624 / 661
第18章 新章(仮)
第620話 原チャで缶蹴り?
しおりを挟む
勇者たちのいる場所から飛び去った東西南北は、不完全燃焼極まりない顔で不機嫌さを露わにしていたが、なけなしの戦利品として南足を手中に収めたので、僅かばかり溜飲を下げることができていた。
その南足はドラゴンに掴まれて運ばれるという、人生初のビクビク恐怖体験をしているのだが、そのことよりも元の場所へ戻してもらうため気を強く持ち、東西南北に向かって声を張り上げていた。
「ちょっと、聞いてるの?! 早く私を元の場所へ帰してよ!」
だが、ブラックドラゴンとブラウンドラゴンが並行して飛んでいることにより、ブラウンドラゴンの手に掴まれている南足は、ブラックドラゴンの背に座っている東西南北を見上げながら主張することになるため、そのせいで如何せん首が疲れて痛い。
それゆえに、そろそろ何か反応が欲しいと思っていたところ、ようやく東西南北が言葉を返してきた。
「お前は俺の性奴隷1号なんだから、帰すわけがねぇだろ」
自身の欲望を隠そうともしない東西南北がそう言うと、南足はあからさまに顔を顰め、批難の声を上げる。
「なに言ってんのよ、このクズ! 誰があんたなんかの性奴隷になるか! 女とヤリたきゃそこら辺の娼婦を買うか、奴隷を買えばいいでしょ!」
「てめぇ……」
勇者たちとの邂逅を果たした東西南北が、自身の思い描いていた結果とは全く似ても似つかない散々な結果で終わり、それゆえに不機嫌になっていたところでの南足からの罵声である。
当然のことながら傲岸不遜な東西南北が、罵声を浴びせられてそのままで終わらせるわけがない。
ゆえに、東西南北の取った行動は、まず、飛行していたドラゴンたちにその場で滞空するよう指示を出したことだ。
それから東西南北がブラウンドラゴンに念話を送ると、ブラウンドラゴンは東西南北と南足の目線が合うように、ブラックドラゴンより少し高い位置に移動した。
「主人に逆らった奴隷がどういう目に遭うか、存分に思い知れ」
そう言い放つ東西南北だが南足にしてみれば、奴隷にもなっていないうちから主人面する東西南北に対して嫌悪しかない。そもそも、端から東西南北の奴隷になんてなるつもりもないが。
そのような中で、東西南北の言葉が開始の合図だと言わんばかりに、南足を掴んでいるブラウンドラゴンが行動に移した。
「ひっ――!!」
次の瞬間、南足の顔が最大限に引き攣る。
それは何故か。
なんてことはない。
何故ならば、東西南北がブラウンドラゴンに指示したのは、南足を掴んでいる手を開くというものだからだ。
物を掴んでいる手を開く。そうすると当然のことながら、手の中にある物は重力に従って落ちるしかない。
基本的に手を加えていない物は上から下へ向かって落ちる。重力の仕組みがわからずとも、子供でも答えられる簡単な理屈だ。
それにより南足は、パラシュート無しのスカイダイビングを体験する羽目になる。
風を切りながら真っ逆さまに落ちる南足。視界に広がるのは遥か下に見える大地だ。命懸けの行為と言うよりも、命を捨てる行為を強制させられている南足の心境は計り知れない。
そして、地面へと落ちゆく南足が失神しかけたその瞬間、重力のかかった体が強制的に止められたことにより、うめき声を上げながら落ちかけていた意識が再浮上する。
それにより茫然自失と化した南足が、恐怖によってガチガチと歯を震わせていると、落ちる途中で掴み直したブラウンドラゴンが元の位置へと上昇していく。
それを迎えるのは、愉悦の笑みを浮かべた東西南北だ。
「身の程を思い知ったか?」
圧倒的優位性を確立している東西南北が、ニヤニヤとしながら南足にそう問いかけるが、当の南足は反応できない。
先程まで死と隣合わせの体験をさせられていたのだ。まともな受け応えができる状況でないのは、誰の目にも明らかであろう。
だが、先程まで罵声を浴びせられていた東西南北は、今の南足の様子を目にすると楽しくてしょうがない。傍から見てもわかるほどの優越感に浸りきるその姿は、まさにゲス街道まっしぐらである。
それからの東西南北の行動は、勇者たちとの邂逅で溜まった鬱憤を晴らすかのごとく数度同じことを繰り返し、その仕打ちを受けた南足は顔面蒼白と化しており、最初の威勢は見る影もない。
そのことに満足のいった東西南北は、南足に対して教育という名の八つ当たりをやめた。
そして、自身の乗るブラックドラゴンの背に南足を降ろさせると、意気消沈してへたりこんでいる南足を隣に侍らせた。
