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第8章 ミナーヴァ魔導王国

第209話 親善試合 団体戦⑦

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 いよいよ団体戦も最終試合を残すだけとなり、観客たちの盛り上がりは最高潮に達していた。

 誰しもがフェブリア学院側の勝利を疑わなかったところに、まさかのダークホース登場によって、ミナーヴァ魔導学院側が次々と勝利を収めていった。

 彼の登場によりフェブリア学院側は控え室にて言い知れぬ不安の中、出場した選手が次々と敗れ去っていくのだ。

 片や武を見せつけられて降参し、片や戦う前から降参し、そして戦った上でも敗北するという、怒涛の快進撃が繰り広げられている。

 そして今、最終試合を前に観客たちは今か今かと戦いが始まるのを待ちかねていた。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


――ミナーヴァ魔導王国サイド

「お父様、圧倒的強さというものは、何処へ行ったのでしょう」

「……」

 王女の鋭いツッコミに、あれほどまで圧倒的強さと言い放っていた国王は、何も言い返せずに言葉を失うのである。

「【氷帝】が敗れ、【剣帝】が敗れ、あと残る“帝”は1人となりました」

「……俺にも想定外なんだ。まさかあの子供がここまで強いとは思いもしなかった」

 国王の言う通り、誰しもがフェブリア学院側の勝利を疑わなかった。ここ数年はずっとその勝敗が変わらなかったゆえに。

「もしや圧倒的強さというのは彼のためにあるのではないですか?」

「そうかもしれんな。それに、“帝”を冠する者たちとは浅からぬ因縁があるようだ」

「そのようですね、試合前に話していましたから。何を話していたかはここまで聞こえてきませんが」

 王女は自分の求めていた圧倒的強さを身に付けた選手が、よもやフェブリア学院側ではなく、自国の代表者に現れることなど想像だにできず、その代表者に視線を向けて見つめるのであった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 観客たちが盛り上がりを見せる中、とうとう最終試合の選手紹介が粛々と役員によって行われた。

