女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

第208話 動き出した日本政府

　スーパースターなボクはＣＭ撮影も難なくこなし、気分爽快で心も晴れやかです。誰もが振り向くイケメンに磨きが掛かったボクですが、完成したＣＭを見てないのでドキドキワクワクな毎日を送っています。

　あのＣＭがお茶の間に流れたら『あのイケメンは誰だ！？』って感じで盛り上がって取材が殺到する未来が見えました。もしかしたら海外からオファーが来ちゃうかも！？

　どうやらＣＭ放送はもう少し先になるそうです。編集とか色々とやる事があるようで大変ですね～。ソフィア監督がオッケーくれたから、動画の切り抜きＣＭになることは無いだろう……。




　さて、次のビッグイベントはアリスさんとの『結婚の儀』がありますが、あれはリハーサルをやったので余裕ですよ。みんなにアリスさんとのラブラブエッチを見せつけてやればＯＫっしょ！

　そんな感じでいつも通りの毎日を過ごしていた日の夜の事です。リビングで桜さん、夏子さんと一緒に夕食を食べていたところ、テレビから緊急会見という重々しいテロップが流れて生中継が始まりました。事件ですか！？

　ちなみに、アリスさんはミウちゃんの実家に遊びに行っているそうです。ボクも行きたかったけど、夏子さんからＮＧが出たのです。きっと妊娠中なのでボクが居ないと不安になっちゃったのだろう。ユウタ理解した。

「むむっ、緊急会見って何でしょうか？」

　テレビのチャンネルをエネーチケーに切り替えたところ、お疲れ気味なお姉さんが出て来ました。エネーチケーはＣＭが無いのでこういう時は便利ですね。

　お疲れ気味なお姉さんはちょっとお年を召した方なようで、初めて見たかもしれません。まあボクはあんまりテレビ見ないですからね。

「総理大臣の岸さんですね。キッシーの愛称で親しまれる市民党の代表ですが、子作りサポートの選挙公約も果たせていない現状、支持率が最低水準に達しています。彼女はいつも『検討する』という言葉で議論を濁しているので、ネットでもネタにされています」

「……ほほう？」

　まさかの総理大臣でした。キッシーさんですか、親しみを覚えますね。でも『検討する総理』と言われてしまうようなリーダーシップを発揮出来ない彼女では、日本の未来が不安になっちゃいますよ。

　桜さんに詳しく聞いたところ、手厚い子作りサポートという選挙公約で議席を大量獲得に成功した市民党ですが、これを進めようにも反対する面倒くさい男性がいるらしく、苦戦しているそうなのです。高齢の男性さんが『男性の性的搾取をやめろー！！』とか騒いでいるらしいですよ？　ふむ、ボクが政治家になって種付け大臣に就任しちゃおうかな！？

「あらあら、もしかしてあの話かしら……？」

　夏子さんが意味深な発言をしていましたので何か思い当たる事があるのかもしれない。気になるけどまずはキッシーの話を聞いてみよう。

『年々低下している出生率について、我々市民党は手厚い子作りサポートという名のスローガンを掲げて取り組んで参りました。そして本日、子作りサポートの取っ掛かりとなる男子中学生ＤＣセックス義務化を閣議決定しました。近年の研究成果によりますと、搾精した精液よりもセックスによる射精の方が妊娠する確率が大きく高まるという事が分かっております。これはセックスによる女性側の興奮作用、そして更には妊娠確率の一番高いピチピチなＤＣ精子を用いる事で妊娠する確率を高める狙いがあります。ここで重要なのが性に興味が出始めた男子中学生に正しいセックスを学んで頂き、今後の搾精義務に積極的に参加して貰う狙いがあります』

『総理、質問です。男子中学生ＤＣセックス義務化、とても良い決議だと思います。ですが男子中学生のセックスの相手はどうやって決めるのでしょうか？　同学年の女性ですか？』