「ハハッ! いいザマだな」
そう言う東西南北が南足の肩に手を回すと、南足はなけなしの元気でパシッと払い除けるが、東西南北からの脅しでビクッと肩を震わせることになる。
「また落ちたいのか? 今度はそのまま地面に直撃するかもしれないぞ」
たとえ途中でドラゴンに掴まれると知っていても、自分の意思とは関係なくスカイダイブさせられるのは、南足にとって避けたい行為である。
その上、今度はドラゴンに掴ませることなく、そのまま落ちるという脅しをかけられたのだ。
南足は東西南北が何を考えているのかわからないし、理解したいとも思わないため、本当にするかもしれないという僅かな疑念が頭をよぎると、自身の命と天秤にかけ、泣く泣く好きでもない男に肩を抱かれる行為を容認するしかなかった。
「アオ、終わりか?」
そこで声をかけたのは、今まで成り行きを見守っていたダーメである。
「ああ、奴隷の教育はご主人様の務めだからな。躾ってのは何事も最初が肝心なんだ。甘い顔を見せるとつけ上がるし、徹底してどっちが上なのかをわからせたら終わりだ」
「で、あの中からその女を選んだ理由は?」
そう言うダーメは粗方の予想をつけていたが、最終的に決め手となった理由には検討もつかないので、南足のことは単純に好みだったのだろうと考えていた。
「そんなの簡単だ。魔術師ってのは自身を守るすべってのを持たないからな。こいつらの独壇場は、仲間の影でしか強気になれない遠距離だけだ」
「やはりか」
「あとはこれだな」
そう言った東西南北が南足の肩から手を離すと、おもむろに胸を揉みしだきだした。
「なっ――!?」
南足が予想だにしないことに驚く中で、東西南北はニヤケ面を隠そうともせずダーメとの会話を続ける。
「ほら、こいつのでけぇだろ? こんだけありゃ、パイズリが楽にできるってもんだ」
「汚い手で触らないで!!」
肩を抱かれた先程とは違い、明確な意志を持ってパシンっと強く払い除けた南足に対し、イラッとした東西南北はやはり同じことを繰り返し伝えた。
「そんなに死にたいのか?」
その怒気を孕んだ声を耳にした南足が怯むと、東西南北はそれを了承と受け取ったのか、教育の意味も込めて先程の感触を楽しんでいた時とは違い、力強く揉み始める。
「いっ、痛い!」
ローブの下に着込んでいた服が、しわくちゃになるくらいの力強さで胸を揉まれる南足は嫌悪感でいっぱいになるが、命を握られて何もできない今の状況が悔しくて、ついには涙を流し始めた。
「っ……誰か……助けて……」
だが、その呟きを聞いた東西南北は、追い打ちをかけるようにして、南足に告げるのだった。
「こんな空を飛んでいる所に誰も助けに来ねぇよ。お前らの中でドラゴンを使役している奴でもいるのか? いるわけねぇよなあ? いたらあの場にドラゴンがいるはずだし」
東西南北の言った“ドラゴン”という単語によって思い出したのか、南足は一縷の望みをかけて言い返した。
「く……来るわよ! あの赤いドラゴンはあんたを殺すって言ってたんだから!」
「は? 馬鹿かお前。ドラゴンが襲いに来たらお前も助かる前に死ぬぞ。当然戦闘になれば戦うのはこの空なんだからな。振り落とされて地面に真っ逆さまだ」
そのことが容易に想像できたのか、南足はまた黙ってしまったが、それに気を良くした東西南北が更に追い打ちをかける。
「そんなことよりも、お前……小便漏らしたのか? ズボンが変色してるじゃないか。スカイダイビングがそんなに嬉しかったとはな。まさに嬉ションってやつか」
南足が今まではバレないようにローブで隠していたものの、東西南北からローブをめくられ胸を揉まれたことによって、その事実が浮き彫りとなってしまった。
「ったく、排泄の躾からしなきゃいけないなんて、お前は奴隷枠どころじゃなくて犬猫みたいなペット枠だな。俺様が抱く時には嬉ションなんてしてくれるなよ? 潮吹きなら歓迎するが」
その言葉に対して南足は羞恥に顔を赤く染め、これから起こりうるであろう強姦に絶望し、ポロポロと流れる涙が止まらない。
何故ならば嫌悪する男に好き勝手胸を揉まれ、それだけでも嫌なのに、更には失禁してしまったことまで知られてしまった上に、レイプ予告までされてしまったのだ。
もういっそのこと、ここから飛び降りようかという思考すら頭をかすめてしまう。
