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第217話 進まない話
しおりを挟むピンクサキュバス先輩が入ったオシャレなグラスを片手に、足を組んでイケメンフェイスを千代ちゃんに向けて言った。
「千代ちゃん、ボクの作る動画に出演して欲しいだ」
「動画……ですか?」
ふむ、どうやら千代ちゃんはボクの雑談配信を見てくれていなかったようです。もしかして千代ちゃん、ボクの事が好きじゃないのか……?
「この前のユウ君の配信だよねー。中学生とセックス出来るなんて凄い時代になったもんだね~」
「恵美様、恵美様。私もカタログに応募しても良いですかっ!?」
「はぁ~? ダメに決まってんでしょ!! もしカタログになんて応募してみなさい、出禁よ!」
「ひーん、ごめんなさいー」
綾香さんはセックスカタログに登録しようとしていたのか……。まあボクの恋人って訳じゃないですし、単なるホストクラブの常連さんだもんね。でもカタログに登録してしばらくして、次々と常連客が減って行ったら精神的にやられそうだ……。大丈夫、常連さんは居なくならないはず!
「千代ちゃん知らない? ニュースでやってたやつ。男子中学生のセックスが義務化されるって話題の」
「あー、見たかもしれないっす! ママが絶句してたので何だろーって見たら、セックスが義務化されるって。ウチのママはエッチな事に反対だから、プリプリ怒ってたっす。先輩、応募してみたらどうっすか?」
「いやー、わたしは応募しても選ばれる自信ないかなーって」
「そうっすか? 先輩はカッコイイですし、頼れるお姉さんって感じだから選ばれると思いますよ?」
動画出演のお願いをしたはずなのに、ボクをのけ者にしてスミレさんとセックス義務化の話で盛り上がる千代ちゃんです。
千代ちゃんのママの話は聞いた事なかったけど、エッチな事に反対する人なのか。まあ子供にオナニー禁止するような厳格な家庭だもんね。もしかしたら男の人を見ただけでビンタとかする怖い人かも!?
スミレさんを選んだ男子中学生か……。きっとスミレさんとイチャイチャセックスを望んで選んでみたら、開始早々にレイプされちゃうんでしょ? ボク知ってますよ。
「いやいや、無理だって。それより千代ちゃんが応募したら凄い人数が殺到する気がする! 千代ちゃんはどんな男の子がタイプ? 草食系なボクっ子? それとも俺様系? ムキムキマッチョが好きだったり?」
「え、えーっと、あはは、わかんないっす」
「嘘だぁ~。千代ちゃん照れちゃって可愛い!」
キャッキャウフフとセックス義務化で盛り上がるスミレさんと千代ちゃんです。ボクは興味ない振りをしながら二人の会話をコソコソと盗み聞きしているのです。両隣の恵美さんと綾香さんがボクの乳首をツンツンして来ますが、今はそれどころじゃないのです。
レイプ魔のスミレさんはまあ良いとして、千代ちゃんがセックスカタログに登録したらどうなっちゃうのか……。1万年に1人の天使と言われている美少女な千代ちゃんです。カタログ指名のナンバーワンになるのは間違いないですね。
複数の男性から申し込まれたら逆に女性側が選べるこのシステム、千代ちゃんならきっとボクのような優しいイケメンを選ぶのだろう……。あれ、ボクの下位互換と思われる男子中学生と千代ちゃんがセックス……だと?
