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第17章 魔王軍との戦い

第548話 三国首脳会議

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 蒸し蒸しとしだした6月に旅の準備(溜めた執務の一斉消化)を終えたケビンは、非戦闘員のオリビアに魔大陸へ入るまでは帝城で待機するように伝えて、ティナ、ニーナ、アリス、クリス、シーラ、クララ、クズミを連れたら、ひとまず行ける範囲であるイグドラ亜人集合国の首都にあるクズミ邸へと転移した。そしてそこから先は徒歩で首都イグドラの外に出たら、魔大陸があると言われている西へ向かって歩き出していく。

「国境とかってあるのか?」

「ありますえ。裏話になるけどイグドラの亜人族と魔族領に住まう魔族は、こっそり交流してて交易があるんよ」

「へー」

「どちらも奴隷として狩られた存在で、温和な魔族もいてはるさかい。お互いに不可侵で不干渉のもと成り立ってます」

「つまり、今回の魔王騒動でも侵攻されないってことか?」

「それはわかりまへん。温和な方が魔王ならそれもあるんやけど、気性の荒いお方やったら関係なく攻められるやもしれまへんし、そもそもの狙いはセレスティア皇国やさかい、そっちに流れる方が多いとは思いますえ」

「うーん……うちはどうなんだろ……」

 クズミから商人ならでは裏話を聞かされたケビンは帝国領のことが気になり、そう呟いているところにクララがそれについて回答を差し出した。

「主殿の領土に攻め込むのは至難の業だの。帝国領に行く前の通り道にあるのはどの国も領土化していない未開発地区で、北の山脈はパレスだからのう。パレスの中を横切るわけではないが、パレスの南を軍で移動していたら、うちの者たちが代わりに駆除するであろうからの」

「大量のドラゴンたちの餌食になるわけか……敵からしてみたら地獄を見るわけだな」

「敵は驚くだろうの。主殿のおかげで認識阻害の結界があるから、何もないと思っていた場所より大量のドラゴンが現れるのだ。現場は大混乱間違いなしで、それはそれで面白そうだから見てみたい気もするがの」

「どの道そこへ辿りつくには、西の山脈を攻略しなきゃいけないだろ。トンネルを掘っていたら簡単に通過できそうだけど」

 そのような会話を続けながら歩き続けるケビンたちは、特に何もしていないというわけではなく、ちゃんと、と言うのもおかしな話だが魔物に適宜襲われており、その都度止まることなく流れ作業で倒していくと、後始末はケビンの【無限収納】の中に遠隔で回収している。

 それは見る者からしたら戦闘を舐めているのかと取られて怒られてしまいそうな光景だが、個々の戦闘力が高すぎて連携を取る以前に、単独撃破が可能な魔物しか出てきていないのが原因でもあるのだ。

「なんか冒険って感じがしないね」
「散歩?」
「ケビン様との散歩なら大歓迎です!」
「こうしたのんびりとする時間もたまにはいいねー」
「ケビンと一緒なら何でもいいわ!」

 目下ケビンと似た感じの魔物限定で舐めプをしてしまっているティナたちは、早くも冒険気分から逸脱して散歩気分に移り変わってしまったようである。

 そしてこの日は散歩日として決めてはいないが雰囲気的にそうなると、本当に散歩をしているかのようなペースでひたすら歩いていき、旅の1日目を終えるのであった。

 それから翌日になると初日の舐めプが加速してしまい、歩きではなくバイコーンを帝城から喚び出して馬車を繋ぎ、車上から寄ってきた魔物を狩るというゲームに成り変わってしまう。

 そのゲームは近距離、遠距離、魔法といった風に参加メンバーの攻撃手段がバラバラなので、ケビンが一括して魔法のみのルールと決めたら火災防止のため火属性と雷属性を禁止して、攻撃手段は水属性、風属性、土属性、光属性、闇属性となる。

 そして馬車もゲーム用として新たにケビンが創り出し、屋根のないオープンタイプとなっていて、バイコーンにスピードを上げないことと威圧を放たないように言いつけたら、舐めプの射撃ゲームがスタートする。

「あっ、外れた……」

「難しいです……」

「手加減しながら撃つというのは厄介よの」

「移動スピードのことも考えないとねー」

 やはりと言うかなんと言うか、日頃から武器を扱って戦う組と魔法を専門として戦う組とでは命中率に差が出るようで、ティナやアリス、そしてクララは射撃ゲームに苦戦しているが、そつなくこなしてしまうクリスはある程度の命中率を誇っていた。

「命中」

「ケビン見てた? お姉ちゃん当てたわよ!」

「こういう遊びやと戦闘も楽しなるなぁ」

 武器組に代わり魔法組は日頃から魔法を扱っていて慣れているのか、馬車で移動しながらの攻撃においても着実に当てていき、たとえ狙ったところに当てられなくても致命傷は確実に与えられているようである。

「この木が邪魔なのよ!」

「ティナは下手っぴ」

 的を狙うために配置されたわけではないが、天然の障害物となる生い茂る木々にティナがケチをつけていると、ニーナがそれをからかい始めてティナはやけくそ気味に魔法を放っていく。

 しかしながら、狙いもせずにやけくそ気味に放ったところでクリーンヒットするわけでもなく、更に外してはニーナによってからかわれるというのを繰り返していた。

 そして審判役でもあるケビンは撃ち漏らした魔物の後始末だったり、倒した魔物の回収係などをやっていて、楽しそうに遊んでいる嫁たちを横目に眺めては平和な1日を過ごしていくのである。

 それから数日も経つとイグドラと魔族領の国境沿いに到着してしまったので、ケビンは予め決めていた通りにオリビアとオフェリアを転移で連れてくる。

「じゃあ、魔族領に入ったらある程度の交渉は頼むな」

「お任せ下さい、ご主人様」

「里帰り~♪」

 その後、ケビンたちは冒険者や里帰りという名目で国境を越える際に、イグドラ側兵士から魔族領が不穏な状態になっているので、何かあっても自己責任ということを言いつけられ、くれぐれも注意を怠らないようにと重ね重ね忠告を受けた。

 そして、国境を越えると初めて入る魔族領にケビンは胸を躍らせて、キョロキョロと辺りを見渡してみるが、まだ国境を越えたばかりなのでイグドラと大して変わりのない風景しか視界には入ってこない。

「普通だな……」

「ここら辺はまだ魔素が濃くありませんので、どちらかと言うとイグドラ寄りの地域になります」

「魔素が濃くなるとどうなるんだ?」

「魔族領の奥地へと向かえば、ご主人様がお創りになられた魔王城みたいな景色に変わりますよ」

「あれか……」

 ケビンが偏見で創り上げた魔王城セットを思い浮かべると、魔族領はどうやら本当にそのような景色となるみたいで、早くそれが見てみたいと思いつつもケビンは馬車を進めていく。

 そしてその日はあまり進むことはなく適度なところで拓けた場所を見つけると、携帯ハウスで寝泊まりするのであった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 翌日の朝になると、朝食を食べていたケビンの元へ緊急の報せがケイトから届く。

『貴方、転移で今すぐ戻ってきてくれる?』

『何があった?』

『セレスティア皇国……と言うよりも、教団からの使者ね。謁見を求めているわ』

『マジかよ……せっかくいい気分で今日の冒険を楽しもうと思ってたのに……本当に空気を読まない奴らだな』

『こっちだって朝からバタバタだったのよ。いきなりやってきたかと思えば、門を通そうとした時にあなたの結界に引っかかって麻痺しちゃったんだから』

『馬鹿だな……』

『そのせいでプンスカ怒ってるわよ。正式なる使者に対して無礼だーって』

『結界のことは伝えたのか?』

『軽く伝えたわよ。悪意があれば入れない魔導具を設置しているって。それを聞いたら更にプンスカするのよ。そんな魔導具は存在しないって。もう、嫌になっちゃうわ』

『で、中には入れず門前で待ちぼうけといったところか?』

『そうね。今はアルフレッドが対応しているけど、その使者がずっと文句ばっかり言ってるし可哀想よ。後で労ってあげてね』

『わかった。馬鹿対応のボーナスをあげることにしよう』

 そこで通信を終えたケビンは同行者たちに事のあらましを伝えて、とりあえず戻ってくるまでは携帯ハウスの中で待機を言いつける。そして、結界は張ってあるものの、念の為にクララに警戒を頼むと憂鬱な気持ちで帝城へと転移するのだった。

 その後、ケビンが憩いの広場に現れるとケイトが近づいてきて、使者は今なお門前でプンスカしていると伝えたら、ケビンはプリシラが用意していた謁見用の衣服にその場で着替えて謁見の準備に取りかかる。

『ターニャ、謁見の間に騎士を整列させてくれ』

『畏まりましたわ!』

「ケイト、行くぞ」

「はい……」

 ケイトにそう告げたケビンはいつもののほほんとした雰囲気と違って、皇帝らしく威風堂々とした雰囲気に変わっていて、その姿を見たケイトは見蕩れてしまい頬を染めながらも後を追い、他の嫁たちもポーっとした表情でその姿を視線で追っていたのだった。

『ケビン君、騎士の整列終わりましてよ』

『わかった』

 そして、道中でターニャからの報告を受けたケビンがやがて謁見の間に到着すると、他国の使者ということで気合いが入っているようではあるが、ターニャが亡命者たちに気を使ったのかその者たちは整列をさせていないようで、それ以外の団長以下そうそうたるメンバーが整列を為している。

 それを目にしながらケビンが玉座に座ると、外で使者の相手をしているアルフレッドに対して、使者を謁見の間に通すように伝えた。

 やがて謁見の間の扉が開かれ使者が中に進んでくると、ケビンの数メートル先にて膝をついて頭を垂れて言葉を待つ。ケビンはそれを見届けてから使者に対して言葉をかけた。

「遠路はるばるよく来たな。面を上げよ」

 使者がケビンの言葉に対して顔を上げると、ケビンはここへ来た用件を率直に尋ねた。すると使者が書状を取り出したので、ケビンはそれをケイトに取りに行かせると、その時に使者の眉がピクっと動いたのをケビンは見逃さず、使者がケイトを下に見たと判断したのだった。

 それからケイトがケビンに書状を手渡したら、ケビンがそれに目を通したあと、その返答となる結論を使者に対して簡潔に述べる。

「断る」

「なっ、魔王の襲来ですぞ! 何を考えておられる!?」

「お前らこそ何を考えている。目の前にいるのは誰だ? お前たちが魔王の烙印を押した皇帝だぞ。フィリア教団は魔王を倒すのに魔王扱いした相手の力を借りるのか? 恥を知れ、馬鹿者ども!!」

「使者のみならずフィリア教団さえ馬鹿者呼ばわりとは、女神様に仕えるフィリア教に対し、何たる不敬か!」

 売り言葉に買い言葉で使者がそう口にすると、ケビンは立ち上がり使者に向かって歩き始める。

「不敬? 不敬というのなら貴様の態度は何だ? たかが使者風情が皇帝たるこの俺に対してのその物言い……フィリア教団は不敬が何たるかも教えられないほどの馬鹿どもの集まりなのか?」

 威圧しながらじわじわと使者に対して距離を詰めていくケビンに対し、使者は膝をつくどころの話ではなく、後方に腰を落としてしまうとそのまま腰を抜かしてしまい、ガクガクと震えながらケビンを見上げていた。

「貴様らは聖戦に飽き足らず、この前は勇者たちを差し向けてきたな? 俺を殺そうと躍起になっている相手に俺が力を貸すとでも思っているのか? どうなんだ? んん?」

「っ……」

「貴様らの馬鹿さ加減でウォルターは死んだらしいな? しかも何だ? 馬鹿の一つ覚えで、また勇者召喚をしたらその勇者に殺されたそうじゃないか。自業自得だな」

「……な……ぜ……」

 使者は震える中で必死に言葉を紡ぎ出すが、最高機密として秘匿されている事件の情報を、辺境の皇帝が知りえていることに対して困惑が後を絶たない。

「何故俺が知っているか貴様は知りたいのか? それは俺が魔王だからだ。魔王の力を舐めるなよ? 俺が貴様らを生かしているのは、取るに足らない羽虫程度の存在だからだ」

 ケビンはソフィーリアから聞くまでは、全くそのことを知らずにいたことなど棚の上に放り投げてしまい、あたかも自分が凄いんですと使者に対して凄んでみせる。そして使者はソフィーリアの存在など当然知らないので、その言葉を鵜呑みにして戦慄してしまうのだった。