そのような後ろ向きな思考によって南足の頭の中が侵食されていく中で、東西南北はそのようなことも露知らず、自分たちのホームとなる魔大陸に向けて飛んでいくのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ところかわって、マリアンヌたちのいる場所には、マリアンヌから呼び出されたケビンが魔大陸から転移してきた。
「――ということなの」
「そりゃまた凄いことになったな」
緊急事態ということで、すぐさま勇者ごっこを中断して転移してきたケビンにマリアンヌが説明を終えると、ケビンは俺TUEEEE君に手を貸すやつがいたことに驚いていた。
「んで、アレはずっとやってるのか?」
そう言うケビンが視線を向ける先には、思いのほか粘って倒れない九鬼との戦いが楽しくなり、一方的にボコるつもりがつい長々と“かわいがり”を続けている紅の長の姿があった。
ちなみに、その戦いに熱狂して声を上げているのは、この場においてただ1人。紅の長をカッコイイと思っている月出里だけだった。
そのこともあってか、熱狂する月出里の声援によって、紅の長が調子に乗っている可能性も否定できない。
「そうだの。相変わらずの馬鹿で、殺そうとしていた相手が逃げたことにも気づいとりゃせん」
「はぁぁ……」
ケビンとしては九鬼にとっても良い経験となるので、クララがけしかけたのは問題ないとしても、紅の長の視野があそこまで狭窄しなければ、そもそも南足が連れ去られることもなかったのではないかと思うと、呆れ果ててしまい物も言えない状態となる。
かと言って、このまま放置というわけにもいかないので、仕方なくケビンが紅の長を止めることにしたのだった。
そして、ふらっと歩き始めたケビンに皆が視線を向けると、次の瞬間には紅の長と九鬼の間に入り、攻撃を放っていた紅の長の拳をパシッと受け止めていた。
「と……止めたぁぁぁぁ??!!」
それに対して声を上げたのは、千喜良の代わりと言わんばかりに叫び役となっている小鳥遊だ。勇者である能登が簡単に殺されると言われていた格上ドラゴンの攻撃を止めたことによって、小鳥遊の驚きが天元突破している。
その驚きようは他の勇者たちも同様であり、ケビンの強さの底が見えないことに動揺を隠せない。
だが、結局のところ、最終的には“ケビンだから”で落ち着いてしまう小鳥遊及び勇者たちなのである。
「久しぶりだな、紅の長」
「てっ……てめぇは!?」
自分の拳をいとも容易く止めて見せたケビンの登場に、楽しい“かわいがり”から一変、紅の長があからさまに狼狽する。
「け……ケビン……さん……ゼェゼェ……来たならすぐ……止めて……ゴホッゴホッ……ください……よ……」
息も絶え絶えになり満身創痍でケビンに向かって抗議する九鬼だが、それを聞いたケビンが振り返ると、相も変わらずなケビンイズムを披露した。
「良い経験になっただろ? ドラゴンの長を張るだけあって、強さがそこら辺のヤツらとは一線を画している。世の中は広いってことだな」
「こ……こんな……命懸けの経験は……ハァハァ……遠慮……します……ケビンさんと……ダンジョンで充分……うっぷ……」
「そう言うな。こいつと戦おうとしたら舎弟をボコり続けるか、集落まで行って喧嘩を売るしかないんだからな。滅多にない機会だぞ?」
そう言ってケビンが九鬼を回復させると、九鬼はようやく終わったのだと安堵のため息をつく。
「で、紅の長」
「な、何だ?! 俺様は拳で語り合っただけで殺してないからな! てめぇから文句を言われる筋合いはねぇぞ! 俺様を責めるなら白のやつも同罪だぞ!」
あからさまにケビンからの報復を恐れている紅の長は、クララさえも巻き添えにしてしまえと名前を出したが、それを遠巻きに見ているクララは『殴ってやろうか』という思いが頭をよぎる。
更には、同じくその言葉を聞いた九鬼は「語り合ってない! 一方的に語られただけだ!」と抗議したかったが、それならそれで「語り合ってみるか?」とケビンから言われそうなので、すんでのところでその言葉を飲み込んだ。
「知ってるか? お前の獲物はもう逃げ出した後だぞ?」
「…………は?」
そこでようやく紅の長が自分の獲物に関して思い出し始めると、東西南北がふんぞり返っていた場所に視線を移し、そこに誰もいないことに今更ながらに気づいてしまった。
「あれ……?」
「クキが骨のあるやつで楽しくなるのは仕方がないがな、お前が狩ろうとしていた獲物の動向くらいは把握しておけよ。舎弟たちが今のお前の姿を見たら幻滅するぞ?」
「な……え……あ、あいつは何処に行ったぁぁぁぁ?!」
「そんなの俺が知るかよ。このマヌケめ」
