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第11章 新規・新装・戴冠・結婚
第294話 パメラのワガママ
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そして辿りついた食堂では、ケビンが適当に席へつくとパメラが指をさしてケビンの隣を指定して、それを見たアビゲイルがイスに座らせたら、パメラがアビゲイルの服を掴んで隣へ座らせようとする。
「隣に座ってもいいのですか?」
「……アビーも……いっしょ……」
「はい、ありがとうございます」
パメラを挟んでケビンとアビゲイルが座っているのを見て、ティナが敗北感を顕にするのである。
「負けた……」
「新妻強し」
「私はケビンの隣に座るわね」
「あ、取られた」
「じゃあ私はアビーの隣に行こ」
「私はケビン様の正面の席をいただきます」
「それなら私はパメラちゃんの正面にします」
行動力のある嫁たちがサクサクと自分の座りたい席を取っていくと、出遅れた嫁たちは残り物の席へと座るのであった。
それから食事を終えてくつろいでいるケビンの服をパメラが掴むと、定番であるお風呂の催促をする。
「……おふろ……」
この城ではケビンがお風呂に行かなければ、当然の如く他の者たちもお風呂へは行かないので、実質お風呂へ入るタイミングはほとんどパメラが握っていると言っても過言ではない。
「よし、行くか」
ケビンが立ち上がるとパメラはアビゲイルの服を掴んで、ケビンの時と同じようにお風呂の催促をする。
「……おふろ……」
「え……私も入るのですか?」
「……アビーも……いっしょ……」
「でも……パメラちゃんはケビン様と入るのですよね?」
「あぁぁ……うちは混浴だからな、それで誘ったんだろ。無理に付き合わなくてもいいよ。パメラも無理に誘うのは無しだ」
「……混浴……ですか?」
「……アビー……いや……?」
パメラが今にも泣き出してしまいそうな顔をして、うるうるした瞳で見つめられてしまったアビゲイルは、慌てふためいてあたふたするのである。
「えっ? えっ!?」
「……パメラ……きらい……?」
「そ、そんなことはありませんよ! パメラちゃんのことは大好きですよ」
「……おふろ……」
「ああ……どうしましょう……」
「パメラ、無理に誘うのはダメだって言っただろ?」
「……うぅ……」
「ああっ、ケビン様! パメラちゃんを責めないでください! 泣いてしまいます」
「ダメなものはダメって教えとかないと、パメラがワガママに育ってしまう」
「……うっ……うっ……」
パメラの表情は今にも決壊してしまいそうで、瞳からはポロポロと涙が落ち始めていた。
「ああっ、パメラちゃん泣かないでください。大丈夫です! 私も一緒に入りますから。既にケビン様から抱かれて裸を見せてるのですから、今更恥ずかしがる必要はないですよね? パメラちゃんもそう思いますよね?」
パメラが泣き出してしまったせいか、アビゲイルはテンパってしまい子供に対してとんでもないことで同意を得ようとするのであるが、まさにそれはみんなのいるこの場において自爆行為とも言える。
「え……ケビン君、アビーをもう抱いたの?」
「いつの間に?」
「ケビン……」
「今日ってギルドでお仕事だったわよね?」
「職場エッチ?」
「ケビン様、職場エッチとは何でしょうか?」
「仕事場で抱いてもらうことですか?」
アビゲイルの自爆によって瞬く間に食堂は混沌と化すのであったが、当のアビゲイルはパメラをあやすのに必死でこの状況に気づいていない。
あまりの混沌具合にケビンが終止符を打つべく、行動を起こすのだった。
「アリス、レティ。その言葉は覚えなくてもいい言葉だ。そして、クリスはお仕置き1ゲットだ。で、パメラ、風呂に行くぞ」
ケビンが泣いているパメラを抱き上げると、パメラが泣きながらケビンに謝りだす。
「……うっうっ……ごめん……しゃい……」
