252 / 661
第9章 三国動乱
第248話 ニーナの実家へご挨拶
しおりを挟む
ニーナの実家を訪れようとしていたケビンは、年末にお邪魔するのもどうかと思い、暖かくなる春先までタミアでのんびり過ごしていた。
寒い時期に旅をしたくないというティナの要望も、過分にあったことは否めない。
そして季節はめぐり、3月になったところでケビンはタミアを出発するのである。
のらりくらりと乗合馬車を乗り継いでは国境を越えて、ケビンたちはとうとう魔導王国へと入国する。
そこからさらに日にちは経ち、ニーナの実家がある街【リグリア】に到着したのは4月のことであった。
この街は魔導王国の西に位置していてアリシテア王国と近いこともあってか、それなりに栄えている街である。
ケビンたちは早速高級宿の手配を済ませると、長旅の疲れを癒すべくお風呂へとそれぞれ向かった。
その日はのんびりと過ごして、翌日にニーナの実家へと訪れる予定となっている。
「はぁぁ……緊張する……」
「大丈夫だよ。お父さんもお母さんもケビン君をきっと気に入ってくれる」
明日のこともあるため今日は他の女性が気を使い、ニーナと同室になっているケビンは早くも緊張に包まれていたのだった。
「出会った頃はこんなことになるなんて思ってもみなかった」
「それは俺もだよ」
「私、幸せだよ。ケビン君と出会えて本当に良かった」
「そう言って貰えて嬉しいよ」
「ふふっ」
「どうしたの?」
「明日、ケビン君を連れて行ったら驚くだろうなぁって」
「そりゃあ驚くよ。久しく顔を見せていなかった娘がいきなり男を連れて戻ってくるんだから」
「楽しみだね」
その夜は翌日の緊張を少しでも和らげるために、ニーナを優しく包み込んで眠りにつくケビンであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
明くる日の昼頃、ニーナ先導のもとケビンはニーナの実家へと歩いて行く。一張羅を着込んだケビンは道行く人から視線を向けられるも、それを気にするほどの余裕はない。
ずっと一緒に居続けたニーナの両親に会うというのは、クリスやサーシャの時とは違う緊張感を齎していた。
やがて1軒の家先に到着すると、ニーナが言葉を口にする。
「ここが私の生まれた家だよ」
それは可もなく不可もなく極々一般的な家であった。ケビンは今1度深呼吸すると決意をして応える。
「行こうか」
その言葉を合図にニーナが玄関を開けて、家族に戻ってきたことを知らせるため、帰宅の言葉を口にした。
「ただいまぁ」
奥から現れたのはニーナにどこか似ている女性であった。
「あら、ニーナ。そちら様はどなた?」
「私の婚約者だよ」
「あらあら、まあまあ。お父さんに知らせないとだわ」
どの家庭でも同じなのか、母親というものはパタパタと早足で夫の元へ駆けつけて、ビッグニュースを知らせるようである。
「ケビン君、ついてきて」
「お邪魔します」
ニーナは母親の後を追うようにゆっくりと歩みを進めて、ケビンはその後ろをついて行く。
ケビンたちがリビングに入ると父親と母親が待ち構えていた。2人は準備万端のようで、いつの間にやらお茶まで用意済みだった。
「お父さん、お母さん。長い間留守にしてごめんね。今日は私の婚約者を連れてきたの。ケビン君……」
ケビンはニーナの挨拶が終わると1歩前へ踏み出して、ニーナの両親に向かって貴族礼をとった。
「私はアリシテア王国所属のエレフセリア侯爵家当主、ケビン・エレフセリアです。この度は急な訪問にも関わらず対応して頂きありがとうございます」
「「……」」
ケビンの名乗りを聞いた両親はポカーンと口を開いて呆然としていた。それを見たケビンは『まぁ、そうなるよな』と思い、自己完結するのである。
「やっぱり驚いたね」
ニーナはケビンの方を向くと、イタズラが成功したような子供の無邪気な笑顔を浮かべていた。
やがて再起動することに成功した両親は、物凄く緊張した面持ちでお茶を口にする。
そして無理やり落ち着こうと懸命に頑張っている中、おずおずとしながらもケビンに質問したのは母親であった。
「あ、あの……ニーナとはどういった馴れ初めで出会われたのですか? 冒険者なので貴族の方と関わりを持てるようには思えないのですが……」
「私も元々は冒険者なのです。貴族になったのはその後ですね。本職が冒険者で貴族は副業のようなものです」
「貴族が副業……」
「2人ともまずは自己紹介だよ。ケビン君しかまだ名乗ってないよ」
ニーナの言葉に両親は慌てて反応した。相手が貴族なのに自分たちは名乗りすらしていなかったことに気づいてしまい、わたわたとするのである。
「す、す、すみません! 俺……いえ私はニーナの父親になっていた、います、ニ、ニストという名前の男の親でして、母親と暮らして父親をしています!」
完全にテンパってしまった父親の自己紹介は何とも残念な結果に終わるが、ケビンは苦笑いを浮かべつつ対応した。