「あの野郎、なんて小賢しい下等生物なんだ! この俺様を欺きやがって! これだから缶蹴り原チャは嫌いなんだ!」
「…………缶蹴り原チャ? おい、九鬼。こいつ、何言ってんだ? 最近の日本って原チャで缶蹴りするのか?」
「そんな危険極まりない遊びがあるはずないでしょ! 何言ってるのか僕にだってわかりませんよ!」
紅の長の発言にケビンは首を傾げ、通訳を無茶振りされた九鬼も意味不明な発言に頭を悩ませる。
「缶蹴り原チャ……缶蹴り原チャ……んー……」
考えれば考えるほど、原チャで缶蹴りをしている危険な光景が頭の中を占めていき、ケビンは意味不明な発言によって難解な袋小路に追い詰められてしまう。
「おい、紅の長」
「何だ?!」
「それはこっちのセリフだ。缶蹴り原チャって何だ?」
結局のところケビンの取った行動は、本人に説明させるというものであった。
「缶蹴り原チャも知らねぇのか!? 馬鹿だろ、てめぇ」
馬鹿に馬鹿にされるという屈辱的な体験をしてしまったケビンは、紅の長を殴り飛ばしたくなる気持ちをどうにか押さえ込むことに成功すると、先程から頭を悩ませている“缶蹴り原チャ”についての説明をさせた。
「仕方がねぇ、馬鹿なてめぇにもわかるよう、この俺様が教授してやる」
「ぐっ……」
「ケビンさん堪えて。僕も缶蹴り原チャが何なのか気になって、夜も寝られなくなりそうですから」
「クククッ……てめぇも知らねぇのか、中等生物」
いつの間にか下等生物から中等生物にランクアップしていた九鬼は、そっちの要素も気になるが、今は缶蹴り原チャが最優先。そして、大人しく説明を待っていると、紅の長は誇らしげに語り出した。
「いいか? 缶蹴り原チャってのはな、頭のいいやつのことを指す言葉だ。知識人とか言って鼻にかけやがって、男は強く度胸があればいいんだ! 非力な頭でっかちなんぞより、この俺様の拳の方がもっとすげぇ!」
「知識人……?」
「……知識人って言いましたね」
『マスター、恐らく目の前の馬鹿は、“インテリゲンチャ”のことを言いたいのかと。世間一般で言われている“インテリ”の語源ですね』
『えっ!? あれって“インテリジェンス”の略じゃなかったの!?』
『ああ、確かに“インテリジェンス”は、“知能”や“知性”って意味がありますからね。よく間違われていますが、語源はロシア語の“インテリゲンチャ”です』
『へぇへぇへぇ――』
『やった! 10へぇ獲得した!』
サナからのトリビア説明を受けたケビンは、その受け売りを九鬼に説明したところで1へぇを獲得すると、そこでハッと我に返ってしまい盛大に得意顔の紅の長へ向けてツッコミを入れた。
「てか、夜行かよ!!」
よく難しい言葉(本人にとって)を、独自解釈によって“百鬼語録”と言われる特殊言語に作りかえる百鬼夜行。今まさに、ケビンは目の前にいる紅の長が、その百鬼と被って見えたのだった。
「ああ、あいつも変な日本語を使いますよね。むしろ、日本語枠に入れたくない。同じ日本人として恥ずかしい」
そう言う九鬼の言葉に対して、ケビンは自ら抱える借金奴隷の1人でもあるためか、あれはあれで可愛いところもあるのだとフォローを入れるも、九鬼にとってはどうでもいいことだった。
そんなこんなで“缶蹴り原チャ”の謎が解けた2人は、それによって更なる謎を抱え込んでしまう。
「僕、思ったんですけど……」
「言うな。気になって夜に眠れなくなるぞ」
「いや、既に思っている時点で眠れないのが確定しているのと、それを察しているケビンさんも恐らく眠れないですよね?」
「くっ……確かに……」
「なので、言っちゃいます。何で紅の長はロシア語を知っているんですか? 間違って覚えていましたけど、意味もしっかりと理解していましたよね?」
「そ……それは……そ、そうだ! 過去の転生、もしくは転移者にロシア人がいたんだ! そうに違いない! それか、まさにインテリを気取った日本人が教えたに決まっている!」
「仮にそうだとして……“缶蹴り”と“原チャ”って、この世界にないですよね? あの単語は何処から来たんでしょう?」
「ぐあああああ! これ以上、深淵に触れるな! 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているんだぞ!」
謎が謎を呼ぶ負のスパイラルに突入した2人の会話は、ケビンが絶叫をあげることによって強制的に終了となる。その絶叫を聞いた紅の長が、ビクッと反応してしまったのは言うまでもないが。