　むむ、これは由々しき問題ですね。例えば男子中学生がお隣に住む色っぽい奥さんに恋しちゃったらどうなっちゃうの！？　妊娠してから人妻オーラをムンムンにまき散らす夏子さんとか、めっちゃ狙われちゃう予感がするぞ！　ボクはＮＴＲネトラレとかピクリとも反応しないので断固拒否でーす！

『まず初めに、セックスの相手は男子生徒が選ぶ事になります。ここに女性側の意見は取り入れられず、全て男子生徒の好みで選ばれます。では男子生徒は誰でも選べるのかと言われるとＮＯです。まずセックスを希望する１６歳以上の女性はセックスカタログというものに登録して頂きます。男子生徒はこのカタログを見てセックスパートナーを選ぶ仕組みです』

　おお、これは安心ですね。ボクのお嫁さん達はこんなサービスに応募しないはずだ。……大丈夫だよね！？

『なるほど、分かりました。では次の質問です。男子中学生ともなればほとんどが童貞さんだと思います。童貞買取サービスのように、一部の富裕層女性が優先的にセックスカタログから選ばれるような事は無いのでしょうか？』

『セックスカタログは全て男性が選ぶ事になりますので、金銭的なやり取りは一切ありません。但し、童貞買取サービスと違いセックスパートナーとなった男女がそのまま結婚という可能性もあります』

　童貞買取サービスって何ですか？　ボクの知らない情報がいっぱい出て来ますよ。もしかしてこれはボクをハメるためのドッキリですか？　夢でも見てるのだろうか……。

『つまり出会いが増えるっていう事ですね。では最後に、セックスカタログにはどのような情報が登録されるのでしょうか？』

『年齢や容赦、職業などのプロフィールの他に、性交の有無や出産歴が必要です。また、性技や性癖も重要な項目になるでしょう。そして全裸の写真や胸、性器の詳細な写真も撮影します。この際、虚偽の登録をしたら永久的に再利用不可となりますのでご注意下さい。犯罪歴のある方と日本国籍を持っていない方は登録出来ませんので悪しからず』

　ふむふむ、キッシーと記者の人の質問で何となく理解出来ました。キッシーはボクの知っている総理大臣と違って、文章を丸読みじゃなくて自分の言葉で話しているのには好感が持てますね。男子中学生ＤＣセックス義務化って羨ましいですよ！！

「やっぱり男子中学生ＤＣセックス義務化法案が可決されたのね～。これが始まるとうちの病院も忙しくなりそうだわ～」

「中学一年生にはセックス講座の授業が必修科目になるらしいです。講師も募集するそうですが、どれくらいの人数が確保出来るのかが問題ですね」

「そう言えばさっきお母様から連絡があったのよね。何でも政府のお偉いさんからの要望が来たって言ってたわ～。この件かしら？」

「ユウタさん絡みの気がします。ユウタさんの戸籍を取得するのに政府関係者とやり取りがありましたから……」

「……ほほう？」

　何やら真剣な表情で議論するお二人さんです。そう言えばボクの戸籍を秘密裏にゲットしてくれたのは夏子さんのお母さんでしたね。よく考えたら結婚したのにご挨拶もしてませんでした。

「あのあの、未だに夏子さんのお母さんと会ったことないんですけど、やっぱりご挨拶とかした方が良いんじゃないかな～って思います！」

　シュバババっと手を挙げて二人にアピールしてみたけど、何故か二人とも邪悪な笑みを浮かべているのでした。

「うふふ、ユウタ君は気にしないで大丈夫よ。全部私達が上手くやっておくからね～」

「ふふ……世の中知らなくても良い情報っていうのがあるんです」

「そ、そうですか？　じゃ、じゃあいいかなー？」

　これ以上は追求してはいけないとボクの直感が伝えてきました。知ってはいけない情報……ガクガクブルブル。

「お母様も急ぎの要件って訳じゃないらしいし、落ち着いたら聞きにいきましょう」

　お母様からの件は大丈夫なのだろうか。誤魔化されたような気もしますけど、まあいっか！

　それよりも男子中学生ＤＣセックス義務化とか童貞買取サービスとか、日本の将来は大丈夫なのだろうかとちょっと不安になるユウタなのでした。