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第11話 ―― 夏子さんSide ―― テル君は上客を失いました
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自宅マンションを出発して私の勤める病院へ向かった。私の母が大病院をいくつも経営しているため、私もその中の一つで産婦人科医を勤めている。この世界は女性がほとんどであり、子供を望む女性は人工授精を行うのが一般的である。きっと今日もたくさんの患者が来るのだろう……。
ふと横を向けば、嬉しそうに運転する桜ちゃんが見えた。いつも無表情で感情を読むのが難しい彼女だけど、今日はご機嫌なのが良く分かる。きっとユウタ君のお陰だろう。私もユウタ君と一緒になれて、すごく嬉しいから桜ちゃんの気持ちが良く分かる。
「ご機嫌ね桜ちゃん。ユウタ君はどうだった?」
「ユウタさんはすごく素敵な男性です。きっと彼よりも優れた男性は居ないのだと思います」
「そうね~、今朝なんてビックリしちゃったわ。でも罪悪感が酷くて胸が苦しかったわね……」
「はい……」
全部私達が悪いのに、あんなに必死に謝っていた。ベッドシーツには私達の乙女の証や行為の跡が点在していた為、体を重ねた証拠としては十分だった。
その行為の結果として、ユウタ君の気持ちが少しでも私達に傾いてくれたらと思っての行動だったけど、まさか土下座して謝られるとは思わなかった。しかも責任取るとまで言われてしまったわ。もしユウタ君じゃなくてこの世界の男性が同じ状況になった場合、『俺と寝れて良かっただろ?』って言われて終わりだと思う。
「でも、ユウタ君は私達の事を好きになってくれそうね。桜ちゃんがエッチな事をするとすぐに真っ赤になってて可愛いわ」
「ユウタさんはすごく可愛くて素敵です」
あんなに可愛い顔の癖に、股間には凶悪な物が付いているのだ……。ああ、昨晩の事を思い出すだけで濡れて来る。私が今まで仕事や動画で見て来た中で、ダントツに大きかった。この世界の男性とは比べ物にならないくらい立派なのである。いや、この世界の男性が小さすぎるのかもしれない。
「ねぇ、昨日は何回やったの?」
「……そうですね、3回から先は覚えていません」
「私もそうかも。頭が真っ白になって、夢中になっちゃったわ」
ピンクサキュバスの効果もあり、眠っているユウタ君は絶倫モードになっていたのだ。初めてだったけど、意識が飛んじゃうくらい気持ちが良かった。お母様に連れられて夜の店に行った時、何もしないで帰って来た自分を褒めて上げたい。ユウタ君に乙女を捧げられて幸せだった。……欲を言えば、ユウタ君が起きている時に一つになりたかった。でも、断られるかもしれない恐怖の方が強かったのである。
「ユウタ君は全く覚えてないって言ってたから、次のエッチで本当の童貞卒業ね。うふふ……どんなシチュエーションを用意してあげようかしら」
「あの先生……是非私にやらせて下さい」
「え~どうしようかしら~。今日はエッチ禁止だから、明日考えましょうね」
ここまでは順調だ。後はユウタ君の戸籍と結婚だ。結婚は書類一枚で終わるから問題ないが、戸籍を用意するのは私には無理だ。多額の献金を行っているお母様に頼るしかないわね……。でも、お母様にユウタ君の事を伝えたら、きっとユウタ君の味見を求められる……。作戦を考える必要がありそうね。
「お母様を説得する資料と動画は用意出来てるかしら?」
「はい、大丈夫です。今朝見直しましたが、バッチリ記録されていました。……ちょっと恥ずかしかったです」
「……そう、後で動画のコピー送ってね」
さあ、私達の輝かしい未来のため、大の男好きなお母様を説得しますか!
◇
午前の診察も終わり、桜ちゃんを連れてお母様の待つ部屋に行く。豪華な扉をノックして入れば、立派な机にちょこんと座る小さな美少女が居た。私と同じ茶髪をロングポニーテールにしていて、どう見ても10代中頃の少女にしか見えないこの女性こそ私のお母様、園田恵美です。年齢は言うと殺されてしまうので言えません。
「いらっしゃい夏っちゃん。桜ちゃんもどうぞ座って~」
「突然すみませんお母様」
「失礼致します」
桜ちゃんとソファーに並んで座ると、対面にお母様が座った。身長140cmと小柄で、頑張っても中学生の女の子にしか見えないお母様は、私と並ぶと親子が逆転して見られるからあまり好きじゃないのだ……。そしてお母様はこの容姿で大の男好きなのである。まあ、面食いだから誰でも良い訳じゃないらしいけど、良く分からない……。でも残念ながら、お母様の容姿を見た男性の反応はイマイチで、お持ち帰り出来ないって嘆いていました。
「それでそれで? 二人してどうしたの?」
「実は私達、結婚しようと思ってるんです」
「……」
お母様が小さなお口を開けたまま放心してしまった。昨日まで散々子供を作れと急かされていたのに、今日になったら結婚の報告である。お母様でさえ結婚していないのに……。
「えっと、夏っちゃん。残念だけど女の子同士じゃ結婚出来ないよ?」
「……」
どうやら私と桜ちゃんが結婚すると思われてしまったようだ。誤解を解かなければいけないわね!