――想像してみた。
『よ、よろしくおねがいしますぅー』
小さなボクが緊張した面持ちで千代ちゃんに挨拶する。そんなボクを見て嬉しそうに微笑む天使な千代ちゃん。既に素っ裸でボクを魅了します。
『あれあれ、緊張してるんすか? 怖い事なんて何もないっすよ~♪』
『は、はぃ……』
緊張の余り棒立ちになったボクに近付いた千代ちゃんが丁寧に服を脱がせてくれる。カチャカチャとズボンのベルトを外してスポンと降ろせば、大きくテントを張った愛棒が元気に挨拶していたのだ。
だってしょうがないじゃないか、1万人に1人と言っても過言ではない美少女が目の前で裸体を晒しているのだ。自然と呼吸が荒くなり、愛棒が『出番はまだか!?』と自己主張を始めてしまった。
膝立ちになった千代ちゃんを上から見下ろせば、ロリロリボディに反した大きなおっぱいがプルンと揺れていた。
『あはは、ウチを見て元気になってくれたんすか? お姉ちゃん嬉しいっすよー!』
『は、ははは初めてなんですっ! ボク、エッチなんてした事なくって。だから、その……っ』
緊張するボクをギュッとしながら頭をナデナデしてくれる千代ちゃん、そして耳元で囁く甘い声が脳を痺れさせた。
『ぜ~んぶウチがやってあげるっすよ♡ ユウ君はウチのおっぱいでも揉みながらジッとしててくれたら天国に連れてってあげるっす♡』
『て、天国……ゴクリ』
放心するボクをクスクスと笑った千代ちゃんがチュっとキスをしてくれた。そして手を引かれベッドの上へ連れて行かれたのだ。
荒い呼吸を必死に抑えて天井を見上げると、その視界に千代ちゃんが割り込んで来た。長い黒髪が視界を覆い、甘く良い香りに包まれてしまった。
『ウチの顔から目を離しちゃダメっすよ?』
千代ちゃんの甘い息が顔に当たる程の至近距離で見つめ合う。ボクは返事も出来ずに首を縦に振る事しか出来なかった。
今までにない程に怒張した愛棒は弓なりにしなり、ボクのお腹にくっついてしまっている。そんな愛棒をしなやかな指先が優しく包んだ。
『うふふ、これからユウ君は大人の仲間入りをするっすよ♡ ユウ君の元気なおちんちんをウチのエッチな穴で食べちゃうんす♡ ほら、先端がちょっと入った♡ このまま腰を落としたらユウ君の童貞が無くなっちゃうっすよ~♡』
『ふぅ……! ふぅ……! お、お姉ちゃん、もう我慢出来ないっ! は、早くおちんちん食べてっ!!』
『落ち着いてユウ君。ユウ君の童貞はし~っかりと食べてあげるっすよ♡ でも、ユウ君がこれまでずっと大事に守って来た童貞さんっすよ? こうやって先っぽをスリスリして我慢すると、最高に気持ち良くピュッピュ出来ちゃうかも? うふふ♡』
ここに来て焦らすような素振りを見せる千代ちゃん、清楚な表情から一変して焦らされるボクの顔を見て喜んでいる。
『も、もう我慢出来ないよぉ……! お願い、ボクの童貞貰ってっ! ボクのおちんちん食べてくださいぃー』
情けないほどに懇願してしまった。1秒でも早く気持ち良くなりたいと、必死になってしまったのだ。
そんなボクの表情をウットリとした表情で見つめた千代ちゃんは、ペロリとボクの唇を舐めて囁いた。
『はい、ユウ君の童貞……いただきま~っす♡』
『――っ!!?』
下半身に未知の快楽が走った。その快楽は一瞬で脳まで達し、その快楽はボクの脳の許容量を容易に突破した。溢れ出た快楽は言葉にならないうめき声に代わり、ビクンと大きく腰を震わせた。
『あはっ♡ ユウ君の童貞食べちゃったっす♡ でもまさか入れただけで出ちゃうとは思わなかったっすねぇ……』
『う゛っあっ、で、出ちゃっ、出ちゃったっ! ピュッピュって……う゛う゛っ!!』
『お腹あったか~い♡ ユウ君、きもちかった?♡ まだピュッピュ出来そう?♡ 出来なくてもウチが元気にしてあげるっすからね~♡♡』
妖艶な天使の姿をしたサキュバスに、ボクは身も心も捕らわれてしまったのだ。
◇
「……清楚系ビッチサキュバスな千代ちゃんも良いかも♪」
「どうしたんすか、ユウタ様?」
「ななな、なんでもないよー! ……っていうか、千代ちゃんダメっ! 絶対ダメでぇーす!」
「な、何がダメなんすか?」
ボクの妄想が生み出した最強のエチエチモンスター、清楚系ビッチサキュバスな千代ちゃんは破壊力抜群だった。
こんなエチエチの化身が童貞くんとマッチングしたらどうなるか、そんな事は考えるまでもないですね。童貞くんの性癖が捻じ曲がってしまい、きっとまともに生きていく事は出来ないでしょう……。
セックスカタログに登録したら何回セックス出来るのか知らないけど、男子中学生の半分は千代ちゃんを選ぶと思う。そんな事になったら千代ちゃんのサキュバスレベルもアップアップでサキュバスクイーンにクラスチェンジしてしまうだろう……。
ボクは前途有望な童貞中学生の未来を守るためにも、身を挺して清楚系ビッチな千代ちゃんを引き取りましょう。つまり……。
「千代ちゃんはボクが予約してるのでセックスカタログに登録しちゃダメですーっ!」
ボクは心を込めて愛を叫んだ。千代ちゃんは可愛い、トニカクカワイイ。そんな彼女をどこぞの童貞に与えて良いものか!