「ああっ、パメラちゃん!」
相変わらずアビゲイルはオロオロとしている。
「パメラ、反省したならもういいよ。パメラも無理やりなのは嫌だろう?」
「……グズッ……いや……」
「それがわかったならもう気にしなくていい」
「……おこって……ない……?」
「ああ、俺は怒ってないよ」
「……パパ……パパ……」
パメラがケビンにしがみついてポロポロと泣いてしまうが、当のケビンはご主人様からパパ呼びに変わったことでビックリしていた。
「おぅ……この歳でパパか……パメラがいきなり甘えん坊になったな」
「パメラちゃん……パパが恋しいのですね」
パメラがチラッとアビゲイルへ視線を向けて手を伸ばす仕草が愛しく思えたのか、アビゲイルが手を差し出して握ってあげると思わぬことを言われてしまう。
「……ママ……」
「「「えっ!?」」」
様子を見ていた周りにいた女性たちは、アビゲイルをママと呼んだパメラの行動に驚きを禁じ得ないのであった。
「マ、ママですか……なんだかこそばゆいですね。でも、パパがケビン様なら嬉しいです。……決めました。ママもパパと一緒にお風呂に入りますね。パメラちゃんと一緒です」
「……パパ……ママ……いっしょ……」
「それで、あの……ケビン様?」
「どうした?」
「今だけでも『旦那様』って呼んでもよろしいでしょうか?」
「ああ、呼び方はこれといって決めてないから好きに呼べばいいよ」
「では……ゴホンッ。旦那様、私たちの娘と一緒にお風呂へ参りましょう」
自分から言っておきながら、アビゲイルはこれでもかと言うほどに顔を赤らめてケビンを見つめるのであった。
「わかった」
パメラを右腕で抱き上げるように持ちかえたケビンは、空いた左手をアビゲイルの腰へ回してエスコートするように抱き寄せると、浴室へと向かって歩きだす。
その光景を眺めていた女性たちは一部を除いて呆然としていた。
「親子になったわね」
「羨ましい」
「ケビンがパパ……」
「私もママって呼ばれたい」
「子供って可愛いよね」
「私もパメラちゃんのママになれるように頑張ります」
「まずはパメラちゃんに気に入られることから始めましょう」
嫁たちが食堂で感想を述べている中、ケビンたちは大浴場について服を脱いでいた。
ケビンはいつものように【マップ】でパメラの寝巻きと下着を検索して【無限収納】へ回収すると、パメラの手の届く棚の位置に置いていく。
「よし、パメラ。服を脱いだらいつもみたいにカゴに入れるんだよ。着替えはそこに置いてあるからな」
「……うん……」
ケビンとパメラがテキパキと服を脱いでいく中、アビゲイルは羞恥と懸命に戦いながら、少しずつ服を脱ぎ始める。
「アビー、脱がしてあげる」
「え……」
ケビンが言うや否やアビゲイルの服を【無限収納】の中にしまい込むと、一糸まとわぬ姿にされてしまったアビゲイルは目が点となる。
「え……え……?」
状況についていけなかったアビゲイルが素っ裸になってしまったのを理解すると、勢いよくその場にしゃがみ込んだ。
「きゃーっ!」
アビゲイルが顔を真っ赤に染めてプルプル震えながら恨めしそうにケビンを見つめると、パメラがアビーへと近づく。
「……ママ……おふろ……」
「うぅ……パメラちゃん……」
「そのままだと風邪をひくよ」
「心の準備がまだだったのに……」
「こういうのは勢いが大事だから」
ケビンがアビゲイルの手を引き立たせると、最後の抵抗と言わんばかりに空いた手で胸を隠すのであった。
「隠すなら下じゃない?」
「手を離してくだされば隠せますのに……」
そのままアビゲイルをイスへ座らせたケビンは、先にパメラから洗いだすのだが、そのパメラがアビゲイルの手を握ってしまい、湯船に逃げることができなくなってしまう。
「ああ……パメラちゃん……」
パメラから握られている手を振りほどくわけにもいかず、アビゲイルは羞恥に耐えながらパメラが終わるのを待っていた。
「よし、パメラ。湯船に行っていいよ」
