドラマとかである結婚の挨拶をされてドキっとしてしまったボクは、慌てて正座になって土下座する勢いで頭を下げました。優雅さの欠片もないダメダメな土下座ですよ。
千代ちゃんにセックスを教える実技演習と気楽に考えていたけど、もしかしたら重いイベントなのではないだろうか……?
チラっと桜さんを見たら笑顔で頷いていました。もしかしたら桜さんと紅亜さんの間で何か密約が交わされたのかもしれない。
「はわわわ。ママが結婚するみたいになってるっす」
「ふふ……セックスは神聖な儀式ですからね。礼儀作法も大事です」
「はえー、そうなんすか。でも恵美様達はあんな事しないっすよ?」
「メグちゃんは邪悪に属する者です。参考にしてはいけません」
「なるほどー! 確かに下品なエッチしてたっす。中出し危機一発とか最低なゲームしてたし、綾香さんもスミレ先輩も邪悪な笑みを浮かべてたっすよー」
ソファーに座った二人がコソコソと小さな声で談笑しているのが見えた。きっとこれから始まるエチエチにワクワクドキドキなのだろう。
ふふふ、百合沼からユウタ沼に鞍替えしたくなるような最高のエッチをお見せしましょう。
「……」
「……」
最高のエッチを見せると意気込んだのは良いものの、ボク達はお互いに見つめ合って止まってしまった。紅亜さんもソワソワしてるし、ボクはこれからどうしたら良いんですか?
いつもは雰囲気というか、軽いスキンシップからエッチが始まるのでこんな礼儀正しいというか儀式的なエッチはした事がないのです。琴音さんとやったリハーサルみたいで緊張してしまう。押し倒せば良いのか!?
情けないけど桜先生に視線を送ったら、『しょうがないですね』って感じの笑みを浮かべてベッドに近づいて来た。
「二人とも、そんな緊張した状態では良いセックスは出来ませんよ。まずは緊張を解すためにもハグをしましょう」
桜先生の指示を受けたボク達はお互いに頷いた。ここはイケメンらしくリードしてあげようと思い、笑顔で両手を広げて待ち構えてみたところ、どうやら効果は抜群だったようで紅亜さんが飛び込んで来ました。
「アナタ~♡ 好き、大好きですアナタ♡ ずっとずっとこうしたかったの、しゅきしゅき~♡」
「うわっ、ちょっ、紅亜さん!? あのあの、落ち着いて下さい~」
勢い良く飛び込んで来た紅亜さんを受け止めたまでは良かったけど、勢いが良すぎて押し倒されてしまった。おっぱいがムニュっと当たって気持ちが良いです。
息を荒くしてボクの首元をクンクンペロペロする紅亜さんは暴走しているように見えた。
ボクも負けじと首元に顔を埋めてクンカクンカしちゃいます。はわわわ、桃のような甘い香りがして幸せですー。
「はぁはぁ……アナタの匂い、アナタの味、アナタの声、全部しゅき♡ もう食べちゃいたい……ちゅっ」
「ひゃっ、そんなチュッチュしちゃダメですー。キスマーク付けないでぇ~」
紅亜さんがボクの首筋にキスをしてきた。チュ~っと吸い付くキスは、ボクの肌に深い痕を残すだろう……。
今晩は夏子さんとお風呂に入り、ベッドでは桜さんとアリスさんでイチャイチャするはずだ。そんな時キスマークを見られたらボクはイジメられちゃいます! 最近は結婚の儀が延期続きでプリプリと怒るアリスさんが執拗にボクの愛棒をイジメるんです。ヨシヨシが上手になりました。
「はぁはぁ、アナタは私のモノです。所有物には名前を書いておかないとダメですね。キスマークでクレアって刻んであげます♡」
「ぴゃわー、ダメですよぉ、キスマークなかなか消えないんですから~」
こうなったらボクも負けてられませんね。やられたらやり返す、倍返しだ! チュッチュ~。
「あああああん! アナタ、もっとキスして~、私がアナタのモノだってことを刻み付けてぇ~♡」
白い首筋にボクのキスマークが刻まれた。ふふふ、人妻に付けるキスマークというのは背徳的で興奮しますね。もっと付けちゃうぞー!
「はわわわわ、ママのキャラが変わっちゃったっす!」
「愛する男女が抱き合えば自然とあんな感じになりますよ。千代ちゃんだってユウタさんに抱かれたらああなっちゃいますよ」
「う、ウチはまだ良く分からないっす……」
紅亜さんの背中に手を回してサラサラな髪を堪能し、首筋や喉元にキスマークを量産していた。
お尻に届く長さの黒髪のお手入れは大変そうだけど、こんなに美しい髪はアニメでしか見た事がありません。アニメ声だし、紅亜さんは二次元キャラか!?
