上 下
397 / 661
第13章 出会いと別れ

第393話 そうまでして香水が欲しいの……?

しおりを挟む
 翌日、実家で目を覚ましたケビンは朝食を食べ終わると、カインとルージュから手合わせを願われて朝稽古の相手をしていた。

 試合内容は当然2対1のカイン側はなんでもありで、ケビンは魔法なしというルールで行われている。

 ということで、ケビンは『それならスキルを使おう』と結論づけて、スキルを巧みに使いこなしながら2人からの攻撃をいなしていた。

 カインが前衛でケビンに詰め寄り、ルージュは魔法詠唱でカインのサポートをする形を取っていたが、攻撃魔法が飛んできてもケビンは魔力を纏わせた木剣で魔法を斬って凌いだ。

「ケビン! 魔法を使うなんてルール違反よ!」

「これは魔力で魔法じゃないからセーフ。ちなみにスキルだから全くもって問題ない」

「きぃぃぃぃっ!」

 悔しがり地団駄を踏むルージュを他所に、ケビンとカインの剣戟は続いていく。

「相変わらず隙がねぇな。兄ちゃんの立つ瀬がないぞ」

「カイン兄さんは剣筋に性格が出るから対処しやすいんだよ」

「性格?」

「悪辣な剣筋がないってこと」

 ケビンはお手本とばかりに打ち合っていたカインの剣筋をそらすと、すかさず足元を狙いにいく。

「うおっ!」

 それから頭を狙い、また足元を狙い、頭を狙うと見せかけて足元へ木剣を流しつつ左手に持ち替えて右手で胴を殴る。

「ぐふっ」

「とまぁ、こんな感じ?」

「剣筋の話じゃなかったのか!?」

「拳筋だね」

「ケビンの性格が前より悪くなってお兄ちゃん悲しいぞ」

「世の中には悪い人がいるからね。搦手には気をつけた方がいいよ」

 それからしばらく朝稽古を続けて、カインとルージュがへばったところで終了となった。

 その後、汗を流したケビンは実家にいるついでで王都へと出かけて冒険者ギルドに寄ると、ゴブゾウの働きぶりを見ながら世間話をして時間を潰す。

 程よく時間潰しができたケビンはギルドを後にしたら、今度は王城へと遊びに向かった。

 王城についたケビンがライル大公夫妻に挨拶をすると昼食に誘われたのでそのままご馳走になることにしたら、昼食の場でヴィクトール国王夫妻とも挨拶を交わして近況を報告しあう。

「へぇーローラさんが妊娠したんだね。おめでとうございます」

「ありがとうケビン君」

「アリスが子供を連れてきた時に触発されてな、2人で頑張ったんだ」

「何ヶ月目なの?」

「3ヶ月目になる」

 その後は子供の話で盛り上がり、ライル大公が孫の顔を見るまでは死ねんと豪語して語るのだった。

 そして食後のティータイムの時に、ヴィクトール国王が新たな政策を行っていることを知らされる。

「ケビンの国を見習って少しでも差別をなくそうと、試験的に女性だけの騎士団を作ったのだ」

「女性だけの騎士団?」

「ああ、元々は男性に混じって女性の騎士がいたのだが、やはり男社会だから少なからず差別的なものもあってな、それなら女性だけの騎士団を作って気兼ねなく勤務に当たってもらおうと希望者を募って試験的に作ってみたのだ」

「へぇーうちは騎士がいないからそういう問題はなかったなぁ」

「ケビン君の城は強固だからいないのも仕方がないわ。騎士たちが守ろうにも悪意があれば城自体に踏み込めないのだし、無駄な配置になるわね」

「んー……今は敷地が広くなったし工房や子供たちの遊び場があるから結界は広げてあるけど、城下へ仕事をするために出かける妻たちがいるからいた方がいいのかな? 今のところアルフレッドたちに任せっぱなしになってるけど」