「フェブリア学院大将、3年Sクラス、【賢帝】アイン選手」

「キャー! アインさまー!」

 カインの時と同様に、アインにもまたファンクラブの黄色い声援が送られていた。彼女らの朝イチからの働きぶりは言わずもがな。

 ケビンは、「またか……」と彼女らの声援で呆気に取られていた。

 そして、舞台へと上がってくる選手の対応も、お馴染みのものと化しているのである。

「そういうことか……道理で皆が簡単にやられちゃうわけだ」

 静かに舞台へと上がってきつつアインが独り言ちていた。やがて、ケビンに近づくとアインは声をかける。

「久しぶりだね、その様子だと元気にしていたようだね」

「あなたがカイン兄さんの言っていた人か……」

 ケビンの口から出た意外な言葉に、アインは思わず気になることを尋ねたのだった。

「ん? カインのことは思い出したのかい?」

「1番に思い出してもらうのに拘ってて、恥ずかしい過去を暴露された」

「それはご愁傷さま。カインは後先考えずうっかり口を滑らせることがあるからね」

「あぁ、それで母さんをさっき怒らせたよ」

「カインも相変わらずだね。シーラのことはどうだい?」

 アインはカインの相変わらずな行動に嘆息しながらも、残る妹のことを尋ねるのだった。

「何故か逃げたい衝動に駆られるだけだよ」

「シーラはまだか……それなら僕が2番手になるかな」

「また、恥ずかしい暴露話?」

「可愛い弟相手にするわけないだろ?」

「それは良かった」

「頭痛はしてる?」

「思い出そうとすると、多少はね」

 それを皮切りに、アインはケビンと過ごした日々を事細かに話し始めた。ケビンの反応を見つつ、思い出として残っていそうなエピソードを――。

 2人が会話をしている最中、審判は既に慣れたもので詳しい事情は知らないが、温かく2人のやり取りを見守るのであった。

 周りの観客たちも定番となった前口上に慣れてしまい、早く試合を見たいという逸る気持ちを抑えながら、審判同様に話が終わるのを待っている。

 サラたちは既に試合の結果はわかっているので、サラがケビンの兄姉に関することを知らないティナたちに教えるのであった。

 やがて、アインの才幹によってケビンが思い出すと、アインはホッと胸を撫で下ろすのであった。

 対するケビンはそれとは別で、思い出したかのように試合のことを尋ねるのだった。

「ねぇ、アイン兄さん。試合はどうする? 降参する?」

「降参したいんだけどねぇ。周りの雰囲気が許してくれそうにないよ」

「じゃあ、カイン兄さんと一緒で途中まではやろうか?」

「そうだね。勝てないにしろやる価値はあるからね」

「わかった。審判さん、進行をお願いします」

 試合に関する話が纏まるとケビンは審判に進行を頼み、ようやく最終試合の火蓋が切って落とされるのだった。

「これより最終戦を開始する。両者は所定の位置に」

 ケビンとアインがともに開始位置へつくと、審判が開始を宣下する。

「最終試合……始め!」

「《ライトニングアロー》」

 アインが魔法を発動すると、そのままケビンへ一気に駆け寄り間合いを詰める。

「上手いね」

 対するケビンは、魔法の射程外に出るよりもアインに突っ込んで行くことを選択した。

 予想外の出来事にアインは目を見開くが、ここから退くことは愚策だとして迫り来るケビンに対して冷静に斬撃を繰り出す。

 ぶつかり合う武器の音に会場は大いに沸き立った。対峙するケビンとアインは鍔迫り合いとなり、互いに次の出方を窺っていた。

「《ファイア》」

 いきなり鍔迫り合いの2人の間で炎が灯る。仕掛けたのはケビンでなくアインだった。

 ケビンはすかさず背後に飛び退くが、途中でそれを断念せざるを得なかった。

「《アースウォール》」

 ケビンの逃げた背後に土壁がせり上がってきたのだ。これで意図せず背後に逃げ道を失くしたことになる。

「《サンドストーム》」

 アインは攻撃の手を休めずに次から次へと仕掛けていくが、砂嵐がケビンを包み込むと姿が目視できなくなっていた。

「《ライトニングアロー》」

 砂嵐の中、雷矢が飛来していき次々と突き刺さっていくが、アインはここで気を抜くほど愚かではない。

「《ロックバレット》」

 無数の礫がアインの周囲に放たれていく。それは、ケビンの接近を警戒した全方位の無差別攻撃だった。

 やがて、砂嵐も消えて自然の風により砂塵が晴れると、いるべきはずの場所にケビンの姿がなかった。

 アインは神経を集中させてケビンの探知に取り掛かるが、捕捉することができなくて完全に見失った状態となってしまった。気配探知で見失った以上、頼れるのはスキルではなく五感である。

 アインは僅かな音さえも聞き漏らさないように、全神経を耳に集中させると、周りの音を拾い始める。

 そんな中、観客の誰かが声を上げた。

「お、おい、あれ……」

 音に集中していたおかげか、観客の僅かな呟きを聞き漏らさずに拾うことができた。

 声がした方に視線を流すと、呟いていた者は空を指さしているようであった。それに釣られて周りの者も空を見上げて驚愕で目を見開いている。

 さすがにそこまで見てしまえば、空で何かが起こっていると感じとってしまい、アインは警戒を緩めることなく観客たちが注視している空へと視線を流した。

「……うそ……だろ……」

 空にあったのは攻撃魔法などではなく、空中で佇んでアインを見下ろしているケビンの姿であった。

「俺が本気を出していないとはいえ、中々に危なかった……まさか空に逃げることになるとは俺としても想定外だったよ。さすが【賢帝】と言われるだけはあるね。魔法の組み立て方が上手い」

 ケビンは平然とアインの賞賛をしているが、周りの観客たちは目の前で起きている出来事に呆然とするしかなかった。呆然としてないのはケビンの力を知っているサラたちぐらいである。

 アインとて例外ではなく、あまりの出来事に警戒を強めるどころか呆然としてしまった。

「……」

 目の前で人が空に浮かんでいるのだ。驚くなという方が無理である。跳躍して一時的に飛んでいるのではなく、文字通りに空に停滞して浮かんでいるのだ。

 ケビンは先程の攻撃の中でサンドストームが放たれた瞬間、視界が遮断されて隠れ蓑になったのをいいことに、敏捷値にものを言わせて空へと逃げると、気配を隠蔽して上空からアインの攻撃が止むを眺めていたのだった。