「桜ちゃんとの結婚じゃありません。……昨日、男性を拾いました。その男性と結婚しようと思います。もちろん桜ちゃんも一緒です」
「えええええぇえぇぇええ!?」
部屋にお母様の悲鳴が響き渡った。今までこんなに大声を出すお母様は初めてだ。
「どどど、どんな男? イケメン? 身長高い? クール? 陽キャ? どんな子????」
「どんな男性かと言われても……」
お母様が立ち上がり、私に詰めかけて来た。ユウタ君がどんな男性かと言えば……そう、優しい男性だ。でもきっとそれだけじゃ信用されないだろう。ここは桜ちゃんに任せよう。視線を桜ちゃんへ送ると、頷いてくれた。桜ちゃんは私が学生の時に知り合った孤児で、天才なのだ。指示した以上の結果を出してくれる頼れる存在です。
「名前は白井裕太さん、20歳です。出自とかは後で説明しますが、こちらが写真になります」
「ふぉおおおおおお!! めっちゃ可愛い! しかも可愛いのにイケメンだと!? ヤバい惚れた!!!」
お母様が桜ちゃんのスマホを見て奇声を上げている。スマホにはユウタ君がソファーに座ってボーっとしている写真が映し出されている。昨日の夜に桜ちゃんが隠し撮りしたものだ。桜ちゃんは盗撮が得意な変わった子なのよね。それにしても、やっぱり面食いのお母様から見てもユウタ君は好印象なのね。
「お母様はテル君って方を推してるんじゃなかったでしたっけ? もう少しでお持ち帰り出来そうって言ってたじゃないですか」
「前回行った時に落とせると思ったんだけど金髪メイドが邪魔して来てさ、結局テル君が怯えちゃってパーよ! でももうテル君なんて要らない! 私も今日からユウ君を推す! って言うか犯す!! ベッドに縛り付けてでも犯してやる!! この子見た感じ童貞よね? うへへ……私が貰っちゃおうかな~」
テル君はお母様が通っているホストクラブのナンバーワンで、相当貢いでいるって聞いた気がします。それにしてもお母様は写真を見ただけで発情モードになってしまった。どうしようかしら……。
「残念ですが恵美様、ユウタさんの童貞は私が頂きました」
「……なん……だと……?」
桜ちゃんの非情な一言により、お母様が驚愕の表情を浮かべてしまった。
さて、これからどうやってユウタ君の事を説明しようかしら……。
ふと横を向けば、嬉しそうに運転する桜ちゃんが見えた。いつも無表情で感情を読むのが難しい彼女だけど、今日はご機嫌なのが良く分かる。きっとユウタ君のお陰だろう。私もユウタ君と一緒になれて、すごく嬉しいから桜ちゃんの気持ちが良く分かる。
「ご機嫌ね桜ちゃん。ユウタ君はどうだった?」
「ユウタさんはすごく素敵な男性です。きっと彼よりも優れた男性は居ないのだと思います」
「そうね~、今朝なんてビックリしちゃったわ。でも罪悪感が酷くて胸が苦しかったわね……」
「はい……」
全部私達が悪いのに、あんなに必死に謝っていた。ベッドシーツには私達の乙女の証や行為の跡が点在していた為、体を重ねた証拠としては十分だった。
その行為の結果として、ユウタ君の気持ちが少しでも私達に傾いてくれたらと思っての行動だったけど、まさか土下座して謝られるとは思わなかった。しかも責任取るとまで言われてしまったわ。もしユウタ君じゃなくてこの世界の男性が同じ状況になった場合、『俺と寝れて良かっただろ?』って言われて終わりだと思う。
「でも、ユウタ君は私達の事を好きになってくれそうね。桜ちゃんがエッチな事をするとすぐに真っ赤になってて可愛いわ」
「ユウタさんはすごく可愛くて素敵です」
あんなに可愛い顔の癖に、股間には凶悪な物が付いているのだ……。ああ、昨晩の事を思い出すだけで濡れて来る。私が今まで仕事や動画で見て来た中で、ダントツに大きかった。この世界の男性とは比べ物にならないくらい立派なのである。いや、この世界の男性が小さすぎるのかもしれない。
「ねぇ、昨日は何回やったの?」
「……そうですね、3回から先は覚えていません」
「私もそうかも。頭が真っ白になって、夢中になっちゃったわ」
ピンクサキュバスの効果もあり、眠っているユウタ君は絶倫モードになっていたのだ。初めてだったけど、意識が飛んじゃうくらい気持ちが良かった。お母様に連れられて夜の店に行った時、何もしないで帰って来た自分を褒めて上げたい。ユウタ君に乙女を捧げられて幸せだった。……欲を言えば、ユウタ君が起きている時に一つになりたかった。でも、断られるかもしれない恐怖の方が強かったのである。
「ユウタ君は全く覚えてないって言ってたから、次のエッチで本当の童貞卒業ね。うふふ……どんなシチュエーションを用意してあげようかしら」
「あの先生……是非私にやらせて下さい」
「え~どうしようかしら~。今日はエッチ禁止だから、明日考えましょうね」
ここまでは順調だ。後はユウタ君の戸籍と結婚だ。結婚は書類一枚で終わるから問題ないが、戸籍を用意するのは私には無理だ。多額の献金を行っているお母様に頼るしかないわね……。でも、お母様にユウタ君の事を伝えたら、きっとユウタ君の味見を求められる……。作戦を考える必要がありそうね。
「お母様を説得する資料と動画は用意出来てるかしら?」
「はい、大丈夫です。今朝見直しましたが、バッチリ記録されていました。……ちょっと恥ずかしかったです」
「……そう、後で動画のコピー送ってね」
さあ、私達の輝かしい未来のため、大の男好きなお母様を説得しますか!