パメラがトコトコと歩いて子供用ではなく大人用の湯船に向かっていくと、それを確認したケビンがアビゲイルの後ろへ回り込む。
「次はアビーの番だ」
「え……?」
アビゲイルが混乱している最中、ケビンは慣れた手つきで髪へお湯をかけていく。
「目を瞑って」
お湯をかけられるアビゲイルは反射的に目を瞑るが、何故自分が洗われてしまうのか理解が追いつかなかった。
「あの、旦那様?」
「何?」
「何故私は洗われているのですか?」
「俺が洗いたいから」
アビゲイルは羞恥と混乱からか『当たり前のことなのかな?』と、今の状況を受け入れつつあった。
そして、そこへやって来るはパメラについて話し合っていた、いつものメンバーである。
「あ、アビーが洗ってもらってる」
「私も」
「それよりも子供たちが先でしょ」
「パメラちゃんは終わってるね」
ゾロゾロと中へ入ってくる子供や女性たちを見て、アビゲイルは混乱に拍車をかけていく。
「え……どういうことですか? え……?」
「うちは何もなければ全員でお風呂に入るのよ」
「みんな仲良く」
「え……え……?」
アビゲイルが混乱している最中、子供たちは順番待ちをしていたがご奉仕大好きプリシラの手によって洗われていくのである。
「プリシラは相変わらず手際がいいわよね」
「プロ」
プリシラのご奉仕を見ている嫁たちへプリシラが声をかける。
「奥様方、子供たちが終わってしまえば、ケビン様から存分に洗っていただけますよ?」
プリシラの発した言葉に嫁たちや奴隷たちの目が光る。今まではケビンが子供たちを洗っている光景でほんわかしていたが、プリシラの発言によって己の欲がほんわかよりも上回ったのだ。
「やるわよ」
「「「了解」」」
まだ終わっていない子供たちを座らせては、女性たちが髪や体を洗っていく。子供たちもお風呂で遊ぶ時間が増えるので、すんなりと指示に従って洗われていくのだった。
その様子を見ていたケビンは苦笑いしつつもアビゲイルを洗い終える。
「アビー、終わったからパメラの所へ行ってあげて」
「あ、ありがとうございます。大人になって人に洗われたのは初めてでした」
「またアビーの初めてを手に入れたな」
それからケビンは他の女性たちも洗っていき、全部やり遂げたケビンが疲れたかのように湯船へ浸かると、パメラとアビゲイルがお喋りしているのを微笑ましく眺めながら、今日一日の疲れを癒すのであった。
そして風呂上がりになると、パメラの可愛いワガママがアビゲイルを襲うのだった。
「……パパ……ママ……ねる……」
「ん? 一緒に寝たいのか?」
「……うん……」
「んー……パパは構わないけど、ママはどうだ?」
「ママ!?」
ケビンにママと呼ばれてしまい、アビゲイルは湯上りで上気した顔を更に赤く染め上げるのである。しかし、ケビンと一緒に寝るとは思っていなかったので、心の準備が終わってなくどうしたもんかと逡巡してしまう。
「でも……」
「……ママ……いっしょ……」
パメラがアビゲイルの寝巻きを掴んで上目遣いにお願いすると、その可愛さにアビゲイルは篭絡されてしまうのだった。
「ああっ、パメラちゃん! 可愛すぎます! わかりました。ママも一緒に寝ます」
こうしてパメラの甘えん坊によるワガママで、ケビンとアビゲイルはパメラと一緒に寝ることになったが、さすがにパメラのベッドでは3人一緒に寝れないので、必然的にケビンの寝室となる。
ケビンは丁度いいタイミングでついでとばかりに、アビゲイルに使っていい部屋を教えて、回収していた荷物を【無限収納】から取り出して置くと、そのまま自室へと案内した。
ベッドの上に乗った3人はパメラを真ん中にして、ケビンとアビゲイルが両サイドを固めた。
パメラは安心しきった顔でスヤスヤとすぐに寝入ってしまい、アビゲイルがその顔を見ながら微笑んで頭を撫でると、おもむろにケビンへ声をかける。
「今までこんなにも幸せだと思うことはありませんでした」
「幸せなら良かった」
「これも全ては旦那様のお陰です」
「大したことはしてないよ」