 アインの攻撃がやがて終わり、状況を見て隠蔽を解いたケビンを離れた場所で見ていた観客の1人が気づいたということになる。

「空へと追い込むことができたアイン兄さんに、俺からのプレゼントをあげるよ」

「……プレゼントかい?」

 未だアインは信じられないものを目にしている中で、表面上は取り繕い努めて冷静に返した。

「アイン兄さん、【魔力操作】は当然使えるよね? あと、使える属性は何?」

「【魔力操作】は使える。あと、属性は基本的なものなら全て使えるよ。ある程度までしか使えないから、器用貧乏ってやつだね」

「それなら良かった。それと、器用貧乏でも極めれば有能だよ?」

「確かにその点は否定しないけどね」

「それじゃあ、始めるね。《ファイアボール》」

 ケビンは手元に火球を維持すると、そこへ魔力を流し込み圧縮していき、バレーボール大からソフトボール大まで縮めていった。

「こんなもんかな? アイン兄さん、念のために舞台から下りて離れててくれる? あと審判さんも」

 ケビンにそう言われてアインは素直に舞台から下りていき、それを見た審判も慌てて後を追う。

「《ウォーターボール》と、念のために《遮断結界》」

 舞台上に水球を出現させて停滞させると、舞台を覆うように衝撃を外に漏らさないための結界を張り巡らせた。

「よし……アイン兄さん、今からこれをあれにぶつけるから見ててね」

 アインや他の者たちがケビンの始めようとしていることが一体何なのか注目をしている最中、ケビンは圧縮された火球を水球に向かって放った。

 目に見える速度で放たれた火球は舞台上にある水球にぶつかった瞬間、爆発とともに耳をつんざく爆音が周囲に響きわたった。

 あまりにも大きい音だったために、この場にいる者たちは耳がキーンとして顔を歪めるのであった。

 そんな中、ケビンは地上に下りるとアインに話しかける。

「あーあー、聞こえる? アイン兄さん」

「あぁ、何とかね……耳が変な感じだけど」

「これがプレゼントだよ。アイン兄さんなら頑張ればできるんじゃない?」

「できたところで、使い道がないよね? 僕を戦争にでも行かせる気かい?」

「まぁ、今のは1例みたいなものだよ。魔法も組み合わせ次第だってこと。そういうの考えるの得意でしょ?」

「やりがいはあるだろうね。ところで試合はどうなるのかな?」

 アインの見つめる先には、変わり果ててボロボロとなっている舞台だったであろうものが映し出されていた。

「試合? それならアイン兄さんの負けだよ」

「……え?」

「試合中に舞台の外に下りて地面に足をつけたでしょ? その時点で場外負けが決まったんだよ。俺は空中にいて足をつけてないし」

「……」

 ケビンに突拍子もないことを言われたアインは呆気に取られて、そのまま審判へ視線を向けると何とも言えないような表情で説明をされる。

「大会規定により、勝敗の決め方はどちらかが戦闘不能になるか、降参するか、場外へ落ちて地面に体の一部が触れることとなっております」

「ね?」

「……はぁぁ……【賢帝】である僕を思いもよらぬ頭脳戦で負かすとはね、上手いことしてやられたよ」

「いやぁ、あのままだとアイン兄さんはまだまだ戦えたでしょ? 俺はもうお腹ペコペコでご飯が食べたかったんだよ。ということで審判さん、試合終了を宣言して下さい」

 何とも身勝手な理由で試合を終わらせたケビンに、審判は呆れながらも淡々と勝利者宣言をするのであった。

「……勝者、ケビン選手」

 何とも腑に落ちない終わり方をした最終試合は、観客たちも興奮で騒ぎ出すどころか、腑に落ちず唖然としていた。

 そんな中でもケビンはマイペースを崩さずに、サラの元へと向かうのである。

「母さん、終わったからご飯にしよ。お腹ペコペコだよ」

「そうね、別宅へ戻ってご飯にしようかしら」

「ねぇ、ケビン君。あの舞台どうするの? 個人戦があるんだよ?」

「あぁぁ……そういえばそうだったね。ご飯のことしか頭になかったよ」

「あれじゃあ、もう使えんじゃろ。個人戦は別の闘技場を準備するかの」

「いや、いいよ。元に戻してくる」

 ケビンが再び舞台へと歩いて近づくと、国王はもちろんのこと他の者たちも何をするのか気になって、ケビンの行動に注目するのであった。

 ケビンが舞台際に立って右手を翳すと、舞台を覆うほどの魔法陣が浮かび上がり輝きを放っていた。

「《クロックバック》」

 魔法陣がひときわ輝きを放つと、ボロボロに崩れていた舞台が徐々にその形を変えていく。

 まるで映像の巻き戻しを見ているかのように、欠片がどんどん集まっては引っ付いていき、その姿を元に戻していった。

 その光景を目にした会場内の者たちは、何度も自身の目をこすっては舞台を2度見以上している者がいたり、口をポカンと開けて呆然としている者がいたりと多種多様な反応を示していたのだった。

 やがて舞台は魔法によって元の姿を取り戻した。ケビンはひと仕事終えると、なんてことのない感じでサラの元へと歩み寄るのだった。

「じゃあ、帰ろうか」

 ケビンのあまりにも呆気ない態度に、国王が待ったをかける。

「ケビンよ、何をしたのじゃ!? 儂は驚きを通り越して無我の境地に入るところであったぞ」

「舞台の時間を巻き戻したんだよ」

「……マリアンヌよ、ケビンが時間を操作したと言っておる。儂は耳がおかしくなったようじゃ。きっと、爆発音のせいじゃな」

「安心して。私にもそう聞こえたわ」

「さすがはケビンね! 私の自慢の息子だわ!」

「……サラ……」

 国王と王妃が目の前で起きた出来事に頭を抱えていると、サラはいつも通りにケビンを褒めて、そんなサラを王妃は呆れ顔で見るのであった。

「ケビンよ……お主、大賢者にでもなるつもりか?」

「そんなのに興味はないよ。それよりもご飯食べようよ」

「ケビン様、私もご一緒しとうございます」

「それじゃあ、陛下とマリーさんとアリスが追加だね」

「儂らも一緒か?」

「だって将来はみんな家族だよ。一緒に食べても問題ないよね?」

「そうか、そうか。家族じゃからな、一緒に食べないとな」

「サラ、お邪魔していいのかしら?」

「ケビンが一緒に食べると言うのだし、構わないわよ?」

 こうして国王一家を引き連れたケビンたちは、別宅に戻ってお昼ご飯を一緒に食べるのであった。
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