女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

ポリエステル100%

文字の大きさ
上 下
91 / 304

第91話 反省会

しおりを挟む
 初の企業案件であるライブ配信を行った翌日、ボクはサンガリー株式会社の広報担当の中野姫子さんこと姫ちゃん先輩と反省会をする事になった。

 ボクとしては余裕な案件だと思っていたのに、あんなに難しいなんて思ってもみなかった。

 パソコンを立ち上げてWEB会議です。ああ、気が重い……。

「あ、こんにちは~。昨晩はすみませんでした……」

『こんにちはユウタ様! いや~さすがユウタ様ですね。もう凄い盛り上がりですよ~』

「えっ? そうなんですか?」

『はいっ! 今朝から電話が鳴り止まないくらいに問い合わせが来てまして、小売店からも注文が凄いんですよ。もう爆売れ間違い無しです!!』

「ほほう?」

 つまりボクのレビューが凄くてみんな飲みたくなったって事ですね! 美味しかったし、みんな飲みたいと思うのも頷ける。

『つぶやいたーのトレンドも1位ですよ~。新商品のPRとしては文句無しです。いや~上司から褒められちゃいました!』

「おお、おめでとうございます! ふふふ、やっぱりボクのレビューが好感度抜群だったんですね~」

 昨晩つぶやいたーのトレンドでユウタの名前がランクインしたのは知ってたけど、ジュースもランクインしていたのだ。

『いえ、違いますよ~。ユウタ様のクソ演技で企業案件ってバレちゃったじゃないですか。先生様のコラボ企画のお陰です。今朝はつぶやいたーのトレンド見てないんですか?』

 何だと!? クソ演技とか酷いです。つぶやいたーをちょっと見てみようかな。

 スマホを取り出してつぶやいたーのトレンドを調べたら、1位は『ユウタきゅんのお仕置きチャレンジ』で、2位が『プルンプルンピーチ』、3位が『サンガリー株式会社』だった。そして7位に『クソ演技』があったのだ。あれぇ?

「クソ演技がランクインしてました。……それより1位の『ユウタきゅんのお仕置きチャレンジ』ってもしかしてアレですか?」

『そうです! 今朝うちのHPに掲載しましたが、明日の発売から1か月で3000万本が売れたらユウタ様のお仕置きチャレンジが実行される事になりました。これは先生様と調整済みです』

「いつの間に……」

 今朝夏子さんと話した時には何も言っていなかった。つまりそんなに売れるはずが無いだろうという事ですね! 1か月で3000万本って途方もない数字に見える。ボクのフォロワーさんが300万人で、その人たちが10本も買わないといけないのだ。

『うちの会社の株価も高騰してて、もうユウタ様様ですよー。社内で私の評価が高まって、昇進も間違い無いと思います!! ふふふ、今度ご馳走しますね』 

「あ、はい……」

 今の話を聞いた限り、依頼主である会社に迷惑は掛かっていないようですね。そして何故かボクのお仕置き動画とのコラボレーションが進んでしまったのだ。あれ、もしかしてボクというよりも咄嗟にコラボレーションを発表した夏子さんのお手柄じゃないですかね?

 夏子さんがコラボレーションを言い出したのはボクがアタフタしていたのが原因だ。そしてそのアタフタする原因を作り出したのは、姫ちゃん先輩が下手なキラーパスをしたからなのだ。そうだ、姫ちゃん先輩が悪いのです。

「あのあの、結果論で見れば大成功な感じですけど、コラボレーションしなくても爆売れしてたと思いますよ?」

『何を言っているんですか? ユウタ様のクソ演技のせいでグダグダになっちゃったんじゃないですか~』

「ちょ、クソ演技じゃないです~! そもそも姫ちゃん先輩が変なキラーパスをしなければ良い感じにレビューしてましたよー!」

『うん、美味しいです!!! って言うユウタ様の感想が切り抜き動画になって出回っていましたよ? あはは、凄いレビューですねぇ』

「ぐぬぬ……」

 ボロクソに言われたい放題である。まあ依頼主からしたらもっと良いレビューを期待したのだろう。責められても仕方が無いのである。でも悔しいです。

『まあ次も依頼する事があると思いますから、練習しておいてくださいね!』

「分かりましたー」

 悔しいけどボクの演技力不足が原因であることが分かった。まあ演技力というよりも語彙力が低いという事なのだろう。つまりもっと魅力を伝えられるように勉強しないといけないのだ。



   ◇



 その晩、夕飯を食べながら姫ちゃん先輩とのやり取りを話してみた。

「……という事があったんですよ。まぁ3000万本なんて売れないと思いますけどね~」

「さっき広報の人から電話があったけど、既に500万本出荷したそうよ? しかも問い合わせが止まらなくて大変な事になってるって聞きました。もう時間の問題だと思いますけど……」

 なんだって~!? 500万本出荷って強気過ぎるよね……。

「つぶやいたーのトレンドで上位をキープしてますし、3000万本なんて時間の問題かと。ユウタさんのお仕置き動画の準備を進めた方が良い気がします」

「や、やばい……」

 どういう事だ? そんなにみんなボクのお仕置き動画が見たいのか!? 男のお尻をクチュクチュする動画だよ!? 変態ばっかりじゃないか!

「それよりもユウタ君、あのレビューはイマイチだったわよ?」

「……うん、美味しいです!!!」

「ちょ、桜さんモノマネしないで良いですから! ううぅ……こんなはずじゃ無かったんですよぉ」

 誰かが切り抜き動画をつぶやいたーに投稿していました。そしてバズってたのである。ボクも見たけど、自信満々で言ってるのが恥ずかしかった。

「そうだわ。ちょっと練習してみたらどうかしら?」

「練習ですか……。姫ちゃん先輩がまたお仕事くれるって言ってたので練習するものありですね」

「じゃあユウタさん、このビーフシチューを食べて一言お願いします」

「分かりました!!」

 このビーフシチューは今日のお夕食です。夕方から桜さんと一緒に作りました。ふふ、これなら良い感じにレビュー出来るはずだ! いきま~す。

 スプーンで大きなお肉を掬ってモグモグします。う~む……。カッコ良く目を閉じてモグモグして感想を考える。そしてナプキン……は無かったのでティッシュでお口を拭いてお上品な感じを演出をします。そう、形から入るのが大事なのです。

「お肉が柔らかくて口の中で蕩けちゃいました! 凄く美味しいです!!」

「……ふふ」

「……ぷっ」

 自信満々に言ったのに笑われてしまった。別にウケを狙った訳じゃないんですけど……。もしかして、そんなにダメだったのだろうか……。

「えっと、ダメでした? 個人的には良い感じだったんですけど……」

「うん、凄く良かったわ」

「そうですね。ユウタさんはそのままで良いと思います」

 二人とも生暖かい目で見つめて来るのだ。うーむ、解せぬ。まあ次の商品が何か知らないけど、上手いことレビュー出来るでしょう!

 その日の夕食は、レビューの練習で盛り上がった。二人を笑顔に出来たからヨシとしようじゃないか。そう納得するのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...