「ふふっ、そういうことにしておきます」
それから2人はしばらく語り合ったあと、パメラと同様に深い眠りへと誘われるのであった。
「隣に座ってもいいのですか?」
「……アビーも……いっしょ……」
「はい、ありがとうございます」
パメラを挟んでケビンとアビゲイルが座っているのを見て、ティナが敗北感を顕にするのである。
「負けた……」
「新妻強し」
「私はケビンの隣に座るわね」
「あ、取られた」
「じゃあ私はアビーの隣に行こ」
「私はケビン様の正面の席をいただきます」
「それなら私はパメラちゃんの正面にします」
行動力のある嫁たちがサクサクと自分の座りたい席を取っていくと、出遅れた嫁たちは残り物の席へと座るのであった。
それから食事を終えてくつろいでいるケビンの服をパメラが掴むと、定番であるお風呂の催促をする。
「……おふろ……」
この城ではケビンがお風呂に行かなければ、当然の如く他の者たちもお風呂へは行かないので、実質お風呂へ入るタイミングはほとんどパメラが握っていると言っても過言ではない。
「よし、行くか」
ケビンが立ち上がるとパメラはアビゲイルの服を掴んで、ケビンの時と同じようにお風呂の催促をする。
「……おふろ……」
「え……私も入るのですか?」
「……アビーも……いっしょ……」
「でも……パメラちゃんはケビン様と入るのですよね?」
「あぁぁ……うちは混浴だからな、それで誘ったんだろ。無理に付き合わなくてもいいよ。パメラも無理に誘うのは無しだ」
「……混浴……ですか?」
「……アビー……いや……?」
パメラが今にも泣き出してしまいそうな顔をして、うるうるした瞳で見つめられてしまったアビゲイルは、慌てふためいてあたふたするのである。
「えっ? えっ!?」
「……パメラ……きらい……?」
「そ、そんなことはありませんよ! パメラちゃんのことは大好きですよ」
「……おふろ……」
「ああ……どうしましょう……」
「パメラ、無理に誘うのはダメだって言っただろ?」
「……うぅ……」
「ああっ、ケビン様! パメラちゃんを責めないでください! 泣いてしまいます」
「ダメなものはダメって教えとかないと、パメラがワガママに育ってしまう」
「……うっ……うっ……」
パメラの表情は今にも決壊してしまいそうで、瞳からはポロポロと涙が落ち始めていた。
「ああっ、パメラちゃん泣かないでください。大丈夫です! 私も一緒に入りますから。既にケビン様から抱かれて裸を見せてるのですから、今更恥ずかしがる必要はないですよね? パメラちゃんもそう思いますよね?」
パメラが泣き出してしまったせいか、アビゲイルはテンパってしまい子供に対してとんでもないことで同意を得ようとするのであるが、まさにそれはみんなのいるこの場において自爆行為とも言える。
「え……ケビン君、アビーをもう抱いたの?」
「いつの間に?」
「ケビン……」
「今日ってギルドでお仕事だったわよね?」
「職場エッチ?」
「ケビン様、職場エッチとは何でしょうか?」
「仕事場で抱いてもらうことですか?」
アビゲイルの自爆によって瞬く間に食堂は混沌と化すのであったが、当のアビゲイルはパメラをあやすのに必死でこの状況に気づいていない。
あまりの混沌具合にケビンが終止符を打つべく、行動を起こすのだった。
「アリス、レティ。その言葉は覚えなくてもいい言葉だ。そして、クリスはお仕置き1ゲットだ。で、パメラ、風呂に行くぞ」
ケビンが泣いているパメラを抱き上げると、パメラが泣きながらケビンに謝りだす。
「……うっうっ……ごめん……しゃい……」
「ああっ、パメラちゃん!」
相変わらずアビゲイルはオロオロとしている。
「パメラ、反省したならもういいよ。パメラも無理やりなのは嫌だろう?」
「……グズッ……いや……」
「それがわかったならもう気にしなくていい」
「……おこって……ない……?」
「ああ、俺は怒ってないよ」
「……パパ……パパ……」
パメラがケビンにしがみついてポロポロと泣いてしまうが、当のケビンはご主人様からパパ呼びに変わったことでビックリしていた。
「おぅ……この歳でパパか……パメラがいきなり甘えん坊になったな」
「パメラちゃん……パパが恋しいのですね」
パメラがチラッとアビゲイルへ視線を向けて手を伸ばす仕草が愛しく思えたのか、アビゲイルが手を差し出して握ってあげると思わぬことを言われてしまう。
「……ママ……」
「「「えっ!?」」」
様子を見ていた周りにいた女性たちは、アビゲイルをママと呼んだパメラの行動に驚きを禁じ得ないのであった。
「マ、ママですか……なんだかこそばゆいですね。でも、パパがケビン様なら嬉しいです。……決めました。ママもパパと一緒にお風呂に入りますね。パメラちゃんと一緒です」
「……パパ……ママ……いっしょ……」
「それで、あの……ケビン様?」
「どうした?」
「今だけでも『旦那様』って呼んでもよろしいでしょうか?」
「ああ、呼び方はこれといって決めてないから好きに呼べばいいよ」
「では……ゴホンッ。旦那様、私たちの娘と一緒にお風呂へ参りましょう」
自分から言っておきながら、アビゲイルはこれでもかと言うほどに顔を赤らめてケビンを見つめるのであった。
「わかった」
パメラを右腕で抱き上げるように持ちかえたケビンは、空いた左手をアビゲイルの腰へ回してエスコートするように抱き寄せると、浴室へと向かって歩きだす。
その光景を眺めていた女性たちは一部を除いて呆然としていた。
「親子になったわね」
「羨ましい」
「ケビンがパパ……」
「私もママって呼ばれたい」
「子供って可愛いよね」
「私もパメラちゃんのママになれるように頑張ります」
「まずはパメラちゃんに気に入られることから始めましょう」
嫁たちが食堂で感想を述べている中、ケビンたちは大浴場について服を脱いでいた。
ケビンはいつものように【マップ】でパメラの寝巻きと下着を検索して【無限収納】へ回収すると、パメラの手の届く棚の位置に置いていく。
「よし、パメラ。服を脱いだらいつもみたいにカゴに入れるんだよ。着替えはそこに置いてあるからな」
「……うん……」
ケビンとパメラがテキパキと服を脱いでいく中、アビゲイルは羞恥と懸命に戦いながら、少しずつ服を脱ぎ始める。
「アビー、脱がしてあげる」
「え……」
ケビンが言うや否やアビゲイルの服を【無限収納】の中にしまい込むと、一糸まとわぬ姿にされてしまったアビゲイルは目が点となる。
「え……え……?」
状況についていけなかったアビゲイルが素っ裸になってしまったのを理解すると、勢いよくその場にしゃがみ込んだ。
「きゃーっ!」
アビゲイルが顔を真っ赤に染めてプルプル震えながら恨めしそうにケビンを見つめると、パメラがアビーへと近づく。
「……ママ……おふろ……」
「うぅ……パメラちゃん……」
「そのままだと風邪をひくよ」
「心の準備がまだだったのに……」
「こういうのは勢いが大事だから」
ケビンがアビゲイルの手を引き立たせると、最後の抵抗と言わんばかりに空いた手で胸を隠すのであった。
「隠すなら下じゃない?」
「手を離してくだされば隠せますのに……」
そのままアビゲイルをイスへ座らせたケビンは、先にパメラから洗いだすのだが、そのパメラがアビゲイルの手を握ってしまい、湯船に逃げることができなくなってしまう。
「ああ……パメラちゃん……」
パメラから握られている手を振りほどくわけにもいかず、アビゲイルは羞恥に耐えながらパメラが終わるのを待っていた。
「よし、パメラ。湯船に行っていいよ」
パメラがトコトコと歩いて子供用ではなく大人用の湯船に向かっていくと、それを確認したケビンがアビゲイルの後ろへ回り込む。
「次はアビーの番だ」
「え……?」
アビゲイルが混乱している最中、ケビンは慣れた手つきで髪へお湯をかけていく。
「目を瞑って」
お湯をかけられるアビゲイルは反射的に目を瞑るが、何故自分が洗われてしまうのか理解が追いつかなかった。
「あの、旦那様?」
「何?」
「何故私は洗われているのですか?」
「俺が洗いたいから」
アビゲイルは羞恥と混乱からか『当たり前のことなのかな?』と、今の状況を受け入れつつあった。
そして、そこへやって来るはパメラについて話し合っていた、いつものメンバーである。
「あ、アビーが洗ってもらってる」
「私も」
「それよりも子供たちが先でしょ」
「パメラちゃんは終わってるね」
ゾロゾロと中へ入ってくる子供や女性たちを見て、アビゲイルは混乱に拍車をかけていく。
「え……どういうことですか? え……?」
「うちは何もなければ全員でお風呂に入るのよ」
「みんな仲良く」
「え……え……?」
アビゲイルが混乱している最中、子供たちは順番待ちをしていたがご奉仕大好きプリシラの手によって洗われていくのである。
「プリシラは相変わらず手際がいいわよね」
「プロ」
プリシラのご奉仕を見ている嫁たちへプリシラが声をかける。
「奥様方、子供たちが終わってしまえば、ケビン様から存分に洗っていただけますよ?」
プリシラの発した言葉に嫁たちや奴隷たちの目が光る。今まではケビンが子供たちを洗っている光景でほんわかしていたが、プリシラの発言によって己の欲がほんわかよりも上回ったのだ。
「やるわよ」
「「「了解」」」
まだ終わっていない子供たちを座らせては、女性たちが髪や体を洗っていく。子供たちもお風呂で遊ぶ時間が増えるので、すんなりと指示に従って洗われていくのだった。
その様子を見ていたケビンは苦笑いしつつもアビゲイルを洗い終える。
「アビー、終わったからパメラの所へ行ってあげて」
「あ、ありがとうございます。大人になって人に洗われたのは初めてでした」
「またアビーの初めてを手に入れたな」
それからケビンは他の女性たちも洗っていき、全部やり遂げたケビンが疲れたかのように湯船へ浸かると、パメラとアビゲイルがお喋りしているのを微笑ましく眺めながら、今日一日の疲れを癒すのであった。
そして風呂上がりになると、パメラの可愛いワガママがアビゲイルを襲うのだった。
「……パパ……ママ……ねる……」
「ん? 一緒に寝たいのか?」
「……うん……」
「んー……パパは構わないけど、ママはどうだ?」
「ママ!?」
ケビンにママと呼ばれてしまい、アビゲイルは湯上りで上気した顔を更に赤く染め上げるのである。しかし、ケビンと一緒に寝るとは思っていなかったので、心の準備が終わってなくどうしたもんかと逡巡してしまう。
「でも……」
「……ママ……いっしょ……」
パメラがアビゲイルの寝巻きを掴んで上目遣いにお願いすると、その可愛さにアビゲイルは篭絡されてしまうのだった。
「ああっ、パメラちゃん! 可愛すぎます! わかりました。ママも一緒に寝ます」
こうしてパメラの甘えん坊によるワガママで、ケビンとアビゲイルはパメラと一緒に寝ることになったが、さすがにパメラのベッドでは3人一緒に寝れないので、必然的にケビンの寝室となる。
ケビンは丁度いいタイミングでついでとばかりに、アビゲイルに使っていい部屋を教えて、回収していた荷物を【無限収納】から取り出して置くと、そのまま自室へと案内した。
ベッドの上に乗った3人はパメラを真ん中にして、ケビンとアビゲイルが両サイドを固めた。
パメラは安心しきった顔でスヤスヤとすぐに寝入ってしまい、アビゲイルがその顔を見ながら微笑んで頭を撫でると、おもむろにケビンへ声をかける。
「今までこんなにも幸せだと思うことはありませんでした」
「幸せなら良かった」
「これも全ては旦那様のお陰です」
「大したことはしてないよ」
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校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
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