「落ち着かれて下さい。普段通りの喋り方で無理に取り繕う必要はありません。それで不敬だとは申しませんので」
「本当によろしいのですか?」
母親がケビンに問いかけると、ケビンはそれに答えた。
「構いません。いつも通りでお願いします」
「はぁぁ……良かったわ。貴族の方なんてお相手したことないんだもの。ニーナも意地悪よね、連れてきた男性が貴族の方なんて」
「お母さん、それよりも自己紹介だよ」
「そうそう、そうだったわね。私はニーナの母親でリシアというの。ケビンさん、ニーナはいい子にしているかしら?」
リシアはニストに比べて肝が据わっているのか、おっとりした感じで喋り出すと自己紹介を終えた。
「はい。出会った頃は私が8歳だったので、その頃から弟のように甘えさせてくれます」
「あらあら、ニーナは弟が欲しいっていつも言ってたものね。当時子供だったケビンさんを弟にして可愛がったのね。でも人様の子を勝手に弟にしたらダメじゃない」
「ちょっと、ケビン君にお母さん!」
ニーナは自分へ矛先が向いて恥ずかしくなったのか顔を赤らめていた。
「ふふっ、照れちゃって可愛いわね。そう思わない?」
「そうですね。2人でいる時とかは素のニーナさんが見れて可愛いんですよ」
「あらあら、いつもは違うの?」
「ニーナさんが言うには人見知りして上手く喋れないようで、口数が少ないのです。それが癖になっているようで素の喋り方とは全然違うんですよ」
「そこはお父さんに似てしまったのね。この人もさっきのでわかると思うけどあがり症で恥ずかしがり屋なのよ」
「恥ずかしがり屋なのがニストさんに似て、素の状態はリシアさんに似たのでしょうね」
それからもケビンとリシアのニーナ話は盛り上がり、ニーナは時折何かを口にするが恥ずかしくて終始俯いていた。
ニストは最後まで緊張が取れず、人見知り状態のニーナと同様で口数が少なく大して会話に混ざってこれなかったのだった。
しばらくニーナの実家で過ごしたケビンたちは、適度な時間になると挨拶を済ませて宿屋の自室へと戻るのであった。
「もう! ケビン君、お母さんと仲良くなりすぎだよ」
「ははっ、ニーナさんの話であそこまで盛り上がるとは思わなくてね」
「お姉ちゃん恥ずかしかったんだよ?」
「久々のお姉ちゃん発言だね。やっぱり可愛いよ」
「……バカ」
その日の晩は恥ずかしがるニーナを抱き寄せて、心地よく眠りにつくケビンであった。
寒い時期に旅をしたくないというティナの要望も、過分にあったことは否めない。
そして季節はめぐり、3月になったところでケビンはタミアを出発するのである。
のらりくらりと乗合馬車を乗り継いでは国境を越えて、ケビンたちはとうとう魔導王国へと入国する。
そこからさらに日にちは経ち、ニーナの実家がある街【リグリア】に到着したのは4月のことであった。
この街は魔導王国の西に位置していてアリシテア王国と近いこともあってか、それなりに栄えている街である。
ケビンたちは早速高級宿の手配を済ませると、長旅の疲れを癒すべくお風呂へとそれぞれ向かった。
その日はのんびりと過ごして、翌日にニーナの実家へと訪れる予定となっている。
「はぁぁ……緊張する……」
「大丈夫だよ。お父さんもお母さんもケビン君をきっと気に入ってくれる」
明日のこともあるため今日は他の女性が気を使い、ニーナと同室になっているケビンは早くも緊張に包まれていたのだった。
「出会った頃はこんなことになるなんて思ってもみなかった」
「それは俺もだよ」
「私、幸せだよ。ケビン君と出会えて本当に良かった」
「そう言って貰えて嬉しいよ」
「ふふっ」
「どうしたの?」
「明日、ケビン君を連れて行ったら驚くだろうなぁって」
「そりゃあ驚くよ。久しく顔を見せていなかった娘がいきなり男を連れて戻ってくるんだから」
「楽しみだね」
その夜は翌日の緊張を少しでも和らげるために、ニーナを優しく包み込んで眠りにつくケビンであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
明くる日の昼頃、ニーナ先導のもとケビンはニーナの実家へと歩いて行く。一張羅を着込んだケビンは道行く人から視線を向けられるも、それを気にするほどの余裕はない。
ずっと一緒に居続けたニーナの両親に会うというのは、クリスやサーシャの時とは違う緊張感を齎していた。
やがて1軒の家先に到着すると、ニーナが言葉を口にする。
「ここが私の生まれた家だよ」
それは可もなく不可もなく極々一般的な家であった。ケビンは今1度深呼吸すると決意をして応える。
「行こうか」
その言葉を合図にニーナが玄関を開けて、家族に戻ってきたことを知らせるため、帰宅の言葉を口にした。
「ただいまぁ」
奥から現れたのはニーナにどこか似ている女性であった。
「あら、ニーナ。そちら様はどなた?」