「よもやここまでの無礼を働いておいて、生きて祖国の地を踏めるとは思っていないよな? 敵である俺の所に顔を出したんだ。死ぬ覚悟は当然済ましてきているのだろう?」

 そういうケビンが【無限収納】から【黒焰】を取り出したら、刀身を鞘から解き放ち刃を使者の首に添えると、恐怖が最高潮に達してしまった使者は粗相をしてしまう。

「おいおい……フィリア教団は使者に対して、謁見の間で粗相をするようにしつけているのか? 最低の教育方針だな」

「あ……あ……」

「お前は用済みだ……死ね」

 ケビンが【黒焰】を振りかぶり使者の目にも見える速度で振り下ろすと、限界に達してしまった使者は泡を吹きながら意識を手放してしまった。

「ふんっ、これでアルフレッドやケイトを馬鹿にしたことは許してやるか」

 そういうケビンがいつもの雰囲気に戻ると、ケイトが近づいてきてケビンに尋ねる。

「貴方、対応をしていたアルフレッドはともかくとして、私は馬鹿にされてないわよ?」

「ケイトが書状を受け取る際に、たぶん女だという理由でこいつが見下していた。皇帝の傍に控えているだけで、その国では重要な役職についているのは目に見えているのにだ。それにいかなる理由があろうとも、俺の大事なケイトを見下す奴は俺が許さない」

「もう、ドキドキさせないで。旅に行かせたくなくなっちゃう」

 ケビンの言葉に対してケイトが胸をドキドキさせていると、整列をしていた騎士の中からターニャが近づいてきて、気絶している使者の処遇をどうするのかケビンに問いかけた。

「こいつはこのまま皇都セレスティアの街中に転移させて、人生最大の大恥をかいてもらう。野次馬で集まる民衆たちに、こいつの情けない姿をその目に焼き付けてもらおう」

 そのような結論を出したケビンは、受け取った書状の上から『喧嘩上等、ざまぁ!』と殴り書きをして使者の胸に置くと、有言実行で皇都セレスティアの街中に転移させてしまう。

 そしてケビンは使者が汚した後始末を魔法で済ませると、使者の乗ってきた馬は馬車屋にでも売りつけておくようにケイトに対して指示を出したら、同盟国はどう判断したのか聞くため各国に連絡を取ることにした。

 それから各国に連絡のついたところで、アリシテア王国のヴィクトール国王とミナーヴァ魔導王国のエムリス国王を帝城の会議室に転移させて、これからのことについて話し合いの場が設けられる。

「私のところは聖戦の時の裏切り行為もあるし協力する気はサラサラないのだが、とりあえずはケビン次第ということで、使者はそのまま返事待ちとして休ませている」

「俺のところもそうだな。今や敵に回してヤバいのは、セレスティア皇国ではなくてケビンだからな。ケビンは当然断っているのだろ?」

「うちのところはついさっき気絶した使者を、断りの書状と一緒に街中に転移させて帰したところ」

「気絶……?」

「……何をした?」

 フィリア教団からの使者を気絶させたケビンが一体何をしでかしたのかと気になる2人に対して、ケビンがありのままの事実を述べていくと、それを聞いたヴィクトールは笑い、エムリスは深い溜息をついた。

「結界が作動してしまう時点で同情の余地はないな」

「まさか使者のくせに悪意を持ったままで城に入ろうとするとは……」

 そのような感想をこぼしている2人は、もしかしたら自分のところに来た使者も悪感情を持っているのかもしれないと思い至ると、ケビンに簡易装置的な何かはないのかと、あればちょっと試してみたいと言ってオネダリしてしまう。