「ああ、魔導具店?」

「そう。工房は敷地内にあるけどお店は城下にあるから。それに香水屋もオープンするし、アルフレッドたちだけだと回らなくなるかも」

「そうねぇ……で、王都支店はいつオープンするのかしら?」

「へ?」

 騎士についての話だったはずが、マリアンヌの言葉によってケビンはキョトンとする。

「ケビン君の魔導具って競争率が高いのよ。それに香水屋ってのも気になるわ。ローラもそう思うわよね?」

「そうですね。お義母様の言う通りで香水屋は気になりますね。いつ王都支店を開くのですか?」

 香水屋というワードに食いついた女性たちは、ケビンへ王都支店をオープンさせるようにグイグイ迫ってケビンはタジタジとなってしまう。

「いや……魔導具店なら土地と従業員がいればなんとかなるけど、香水屋はまだオープンしてないから……」

「わかったわ。土地は用意しておくわね。従業員はケビン君が面接した方がいいから良さげな人を見繕っておくわ」

「いやいや……マリーさんがすることじゃ……」

「ケビン君に任せていたら忘れてしまって、いつになってもオープンしないでしょう?」

「帝都も品薄だし……」

「ケビン君、親孝行はしておいた方がいいとお義母さんは思うの」

「そうですね。姉孝行もした方がいいとお義姉さんは思います」

 女性2人の暴走にケビンはライル大公とヴィクトール国王へ助けを求めるために視線を向けるが、気まずそうに視線を逸らしてお茶を飲んでいた。

(くっ……2人とも妻には頭が上がらないのか……)

 先日ソフィーリアに頭が上がらなかった自分のことは棚に上げて、ケビンは2人へ恨めしそうな視線を向ける。

 結局ケビンは追々頑張るという曖昧な言葉でその場を濁すと、2人からの猛攻を見事逃げ切って見せた。

 そのような所へ騎士が入室の許可を得て入ってくると、ケビンを一瞥して逡巡する。

「構わん。ケビンは私の義弟だ。何も隠しだてすることはない」

「報告します。遠征訓練に向かっている班のうち、第4班の消息が不明となりました」

 部外者であるケビンは何のことだかわからずにキョトンとしているが、王家の者たちは顔を顰めて思案顔になる。

 続く騎士からの報告では、定期連絡が届かなかったことで様子を見ていたのだが、1日が経過しても遅延連絡が届かずヴィクトール国王へ報告するに至ったとのことである。

「直ちに第3騎士団で第4班の足取りを追え」

「はっ!」

 報告に来た騎士が退出すると、ライル大公がヴィクトール国王へ声をかける。

「ヴィクトールよ、第4班は何処へ遠征に向かったのじゃ?」

「南西の森です」

「第4班って言ってるけど、騎士団で遠征に行ってるわけじゃないの?」

「今回は騎士団として動かさず個々の練度を上げるために、各5人の4個班で編成してそれぞれで違う場所へと遠征に向かわせたのだ」

「南西の森って危険なの?」

 ケビンの質問に答えたヴィクトールの話では、南西の森は村々に魔物の被害が出ないよう間引きするために今回の遠征で向かわせた場所であるとこのことだった。

「まずいのぉ」

「反対派が勢いづきそうね」

「反対派?」

「さっき話してた女性騎士団を良く思わない派閥よ」

「国王直属の騎士団なのに反対できる人がいるの?」

 マリアンヌが告げたのはヴィクトールの新しい政策のことで、優秀であれば女性であろうと積極的に召し抱えようとするものであり、その試験的な意味合いも兼ねて女性騎士団を手始めに作って女性たちだけで運用できるか試しているところだと言う。

 これが成功すれば女性でもちゃんとやれる証明となり武官だけではなく文官も女性たちを起用する案であったが、プライドの高い貴族派閥が地位を得た女性の下につくということが我慢ならないようで反対派として団結しているのだとか。

「ほんとくだらないこと考えるね。優秀な人が集まればそれだけ楽ができるのに……」

 基本的に人へ丸投げするケビンはヴィクトールの案に賛成であり、反対している貴族たちのお粗末な思考に呆れるのだった。

「裏で反対派が糸を引いてるやもしれぬな」

「それは早計じゃろう。ケビンのくれた嘘発見器で暴けるのじゃから下手なことはせんじゃろ」

「うーん……俺が見てこようか?」

「いや、ケビンは他国の主じゃ。そう易々と動いてはヴィクトールも他の者たちへ示しがつかんじゃろ」

「でも、人の命がかかってるかもしれないんだよね? 消息がわからないんじゃ何かあったとしか思えないし、家族が困ってるのに見過ごすわけにもいかないよ」

「しかしのぅ……」

「あなた、ケビン君に任せましょう? 都合のいいことに冒険者なのだから指名依頼にすればいいじゃない」

「そうですよ、お義父様。ケビン君に解決してもらって香水屋を早く開店してもらいましょう」

「あら、ローラ。それはいい考えね」

(え……まだ諦めてなかったの……)