それから、なんだかんだで紅の長の暴走を止めたケビンは、マリアンヌから請われた南足の動向を探ることにしたのであった。
その南足はドラゴンに掴まれて運ばれるという、人生初のビクビク恐怖体験をしているのだが、そのことよりも元の場所へ戻してもらうため気を強く持ち、東西南北に向かって声を張り上げていた。
「ちょっと、聞いてるの?! 早く私を元の場所へ帰してよ!」
だが、ブラックドラゴンとブラウンドラゴンが並行して飛んでいることにより、ブラウンドラゴンの手に掴まれている南足は、ブラックドラゴンの背に座っている東西南北を見上げながら主張することになるため、そのせいで如何せん首が疲れて痛い。
それゆえに、そろそろ何か反応が欲しいと思っていたところ、ようやく東西南北が言葉を返してきた。
「お前は俺の性奴隷1号なんだから、帰すわけがねぇだろ」
自身の欲望を隠そうともしない東西南北がそう言うと、南足はあからさまに顔を顰め、批難の声を上げる。
「なに言ってんのよ、このクズ! 誰があんたなんかの性奴隷になるか! 女とヤリたきゃそこら辺の娼婦を買うか、奴隷を買えばいいでしょ!」
「てめぇ……」
勇者たちとの邂逅を果たした東西南北が、自身の思い描いていた結果とは全く似ても似つかない散々な結果で終わり、それゆえに不機嫌になっていたところでの南足からの罵声である。
当然のことながら傲岸不遜な東西南北が、罵声を浴びせられてそのままで終わらせるわけがない。
ゆえに、東西南北の取った行動は、まず、飛行していたドラゴンたちにその場で滞空するよう指示を出したことだ。
それから東西南北がブラウンドラゴンに念話を送ると、ブラウンドラゴンは東西南北と南足の目線が合うように、ブラックドラゴンより少し高い位置に移動した。
「主人に逆らった奴隷がどういう目に遭うか、存分に思い知れ」
そう言い放つ東西南北だが南足にしてみれば、奴隷にもなっていないうちから主人面する東西南北に対して嫌悪しかない。そもそも、端から東西南北の奴隷になんてなるつもりもないが。
そのような中で、東西南北の言葉が開始の合図だと言わんばかりに、南足を掴んでいるブラウンドラゴンが行動に移した。
「ひっ――!!」
次の瞬間、南足の顔が最大限に引き攣る。
それは何故か。
なんてことはない。
何故ならば、東西南北がブラウンドラゴンに指示したのは、南足を掴んでいる手を開くというものだからだ。
物を掴んでいる手を開く。そうすると当然のことながら、手の中にある物は重力に従って落ちるしかない。
基本的に手を加えていない物は上から下へ向かって落ちる。重力の仕組みがわからずとも、子供でも答えられる簡単な理屈だ。
それにより南足は、パラシュート無しのスカイダイビングを体験する羽目になる。
風を切りながら真っ逆さまに落ちる南足。視界に広がるのは遥か下に見える大地だ。命懸けの行為と言うよりも、命を捨てる行為を強制させられている南足の心境は計り知れない。
そして、地面へと落ちゆく南足が失神しかけたその瞬間、重力のかかった体が強制的に止められたことにより、うめき声を上げながら落ちかけていた意識が再浮上する。
それにより茫然自失と化した南足が、恐怖によってガチガチと歯を震わせていると、落ちる途中で掴み直したブラウンドラゴンが元の位置へと上昇していく。
それを迎えるのは、愉悦の笑みを浮かべた東西南北だ。
「身の程を思い知ったか?」
圧倒的優位性を確立している東西南北が、ニヤニヤとしながら南足にそう問いかけるが、当の南足は反応できない。
先程まで死と隣合わせの体験をさせられていたのだ。まともな受け応えができる状況でないのは、誰の目にも明らかであろう。
だが、先程まで罵声を浴びせられていた東西南北は、今の南足の様子を目にすると楽しくてしょうがない。傍から見てもわかるほどの優越感に浸りきるその姿は、まさにゲス街道まっしぐらである。
それからの東西南北の行動は、勇者たちとの邂逅で溜まった鬱憤を晴らすかのごとく数度同じことを繰り返し、その仕打ちを受けた南足は顔面蒼白と化しており、最初の威勢は見る影もない。
そのことに満足のいった東西南北は、南足に対して教育という名の八つ当たりをやめた。
そして、自身の乗るブラックドラゴンの背に南足を降ろさせると、意気消沈してへたりこんでいる南足を隣に侍らせた。
「ハハッ! いいザマだな」
そう言う東西南北が南足の肩に手を回すと、南足はなけなしの元気でパシッと払い除けるが、東西南北からの脅しでビクッと肩を震わせることになる。
「また落ちたいのか? 今度はそのまま地面に直撃するかもしれないぞ」