「千代ちゃんの処女も種付けもボクがするんですっ! 絶対に他の男になんてヤらせませんっ! もしセックスカタログに登録するなんて言うのなら、今ここで千代ちゃんの処女を貰っちゃいますよー!!」
ボクはブーメランパンツを脱ぎ捨て、千代ちゃんに飛びついた。
「きゃ、キャー! ユウタ様落ち着いて欲しいっす! ウチはカタログなんて使わないですーっ! っていうか、ヤンデレみたいなユウタ様はキモイっすー!」
キモイっすー! という千代ちゃんの声が部屋中に響き渡った。それを聞いた瞬間、ボクのガラスで出来たハートが砕け散った。パリーンって感じ。
「ガーン……」
ボクは頭が真っ白になり、膝から崩れ落ちた。ボクが愛して止まない天使にキモイって言われてしまいました。今まで生きて来た中で女の子にミジンコって言われた事はありますけど、キモイって言われた事は無かったのだ。
いつも笑顔が可愛いイケメン、でもたまに見せるアホっぽいところがキュンと来ると絶賛されるボクが、あろうことか千代ちゃんにキモイって言われてしまいました……。もう消えてしまいたい。ああ、どこかに癒してくれるおっぱいはありませんか……? あ、恵美さんが手を広げてボクを待っている。
「ひーん……恵美さ~ん……」
「お~、よちよち、怖かったねユウ君~。千代ちゃんも急に告白されてビックリしちゃっただけだから、気にしないで良いでちゅからね~」
「うん……」
ボクは恵美さんのお胸に飛び込んだ。ノーブラな恵美さんのおっぱいがボクを優しく包んでくれた。やはり恵美さんは優しい。まるでお母さんみたいだ。ボクはもうこのまま辛い事を忘れて恵美さんの子供になっちゃおう。ばぶばぶ。
「うわぁ~、ユウタ様が赤ちゃんモードになっちゃいましたね。こんなユウタ様を見るのは初めてです。動画撮っておきますね!」
「えっ、綾香さんも初めてなんですか? めっちゃおっぱいモミモミしてますよ?」
「きっと千代ちゃんに嫌われたと思ってショックのあまり幼児退行しちゃったんですね。千代ちゃん、罪な女の子だね」
「はわわわわ。う、ウチ、どうしたら……」
後ろで何やら作戦会議をしてる声が聞こえるけど今は放置です。このおっぱいの谷間にボクは住みます。ばぶばぶ。
ボクは子猫が母猫におっぱいをねだるようにモミモミしながら甘えました。ばぶばぶ。
「ゆ、ユウタ様。さ、さっきのは違うんです。ちょっとビックリして心にもない事を言っちゃっただけなんですっ」
「千代ちゃん……?」
千代ちゃんの声に後ろを振り向けば、申し訳なさそうな顔をする天使が居た。そして恵美さんがしたのと同じように両手を広げて待っているのだ。
「だ、だからユウタ様、その……仲直りのハグをしましょう!」
「ち、千代ちゃーんっ!!」
ボクは恵美ママのお胸からお引越しして天使の谷間に飛び込んだ。ムニュっと優しく包み込まれるこの感触は最高です。うひひ、もっとモミモミしちゃいましょう。
「きゃ、ダメっすよユウタ様。あんっ、胸じゃなくてハグっすよー!?」
ああ、これぞホストクラブユウタの醍醐味ですね。毎回違ったドラマが生まれる素敵な空間、そんじょそこらのホストクラブには真似できないウチだけのオリジナル。今日はイケメンと美女のすれ違いLOVEが生まれました。結果良ければ全て良しってやつですよ。
でも……ボクは千代ちゃんの胸の中で思った。あれ、千代ちゃんに動画の出演依頼をしようとしたはずなのに、全く話が進んでないや……と。
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