 結局乗り気でなかったライル大公やヴィクトール国王は、香水屋を早くオープンさせたいという女性2人の気迫に負けてしまい、渋々ケビンへ頼むことにするのだった。

「すまないな、ケビン」

「用心するのじゃぞ」

 申し訳なさそうに声をかけてくる2人に対して問題ないことを告げると、ケビンは南西の森へ向けて出発するために外へ転移した。

 外へ出たケビンが王城上空で佇んでいると、眼下で出発の準備をバタバタと進めている第3騎士団の光景が目に入る。

「こうやって見ると結構な人数だな。騎士がそう簡単に殺られるようにも見えないし、かと言ってスタンピードが発生したとも聞かないし、うーん……強い魔物でも現れたのか? それはそれで誰かが応援を呼びに知らせると思うんだけどなぁ」

 ケビンは第4班が連絡もなくパッと消息を絶った理由に見当もつかず、とりあえず見落とさないようにと【マップ】で確認しながら南西方面へ飛び立つのだった。

 ケビンが王都を出発してしばらく飛んでいたら森から近い場所に村があったので、情報を得ようと人気のないところで地上へ降りたら歩いて向かうことにした。

 夕暮れ時ということもあってかあまり人は出歩いておらず、とりあえずケビンは泊まれるような場所があるのか道行く人に尋ねて村長宅へと案内された。

 村長宅では家の中へ招かれて簡素なイスに座ると、飲み物を出されたのでそれを飲みながら挨拶を交わす。

「ようこそ。何やら泊まれる所を探しているとか」

「ええ、私は冒険者でして旅の途中に寄ったのですが、この村に宿屋とかありますか?」

「小さい村なので宿屋はないが、空き家があるのでそこをお貸ししよう」

 この村長の見た目は中年の男性で、前村長が病で亡くなってからその後を継いでは村を切り盛りしているとのことだった。

 村長があとで村の者に夕食を届けさせると告げてきたので、ケビンは一宿一飯の恩として村長へ金貨1枚を支払おうとしたのだが、それを見た村長はいらないと言って断ったが、ケビンが強引に押し付けると渋々受け取ってはできる限りのもてなしを提供すると言い、村人を呼んで空き家の掃除と食事を準備するように指示を出していった。

 それから村長宅を出て空き家を借りたケビンは、村人が持ってきた食事を食べて簡素なベッドで寝ることにしたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族(ハーレム)を増やす〜

北条氏成
ファンタジー
一度目の世界を救って、二度目の異世界にやってきた主人公は全能力を引き継いで吸血鬼へと転生した。 この物語は魔王によって人間との混血のハーフと呼ばれる者達が能力を失った世界で、最強種の吸血鬼が眷族を増やす少しエッチな小説です。 ※物語上、日常で消費する魔力の補給が必要になる為、『魔力の補給(少しエッチな)』話を挟みます。嫌な方は飛ばしても問題はないかと思いますので更新をお待ち下さい。※    カクヨムで3日で修正という無理難題を突き付けられたので、今後は切り替えてこちらで投稿していきます!カクヨムで読んで頂いてくれていた読者の方々には大変申し訳ありません!! *毎日投稿実施中!投稿時間は夜11時~12時頃です。* ※本作は眷族の儀式と魔力の補給というストーリー上で不可欠な要素が発生します。性描写が苦手な方は注意(魔力の補給が含まれます)を読まないで下さい。また、ギリギリを攻めている為、BAN対策で必然的に同じ描写が多くなります。描写が単調だよ? 足りないよ?という場合は想像力で補って下さい。できる限り毎日更新する為、話数を切って千文字程度で更新します。※ 表紙はAIで作成しました。ヒロインのリアラのイメージです。ちょっと過激な感じなので、運営から言われたら消します!

ビッチな姉の性処理な僕(R-18)

量産型774
恋愛
ビッチ姉の性処理をやらされてる僕の日々…のはずだった。 でも…

金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!! 国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。 幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。 彼はもう限界だったのだ。 「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」 そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。 その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。 その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。 かのように思われた。 「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」 勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。 本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!! 基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。 異世界版の光源氏のようなストーリーです! ……やっぱりちょっと違います笑 また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)

死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?

わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。 ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。 しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。 他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。 本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。 贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。 そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。 家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

処理中です...