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第3章 王立フェブリア学院 ~ 2年生編 ~
第73話 計画の変更
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ケビンが家に到着すると、サラから鋭いツッコミを入れられた。
「ケビン? 血の匂いがするわよ。しかも大量……何があったの?」
血の匂い? クンクン……そんな物しないけど、何故わかるんだ?
「母さんはね、鼻が良いのよ。だからわかるの。どうしたの? 隠し事するの?」
「いえ、血の匂いがわからないから、自分はそんなに臭いのかな? と思って」
「ケビンはいつもいい匂いよ。今日は混じりものの臭いがあるのよ。ケビンは臭くないわ」
「そうなの? それなら良かった」
「で、教えてくれる?」
「学校の帰り道に襲われて、返り討ちにしたんだよ」
『帰り道だけに、返り討ち。ぷぷぷっ!』
『おい、お前は黙ってろ!』
「そう、そうなのね……」
あれ? 母さんが黙っちゃったぞ……返り討ちにしたら不味かったか? これは、怒られるのか? それとも意図的ではないにしろ、サナがウケたネタが思いの外、寒かったのか? それはそれで悲しい結果になるが。
「あ、あの……母さん?」
「ふふふっ。ケビンを襲ったのね……ケビンを……」
あ、なんかヤバい気がする……
「カレン!」
「はい、此処に」
いつもながら何処からやってくるんだ? 全然、気配がわからなかった。
「急ぎ、王都にいるマイケルに連絡を取りなさい。ケビンを襲った下衆な奴らを捜し出すのよ!」
「了解しました」
「あ、母さん。襲った人なら一人残らず殺したから、捜しても死体しかないよ?」
「ケビン、血の匂いが強いから、大人数に襲われたのでしょ?」
「うん、15人」
「それなら、組織だっての動きになるから、黒幕が絶対いるはずよ。捜して無駄な事はないのよ」
「そういうことか……それなら、最後に殺した奴が『上から命令された』って言ってたよ」
「やっぱりね。カレン、掛かりなさい」
「行ってまいります」
その言葉と共に姿を消すメイド長。あなたは一体何者ですか? 謎が深まる一方であった。
「必ず見つけ出すわ。ふふっ、楽しみね」
預かり知らぬところでサラの怒りを買った事を、リーダー格の男はまだ知る由もなかった。知っていたら、絶対に手を出さないであろう相手ゆえに。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
翌日、学院へ到着すると、昨日の出来事で話題騒然となっていた。
「ケビン君、昨日の夕方に路地裏で大量殺人があったらしいよ」
「外出禁止なのに、どっからそんな話題を拾ってきているんだ?」
「外出できる学院部の先輩が聞きつけたんだって。昨日は街中で大騒ぎになっていたから。街中に住んでいる人で、知らない人は居ないんじゃないの?」
俺が帰った後でそんな事になっていたのか。
「余りにも凄い事件だから、衛兵じゃなくて騎士たちが出向いたらしいよ」
あの大して働かない騎士達か。お似合いの仕事が出来て良かったじゃないか。
「一般人は騎士に直接言いに行けないだろ?」
「最初は衛兵が現場に向かったんだけど、事が事だけに騎士隊にも報告したんだって。そしたら、騎士たちが出向いて来て、現場処理を行う事になったんじゃないかな?」
「どうでもいいけどな、そんな事は」
それよりも、その組織にご愁傷様としか言い様がない。母さんが動いてしまったからな。結局、傷を作らずとも襲われただけで動いてしまった。
そんな時、タイミング良くジュディさんが教室に入って来る。
「みんなー席についてー」
いつもの如く席に着く面々。
「えぇ……皆さんも知っての通り、昨日人気のない路地裏で事件がありました。今は外出禁止になっているので安心ですが、外出出来るようになったらくれぐれも人気のない場所へは行かないように。わかりましたね?」
「はーい。」✕生徒数(ケビンは除く)
その日も難なく終わり放課後となった。ストーカーの心配もなくなった俺は意気揚々と帰路に着くのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――とある一室にて。
「お前の部下たちが殺られたそうだな」
豪華な服を着た、恰幅のいい男が問いかける。
「ああ、何処かの冒険者だろ。見つけ次第殺す」
その問いに、ガラの悪い男が答える。
「それよりも、計画の変更を考えないと」
それなりに身なりのいい男が、本題に入ろうとする。
「子供達は何人集まったのだ?」
ローブに身を包んだ男が、ガラの悪い男に聞く。
ガ:「今の所、8人だ。ノルマまであと2人だろ? 9人目を狙ってた時に襲われたみたいだ」
そ:「あと2人はどうする? この際、奴隷で代替するか?」
ロ:「それなりに魔力を持った子供でないと、意味がないぞ。そんな奴が然う然う見つかるのか?」
豪:「儂の方でも伝手を当たってみるとしよう。1人くらいは見つかるやもしれん」
そ:「それでは、その方向性で計画を進めよう。さすがに君1人じゃ攫うのは難しいだろ? 衛兵に顔が割れてるし」
ガ:「ちっ! 確かにな。表立って街中は歩けねぇ」
豪:「話しが纏まったところで、お前の部下たちを殺ったのは、冒険者なのか?」
ガ:「部下たちの中にはBランク冒険者もいた。そこら辺の人間じゃ、まず勝てねぇよ」
豪:「それは確かにそうだな。なら、少なくともBランク以上の冒険者という事か……」
そ:「更には、パーティーを組んでる可能性があるよね? 15人を相手取って短い時間の間で殺すのは、ソロじゃ厳しいんじゃないかな?」
ロ:「確かにそうだな。魔法を使えばソロでも可能だが、使われた形跡はなく、全員斬られて殺されていた」
そ:「じゃ、その線も考慮して探し出せばいいんじゃないかな?」
豪:「という事だ。抜かるなよ?」
ガ:「わかってる。計画を邪魔した犯人は、何としてでも見つけ出してやる」
豪:「では、解散するとしよう。『永久の闇に』」
「永久の闇に」✕3
「ケビン? 血の匂いがするわよ。しかも大量……何があったの?」
血の匂い? クンクン……そんな物しないけど、何故わかるんだ?
「母さんはね、鼻が良いのよ。だからわかるの。どうしたの? 隠し事するの?」
「いえ、血の匂いがわからないから、自分はそんなに臭いのかな? と思って」
「ケビンはいつもいい匂いよ。今日は混じりものの臭いがあるのよ。ケビンは臭くないわ」
「そうなの? それなら良かった」
「で、教えてくれる?」
「学校の帰り道に襲われて、返り討ちにしたんだよ」
『帰り道だけに、返り討ち。ぷぷぷっ!』
『おい、お前は黙ってろ!』
「そう、そうなのね……」
あれ? 母さんが黙っちゃったぞ……返り討ちにしたら不味かったか? これは、怒られるのか? それとも意図的ではないにしろ、サナがウケたネタが思いの外、寒かったのか? それはそれで悲しい結果になるが。
「あ、あの……母さん?」
「ふふふっ。ケビンを襲ったのね……ケビンを……」
あ、なんかヤバい気がする……
「カレン!」
「はい、此処に」
いつもながら何処からやってくるんだ? 全然、気配がわからなかった。
「急ぎ、王都にいるマイケルに連絡を取りなさい。ケビンを襲った下衆な奴らを捜し出すのよ!」
「了解しました」
「あ、母さん。襲った人なら一人残らず殺したから、捜しても死体しかないよ?」
「ケビン、血の匂いが強いから、大人数に襲われたのでしょ?」
「うん、15人」
「それなら、組織だっての動きになるから、黒幕が絶対いるはずよ。捜して無駄な事はないのよ」
「そういうことか……それなら、最後に殺した奴が『上から命令された』って言ってたよ」
「やっぱりね。カレン、掛かりなさい」
「行ってまいります」
その言葉と共に姿を消すメイド長。あなたは一体何者ですか? 謎が深まる一方であった。
「必ず見つけ出すわ。ふふっ、楽しみね」
預かり知らぬところでサラの怒りを買った事を、リーダー格の男はまだ知る由もなかった。知っていたら、絶対に手を出さないであろう相手ゆえに。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
翌日、学院へ到着すると、昨日の出来事で話題騒然となっていた。
「ケビン君、昨日の夕方に路地裏で大量殺人があったらしいよ」
「外出禁止なのに、どっからそんな話題を拾ってきているんだ?」
「外出できる学院部の先輩が聞きつけたんだって。昨日は街中で大騒ぎになっていたから。街中に住んでいる人で、知らない人は居ないんじゃないの?」
俺が帰った後でそんな事になっていたのか。
「余りにも凄い事件だから、衛兵じゃなくて騎士たちが出向いたらしいよ」
あの大して働かない騎士達か。お似合いの仕事が出来て良かったじゃないか。
「一般人は騎士に直接言いに行けないだろ?」
「最初は衛兵が現場に向かったんだけど、事が事だけに騎士隊にも報告したんだって。そしたら、騎士たちが出向いて来て、現場処理を行う事になったんじゃないかな?」
「どうでもいいけどな、そんな事は」
それよりも、その組織にご愁傷様としか言い様がない。母さんが動いてしまったからな。結局、傷を作らずとも襲われただけで動いてしまった。
そんな時、タイミング良くジュディさんが教室に入って来る。
「みんなー席についてー」
いつもの如く席に着く面々。
「えぇ……皆さんも知っての通り、昨日人気のない路地裏で事件がありました。今は外出禁止になっているので安心ですが、外出出来るようになったらくれぐれも人気のない場所へは行かないように。わかりましたね?」
「はーい。」✕生徒数(ケビンは除く)
その日も難なく終わり放課後となった。ストーカーの心配もなくなった俺は意気揚々と帰路に着くのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――とある一室にて。
「お前の部下たちが殺られたそうだな」
豪華な服を着た、恰幅のいい男が問いかける。
「ああ、何処かの冒険者だろ。見つけ次第殺す」
その問いに、ガラの悪い男が答える。
「それよりも、計画の変更を考えないと」
それなりに身なりのいい男が、本題に入ろうとする。
「子供達は何人集まったのだ?」
ローブに身を包んだ男が、ガラの悪い男に聞く。
ガ:「今の所、8人だ。ノルマまであと2人だろ? 9人目を狙ってた時に襲われたみたいだ」
そ:「あと2人はどうする? この際、奴隷で代替するか?」
ロ:「それなりに魔力を持った子供でないと、意味がないぞ。そんな奴が然う然う見つかるのか?」
豪:「儂の方でも伝手を当たってみるとしよう。1人くらいは見つかるやもしれん」
そ:「それでは、その方向性で計画を進めよう。さすがに君1人じゃ攫うのは難しいだろ? 衛兵に顔が割れてるし」
ガ:「ちっ! 確かにな。表立って街中は歩けねぇ」
豪:「話しが纏まったところで、お前の部下たちを殺ったのは、冒険者なのか?」
ガ:「部下たちの中にはBランク冒険者もいた。そこら辺の人間じゃ、まず勝てねぇよ」
豪:「それは確かにそうだな。なら、少なくともBランク以上の冒険者という事か……」
そ:「更には、パーティーを組んでる可能性があるよね? 15人を相手取って短い時間の間で殺すのは、ソロじゃ厳しいんじゃないかな?」
ロ:「確かにそうだな。魔法を使えばソロでも可能だが、使われた形跡はなく、全員斬られて殺されていた」
そ:「じゃ、その線も考慮して探し出せばいいんじゃないかな?」
豪:「という事だ。抜かるなよ?」
ガ:「わかってる。計画を邪魔した犯人は、何としてでも見つけ出してやる」
豪:「では、解散するとしよう。『永久の闇に』」
「永久の闇に」✕3
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