これはシスターエクレアのコスプレエッチも盛り上がりそうだ……と考えていたところ、室内に『ピピーッ♪』という笛の音が響き渡った。チュッチュを止めて視線を向ければ、桜さんが笛を咥えていました。
「紅亜さんは積極的で素晴らしいですね。そろそろ二人とも緊張が解れて来たので次に行きます。次はキスです。今度は男性であるユウタさんがリード出来るように頑張って下さい」
「わ、分かりましたー!」
桜先生の目にはボクのハグが消極的に見えたようだ。桜先生は前戯にも厳しいお方ですからね、もっと熱い感じを千代ちゃんに見せつけろって事なのだろう。
チラっと千代ちゃんの顔を見たけど、ホケーっとした顔でボク達を見つめていたのだ。アレはまだ百合沼に嵌っている状態だな……。千代ちゃんが羨むような熱いキスを見せてやる!!
「はぁはぁ……アナタ、キスです♡」
「う、うんっ!!」
プルンと瑞々しい艶やかな唇がボクの視線を釘付けにする。紅亜さんが甘い吐息を吐き出した瞬間、ボクは熱いキスをした。
「んっん゛ん~♡♡♡」
キスをした瞬間に紅亜さんの嬉しそうな悲鳴が唇から伝わって来た。紅亜さんの遍歴から男性との付き合いは無かったはず。つまりこれがファーストキスなのだ。
ボクは紅亜さんの頭を両手で優しく包み、ナデナデしながらキスをした。貪るように口を合わせていると、キスに慣れていない彼女は苦しそうに呼吸をしていた。
「ぷはぁっ、はぁはぁ……アナタのキス、激し過ぎます。キスだけで果ててしまいそうです」
「えへへ、ボクのキスはこんなものじゃないですよー。もっと凄いキスを教えてあげます……はむっ」
「ん゛ん~♡」
強引に唇をこじ開けて舌を侵入させた。そこからはもうボクの独壇場、女性をトロトロにさせる甘々のキスを開始ですよ。
蛇が絡み合うように舌をレロレロさせたり舌先をいやらしくチュッチュしているとだんだん気持ち良くなってくる。ふへへ、初心な人妻をボク色に染めちゃうぞー!
「はわわわわ。凄いキスっす! う、ウチも桜ちゃんと……」
「私の唇はユウタさん専用だからダメです」
「ガーン……」
「ユウタさんのキスは私が仕込んだので、ユウタさんとキスをすれば私とキスをしたのと同じですよ」
「あれが桜ちゃんのキス……?」
この世界に迷い込んでから桜さんと毎日練習したボクのキスはなかなかのものだと自負しています。相手の舌先を愛棒に見立ててお口でご奉仕する感じがグッドだって桜さんが言っていました。男のボクに愛棒をお口でご奉仕とか言われても分かりませんからね? ボク、そっちはNGです!
紅亜さんとのキスを堪能したボクは、そっと唇を離した。すると顔を赤くしてトロトロに蕩けた紅亜さんが完成していたのです。桜さんとの練習の成果が出ました。
「アナタ……愛しています」
「っ!?」
人妻からメスの顔になった紅亜さんが告白して来た。こんな美人のお姉さんから求愛されるなんてボクは幸せ者だ。
これからエッチするって事は、ボクと紅亜さんの関係は桜さんが保証してくれているという事だろう。よし、男らしくビシィっと愛を叫ぼう。
「ぼ、ボクも紅亜さんの事が――っ!?」
愛を囁き熱いキスを交わそうとしたところ、さっきよりも強い音色で『ピピピピーッ♪』という笛が聞こえました。せっかく良いところだったのにどういう事ですか桜さん?
「キスはお終いです。それと二人とも、これは千代ちゃんの性教育ということを忘れて貰っては困ります。良いですね?」
「え、えっとぉ、分かりましたー!」
「ごめんなさい桜先生、ちょっと先走っちゃった。テヘペロ♪」
どうやら桜さんが嫉妬してしまったようだ。てっきり桜さんと紅亜さんの間には密約が成立しているものと思っていたけど違ったようです。あくまでもこれはセックス演習であり、千代ちゃんにお手本を見せるという建前なのだろう。
紅亜さんの艶やかな雰囲気に飲み込まれないように気を引き締めてセックスのお手本を千代ちゃんに見せましょう。あと紅亜さんのテヘペロが可愛いです。
「次は前戯になります。セックスにおいて前戯を怠ると愛液が不足して上手く挿入出来ない、ユウタさんの勃起がイマイチで気持ち良く無いというトラブルが発生します。これを機にしっかりと学びましょう」
「ちょっ、ボクはいつもビンビンに勃起しますよー!?」
桜さんの辛辣な発言は聞き逃せません。ボクは紅亜さんの拘束を抜け出して抗議しました。
愛棒さんはいつもエッチに真剣ですからね。フニャチンになる事なんてほとんどないのですー!
でもそんなボクの発言も、愛棒の姿を見た二人に笑われてしまったのです。
「ビンビンに勃起ですか?」
「ユウタ様のおちんちん、さっきよりかは大きいっすけど……」
「小さくても大丈夫ですよ、アナタ。私が妻として責任を持って勃起させて見せますので」
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あと、さり気なく妻とか言ってますけど大丈夫ですか? ボク達今日出会ったばかりですよ?
「それでは紅亜さんへの愛撫から始めましょう。千代ちゃんはユウタさんのお手並みをしっかりと見てお勉強して下さい」
「はい、分かりましたっすー!」
どうやらボクのフィンガーテクニックを披露する時が来たようだ。
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