◇
午前の診察も終わり、桜ちゃんを連れてお母様の待つ部屋に行く。豪華な扉をノックして入れば、立派な机にちょこんと座る小さな美少女が居た。私と同じ茶髪をロングポニーテールにしていて、どう見ても10代中頃の少女にしか見えないこの女性こそ私のお母様、園田恵美です。年齢は言うと殺されてしまうので言えません。
「いらっしゃい夏っちゃん。桜ちゃんもどうぞ座って~」
「突然すみませんお母様」
「失礼致します」
桜ちゃんとソファーに並んで座ると、対面にお母様が座った。身長140cmと小柄で、頑張っても中学生の女の子にしか見えないお母様は、私と並ぶと親子が逆転して見られるからあまり好きじゃないのだ……。そしてお母様はこの容姿で大の男好きなのである。まあ、面食いだから誰でも良い訳じゃないらしいけど、良く分からない……。でも残念ながら、お母様の容姿を見た男性の反応はイマイチで、お持ち帰り出来ないって嘆いていました。
「それでそれで? 二人してどうしたの?」
「実は私達、結婚しようと思ってるんです」
「……」
お母様が小さなお口を開けたまま放心してしまった。昨日まで散々子供を作れと急かされていたのに、今日になったら結婚の報告である。お母様でさえ結婚していないのに……。
「えっと、夏っちゃん。残念だけど女の子同士じゃ結婚出来ないよ?」
「……」
どうやら私と桜ちゃんが結婚すると思われてしまったようだ。誤解を解かなければいけないわね!
「桜ちゃんとの結婚じゃありません。……昨日、男性を拾いました。その男性と結婚しようと思います。もちろん桜ちゃんも一緒です」
「えええええぇえぇぇええ!?」
部屋にお母様の悲鳴が響き渡った。今までこんなに大声を出すお母様は初めてだ。
「どどど、どんな男? イケメン? 身長高い? クール? 陽キャ? どんな子????」
「どんな男性かと言われても……」
お母様が立ち上がり、私に詰めかけて来た。ユウタ君がどんな男性かと言えば……そう、優しい男性だ。でもきっとそれだけじゃ信用されないだろう。ここは桜ちゃんに任せよう。視線を桜ちゃんへ送ると、頷いてくれた。桜ちゃんは私が学生の時に知り合った孤児で、天才なのだ。指示した以上の結果を出してくれる頼れる存在です。
「名前は白井裕太さん、20歳です。出自とかは後で説明しますが、こちらが写真になります」
「ふぉおおおおおお!! めっちゃ可愛い! しかも可愛いのにイケメンだと!? ヤバい惚れた!!!」
お母様が桜ちゃんのスマホを見て奇声を上げている。スマホにはユウタ君がソファーに座ってボーっとしている写真が映し出されている。昨日の夜に桜ちゃんが隠し撮りしたものだ。桜ちゃんは盗撮が得意な変わった子なのよね。それにしても、やっぱり面食いのお母様から見てもユウタ君は好印象なのね。
「お母様はテル君って方を推してるんじゃなかったでしたっけ? もう少しでお持ち帰り出来そうって言ってたじゃないですか」
「前回行った時に落とせると思ったんだけど金髪メイドが邪魔して来てさ、結局テル君が怯えちゃってパーよ! でももうテル君なんて要らない! 私も今日からユウ君を推す! って言うか犯す!! ベッドに縛り付けてでも犯してやる!! この子見た感じ童貞よね? うへへ……私が貰っちゃおうかな~」
テル君はお母様が通っているホストクラブのナンバーワンで、相当貢いでいるって聞いた気がします。それにしてもお母様は写真を見ただけで発情モードになってしまった。どうしようかしら……。
「残念ですが恵美様、ユウタさんの童貞は私が頂きました」
「……なん……だと……?」
桜ちゃんの非情な一言により、お母様が驚愕の表情を浮かべてしまった。
さて、これからどうやってユウタ君の事を説明しようかしら……。
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