「私の婚約者だよ」
「あらあら、まあまあ。お父さんに知らせないとだわ」
どの家庭でも同じなのか、母親というものはパタパタと早足で夫の元へ駆けつけて、ビッグニュースを知らせるようである。
「ケビン君、ついてきて」
「お邪魔します」
ニーナは母親の後を追うようにゆっくりと歩みを進めて、ケビンはその後ろをついて行く。
ケビンたちがリビングに入ると父親と母親が待ち構えていた。2人は準備万端のようで、いつの間にやらお茶まで用意済みだった。
「お父さん、お母さん。長い間留守にしてごめんね。今日は私の婚約者を連れてきたの。ケビン君……」
ケビンはニーナの挨拶が終わると1歩前へ踏み出して、ニーナの両親に向かって貴族礼をとった。
「私はアリシテア王国所属のエレフセリア侯爵家当主、ケビン・エレフセリアです。この度は急な訪問にも関わらず対応して頂きありがとうございます」
「「……」」
ケビンの名乗りを聞いた両親はポカーンと口を開いて呆然としていた。それを見たケビンは『まぁ、そうなるよな』と思い、自己完結するのである。
「やっぱり驚いたね」
ニーナはケビンの方を向くと、イタズラが成功したような子供の無邪気な笑顔を浮かべていた。
やがて再起動することに成功した両親は、物凄く緊張した面持ちでお茶を口にする。
そして無理やり落ち着こうと懸命に頑張っている中、おずおずとしながらもケビンに質問したのは母親であった。
「あ、あの……ニーナとはどういった馴れ初めで出会われたのですか? 冒険者なので貴族の方と関わりを持てるようには思えないのですが……」
「私も元々は冒険者なのです。貴族になったのはその後ですね。本職が冒険者で貴族は副業のようなものです」
「貴族が副業……」
「2人ともまずは自己紹介だよ。ケビン君しかまだ名乗ってないよ」
ニーナの言葉に両親は慌てて反応した。相手が貴族なのに自分たちは名乗りすらしていなかったことに気づいてしまい、わたわたとするのである。
「す、す、すみません! 俺……いえ私はニーナの父親になっていた、います、ニ、ニストという名前の男の親でして、母親と暮らして父親をしています!」
完全にテンパってしまった父親の自己紹介は何とも残念な結果に終わるが、ケビンは苦笑いを浮かべつつ対応した。
「落ち着かれて下さい。普段通りの喋り方で無理に取り繕う必要はありません。それで不敬だとは申しませんので」
「本当によろしいのですか?」
母親がケビンに問いかけると、ケビンはそれに答えた。
「構いません。いつも通りでお願いします」
「はぁぁ……良かったわ。貴族の方なんてお相手したことないんだもの。ニーナも意地悪よね、連れてきた男性が貴族の方なんて」
「お母さん、それよりも自己紹介だよ」
「そうそう、そうだったわね。私はニーナの母親でリシアというの。ケビンさん、ニーナはいい子にしているかしら?」
リシアはニストに比べて肝が据わっているのか、おっとりした感じで喋り出すと自己紹介を終えた。
「はい。出会った頃は私が8歳だったので、その頃から弟のように甘えさせてくれます」
「あらあら、ニーナは弟が欲しいっていつも言ってたものね。当時子供だったケビンさんを弟にして可愛がったのね。でも人様の子を勝手に弟にしたらダメじゃない」
「ちょっと、ケビン君にお母さん!」
ニーナは自分へ矛先が向いて恥ずかしくなったのか顔を赤らめていた。
「ふふっ、照れちゃって可愛いわね。そう思わない?」
「そうですね。2人でいる時とかは素のニーナさんが見れて可愛いんですよ」
「あらあら、いつもは違うの?」
「ニーナさんが言うには人見知りして上手く喋れないようで、口数が少ないのです。それが癖になっているようで素の喋り方とは全然違うんですよ」
「そこはお父さんに似てしまったのね。この人もさっきのでわかると思うけどあがり症で恥ずかしがり屋なのよ」
「恥ずかしがり屋なのがニストさんに似て、素の状態はリシアさんに似たのでしょうね」
それからもケビンとリシアのニーナ話は盛り上がり、ニーナは時折何かを口にするが恥ずかしくて終始俯いていた。
ニストは最後まで緊張が取れず、人見知り状態のニーナと同様で口数が少なく大して会話に混ざってこれなかったのだった。
しばらくニーナの実家で過ごしたケビンたちは、適度な時間になると挨拶を済ませて宿屋の自室へと戻るのであった。
「もう! ケビン君、お母さんと仲良くなりすぎだよ」
「ははっ、ニーナさんの話であそこまで盛り上がるとは思わなくてね」
「お姉ちゃん恥ずかしかったんだよ?」
「久々のお姉ちゃん発言だね。やっぱり可愛いよ」
「……バカ」
その日の晩は恥ずかしがるニーナを抱き寄せて、心地よく眠りにつくケビンであった。
0
お気に入りに追加
5,261
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる