面倒くさがり屋の異世界転生

自由人

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第5章 交易都市ソレイユ

第141話 お肉の焼き加減

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 翌日、ケンとニーナは、起きてくることはないティナを放っておいて、ギルドへとやって来た。

「グリフォンはAランククエストだよね?」

「そうだよ」

「こうやって見るとAランクは、結構戦いがいのある魔物が多いね」

「基本的に、強者に分類される魔物だから」

「あっ、グリフォンの討伐があった。場所は北の山脈か……」

「馬でも借りる?」

「いや、俺が運ぶよ」

「今回は2人だよ? お姫様抱っこできないよ?」

「2人には俺に抱きついてもらって、そのまま移動する形かな」

「そんなことできるの?」

「できると思うよ。風魔法での移動は慣れてるし」

「それならお姫様抱っこして欲しいな。行きと帰りで交代すれば、2人とも体験できるでしょ?」

「お姫様抱っこがそんなに好きなの?」

「女の子の憧れなんだよ? 夢なんだよ?」

「わ、わかったよ」

 鬼気迫る勢いで迫ってくるニーナに、ケンはタジタジとなるのだった。

 宿屋へ戻ったケンたちは、早速グリフォン討伐へ出かけるため、準備をいそいそと始めだした。

「ティナさん、クエストに行くので起きてください」

「……あともう少し……」

「起きない場合は、ニーナさんと2人っきりで行きますので、後で文句言わないでくださいよ」

「……やだぁ……」

「ティナ、早く起きないと、ケンからのお姫様抱っこは独占する」

「……お姫様抱っこ?」

「移動中は、ケンがお姫様抱っこしてくれる」

「……」

 少しの沈黙のあと、ガバッと勢いよく跳ね起きたティナが、ケンに迫る。

「起きるわっ! ケン君は、お姫様抱っこしてくれるのよね? よねっ!?」

「そんなにいいもんなんですか? たかがお姫様抱っこでしょ?」

「何言ってるの! お姫様抱っこは憧れよっ! 夢なのよっ!」

 ニーナと同じ見解を示すティナに、ケンは、そこまでのことなのかと、理解に苦しむのであった。

 やがて、準備が終わった3人は、ギルドでグリフォン討伐をティナが代表で受けると、街の外までやって来た。

「それで、どちらが最初ですか?」

「私はいつもしてもらってるから、ティナが最初でいい」

「ちょっと待って! 今、聞き捨てならないことを聞いたわ! ニーナ、貴女いつもしてもらってるの!?」

 グイグイ迫り来るティナに、ニーナは軽くあしらう。

「起きないのが悪い。ケンと2人きりのクエストは、いつもしてもらってる」

「ちょっとケン君! 聞いてないわよ!」

「聞かれてないですから」

 ニーナ同様に、軽くあしらうケンであった。

「さぁ、早く行きますよ」

 ヒョイっとティナをお姫様抱っこすると、ティナは、この移動方法が初めてのため興奮してしまう。

(えっ!? キャーッ! ケン君にお姫様抱っこされちゃった! そんな軽々と持ち上げちゃうの!? 私自身、重くないつもりだけど、ケン君って力持ちなのね。ドキドキが止まらないわ!)

「(はぁ……ドキドキする)ねぇ、ケン君。このまま歩いていくの? 北の山脈なら結構距離があるわよね?」

 ここでニーナに悪戯心が芽生え、あることを実行に移すのだった。

「ケン、いつものスピードで行って。私は慣れたし、背中に抱きついてるから」

 ティナの疑問を他所に、ニーナはケンに指示をだす。

「ニーナが背中に抱きついたら、ケン君が歩きにくいんじゃない?」

「ふふ……今にわかる……」

 ケンは、ニーナが抱きつきやすいように地面から少し浮くと、準備万端とばかりに、ニーナはケンの背中に抱きついた。

 ケンは、その際に大きな膨らみが、背中でむぎゅっと形を変えて押し付けられていることに、意識せざるを得なかった。

(柔らかいものが背中に……)

「あれ? 何でニーナは背中に抱きついてるの?」

 身長差的にニーナがケンに抱きついても、後頭部が胸の辺りにくるので、今の状況が不思議でたまらなかった。そんなティナに、ニーナが答えた。

「ティナ、地面を見るといい」

 ニーナに言われた通りに、ティナは地面に視線を落とすと、ケンの足元が地面から離れて浮かんでいたのだ。

「え……? 何で!?」

 絶賛混乱中のティナをそのままに、ケンは、ニーナも浮かせるために、更に高度を上げて出発の合図をする。

「では、出発します。《ウインド》」

 気流を操作して、ニーナに負担がいかないように調整すると、徐々に進み始めたケンの体に、抱かれたままのティナは、状況判断が追いつかず、混乱しまくりである。

「え? ちょっと待って! 何で浮いたまま動いてるの? どんどん速くなってる? え……? 速い……速いよ!? ちょ、ちょっと、ケン君待って! 速い、速いからっ! 速……ぃ……ぃぃぃぃいいやああぁぁぁぁぁっ!!」

 響きわたるティナの絶叫とともに、ケンは街門前からスピードを上げて、あっという間に見えなくなり、その場に残ったのは、木霊する声だけだった。

 しばらくすると北の山脈に辿り着き、ケンが高速移動をやめた。

「到着です」

「ケン、ありがと」

「……」

 慣れているニーナとは別で、ティナは瞳から光を失い、生気のない表情で茫然自失と化していた。

「ティナさん、着きましたよ」

 ケンがティナに声を掛けるも、ティナは全くの無反応だった。

「ケン、ティナを抱いたままグリフォン探して」

「何だか、ニーナさんの時のことを思い出しますね」

「いじわる……」

 ニーナは頬を染めて悪態をつくが、その様が更に可愛さを引き立てていた。

「こうなるのがわかってて、俺に、いつものスピードを出すように言ったのでしょ?」

「私だけ、最初が恐怖体験とかズルいんだもん。ティナだけ、理想のお姫様抱っこなんて、経験させないんだから」

「ニーナさんらしいですね。口調はそれでいいのですか?」

「今は、ティナがそんな状態だから大丈夫よ。心ここに在らずだし」

「それでは、先に進みましょうか?」

「そうね」

 それから、ケンたちはグリフォンの元へと向かうべく、山脈に足を踏み入れた。

 1時間ほど歩くと、山肌が見えているところに、グリフォンがいるのを視認した。

「さてと」

 ケンは戦闘の準備のため、ティナを地面にそっと降ろした。

「あぁん、もっと抱っこしてて良かったのに」

 茫然自失状態から脱却していたティナは、名残惜しそうに、ケンに懇願するのであった。

「今から戦闘なんですから、自重してくださいよ」

「私をあんな風にしたのに、そういうこと言うんだ。へぇー」

「あれは、ニーナさんのリクエストですよ? 何か言うならニーナさんに」

「でも、実行したのはケン君よね? どうなるかくらいは、わかっててやったんだよね?」

「ぐっ……」

「帰りもお姫様抱っこしてくれたら、許してあげるわ」

「それは、ニーナさんと相談してください」

「ニーナは当然譲ってくれるでしょ? 女心がわかってるんだし」

「是非もなし……」

 ニーナはいたずらを誘導した手前、ティナの要望を断るわけにもいかなかった。

 自分も最初は、行きと帰りでお姫様抱っこしてもらった経緯があるので、ティナの気持ちは理解していたのだ。

 初めてのお姫様抱っこが、恐怖体験だけで終わるのは、忍びないのである。

「作戦としては、ティナさんが弓で攻撃、ニーナさんはそのサポートです。俺は適度に剣術で戦いますので」

「わかったわ。ニーナは、グリフォンが地上に下りたら、できる限り飛び立たないように、牽制をお願いね」

「わかった」

 作戦が決まったところで、グリフォンに近づいていき、ティナが弓を引き絞り始めた。

 ティナの殺気に気づき、グリフォンが雄叫びを上げる。

「クルルルルァァァ!」

(ヒュンッ)

 ティナが矢を放つと、グリフォンに向け飛んでいくが、グリフォンがひと足早く飛び立ち、矢は逸れてしまう。

「初弾は失敗ね」

「行きます!」

「サポートする」

 ケンが飛びだし、ニーナが詠唱を始める。ティナは、次の矢を番えて空へ向けて照準を定める。

 次々と矢を放つティナに対して、グリフォンは難なく避けていく。グリフォンの羽ばたきに、魔力の高まりを感じ取ると、ケンは2人に対して喚起する。

「魔法が来ます!」

 グリフォンがひときわ大きく羽ばたくと、風の刃が3人を襲う。ケンは難なく躱してみせるが、残り2人の躱し方が危うい。

 ティナは身体強化があるため、まだなんとかなっているが、ニーナの方は全くの生身である。

 まだBランク冒険者の上、ワンランク上のクエストを受けるには、ステータスや技術と経験的にも早かったと言える。それに気づいたケンは、1番危ないニーナを自分の傍に置くことにした。

「ニーナさんは俺の傍に!」

 ケンからの呼び掛けにニーナが応え、すぐさまケンの傍へと駆け寄った。

「俺が回避しますので、魔法に専念してください」

「わかった」

「ティナさんは、そのまま弓で攻撃です」

「わかったわ」

 そんな中でもグリフォンは待ってくれず、次なる魔法を放ってきた。ケンは左腕でニーナを抱き寄せると、そのまま回避するが、ニーナは咄嗟のことに変な声を漏らしてしまった。