たとえ途中でドラゴンに掴まれると知っていても、自分の意思とは関係なくスカイダイブさせられるのは、南足にとって避けたい行為である。
その上、今度はドラゴンに掴ませることなく、そのまま落ちるという脅しをかけられたのだ。
南足は東西南北が何を考えているのかわからないし、理解したいとも思わないため、本当にするかもしれないという僅かな疑念が頭をよぎると、自身の命と天秤にかけ、泣く泣く好きでもない男に肩を抱かれる行為を容認するしかなかった。
「アオ、終わりか?」
そこで声をかけたのは、今まで成り行きを見守っていたダーメである。
「ああ、奴隷の教育はご主人様の務めだからな。躾ってのは何事も最初が肝心なんだ。甘い顔を見せるとつけ上がるし、徹底してどっちが上なのかをわからせたら終わりだ」
「で、あの中からその女を選んだ理由は?」
そう言うダーメは粗方の予想をつけていたが、最終的に決め手となった理由には検討もつかないので、南足のことは単純に好みだったのだろうと考えていた。
「そんなの簡単だ。魔術師ってのは自身を守るすべってのを持たないからな。こいつらの独壇場は、仲間の影でしか強気になれない遠距離だけだ」
「やはりか」
「あとはこれだな」
そう言った東西南北が南足の肩から手を離すと、おもむろに胸を揉みしだきだした。
「なっ――!?」
南足が予想だにしないことに驚く中で、東西南北はニヤケ面を隠そうともせずダーメとの会話を続ける。
「ほら、こいつのでけぇだろ? こんだけありゃ、パイズリが楽にできるってもんだ」
「汚い手で触らないで!!」
肩を抱かれた先程とは違い、明確な意志を持ってパシンっと強く払い除けた南足に対し、イラッとした東西南北はやはり同じことを繰り返し伝えた。
「そんなに死にたいのか?」
その怒気を孕んだ声を耳にした南足が怯むと、東西南北はそれを了承と受け取ったのか、教育の意味も込めて先程の感触を楽しんでいた時とは違い、力強く揉み始める。
「いっ、痛い!」
ローブの下に着込んでいた服が、しわくちゃになるくらいの力強さで胸を揉まれる南足は嫌悪感でいっぱいになるが、命を握られて何もできない今の状況が悔しくて、ついには涙を流し始めた。
「っ……誰か……助けて……」
だが、その呟きを聞いた東西南北は、追い打ちをかけるようにして、南足に告げるのだった。
「こんな空を飛んでいる所に誰も助けに来ねぇよ。お前らの中でドラゴンを使役している奴でもいるのか? いるわけねぇよなあ? いたらあの場にドラゴンがいるはずだし」
東西南北の言った“ドラゴン”という単語によって思い出したのか、南足は一縷の望みをかけて言い返した。
「く……来るわよ! あの赤いドラゴンはあんたを殺すって言ってたんだから!」
「は? 馬鹿かお前。ドラゴンが襲いに来たらお前も助かる前に死ぬぞ。当然戦闘になれば戦うのはこの空なんだからな。振り落とされて地面に真っ逆さまだ」
そのことが容易に想像できたのか、南足はまた黙ってしまったが、それに気を良くした東西南北が更に追い打ちをかける。
「そんなことよりも、お前……小便漏らしたのか? ズボンが変色してるじゃないか。スカイダイビングがそんなに嬉しかったとはな。まさに嬉ションってやつか」
南足が今まではバレないようにローブで隠していたものの、東西南北からローブをめくられ胸を揉まれたことによって、その事実が浮き彫りとなってしまった。
「ったく、排泄の躾からしなきゃいけないなんて、お前は奴隷枠どころじゃなくて犬猫みたいなペット枠だな。俺様が抱く時には嬉ションなんてしてくれるなよ? 潮吹きなら歓迎するが」
その言葉に対して南足は羞恥に顔を赤く染め、これから起こりうるであろう強姦に絶望し、ポロポロと流れる涙が止まらない。
何故ならば嫌悪する男に好き勝手胸を揉まれ、それだけでも嫌なのに、更には失禁してしまったことまで知られてしまった上に、レイプ予告までされてしまったのだ。
もういっそのこと、ここから飛び降りようかという思考すら頭をかすめてしまう。
そのような後ろ向きな思考によって南足の頭の中が侵食されていく中で、東西南北はそのようなことも露知らず、自分たちのホームとなる魔大陸に向けて飛んでいくのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ところかわって、マリアンヌたちのいる場所には、マリアンヌから呼び出されたケビンが魔大陸から転移してきた。
「――ということなの」
