女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

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第6話 ピンクサキュバスは甘いお酒です

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 広いリビングを沈黙が支配していた。夏子さんも恥ずかしそうにしているし、桜さんは顔色を変えず無表情です。そしてボクは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。だって、お風呂で夏子さんにシコシコされて果ててしまった事が、全部桜さんに筒抜けだったのである。

 あんな綺麗なお姉さんの裸を見るのも初めてだし、お風呂に一緒に入るなんて以ての外だ。ボクは一人っ子で女性に縁も無く、女性の裸なんてネットでそういう動画で見た事しか無いのです。そんな女性経験値ゼロなボクが、夏子さんのような綺麗なお姉さんとお風呂に入って興奮しない方が間違っていると思います! ああ、夏子さんの手とか胸とか思いだしたらちょっとムクムクと下半身が元気になってきた……。

「そ、そうだわ。ユウタ君、お酒飲める?」

「え、はい。強いのは無理ですけど、甘いお酒なら大丈夫です」

「桜ちゃん、用意してくれる? 例のとっておきをお願いね」

「っ! ……はい」

 何だろうか? 夏子さんから指示を受けた桜さんの目がキラリと光ったような気がする。気のせいだよね!?

 すぐに桜さんが戻ってきた。グラスが3つ、そして高そうなボトルのお酒が2本あったのだ。1本は普通の透明なボトルで、中身は日本酒だろうか。そしてもう1本はどぎついピンク色のボトルだった。チラッと見えたラベルには『ピンクサキュバス』って書いてあったぞ。ボクはお酒に詳しくないけど、きっとレアなやつなのだろう。

 そして夏子さんと桜さんは日本酒っぽいお酒をグラスに注ぎ、ボクにはピンクサキュバスが注がれた。日本酒は強くて苦手なので、カクテルっぽいお酒は大歓迎なのである。でもストレートか……。

「じゃあユウタ君との出会いに、乾杯!」

「……乾杯」

「か、かんぱーい!」

 ドキドキしながらお酒を一口飲んでみたら、ピーチネクターのような甘いお酒だった!! すごい飲みやすくて幾らでも飲めそうである。

「すごく美味しいです!」

「うふふ……良かったわ」

 きっと夏子さんのとっておきのお酒なのだろう。これならお酒の苦手なボクでもグビグビいっちゃいます。

「じゃあユウタ君が他の世界から迷い込んだと仮定した話をしましょうか」

「は、はい!」

 そして、この世界の情報を夏子さんの口から聞いた。どうやらこの世界、男女比が大きく傾いてしまい、女性9割以上、男性1割以下の配分となっているらしいです。どうしてそんな比率になったのか原因は不明だけど、この世界では少ない男性を女性が取り合う、もしくは、共有するのが一般的なのだそうです。

 そうか、だから最初に会った女性はボクを見てハァハァしていたのか……。あの女性に捕まっていたら今頃どうなっていたのだろうか?

「い、一夫多妻っていう事ですか……?」

「う~ん。そういう人達も居れば、種だけ恵んで貰う人もいるわね。女性中心の社会で、男性は女性に保護されて生きている感じかしら。お金持ちの女性は男性と結婚する事が出来るし、お金が無くても人工授精で子供を作る事がサポートされてるの」

「……ほ、ほほう?」

 女性の口から種とか聞くと、ドキドキしちゃうよね! そして街で男性を見かけない理由が良く分かった。男性はお金持ちの女性に囲われているため、街中を一人で歩く男性というのはまず居ないらしいのです。

「それにね、男性は性欲が極端に落ちているの。だからユウタ君みたいにいっぱいピュッピュ出来る人はレアなのよね~」

「うぅ……」

 夏子さんには2回もピュッピュして貰っちゃったので恥ずかしいです。それよりも、この世界の男性は性欲が強くないのか……。二人みたいに綺麗な女性がいっぱいいるのに勿体ないなぁ。

「そして男性は、最低2週間に一度の搾精が義務付けられているの。その代わりに色々と国から保護されている感じね。搾精した精液の使用に応じて別途お金が振り込まれますし、男性っていうだけで半分遊んで暮らせるわよ~」

「ご、ゴクリ……」

「そういう事だから男性であるユウタ君には明日、うちの病院で健康診断と精液検査をして貰います」

「エッッッ!」

 つまりボクは、明日病院に行ってピュッピュするって事だろうか? どんな検査をするのだろう。夏子さんとお医者さんごっこですか!?

 興奮していたら、喉が渇いてしまった。お酒を飲みながらふと思い出した。コーラとか買ってあったな。こっちの世界にもあるのだろうか? 

 ボクはビニール袋をテーブルの上に置き、ボクの世界の事を話してみた。

「このコーラっていう飲み物が世界的に有名な炭酸飲料です。こっちにもありますか?」

「そうね~。こんなジュースは見た事が無いわ。やっぱり違うのね」

「そうですか……。もうこれからは飲めないのかなぁ」

 あれ、ボクはいつの間にか元の世界に帰らない感じで話してしまった。男性優遇という素敵な情報を聞いてしまい、もう帰れなくても良いかなって思ってしまったのだ。残念ながら元の世界に家族は居ないし、恋人だって居ないのである。どうせ戻ったとしても社畜だろうし、うまく行けばこの国でサポートを受けることが出来るのではないだろうか? この世界の女性はみんな綺麗だし、何より優しそうだ。

「お友達に食品開発してる人がいるのよ。良かったらこれ渡して似たようなものを作って貰いましょうか?」

「良いんですか!?」

「うふふ……完成した暁には、ユウタ君に試飲をお願いしますね」

「楽しみに待ってます!」

 世界が違うなら、特許とか大丈夫だよね!!

「あとこれがポテチです。そうだ、お酒のつまみに開けちゃいましょう!」

 ボクはポテチの袋をバリバリ破り捨て、桜さんが用意してくれたお皿にドバっと出した。3人で食べるにはちょっと量が少ないけど、我慢してもらおう。昔はもっとたっぷりと入っていたのに、今は袋の大半が空気だよね……。

「美味しいわね~」

「……いつも食べるものより食感が良いです」

 どうやら気に入って貰えたようです。よし、次は漫画雑誌を見せてみよう。

「これがボクの世界で人気のある週間少年誌ですね」

「こっちの世界では漫画文化は余り進んでいないから、ちょっと新鮮ね~」

「……興味深いです」

 どうやら桜さんはお気に召したようで、没頭して読んでいる。ふぅ、ボクの説明はこんなところで良いかな……。あとは今後についてだな。

「あの、夏子さん。ボクはこれからどうしたら良いのでしょうか……?」

「そうね~……」

 やはり夏子さんでも難しいよね。だって、この世界にボクの戸籍が無いのです。今まで生きてきた証が無い以上、ボクはこの国のサポートを受けたくても受けれないかもしれない。

「ユウタ君を拾った責任もあるし、今すぐに捨てたりしないから安心して頂戴ね」

「……ありがとうございます!」

 夏子さんに拾って貰えるなら何だってしますよ! ペロペロ舐めろと言われれば、全身ペロペロさせて頂きます!!

 ふぅ、変な世界に迷い込んでしまいどうなる事かと思ったけど、良い人達に拾われた。運が良かったな!

 そう思っていたら、静かに週刊誌を読んでいたと思われる桜さんから爆弾発言があった。






「……あの、ユウタさん。この本について説明して頂けないでしょうか?」

 桜さんの手には、『月刊めちゃシコ!! 8月号』が握られていたのだった。
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