「ひゃうっ!」

「ニーナさん?」

「……ごめん。ちょっと感じた」

 なんとも緊張感のない会話だが、今はまだ戦闘中である。それから3人は攻撃と回避を繰り返し、ようやくグリフォンの翼に、ダメージを負わせることに成功した。

 グリフォンは、翼に傷を負ってしまい地上へと降りてきたが、未だその戦闘力は衰えていない。

「これで空からの、一方的な攻撃はなくなりましたが、まだ油断は禁物ですよ」

「わかってるわ。次はこっちの番よ! 万物を照らす光よ 矢となりて 我が敵を穿て 《ホーリーアロー》」

「やってやる。原初の炎よ 矢となりて 我が敵を穿て 《ファイアアロー》」

 2人がそれぞれ詠唱を始めたので、ケンは、グリフォンを警戒しつつ身構えていた。

 やがて、2人の頭上には、無数の光と火の矢が顕現し、グリフォンに向かって解き放たれる。

 空中への逃げ道を失っているグリフォンは、地上で縦横無尽に回避行動をとるが、物量には勝てず回避仕損じた魔法が、次々とその体に突き刺さっていく。

 しかし、相手は腐ってもAランクの魔物。たったこれだけで殺られてはくれないのだ。

 再び、グリフォンの咆哮が木霊すると、吹き荒ぶ風の嵐がグリフォンを包み込む。

「これじゃあ、弓は使えないわね」

「魔法でゴリ押し。デカいの放つから援護よろしく」

 ケンが見守る中、2人は状況判断をして、次なる手を考え口にしていた。

「なんとかやってみるわ。万物を光よ 魔を穿つ聖槍よ 我が求めに応じ 我が敵を貫け 《ホーリーランス》」

 ティナの頭上には、ホーリーアロー程の数はないが、一つ一つが大きく、それでいて魔力の込められた無数の槍が顕現する。

「任せた。原初の炎よ――」

 ニーナの詠唱が始まると、ティナのホーリーランスが、敵を釘付けにするために、次々と飛来していく。

「――紅蓮の業火よ 焔嵐となりて――」

 グリフォンを纏う嵐が、難なく軌道を逸らしていくが、それを見越して磔にしているため、ティナとしては、避けられても痛痒にも感じなかった。

「――我が敵を包み 灰燼と帰せ 《ファイアストーム》」

 ティナが牽制を繰り返している中、とうとうニーナの詠唱が終わり、高めた魔力に応じて魔法が炸裂する。

 グリフォンの足元から一気に焔が吹き荒れ、天高く火柱を上げた。グリフォンの纏っていた風の嵐が相乗効果を生み出し、ファイアストームの威力を底上げしたのだ。

 その吹き荒ぶ焔嵐の中で、グリフォンは動くに動けず、断末魔を上げながら、そのまま焼かれていくこととなった。

 やがて焔もなくなると、そこには横たえ息絶えたグリフォンの姿があった。

「やった! 勝ったわ!」

「ぶいっ!」

 2人は喜びを分かち合い、ケンの方を振り向くが、ケンは気になることを口にした。

「これ……素材取れるんですか?」

 ケンの指さす方向には、所々炭になっているグリフォンの丸焼き(ベリーウェルダン超え)が倒れているのだ。

「「……」」

「と、とにかく、おめでとうございます。ほぼ後衛職2人の力だけで、Aランククエストの魔物を倒すことが出来たのですから、その観点から見れば大金星ですよ」

 ケンは、あからさまなフォローを入れるが、ティナとニーナは、先程の喜びが嘘かのように、落胆しているのだった。

「ま、まぁ、今回必要な素材は魔石ですから。魔石さえ無事なら問題ないですよ」

 最悪魔石だけならと、更にフォローを重ねるケンであったが、2人には、もう無事な素材があるようなグリフォンには、とてもじゃないが見えなかった。

「魔石が無事な予感がしない……」

「割れてるかも……」

 落胆ぶりが半端ない2人を他所に、ケンは証拠を見せて元気づけようと、形だけならグリフォンである物の解体を始めた。

 焼けていない箇所がない、グリフォンの解体作業はとても簡単で、丸焼きにした肉を切り分けるかの如く、作業はスムーズに進んだ。

 ケンが、魔石のある箇所を探し当てて取り出したのはいいが、最悪の予想通りに魔石は砕けていた。

 残念ながら無事な魔石を証拠として見せる作戦は失敗に終わり、砕けた魔石を見せるという追い討ちを、2人に対して、図らずともしてしまったのだ。

 当の2人は、現物をまざまざと見せつけられて、四つん這いになり落胆するのだった。

 その姿はモノクロとなり、山脈の中で生きる小鳥たちの囀りが、虚しく響きわたる。

「「……」」

「ま、まだ、グリフォンはいるから、次は、魔石が取れるように倒せばいいんですよ」

 ケンの必死のフォローも健闘虚しく、四つん這いから脱却した2人は、体育座りに変更して、しばらく木と向かい合いながら、モノクロを背負いこんで佇むことになった。

 ちょうど良い時間なので、ひとまず気分を変えるためにもお昼ご飯にしようと、ケンは、そのまま捨てるのも勿体ないと思って、グリフォンの焼肉(ベリーウェルダン)を出すのだが、この行為で更に2人を追い詰めることになり、恨みがましい視線を2人から浴びせられる。

「……ケン君、ドSだね……」

「……追い詰め方が、半端ない……」

 2人からやっと出てきた言葉は、ケンに対する恨み言であった。ケンとしては、意識してやっているわけではないが、図らずとも行動が空回りして、2人を追い詰めていた。

「もう! 俺にどうしろって言うんですかっ!?」

「「……慰めて」」

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