「そりゃまた凄いことになったな」
緊急事態ということで、すぐさま勇者ごっこを中断して転移してきたケビンにマリアンヌが説明を終えると、ケビンは俺TUEEEE君に手を貸すやつがいたことに驚いていた。
「んで、アレはずっとやってるのか?」
そう言うケビンが視線を向ける先には、思いのほか粘って倒れない九鬼との戦いが楽しくなり、一方的にボコるつもりがつい長々と“かわいがり”を続けている紅の長の姿があった。
ちなみに、その戦いに熱狂して声を上げているのは、この場においてただ1人。紅の長をカッコイイと思っている月出里だけだった。
そのこともあってか、熱狂する月出里の声援によって、紅の長が調子に乗っている可能性も否定できない。
「そうだの。相変わらずの馬鹿で、殺そうとしていた相手が逃げたことにも気づいとりゃせん」
「はぁぁ……」
ケビンとしては九鬼にとっても良い経験となるので、クララがけしかけたのは問題ないとしても、紅の長の視野があそこまで狭窄しなければ、そもそも南足が連れ去られることもなかったのではないかと思うと、呆れ果ててしまい物も言えない状態となる。
かと言って、このまま放置というわけにもいかないので、仕方なくケビンが紅の長を止めることにしたのだった。
そして、ふらっと歩き始めたケビンに皆が視線を向けると、次の瞬間には紅の長と九鬼の間に入り、攻撃を放っていた紅の長の拳をパシッと受け止めていた。
「と……止めたぁぁぁぁ??!!」
それに対して声を上げたのは、千喜良の代わりと言わんばかりに叫び役となっている小鳥遊だ。勇者である能登が簡単に殺されると言われていた格上ドラゴンの攻撃を止めたことによって、小鳥遊の驚きが天元突破している。
その驚きようは他の勇者たちも同様であり、ケビンの強さの底が見えないことに動揺を隠せない。
だが、結局のところ、最終的には“ケビンだから”で落ち着いてしまう小鳥遊及び勇者たちなのである。
「久しぶりだな、紅の長」
「てっ……てめぇは!?」
自分の拳をいとも容易く止めて見せたケビンの登場に、楽しい“かわいがり”から一変、紅の長があからさまに狼狽する。
「け……ケビン……さん……ゼェゼェ……来たならすぐ……止めて……ゴホッゴホッ……ください……よ……」
息も絶え絶えになり満身創痍でケビンに向かって抗議する九鬼だが、それを聞いたケビンが振り返ると、相も変わらずなケビンイズムを披露した。
「良い経験になっただろ? ドラゴンの長を張るだけあって、強さがそこら辺のヤツらとは一線を画している。世の中は広いってことだな」
「こ……こんな……命懸けの経験は……ハァハァ……遠慮……します……ケビンさんと……ダンジョンで充分……うっぷ……」
「そう言うな。こいつと戦おうとしたら舎弟をボコり続けるか、集落まで行って喧嘩を売るしかないんだからな。滅多にない機会だぞ?」
そう言ってケビンが九鬼を回復させると、九鬼はようやく終わったのだと安堵のため息をつく。
「で、紅の長」
「な、何だ?! 俺様は拳で語り合っただけで殺してないからな! てめぇから文句を言われる筋合いはねぇぞ! 俺様を責めるなら白のやつも同罪だぞ!」
あからさまにケビンからの報復を恐れている紅の長は、クララさえも巻き添えにしてしまえと名前を出したが、それを遠巻きに見ているクララは『殴ってやろうか』という思いが頭をよぎる。
更には、同じくその言葉を聞いた九鬼は「語り合ってない! 一方的に語られただけだ!」と抗議したかったが、それならそれで「語り合ってみるか?」とケビンから言われそうなので、すんでのところでその言葉を飲み込んだ。
「知ってるか? お前の獲物はもう逃げ出した後だぞ?」
「…………は?」
そこでようやく紅の長が自分の獲物に関して思い出し始めると、東西南北がふんぞり返っていた場所に視線を移し、そこに誰もいないことに今更ながらに気づいてしまった。
「あれ……?」
「クキが骨のあるやつで楽しくなるのは仕方がないがな、お前が狩ろうとしていた獲物の動向くらいは把握しておけよ。舎弟たちが今のお前の姿を見たら幻滅するぞ?」
「な……え……あ、あいつは何処に行ったぁぁぁぁ?!」
「そんなの俺が知るかよ。このマヌケめ」
「あの野郎、なんて小賢しい下等生物なんだ! この俺様を欺きやがって! これだから缶蹴り原チャは嫌いなんだ!」
「…………缶蹴り原チャ? おい、九鬼。こいつ、何言ってんだ? 最近の日本って原チャで缶蹴りするのか?」
「そんな危険極まりない遊びがあるはずないでしょ! 何言ってるのか僕にだってわかりませんよ!」
紅の長の発言にケビンは首を傾げ、通訳を無茶振りされた九鬼も意味不明な発言に頭を悩ませる。
「缶蹴り原チャ……缶蹴り原チャ……んー……」
考えれば考えるほど、原チャで缶蹴りをしている危険な光景が頭の中を占めていき、ケビンは意味不明な発言によって難解な袋小路に追い詰められてしまう。
「おい、紅の長」
「何だ?!」
「それはこっちのセリフだ。缶蹴り原チャって何だ?」
結局のところケビンの取った行動は、本人に説明させるというものであった。
「缶蹴り原チャも知らねぇのか!? 馬鹿だろ、てめぇ」
馬鹿に馬鹿にされるという屈辱的な体験をしてしまったケビンは、紅の長を殴り飛ばしたくなる気持ちをどうにか押さえ込むことに成功すると、先程から頭を悩ませている“缶蹴り原チャ”についての説明をさせた。
「仕方がねぇ、馬鹿なてめぇにもわかるよう、この俺様が教授してやる」
「ぐっ……」
「ケビンさん堪えて。僕も缶蹴り原チャが何なのか気になって、夜も寝られなくなりそうですから」
「クククッ……てめぇも知らねぇのか、中等生物」
いつの間にか下等生物から中等生物にランクアップしていた九鬼は、そっちの要素も気になるが、今は缶蹴り原チャが最優先。そして、大人しく説明を待っていると、紅の長は誇らしげに語り出した。
「いいか? 缶蹴り原チャってのはな、頭のいいやつのことを指す言葉だ。知識人とか言って鼻にかけやがって、男は強く度胸があればいいんだ! 非力な頭でっかちなんぞより、この俺様の拳の方がもっとすげぇ!」
「知識人……?」
「……知識人って言いましたね」
『マスター、恐らく目の前の馬鹿は、“インテリゲンチャ”のことを言いたいのかと。世間一般で言われている“インテリ”の語源ですね』
『えっ!? あれって“インテリジェンス”の略じゃなかったの!?』
『ああ、確かに“インテリジェンス”は、“知能”や“知性”って意味がありますからね。よく間違われていますが、語源はロシア語の“インテリゲンチャ”です』
『へぇへぇへぇ――』
『やった! 10へぇ獲得した!』
サナからのトリビア説明を受けたケビンは、その受け売りを九鬼に説明したところで1へぇを獲得すると、そこでハッと我に返ってしまい盛大に得意顔の紅の長へ向けてツッコミを入れた。
「てか、夜行かよ!!」
よく難しい言葉(本人にとって)を、独自解釈によって“百鬼語録”と言われる特殊言語に作りかえる百鬼夜行。今まさに、ケビンは目の前にいる紅の長が、その百鬼と被って見えたのだった。
「ああ、あいつも変な日本語を使いますよね。むしろ、日本語枠に入れたくない。同じ日本人として恥ずかしい」
そう言う九鬼の言葉に対して、ケビンは自ら抱える借金奴隷の1人でもあるためか、あれはあれで可愛いところもあるのだとフォローを入れるも、九鬼にとってはどうでもいいことだった。
そんなこんなで“缶蹴り原チャ”の謎が解けた2人は、それによって更なる謎を抱え込んでしまう。
「僕、思ったんですけど……」
「言うな。気になって夜に眠れなくなるぞ」
「いや、既に思っている時点で眠れないのが確定しているのと、それを察しているケビンさんも恐らく眠れないですよね?」
「くっ……確かに……」
「なので、言っちゃいます。何で紅の長はロシア語を知っているんですか? 間違って覚えていましたけど、意味もしっかりと理解していましたよね?」
「そ……それは……そ、そうだ! 過去の転生、もしくは転移者にロシア人がいたんだ! そうに違いない! それか、まさにインテリを気取った日本人が教えたに決まっている!」
「仮にそうだとして……“缶蹴り”と“原チャ”って、この世界にないですよね? あの単語は何処から来たんでしょう?」
「ぐあああああ! これ以上、深淵に触れるな! 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているんだぞ!」
謎が謎を呼ぶ負のスパイラルに突入した2人の会話は、ケビンが絶叫をあげることによって強制的に終了となる。その絶叫を聞いた紅の長が、ビクッと反応してしまったのは言うまでもないが。
それから、なんだかんだで紅の長の暴走を止めたケビンは、マリアンヌから請われた南足の動向を探ることにしたのであった。
21
お気に入りに追加
5,306
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる