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第256話 可愛い人妻
しおりを挟む千代ちゃんのお家にごめんなさいをしに行ったら、何故かボクが裏垢男子で遊んでいたことがバレていました。どうしてバレたのか分からないけど、桜さんなら全部知っていてもおかしくないと思ってしまうのでした。
そしてネットでVチューバーとライブエッチでイチャイチャしていたシスター・エクレアの中身が千代ちゃんのお母さんだったのです。世間は狭いね!
「これ美味しいです。アナタも遠慮しないで食べて下さい。はい、あ~ん」
「い、頂きますぅ。あ~ん」
何故かボクの隣に座った紅亜さんが甲斐甲斐しくお世話してくれます。ボクが渡した切腹モナカをあ~んしてくれました。むむっ、全部餡子かと思ったら中にお餅がありましたよ。うまうま~!
モナカはパリパリだし、餡子もお上品な甘さで最高です。こんな美味しいお菓子を貰ったらどんな事でも許しちゃうかもしれません。さすが『切腹モナカ』やでー!
「すごく美味しいですー!」
「良かったですね、アナタ」
紅亜さんはボクの事を貴方と呼ぶのだ。まるで旦那さんと接するような距離感にドキドキしてしまう。紅亜さんは千代ちゃんのお母さんであり人妻です。あれ、そう言えばシスター・エクレアから聞いた過去話だと旦那は居ないようだし、人妻じゃないのか? まあいっか!
紅亜さんは嬉しそうに微笑みボクにモナカを食べさせてくれる。シスター・エクレアさんとチャットエッチばっかりしていたからか、ちょっと不思議な感じがするのです。
そしてボク達の対面に座った桜さんと千代ちゃんが、ボク達と張り合うようにイチャイチャしている。
「さ、桜ちゃん、ウチもアレやって欲しいっす」
「しょうがないですね……はい、あ~ん」
「あ~ん。はわわわ、幸せっす~」
千代ちゃんが満面の笑みを浮かべてモキュモキュとモナカを食べていた。
背中まである綺麗な黒髪ロングのロリ巨乳でエチエチJKとか、ボクの好きな要素を全部詰め込んだ天使な千代ちゃんです。笑顔も可愛いしチュッチュしながらおっぱいモミモミしたい。そんな天使がアイドル顔負けな美少女である桜さんとイチャイチャしているのである。百合に理解のあるボクはホッコリとしてしまうのでした。てぇてぇ。
「痛っ」
「…………めっ」
いきなり頬を抓られたボクが顔を向けると紅亜さんがぷっくりと頬を膨らませて怒っていた。全然痛くないけど突然の事に驚いてしまったのだ。この反応、もしかして娘じゃなくて私を見てってやつですか?
何ですかこの可愛い生き物は! 本当に千代ちゃんのお母さんなのか疑っちゃいます。お姉さんの間違いだよね? 可愛いです。
「えっと、桜さんと紅亜さんはお知り合いだったんですか?」
しばらく雑談を楽しんだ後、ボクは意を決して聞いてみた。最初の会話から二人は初顔合わせって感じじゃなかったのだ。
「そうっすよ! どうしてママとユウタ様がチューしたんすか? ウチ、混乱して来たっす」
千代ちゃんも情報が知らされていなかったようだ。さっきのキスを思い出したのか、目をグルグル回して混乱している。
「実は先日、千代ちゃんが居ない日にお邪魔しました。紅亜さんとじっくりとお話がしたかったので」
「そうです。桜さんと二人で千代の将来について話しをしました」
桜さんが一人でお出掛けする日は確かにあったけど、まさか紅亜さんと会っていたなんて。しかも千代ちゃんの件とか……。
「ウチの将来っすか? うへへ、それはもう決まってるっすよ。桜ちゃんと結婚するっすー!」
「……」
千代ちゃんと初めて会った時、ボクは純真無垢で可愛い子だと思った。確かに純真無垢だけど、百合色に染まり過ぎじゃないですかねぇ。それに桜さんはボクのお嫁さんなのである。その桜さんが千代ちゃんにNTRされちゃうのか!?
「私はユウタさんのお嫁さんなので千代ちゃんとは結婚出来ませんし、私はユウタさんを愛しています」
「ガーン……」
さすが桜さん、ビシィっと決めてくれました。余程ショックだったのか千代ちゃんがソファーに倒れ込んだ。むむっ、スカートが捲れて白いパンツが見えてますよ!
「アナタ、どこを見ているのですか?」
「ぴぃ!? ち、違うんですこれは、その……」
「パンツなんて私がいくらでも見せてあげます。だから我慢して下さい」
「ご、ゴクリ……」
紅亜さんが頬をほんのりと赤くしてシスター服をたくし上げ始めてしまった。白く細い生足が綺麗でドキドキしてしまうのです。娘に対抗してエチエチになる人妻、良いかも♪
いや、今はそれどころじゃないのだ。さっさと話を進めないとボクがモヤモヤしてしまいます。
「あのあの、紅亜さんのパンツは見たいですけど、今は千代ちゃんの将来とか、ボクが呼ばれた事とか気になりますー!」
「そうですね。お楽しみは後にして、まずはアナタに全部話しましょう。事の発端は……」
紅亜さんが全部話してくれました。こんな感じらしいです。
――とある休日の昼下がり、千代ちゃんは自宅のリビングで桜ちゃんに命令された日課のオナニーを満喫していた。
『んっ、あっ、これ凄いっす……机の角がクリちゃんを擦るたびにビクンってする、あっ、ああんっ』
テーブルの上にはスマホが固定されており、画面には桜さんが映っている。スマホに向かってスカートをたくし上げ、パンツを履いたまま机の角に押し付けると、千代ちゃんはどんどん興奮してパンツを濡らして行くのだ。
『短調に動かしているだけじゃダメですよ。時に強く、時に優しく、円を描くように擦り付けるのです。そうだ、ユウタさんはクリちゃん弄るの上手ですから今度ペロペロして貰いましょうか。ふふ……チュパチュパ吸い付いたりコリコリされると私でもあっという間にイっちゃいますよ?』
『はぁはぁ、そんなに凄いんすか!? 桜ちゃんでもイカされちゃう責め……ゴクリ』
『ユウタさんはもっと凄い技を持っています。それをされたら気持ち良すぎて潮を吹いてしまうんです。アレをやられるといつもビショビショで大変なんですけど、とても気持ち良くて幸せになれます。千代ちゃんにはまだ早いですけど、期待して待っててください』
『ゆ、ユウタ様がそんな技を…………ああんっ!!』
ボクにイカされる桜さんの姿を想像して果てた千代ちゃん、どうやら百合の道から戻るには特効薬が必要なようだ。ボクの必殺技、宝石研磨の出番かもしれない。
そして千代ちゃんが余韻に浸りながら桜さんとオナニーの評論会をしていたところ、部屋に紅亜さんが入って来てしまったらしい。つまりバレたのである。
『千代……自慰行為はするなとあれ程言ったのに、これはどういう事ですか?』
『ま、ママ!? こ、これは違うっす。ウチ、自慰行為なんてしてないっす』
『…………ではこの淫らな液体は?』
『あうあう。それは、あの、う、ウチのオシッコっす!』
『……』
千代ちゃんは必死に言い訳を伝えたけどダメだった。アタフタする千代ちゃんに救いの神が現れた。そう、ビデオ通話中の桜さんが割り込んだのだ。
『シスター・エクレア様、どうかご容赦を』
『…………その名前を知っているあなたは誰ですか?』
『エクレア? ママの名前は紅亜っすよ。それにシスターじゃなくて公務員っす!』
紅亜さんの鋭い視線がスマホに降り注いだ。ちなみにシスター・エクレアの懺悔室というチャンネルは閉鎖され、エクレアの正体を知っている人は皆無に近かったのである。
あと、千代ちゃんは空気の読めない残念な子だった。
『ユウタさんのお嫁さんの一人、桜と申します。いつも私の旦那がお世話になっております』
『あなたが……それで、うちの娘を誑かすあなたの目的は何ですか?』
『私はユウタさんの願いを叶えるために動いています。ユウタさんは千代ちゃんが欲しいそうですよ』
『なんですって!?』
『はわわわわ、ママの顔が怖いっす!!』
どうやら紅亜さんは自分とライブエッチしている男が自分の娘にご執心と聞いてプッツンしちゃったようだ。きっと再婚した相手の男が自分よりも娘に気があるみたいな感じだろう……激おこだよね!
『ユウタさんは紅亜さんと千代ちゃんの関係を全く知らないので許してあげて下さい。それに私だって複雑な心境なんですよ? 愛する旦那が人妻とコッソリ浮気してるんですから。まさか千代ちゃんのお母様だったなんて初めて知りましたけどね』
『そうね……ごめんなさい。でも私は……』
『いいんです。私が紅亜さんの立場だったとしても同じ事をしていたと思います。だって、ユウタさんは素敵な男性だから』
『そう……あの人は素敵な男性。ごめんなさい、桜さん』
『はわわわ、ウチの知らないナニカが始まったっすー! こ、こうなったらウチ、この気持ちを鎮めるためにオナニーするっす! んっ……ああ、ああんっ』
千代ちゃんはもうダメかもしれない。
「なるほど、そんな事があったんですねー」
モナカをモキュモキュと頂きながら話を聞いていました。
桜さんは前々からボクがシスター・エクレアさんとライブエッチをしている事は知っていたらしい。でもリアルで会おうとかそういう事にならない限り静観しているつもりだったそうなのです。優しいですね。
そして千代ちゃんのオナニー事件がきっかけでシスター・エクレアの正体が分かり、後日二人で会い、今日の顔合わせが決まったそうなのです。ボクを驚かせようと頑張ったらしいです。
ちなみに、シリアスな雰囲気の中でオナニーする千代ちゃんの話を聞いたボクは、紅亜さんの教育があながち間違っていないのではないかと思った。
だってオナニー覚えてから千代ちゃんがどんどんバカになっているのです。どうしてこうなった?
「桜さんとは有意義なお話が出来ました。それでアナタ、本当に娘が欲しいのですか?」
「っ!?」
紅亜さんの鋭い視線がボクを射抜いた。
「アナタには既に数名の女性が側にいると聞いています。男性が多くの女性と添い遂げるのは非常に素晴らしい事ではありますが、本当に娘が欲しいのですか?」
この状況はもしかして『娘さんをボクに下さい!!』ってやつですか!?
ボクは千代ちゃんが好きだ。ボクと違ってアホっぽいところが可愛いと思うし、見た目はドンピシャで可愛いのです。桜さんは薄っすらと笑みを浮かべ、千代ちゃんはアワアワしている。ここは男らしくビシィっと言わないとダメですね。
深呼吸をしてから想いを伝えた。
「ボクは千代ちゃんが好きです! だから、千代ちゃんと結婚させて下さい!!」
「……くっ!!」
紅亜さんに向かって頭を下げた。でも紅亜さんは悔しそうにうめき、何も返事をくれないのです。ガクガクブルブル。
「はわわわ。ウチ告白されちゃったっす! でもでも、ウチには桜ちゃんが……」
「私はユウタさんのお嫁さんですから無理です」
「ひーん」
千代ちゃんが空気の読めない発言をしていた。くっ、エチエチ大作戦は千代ちゃんをアホにしただけだったのか!?
そんな中、紅亜さんが徐に立ち上がり、シスター服のフードを脱ぎファサ~っと長い黒髪を靡かせた。漆黒の黒髪が照明に反射して煌びやかに輝いている。
初めて見た紅亜さんの素顔は大和撫子を思わせるキリっとした輪郭、黒絹のような艶やかな黒髪はお尻くらいまであるのだろう。そしてとても良い香りが漂って来たのだ。
千代ちゃんと初めて会った時、ボクは千代ちゃんの美しさに感動を覚えた。でも、今の紅亜さんはそれ以上の衝撃だったのだ。あの黒髪に顔を埋めてクンカクンカしたら絶対に良い匂いがする。間違いない!
「桜さんからアナタの好みを聞きました。どうですか、私はアナタの好みに合致していませんか?」
紅亜さんがボクの手を握り、首を小さく傾げながら聞いて来た。
「ご、ゴクリ……」
正直に言ってドストライクだった。ボクは清楚で黒髪ロングなお姉さんに激弱なのです。やばい、クラクラしてきたぞ。
緊張のあまり動けないでいたところ、紅亜さんに顔を両手でギュッとされてしまった。まるで初恋のお姉さんみたいでドキドキするー!
「アナタは千代よりも、この私にドキドキしていますね?」
「そ、そそそ、そんな事ないですにょ?」
「…………ないんですか?」
紅亜さんがウルウルと涙を溜めている。くっ、この可愛いお姉さんはどうしたらいいんだ!? ボクはもう分からなくなってしまったのです。
「嘘です。紅亜さんを見ているとドキドキが止まらないです!」
「本当ですか!?」
「う、うん!」
ヤバイ、ドキドキが止まらない。この世界に迷い込むまでモテた事の無かったボクですが、半年ちょっとでモテモテ男にクラスチェンジですよ。
千代ちゃんが好きなのに紅亜さんも好きで、でも桜さんも大好きだし、他のお嫁さん達も大好きで、ボクはどうしたらいいのだろうか……。
「実は私もドキドキが止まらないのです。ほら、アナタを見ているとこんなにもドキドキです」
「あっ……」
紅亜さんがボクの手を優しく掴み自分の胸に当てた。ボクの手がシスター服に沈み込み、ムニュっと柔らかい感触に包まれた。画面で見る事しか出来なかったシスターエクレアのおっぱい……最高です。
このサイズはアリスさんに近いのかもしれない。アリスさんはムニュムニュなスライムおっぱいなのに比べ、紅亜さんのおっぱいは張りのあるツンツンしたやつかも? おっぱいソムリエの資格があれば正確な表現が出来るのに……。
紅亜さんの胸から鼓動が伝わって来た。トゥンクトゥンクという恋する乙女の音色だった。
「これでもまだ、娘が欲しいですか……?」
ウルウルと涙を溜めながら見つめて来る紅亜さんに胸が張り裂けそうになった。
ここで紅亜さんが欲しいです! って言ったら千代ちゃんとの関係が終わってしまうような気がするのだ。それにもしかしたら初めて会った時の美奈子さんのように試されているのかもしれない。
さっきまで千代ちゃんが欲しいと思っていた心はグラグラと傾いて来てしまった。
「えっと、桜ちゃん。ウチらは何を見せられてるんっすかね?」
「ふふ……これが大人の駆け引きってやつです。千代ちゃんも恋をしたら分かります」
「えー、ウチは桜ちゃんに恋してるけど分からないっす。どう見ても娘のウチを差し置いて発情してるママにしか見えないっすよー」
観客が何か言っているけど、ボクはビシィっと気持ちを伝えよう。
「ぼ、ボクは千代ちゃんが好きです!」
「…………くっ」
この気持ちは変わらなかった。天使のように可愛いエチエチ美少女JKな千代ちゃんが好きです!
ボクは鈍感系主人公と違って紅亜さんの気持ちを理解しています。でもここで紅亜さんが好きなんて言ったらバッドエンドに突入しちゃう気がしたのです。悲しい顔をする紅亜さんには悪いけど、千代ちゃん攻略のために必要な事なのだ。
好みのヒロインから告白されたけど、他のヒロインのルートを見るために心を鬼にして振らないといけない鬼畜なエロゲみたいな状況に、ボクは心を痛めた。
「では、娘のどこが好きなんですか?」
くぅ、やはり『娘さんを下さい』イベントは一筋縄では行きませんね。でも伝えよう、千代ちゃんの好きなところはいっぱい知ってますからね!
「え、えっとぉ、千代ちゃんは小さいのにおっぱいがおっきくてぇ、それに綺麗な黒髪が良い匂いがします! あとあと、そのぉ、えっとぉ、可愛いです!!」
あれ、あと何かあったっけ? やばい、ボクは混乱していた。
「良かったですね千代ちゃん、愛されてますね」
「えっ、今のがウチの好きなところっすか!? ちょっと桜ちゃん、全然愛されてる気がしないっすよ!?」
違うんです、いつもならもっといっぱい好きなところ言えますからね!
そんなボクの回答を聞いた紅亜さんがクスクスと笑い、ボクに結果を教えてくれました。
「ふふ…………分かりました。そこまで言うのでしたら千代との結婚を認めましょう」
「本当ですか!」
「えっ、マジっすか!? 今の告白で認めちゃうんすかー!?」
「おめでとうございます、千代ちゃん」
一時はどうなるかと思った今日のイベントですが、結果オーライでしたね。ふぅ、危ない、危ない。
「ただし条件があります」
これで一安心だとホッとしたボクに、紅亜さんが後付けして来ました。
「条件?」
ここでタメを作る紅亜さん、どこぞのバラエティー番組のような長さです。ボクがドキドキしているのを楽しんでいるようにも見えます。
そしてCMが一つ終わるんじゃないかというタメが終わった後、頬を赤く染めながらこう言いました。
「一年後、アナタのその気持ちが揺らがなかった場合とします。だって、今のアナタからは千代を犯したいという性欲しか感じられませんもの」
「っ!?」
ボクはその言葉を聞いて衝撃を受けた。
この前ミウちゃんとエッチした時に自己催眠で中学生ユウタになって分かったけど、確かに千代ちゃんとエッチしたいという欲望が駄々洩れだったのを思い出した。
そうか、ボクのこの気持ちは恋心じゃなくて単なる性欲だったのか……。
ショックを受けるボクの頭を優しく撫でてくれる紅亜さんが覚悟を決めた表情でハッキリと宣言した。
「わ、私の方が千代より胸が大きいです! それにこの髪も毎日お手入れして良い香りがします。つ、つまりですね、一年掛けて私がアナタを誘惑しますから、それでもまだ千代の事が欲しいというなら認めましょう」
「そ、それって……?」
「は、母より優れた娘なんて居ないという事をわからせてあげます! じゃなかった。えっと、その……」
顔を赤くしてゴニョゴニョと言い訳を考える紅亜さんが可愛いと思った。どうやらボクの人生ではヒロインが強制的にルートに入ろうとしてくるようです。
ボクとしては既に紅亜さんに魅了されちゃってると思うのですが、その場合は千代ちゃんが百合沼に沈んだままですか……?
さて、ボクはどうしたら良いんですか桜さん?
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