 それに対してケビンは空港にあるようなセキュリティゲートをサクッと創ってしまうと、その利用方法をケビンが実演して見せたらそのお手軽さに2人は大喜びする。

「帰ったらさっそくこれを城の玄関に設置するか」

「それがいい。門だと馬車が通る時もあるしな」

「で、魔王軍が攻めてきたらどうしようか? うちは山脈を越えなきゃ来れないし、あるとしたらイグドラを通過してくるか、セレスティア皇国の山越えをするかだと予想してるんだけど。俺が聞いた話によるとセレスティア皇国を目の敵にしているみたいだから、予想としては8割方はセレスティア皇国の方に攻めに行くと思う。残り2割は気まぐれでイグドラに向かうかもしれないって感じかな」

「イグドラに向かった場合は、次に当たるのは私の国だな」

「その次が帝国か俺の国ってところか。もしくは無視されてセレスティア皇国に向かうかもな」

「だが、我が国が警戒として兵を派遣しようにも相手がイグドラではな……迂闊に派遣すれば相手を刺激しかねない」

 ヴィクトールがイグドラとの関係性で頭を悩ませていると、ケビンがそれに対してとある提案をする。

「それなら俺が各族長に知らせておくよ。攻める気はなくて魔王軍に対する警戒のためだって」

「そうか! ケビンは個人的な友好があの国とはあったな。是非ともそこを頼んでもいいか?! 以前のようなギスギスした関係に逆戻りするのは、国王としては何としてでも避けたいんだ」

「わかった。伝えておくよ」

「これでセレスティア皇国への協力を突っぱねても問題ない」

「俺の国も準備だけはさせておくか。もしヴィクトール殿の所が攻められたらすぐに応援を派遣する」

「おお、感謝するぞ。エムリス殿」

 それからケビンが今回の魔王騒動に付け加えてフィリア教団が新たに勇者召喚をしたことと、それによってウォルター枢機卿がその勇者に殺されたことなどを報告していく。

「召喚されてすぐに騎士たちを惨殺か……」

「ヤバすぎる勇者だな……」

「そいつの狙いはとりあえず魔族みたいだから、今の今で警戒する必要はないよ。満足したら次に来るのは俺のところみたいだし」

「なっ、ケビンのところだと!?」

「何故だ?」

 ケビンの告げた内容によって驚く2人に対して、ケビンはウォルター枢機卿の置き土産の話をする。それにより魔王と認定されているケビンのところにも、勇者が来るかもしれないという予想を伝えたのだった。

「魔法の第1人者で魔術の王となり、魔術王からの魔王か……」

「俺は今ほど魔導王で良かったと思ったことはないな。1文字抜けただけで、俺も魔王と言われかねない可能性は残るが……」

「まぁ、もしそれらしい人物を国内で見かけても、手を出さないように徹底させておいてね。以前の勇者召喚みたいに黒髪黒目じゃなくて金髪の青眼みたいだから、見分けづらいところはあるかもしれないけど、いかにもな悪人面らしいから、悪そうな奴には近寄らないように伝えれば被害は抑えられると思う」

 その後、話し合いを終えたケビンは、ヴィクトールとエムリスをそれぞれの城へ送り届けたら、ついでにセキュリティゲートを玄関に設置して帰るのだった。

 そしてケビンは引き続きイグドラに向かうと、各族長に『ヴィクトール国王が魔王軍の警戒のために国境沿いに兵を派遣するけど、この国を攻める気はない』ということを伝えていき、それを各部へ通達してもらうように頼んだのである。

 それからケビンはイグドラでの仕事を終えて魔族領へ戻ろうかとした時に、どこから漏れたのかは知らないがケビンがイグドラに現れたことを聞きつけた女性たちが集まり、ケビンはいつものようにドナドナされて女性たちを満足させる行為に至る。

 さすがに女性たちが集まりすぎだったこともあり、ケビンは分身体を出すと一気に女性たちを天国へ導くのだった。それにより更に時間を取ってしまったこともあり、ケビンが魔族領にある携帯ハウスへ戻った時には既に夕刻となっており、この日の冒険はおあずけとなるのであった。
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