女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

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第254話 神対応

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※まえがき※
大変お待たせ致しました。
今回もキリの良いところまで更新しますー!
あと、ユウタ君が活躍?する別作品『本当にそれ、ダンジョンですか?』を見て頂いた方、ありがとうございますー! 良い気分転換になりました。ダンジョンの方も更新していく予定ですので、良かったら読んで下さいー!








 京都から帰り、健康診断という名のロリコン治療を受けたボクは晴れやかな気分で生活をしていた。ロリコン症候群シンドロームも治った事だし、次ビアンカちゃんと会っても再発する事は無いだろう。たぶん……。

 色々とイベントが立て込んでいたけどそれもひと段落したのでゆったりとした毎日を過ごせている。やっぱり平和が一番だよね!

 次のビッグイベントはセックス義務化の広報大使のお仕事が待っているらしいけど、お呼びが掛かるまで少し時間があるそうです。何か準備が必要なんだって。アリスさんとの結婚式も延期中だし、早くお仕事終わらせたいです。



 そんな感じでまったりと過ごしていたある日の事です。

「ユウタさん、明日は私と一緒にお出掛けしませんか?」

「桜さんとお出掛けですか? もちろんオッケーですよ~」

 とある日の夜、夏子さんと桜さん、アリスさんの四人で仲良く夕飯を食べていると、突然桜さんからデートのお誘いが来ました。あれ、夏子さんとアリスさんは一緒じゃないのかな? アリスさんが作ってくれた肉じゃがをモキュモキュと食べながら、対面に座る二人の顔をチラ見してみた。

「あー、あの件ね? 本当は私が行った方がいいんだけど、最近特に寒くなったでしょ? 少し安静にしようかと思って。ごめんね桜ちゃん」

「いえ、問題ありません。それにこれは私の担当ですので」

 むむっ、夏子さんはお留守番ですね。お腹もおっぱいも大きくなりましたもんね。でもあの件って何ですか? ボクの知らない情報があるようだ。まあボクが知らなくて良い事ってことでしょう。

「あの件……ああ、アレですのね。まさかあの荒井家だったなんてビックリですわね。お母様を派遣した方が良いかしら?」

「ユウタさんなら大丈夫だと思います。ね、ユウタさん?」

「ええ!? 何ですか荒井家って? それに琴音さんを派遣するって何事ですか」

 急に話を振られてお箸で摘まんだジャガイモが滑って落ちてしまった。コロンコロンと転がるジャガイモが隣に座る桜さんの下へ。

 そのジャガイモをヒョイと拾い自分の口に入れた桜さんが嬉しそうに話し出した。ボクのジャガイモが~!

「千代ちゃんの事ですよ。ユウタさんが千代ちゃんをエッチに調教しちゃった結果、どうやら自宅で激しくオナニーしているところを母親に見つかってしまったそうなんです」

「ち、千代ちゃんが!? って、千代ちゃんをエチエチに調教したのはボクじゃなくて桜さんですよね」

 千代ちゃんって厳しいお家の子で性教育も禁止とか言っていたような……。あれ、ボクはほとんど千代ちゃんにエチエチな事させて貰えてないような。調教って桜さんとか美奈子さんがやったんじゃ?

 ボクは桜さんの可愛いお顔にジト目を送りました。

「何ですかその可愛い顔は? キスして欲しいんですね、んっ……」

 何故かジト目をしたらキスをされてしまいました。誤魔化された感じだけど、桜さんと一緒なら何とでもなりそうに思えてしまうのでした。あと肉じゃが味のキスでしたよ?



   ◇



 そんなこんなで翌日である。

 ボクは朝からお腹が痛かった。これから千代ちゃんのお家に行って色々と説明しないといけないのである。美少女JKな千代ちゃんが可愛いばかりにセクハラしまくったツケが回って来たのです。

 きっと教育ママみたいな怖い人に『うちの娘に何してんねん!』って感じで怒られるに決まっている。桜さんとイチャイチャデートかと思ったのにー!

 帽子とマフラー、コートを着込んで男だとバレないように変装したのは良いけれど、玄関前で足が止まってしまった。ああ、行きたくないです……。

「ユウタさん行きますよ?」

 桜さんがボクを急かすように言って来た。怒られになんて行きたくない……。

「あうぅ、ポンポン痛いからお留守番してようかな~」

 ボクは自慢の演技で仮病を装った。小学生の頃、学校の授業で発表会とかある時もこんな気分でした。涙目でキュンとするボクの演技が良かったのだろう、桜さんが心配そうに腰を摩ってくれました。何で腰なの?

「大丈夫ですかユウタさん。もし辛いなら先生に診て貰いましょうか?」

「え、えへへ。じゃあそうしようかな~?」

「ふふ……そうですか」

 桜さんがニコニコと笑いながら腰に当てた手を下げて行った。腰の下はお尻しかないですよ?

「あのあの、どうしてお尻を摩るんですか? ボクが痛いのはお腹なんですけど……」

「きっと腹痛の原因はここです。ナースな私が言うんですから間違いありません。もしお留守番をするのでしたら、先生に一日中クチュクチュして貰いましょう」

「ぴぃ!? ぼ、ボクお腹痛いの治ったかも! さあ行きましょう桜さん!!」

 名探偵桜さんは全部まるっとお見通しだったようだ。しょうがない、腹を括って怒られに行こう。



 桜さんの運転する車がブブブーンと快調に進んで行く。

 ボクの暗い気持ちを表すかのようにどんよりと暗い曇り空が辺り一面を覆い尽くす……ことは無く、雲一つない冬晴れなのである。異常気象なのか知らないけど、春みたいに明るいのだ。

「良い天気で良かったです。昨日まで天気悪かったですからね」

「そうですね。でもでも、ボクの心はどんよりと曇っています。千代ちゃんのご両親から刺されたりしないですかね?」

「ふふ……その時は私も一緒に死んであげます」

「桜さん……」

 一緒に死んでくれるって言われて嬉しいけど、刺されたくないです。刺されるのは確定ですか? ううぅ、胃が痛くなってきた。

 途中で『切腹モナカ』という名の和菓子を購入しました。溢れんばかりにこんもりと盛られた餡子が美味しそうなモナカです。美味しそうだったのでコッソリと自宅用にも買いました。ジュルリ……。

 桜さん曰く、ビジネスマンが客先にお詫びで持って行くと誠意が伝わると言われているアイテムだそうです。切腹だもんね!

「これで準備は完了です。さあ腹を括って行きますよ」

「ううぅ、頑張りますぅ」

 キリっとした桜さんの顔が頼もしかった。



   ◇



 高層ビルが建ち並ぶ一等地の中でも一際高いビルがあった。ボクみたいな庶民が足を踏み入れてはいけない場所だと一目で分かったのだ。ボク達が住むマンションを更に豪華にした超高級なタワマンってやつですね。

 入口には背の高いお姉さんが一人、刀のような獲物を手にして周囲を警戒していた。ポニーテールが似合う凛としたサムライガールですよ。もしかして本物の刀なのかもしれない。

「えっと、本当にここですか?」

「指定された住所はここです。まずはロビーに行きましょう」

 ボクは桜さんの腕に抱き着いた。男らしくないかもしれないけど、あのサムライガールの視線が怖かったのです。だってさっきからボクの事しか見てないですよ? 護衛の椿さんと桔梗さんを連れて来なかったのは失敗か!?

「お、お待ちください!」

「ぴぃ!?」

 ボク達が入口を通ろうとしたらサムライガールが前に立ちはだかった。軍服のような制服を来たお姉さんですが、おっぱいが大きいです。顔も整っていて綺麗な人だけど本物の刀っぽいのが怖いのです。

「私達が何か……?」

 サムライガールを前にしても微動だにしない桜さんにキュンとしてしまった。ボクは怖くてガクガク震えちゃいます。ガクガクブルブル。

 目が血走ったサムライガールさんが懐から何かを取り出しボクに渡してきた。これはっ!?

「あ、あのっ、ユウタ様ですよね!? 私ファンなんです!! お願いします、サイン下さい!!」

「……えっ」

 ボクはポカーンとしてしまった。この強そうなサムライガールなお姉さんがボクのファン? え、お外でファンと会うの初めてかも? 姫ちゃん先輩はボクのお友達なのでファンから除外です。

 それにしてもよく変装したボクを見抜いたものです。さすがサムライガール、心眼ってやつですね。

 握手会は年が明けてからの予定だからこれが初めてのファン交流になるのか。そう言えばサインの練習なんてしてなかった。まずいぞ……。

 ボクは頭をフル回転させて考えた。このファン1号と思しきサムライガールさんの扱いで今後のボクの評価が変わるのだ。ここで冷たくあしらったらユウタはファンサービスが悪いと拡散されるだろう。

 でももしここで神対応したら……!?

「えっと、ボクまだサインの練習中なので下手ですけど……はい、どうぞ!」

「あ、あああ、ありがとうございます!」

 手帳に『ユウタ♡』って書いてあげました。本格的にサインの練習をしないとダメですねぇ。

 サムライガールさんが手帳を見てニヤニヤしている。ふふ、ボクのファンサはこんなもんじゃありませんよー!

 ボクは自分に巻いたマフラーを外し、お姉さんの首に巻いてあげました。マフラーに挟まったポニテが触りたかっただけじゃないですからね? サラサラでとても良い感触でした!

「寒い中お仕事お疲れ様です。これプレゼントです。えへへ、お姉さんがボクのファン1号ですよ?」

「ゆ、ユウタ様っ!! これ、家宝にします! ああぁ、これがユウタ様の香り……クンカクンカ」

 感動してお姉さんが涙を流している。ボクのマフラーをクンクンしながら泣いています。ボクも大好きなアイドルにファン1号って言われてマフラーを渡されたら同じ事する自信があります。

 コッソリと記念写真も撮ってあげてファンサービス終了です。ふむ、我ながら良い事をしました。

「もう、ユウタさんったら。そろそろ時間なので行きますよ」

「じゃあまたです、お姉さん」

「あ、ありがとうございますー!」

 少しぷっくりと頬を膨らませた桜さんに手を引かれてタワマンに突入しました。ふぅ、危ない危ない。不審者としてしょっ引かれるかと思いました。でもちょっと神対応し過ぎたかな?

 それにしても何でボクがユウタだってバレたんでしょうね? イケメンオーラかな!
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